Wave of dimensions — страница 102 из 111


ほう……となると第三都市カルミラと第四都市ノースフェラトは友好都市になるには時間が掛かるって事か。


「その前に仮とは言え、領主様の仲間達にはギルドを設立して欲しいピョン。さあ、玉座に座るピョン」

「あれ? ギルド設立?」


既にギルドシステムは実装されていて顔文字さんはギルドを所持して居るはずじゃなかった?

開拓時に解散されるのか?


「顔文字さんギルドマスターじゃ無かったの?」

「あー……マスターではあったのじゃがな、奴等がわらわを罵倒した際にマスター権限を寄越せと言うので面倒になって渡したのじゃ。その後すぐに姿を消しての。わらわも除名されておった」


と言う事は顔文字さんはフリーな状態だったのね。


「んじゃ改めて設立する事になるわけか」

「ノジャ子は有名だから開拓が終わったらすぐに人が集まるわね」


そう言った姉さんに対して顔文字さんは困った様に苦笑しながら首を横に振った。


「いや、さすがにわらわも大規模ギルドの運営はこりごりじゃ。ギルド管理をするとしても小規模で行こうと思っておるよ」

「そうなのか」

「うむ。正直、島主くらいの親しい者たちとエンジョイ生活をしたいと思っておる。もちろん島主達とも一緒にの」


まあ、ここで知り合ったのも何かの縁、顔文字さんクラスのプレイヤースキルを所持した人が居れば頼もしい限りか。


「もしくはクレイに一任じゃな」

「私はギルド管理はしてないのだけどね。あくまで商人組合としてグループを独自に作ってるだけだよ」

「ここで商人ギルドとしてやるかの?」

「少し考えさせて貰って良いかい? とりあえずノジャくんのギルドには所属させて貰うつもりではあるけどね」


クレイさん達の目的は娘を見つける事だからね。

城の持ち主と親しい関係で居たいのが本音なのだろう。


「うむ。最初の話通り城が欲しいのなら好きに使ってくれて良いのじゃ」

「ありがとう。じゃあ話を進めるけどギルド名はどうするんだい? ノジャさんが固定化されているようだよ」

「そうじゃな……何が良いかのう」

「『m9(^Д^)と愉快な仲間達』はどうかしら?」


姉さんがそう提案した。


対策研究所

それって俺が付けようとしたギルド名とほぼ同じなんだけど……と、言いたくなったのをグッと飲み込んだ。

だって自爆芸になるし……しかしセンスが完全に俺と同じなのがなんか悔しい。


「却下じゃ! 何が悲しくて自らの傷口を抉らねばならんのじゃ!」

「じゃあ顔文字さんはどんなギルド名が良い?」

「そうじゃな……『The豪腕アクセル村』とか『プラド農業組合』はどうじゃ?」


うわぁ……なんだろう。顔文字さんのセンスも中々悪い。

ここはどこのアイドルが開拓している村だよ。

後者に関しちゃ顔文字さんの趣味が全開で出てる。

俺もフィッシング協会って付けようとして却下されたけどさ。


「農業組合はともかく、前者は良いのかい? 私としては君が良いと言うなら否定はしないけど……」


クレイさんが苦笑いしつつ顔文字さんに確認を取る。

拘らない実利主義か? いや、なんか含み無い?


「……ダメなのじゃ」

「そうだろうね」


いや、なんか顔文字さんの事情を知ってるみたいな反応だけど何を知ってるんだろう?


「まあ……アイドルが農業したいから作りましたみたいな名前はどうかと思うよ? 風の噂でこのゲームで参加してるとか聞いたけど、誤解して突撃するファンとか居そうだし」

「そうよね。余計変なの集めちゃうわよ? ノジャ子」

「そ、そうじゃ! アイドルはここにはおらんのじゃ!」


何か顔文字さんが元気よく言い切った。

なんかクレイさんが微笑んでるけど、アイドルなんていないでしょ。


「じゃあ農業組合の方になるわけ?」

「悩ましいのう……ここは協力者であるオルトクレイ達への感謝で直球に『行方不明の娘を探してます』と言うギルド名はどうじゃ?」

「娘さんが名乗り出づらい様に提案する顔文字さんパネェっす」

「なんで下っ端口調になるんじゃ!?」


だってそんな名前で有名になった場合、娘さんはますます出づらいでしょ。


「『ウサウニーを愛でる会』とか『ブレイブペックルとブレイブウサウニーを絡ませ隊』とかどうかしら?」


てりすがなんかぶっ放してる。

なんて言うかてりすの場合は宝石名とかその辺りのネームを提案すると思ったらそっち方面で行くの?

確かにウサウニーは可愛い方だと思うよ?

ただ、なんで後者は腐ってる路線?

ブレイブペックルとブレイブウサウニーを絡ませるって……。

そんなアニマルの森で住民をくっつけようとあの手この手するような怪しげなギルド名はどうなのか。


「ゲームだとネタネームって結構あるけど、実際に参加すると難しいわよね」

「まあな」

「所属する方は困るわね」


なんだかんだこの辺りの名前って悩むよなー。


「てりす、お前が本気で設立するならそんなネタじゃ行かねえだろ?」

「まあねー本気だったら『煌めきの都市』とかにしちゃうわ。キラキラしてて良さそうでしょ?」


やっぱりネタで言ってたんだなぁ。ただ、煌めき……文字は良いけど発音にするとちょっと恥ずかしいだろうな。


「島主のギルド名はディメンションウェーブ対策委員会じゃったな」

「うん」

「では考えるのが面倒じゃし無難に参考にさせて貰って『ディメンションウェーブ対策研究所』はどうじゃ」

「無難すぎない?」

「名前なんて問題が無ければ何でも良いのじゃ」


顔文字さんが考えるのを放棄し始めた。俺もそう思う。

色々と濃すぎるネームだったもんな。


「どうせ島主とは同盟関係で何かあったら誘う関係になるんじゃ。これくらい近い方がわかりやすいじゃろ」

「それで良いなら良いんじゃ無い?」


これまでの案が酷すぎたのでもうそれで良いか。

俺達の方のギルド名と勘違いされてもメンバーとは繋がりがあるだろうし口利きは出来るだろう。


「んじゃ『ディメンションウェーブ対策研究所』っと」


顔文字さんはそう入力して決定した。


「今、この地に居るカルミラ島の島主以外のメンバーは登録されたピョン」


俺はギルドマスターな扱いだから反発してしまうんだろう。

まあ、友好都市設定されてるらしいので協力関係ではあるので問題は無い。

そんで俺達全員の目の前に領地帰還ノ書が出現する。

あ、俺のは名前違いだ。


友好都市転送ノ書・プラド

友好都市プラド草原へと転送出来る。永続アイテム。

倉庫使用不可。


「絆の所でも貰えたアイテムね」

「俺の場合はアイテム名が違うけどね」

「へー、何にしても移動に便利よね」


まあね。


「草原から出ても、いつでも帰って来てほしいピョン。ウサウニー達は領主様達をいつでも歓迎するピョン」


砂漠から草原へと変化したと言うのが言葉からも感じ取れるなぁ。

そう言えばカルミラ島以外にもあるとは思ったけど想像通りの展開になったもんだ。


「後は……開拓をしてくれた島主様からボクに名前を授けて欲しいピョン」

「って流れで元サンタ帽子ウサウニーの命名になるわけだけど、顔文字さんはなんて名前に?」

「何が良いかのう?」


ギルド名、案の段階でネーミングセンスがあまり良くないのが判明してる訳だけど、どんな名前にするかね。


「俺の所のキングペックルはクリスって名前だけどサンタから名付けたなー」

「島主様、クリスにご用ペン?」

「いいや?」


名前を呼んだから反応してきたので断っておく。


「わかったペン」

「サンタ帽子を被っていて妖精という所から考えるとトントゥと言うサンタクロースのお手伝い妖精がウサウニー達のモデルなのかも知れないね」


クレイさんが補足をしてくれる。

へー……そう言えばサンタの手伝いに背後にいた様な気がする。


「場所によってはトムテ、ニッセとも言うそうだけどね」


その辺りから安直に付ける流れかな?


「ノジャ子の事だから『( ゜∀゜)アハハ八八ノヽノヽノヽ』とか名付けるかも知れないわ」

「そんな事せんわ! ワザワザ、チャットで文字を起こしてまで表示するでない!」


姉さんもネタに走るなー。

その場合、爆笑ウサとか言われるようになるぞ。


「そうじゃなぁ……『バーダ』とか『オズモンド』とかかのう。『テオドール』でも良いのじゃ」


思ったより普通の名前が出てきた。


「問題は無いんじゃ無いかな? 名前の由来は?」

「今までやったゲームでの名前じゃな。『テオドール』はこのゲーム内の何処かで見た名前じゃ」


なるほど、ゲームで覚えたキャラクター名なのね。


「顔文字さんはどれが良いの?」

「そうじゃな……『バーダ』がしっくり来るのじゃ」

「それで良いんじゃ無い?」

「なのじゃ! ではこれからお前はバーダなのじゃ」

「わかったピョン! これからバーダと名乗るピョン!」


ちなみに改名もやろうと思えば出来る。


「これで開拓は一区切りしたピョン! じゃあ行くピョンよ!」


ようやく開拓が正式に終わったな。

あー……なんか長く感じたぜ。

早く硝子達に連絡取らなきゃな。


『第六都市プラドが解放されたピョン! ここでは専用育成NPCウサウニーを雇用できるピョン! 第一都市と友好都市カルミラにある港から交流船が出てるのでみんな挙って来てほしいピョン!』


お? 全体メッセージが少し違う。

最初から友好都市設定になるのね。

ん? 第六? つまり第五都市が存在するのか。


「やっと開拓が完了したな。それじゃ早速……」


外界と繋がった事を確認するために硝子達に連絡をするとしよう。


「絆、紡に連絡!」

「え? 硝子にしたかったんだけど……」

「良いからしなさい」

「はいはい」


硝子に連絡するよりも先に紡に連絡。


第六都市

ポーンと紡を個人指定でチャットっと。


「もしもし? お兄ちゃん? いきなり連絡来たけどタイミング的に第六都市の開拓に呼ばれてたの?」

「やーやー紡ー? 俺の友達の領地みるー?」

「紡ー私の友達の領地見る―?」


姉さんもチャットに追加参加している。

おいやめろ。完全に同じ会話パターンじゃないか。


「今度はアンタを仲間はずれにしてやったわ! プギャー!」

「ちょっといきなり来て言う事ソレ?」


確かに……姉さん、誘わなかったこと根に持ってたんだなー。


「硝子さん達、お兄ちゃん居なくなって探してたよ? すぐに開拓地に呼ばれたんだろうって結論になったけどね」

「まあね。俺もすぐに硝子に連絡取ろうとしたら姉さんが紡に連絡入れろって言うからさ」

「そうよーアンタ以外にこんな会話送るわけないじゃない」

「だからっていきなりプギャーって……」


これから顔文字さんを見る事になる伏線だろうか。

意外と細やかな配慮……ではないな。


「お姉ちゃんを仲間はずれにしたのはお兄ちゃんでしょうに」


そうだね。

まあ姉さんをあそこで誘ったら何言われるかわからないからだけどね。


「良いのよ! 私は絆よりアンタの方がむかついたのよ」

「というか、なんで呼ばなかったの?」

「一度呼ぶと呼べないらしいのよ」

「ああやっぱりそうなんだ? そうなんじゃないかって推測はしてたよ」


さすがゲーマー、みんなよくわかってるな。

説明しなくても以前出来た事が出来ないって事はフラグが関わっているとか考えてくれる。


「ただ、アルトさんの例があるからどうなのかわかってなかったよ。いるの?」

「いや、いない。少なくとも呼んでないってさ。その件のアルトは帰ってきたか?」

「ぜーんぜん」


ふむ……アルトは相変わらず行方知れずのようだ。

一体何処に行ったんだ、あの死の商人。


「ロミナさんが育ててたペックルを取られた言ってたよ」

「そこは謝る」

「そこまで困って無さそうだったよ。定期的に返してはくれてたし」


ロミナのペックルは常時呼んだりせずに定期的に帰還はさせてたからな。

これは簡易的な連絡手段でもある。


「硝子はそこにいるか?」

「ううん。私一人でお出かけしてた所にチャット来たからいないよ。硝子さんに連絡しようと思ってた所」


それは何より。

紡と硝子が一緒だったらちょっと気まずい状況になる所だった。


「そんじゃ姉さん。紡への連絡はしたから硝子達に連絡して良いよね?」

「良いわよ」


そんな訳で硝子へとチャットを飛ばす。


「絆さん!」


お、すぐに反応が返ってきた。


「おっす硝子、いきなり居なくなって迷惑を掛けたな」

「都市解放からすぐと言う事はやはり第六都市の開拓地に呼ばれていたんですね」

「まあね。そっちの調子はどう?」

「色々ありましたので説明するのが大変です」


まあ、そりゃああるよね。

俺もこれまでの事を全部話すのは時間が掛かりそうだ。

とりあえず……俺が一番気になる所を硝子に聞いておこう。


「それで硝子、早速で悪いんだけど確認して良い?」

「なんですか?」

「アップデートで行けるようになった水場のヌシはどうなってる?」


俺の質問に硝子は若干の間が発生する。


「アンタ、常時それよね」


後ろで姉さんが何か言ってるけど気にしない。


「絆さんが開拓地に呼ばれた際は行きたくても行けないのだろうと、せめて私に釣り上げて欲しいと思ってそうだと思いまして各地で挑戦しましたよ」

「ナイス! 俺の事分かってくれて嬉しいよ」


親指を立てて感謝の言葉を投げつける。


「しばらくして絆さんのファンクラブの方々が心配してくださいまして、事情を説明したら各地の釣り場に適した仕掛けの助言もして頂いて、時々ですがヌシを釣りました。第四都市の釣り場のヌシは私が最初に釣っておきました」


うっ……あんまり関わりたくない連中だけど硝子に協力してくれた件は感謝をするべきか。

話を聞く限りなんだかんだで良い奴等なのかもしれない。

ノリが良過ぎるって奴なんだろう。


「第四都市を開拓してた方々は釣りはしてなかったようです。後でどの釣り場で何が釣れるのか教えますね」

「ありがとう。持つべきものは心の友の硝子だね」

「なんだか少し引っかかるような気もしますが満足してくださって良かったです」


いやー割と本気で助かったよ。

どこの誰とも知らない奴に釣られる位なら硝子に釣って欲しかったからね。


「硝子さん、絆は本当、釣りしか考えてなくてね。仕事はちゃんとしたけど後はずーっと釣りをしてたのよ? 終いには砂漠やマグマで釣りまでし始めてね」

「……それ、釣れるんですか?」

「もちろん釣ったぜ! まだ釣りきれてないから後で挑戦するよ」


ダンジョンのマグマにいる魚にはまだ挑戦してないもん。

とりあえずラーヴァブルーギルを硝子に見せてやる。

どうだ? これがマグマで釣れる魚だぜ硝子?


「ファンクラブの方が考察にあげてましたけど既に絆さんが釣り上げてるんですね」


ふ……釣りに関しちゃ時代の最先端でありたいものだ。


「ネズミ釣りはしてませんよね?」

「してないよ!」


サソリ釣りはしてしまったけどね。


「まあいいや。とりあえず合流しようか移動する道具があるからカルミラ島にすぐ行ってこっちに来て観光しようぜ」

「わかりました。じゃあ皆さんを呼んでおきますね」

「おー!」


って事で一旦チャットを終わらせる。


「そんな訳で俺はみんなを連れてくるね」

「わかったのじゃ。島主を無断で借りたことを謝らねばならんからのう。茶の準備をしとくのじゃ」

「おー硝子の嬢ちゃん達もここに来るのか、賑やかになるぜ」

「そうねー! 今日は派手にパーティーしましょう!」


顔文字さん達の許可を得てから俺はカルミラ島への帰還の書を使って帰還する。

ちなみにクレイさん達は外で委託していた部下にチャットで連絡しているようだった。

ゲーム内でも商人として顔が広かったみたいだからなー……これからはライバルって事になるのか?

いや、アルトがいないしロミナに相談する事になるか。

なんて思いつつ懐かしのカルミラ島に帰還した。

なんか大砲とか各地に設置してあるような?

ペックル型のグッズもある。


「ただいまー」

「おかえりなさい、絆さん」

「絆殿が帰ってきたでござる!」

「帰還……」


硝子、闇影、しぇりるが出迎えてくれた。懐かしい面々だな。


「お兄ちゃんおかえりー!」

「帰ったわよーちゃんとご飯食べてたのアンタ?」


で、紡と俺が連れてきた姉さんが再会していきなり姉面で接している。

確かに内のパーティーの料理担当が抜けてしまったので穴が恐い所か。


「そこはロミナさんのツテで料理は貰ってたよ」

「ですが絆さんと奏さんがいないと寂しい食事でしたね」


なんとも嬉しい反応をしてくれるね。

それで……装備に変化があるのかと思って見たけど……あんまり変わってないぞ?


「みんな装備更新してる?」

「してますよ。ただ、見た目装備が大分広まっていて、気に入った装備を重ねて使っているんですよ」

「ああ、やっぱりそうなんだ? 俺もやっとの事サンタ帽子から卒業出来たよ」


ずっとクリスマス装備ってのもね。

って喜びを伝えようとしていたのだけど硝子が何故か顔を逸らす。


「時々で良いからサンタ帽子を見せてくださると良いと思いますよ」

「なんで? 硝子、顔を逸らさないで? お願いだから……何が理由なのか教えてくれないかな?」


割と本気で気になる。

それとも俺はサンタコスプレがそんなに似合うのだろうか。


「あー絆ちゃんだー! 絆ちゃんが帰ってきたでござるー!」


闇影じゃないござる口調の奴が遠くで俺を指さして叫んだ。


「緊急! 緊急! 絆ちゃんの帰還を確認! ギルドの皆に報告!」


……絶対にファンクラブの連中だ。

間違い無い。

これで連絡が行き届いてしまうのか。


「絆殿は有名で人気が高い事がいなくなって判明したでござるからな……拙者達もいろんな所で聞かれたでござるよ」

「……そう」


闇影としぇりるがメチャクチャ遠い目をしてる。

なんでそこまで俺に人気が出るわけ? 本気で理解出来ない。


奏爆弾



「やあ、絆くん、おかえり」


で、若干お疲れと言った様子のロミナもやってきた。

いや……ゲームのアバターなんだから表面上は分からないはずなんだけど分かった。

きっと声に元気が無い所為かな。


「ただいま。ロミナ、悪かったね。ペックル借りちゃって」

「そこは問題無いよ」

「それは良かったけど……なんか疲れてる?」

「まあね。アルト君が抜けた穴というか尻拭いに追われててね。子飼いの連中に任せてしまっているのだけど各部署でいろいろとね。鍛冶にもそこまで打ち込めなくてさ」


色々と困っているみたいだな。

なんだかんだでアルトも必要とされていたって事なのかね?


「そもそもアルトの奴、本気でどこに行ったんだろうな? いい加減帰って来てると思ったのにな」

「開拓地……では無さそうだと私も最近思い始めているよ」


そうだよなぁ。

開拓地に呼ばれるのにも条件があるみたいだし。


「まあ何はともあれ第六都市の開放をしたからみんなで遊びに来てくれよ! 色々と手土産もあるしさ」


出来ればロミナに呪われた武器に関して見てもらいたい所ではある。