「後はそうだな……ロミナがアルトの代わりに管理して疲れてるならあっちの管理担当に手伝いをお願いしても良いかも知れない」
「ほう……それは助かるね。誰だい?」
「アルトのライバルで有名な人らしいよ」
「ああ、あの人か。確かに彼なら人柄も良いし信用もあるから委託するのは良いかもしれない。むしろアルト君より信用出来るかな? いい加減彼の代行も面倒なんでね」
ロミナがまたアルトの所為で病み始めている。
アルトの居場所を最低限守るのもそろそろ潮時か。
「みんなの方は何かあった?」
「ここに来る途中で見たと思いますが、カルミラ島と第四都市で四天王の襲撃イベントが発生しましたね」
「ああ、やっぱり? こっちでも来たんだよね」
「開拓中でも発生してるのですか?」
「そう、しかも解放クエストの邪魔までされて四天王討伐をしなきゃいけなかった」
俺はまだやっていないクエストだけど、こっちでやらなきゃいけないんだろうな。
「何にしてもプレイヤーが来るまでの間に第六都市を見に来てくれよ。最初は砂漠だったけど復興した瞬間草原になって緑に覆われてるからさ」
「わかりました。じゃあ皆さん行きましょうか」
「わかったでござる」
「そう」
硝子と闇影、しぇりるは同意してくれた。
「ちょっとした息抜きと委託がお願い出来るか相談するか」
ロミナにクレイさんを紹介しないとね。
「あら? もう行くの?」
姉さんと紡が移動を決めた俺達に声を掛ける。
「まあね。姉さんと紡はどうする?」
「行くに決まってるよお兄ちゃん。ねえ何か目新しい強い装備とかある?」
「品揃えそこまで差は無いと思うぞ? メモリアルクエストで四天王素材を稼ぐとかじゃないか?」
「なるほど、確かに欲しいね!」
ロミナに作って貰うことになるだろうけど、きっと強力な品になるはずだ。
「とはいえプラドで戦ったのはダインブルグだけどね」
「あー硝子さんが大活躍した相手だね。ちょっと素材足りなかったし行っても良いかも」
「そう言えば……セン地方って所、みんな知ってる?」
「はい。絆さんが居なくなってから第四都市が開放された所でプレイヤー参加の解放クエストであっさり開かれました。第五都市ですね」
わー……だから第六都市なのかプラドは。
拠点のうま味ってあるのかよく分からないな。
「ただ、やや辺境風味で皆さん狩り場として厳しい感じです」
「そうなのか」
とりあえず世界が開けてるって程度なのかな?
「難易度が高いところに行けば厳しくなるとは思うけどね」
「ま、後で行くとして早速案内するからな」
「ええ」
と言う事で俺達は合流後、早速プラド草原へと飛んだ。
「ここが絆さん達が呼ばれた開拓地なんですね」
プラド草原に飛んだ俺は硝子達を連れて町へと案内する。
まだプレイヤー達が到着していない空いている今だからこそゆっくりと説明出来る。
「うん。どう?」
「緑がどこまでも続いていて素敵な場所ですね」
「元々は砂漠だったんだけどね。今でも一部は残ってるけど、ほとんど草原になっちゃった」
ここまでガラッと変わる開拓地も中々凄いのではないだろうか。
「町も幻想的ですね。カルミラ島も参考にしますか?」
砂漠に合わせて作られたから無骨な石作りの建物が多いけど草が生い茂ったお陰でそれはそれで味のある町になったと思う。
「リニューアルオープン」
しぇりるがなんか言ってる。
うーん……それも良いとは思うけどかなり面倒な作業になるぞ。
「ここの開拓生物はウサウニーでござるか」
「ああ、俺は変更出来ないみたいだけどな」
「絆さんのギルド員はペックルから変更出来ない様ですよ。変更したい場合は他のギルドに行かないといけない様です」
ああ、そう言った制約があるのか。
リスーカ辺りで検証されたんだろうな。
「相変わらず絆さんはここで釣りをしていたそうですが、どうですか?」
「色々とヌシを釣った。一番乗りだぜ。後で水族館で説明するよ」
「はい。私も絆さんの代わりに釣ったヌシを説明しますね」
「おう!」
硝子は俺を理解してくれるように努力してくれて嬉しいな。
「ここの開拓だと俺は戦闘担当にさせられちゃってさ。俺のプレイヤースキルと運動神経で戦闘とかお笑いだよな」
「アンタがそれだけ馬鹿火力だからでしょう」
「お兄ちゃんが居なくなった瞬間、強くなったら居なくなるフラグって話したよね」
やっぱり言ったか!
死ぬか裏切るんだろう。
「そうでござるな、ここで絆殿が居なくなるとかお約束も良い所でござった」
「そう」
闇影としぇりるも同意か。
「じゃあ俺の火力に大分みんな追いついた感じ?」
「どうでしょうね。個人的にはまだ絆さんが勝ってると思いますよ。そのまま上げていたのでしたら」
あー……狩猟具のスキルは戦闘で条件満たしたのであげてるんで倍率は少し成長してるな。
「何にしても俺は釣りがしたい」
「絆さんは相変わらずで何よりです」
「池と……畑が目立つね」
「ああ、ここじゃ農業がメインで行われてる開拓地なんだ」
「絆は農業に詳しいのよ」
ここで姉さんが補足してきた。
「確かにちょっと仰っていた事がありましたね。どれくらい詳しいのですか?」
「農家をやれるくらいには詳しいわよ、この子」
「イヤでござる! 俺は働かずに釣りをしたいでござる!」
「拙者の真似をしつつアングラなネタを言わないで欲しいでござる!」
だって農業は俺のやりたい事じゃないもん!
顔文字さんに徹底的に教えた後は丸投げしたんだもん。
実際、顔文字さんも法則さえ理解したら上手くやってたしさ。
やっぱりこういうのってやりたい人に任せるのが一番なんだよ。
その方が覚えるのも早いしな。
「姉さん、あんまり弄るとあの件を広めるからね」
ケミカルアシッドボムトマト……通称奏爆弾の事をね。
「言ったら転がすわよ? 絆」
ふっ……姉さんに脅しは通じないか。
むしろ言ったら俺の方がやばいかもしれない。
「なになにー?」
「アンタには絶対に教えないし知ったら転がすから覚悟しなさい!」
紡に対して風当たりが強いなー……まあ、スピーカーだもんね。
次のディメンションウェーブとかで絶対に姉さんからかわれる事になるだろう。
それくらい便利すぎる野菜になった。
「えー……酷いなー。私だって冗談で済むか判断するよ?」
確実に冗談の範疇だろうな。
つまり知られると弄られる事になる。
あの温和なクレイさんやミリーさんまで使っているネタなんだぞ?
「大抵の事を冗談で済ますアンタには知られる訳にはいかないのよ」
「ひどーい」
「まあまあ」
人見知り
「中々悪く無い作りをしている」
ロミナが町並みに関して評価している。
「私としてはこう言った所も悪く無いと思ってる。鉱石とかどんな感じ?」
「カルミラ島で採掘出来るものと、宝石系が多めな印象かな。それと化石が多い」
「ほう……エンシェントシリーズを作るのが大変だからこの地で稼ぐのなら良いかもしれないね」
「エンシェントシリーズの需要は?」
「見た目と性能、共に人気はあるけれど素材を集めるのが大変でね。プレイヤーからすると苦労する一品って所だよ」
ほう……そこまでの代物なのか。
なら後でロミナに余った化石を渡して武具にしてもらうのも良いかもしれない。
ミリーさんが渋い顔しそうなので相談してからだけどね。
「……」
で、しぇりるは相変わらず何考えて居るのかよく分からない顔をしてるな。
そういえばしぇりるは冒険が目的な所を考えるとミリーさんと仲良く出来るかもしれない。
好みの部分は異なりそうだけど話は通じるかも。
「絆……帰ってきた」
「ああ」
「いろんな所にもっと出かける」
「そうだな。いきなり閉じ込められちゃったからみんなで出かけようとは思ってる。知り合いも増えたし出来る事が多くなるな」
「……」
しぇりる? なんか微妙に反応が違うような気がするな。
一体どうしたんだろうな。
そんな感じに雑談をしながら俺達はプラド草原の城へとみんなを連れてきた。
道中の畑や建築物は大体見て貰ったしこれからも発展はするだろうしな。
近隣の狩り場とかアクセスする道とかも出来ただろうし行く先は増えた様なもんだ。
もちろん次のディメンションウェーブイベントで更に拡張していく流れでもあるだろう。
「そんでここが城。俺は同盟関係って感じで簡単に入れる」
「じゃあ色々と紹介するわよ」
「そういや姉さん、今はそっちのギルド員扱いだけど正式にはどっちのギルドに所属するの?」
「行き来する予定よ。どうせ協力関係になるんだし」
まあ、顔文字さんが協力してくれるし、大規模ギルドにはしない少数精鋭ギルドにするって話だったからね。
「そんじゃご対面と行きますか、俺を呼んだからって恨まないでね」
「分かってますよ。折角の出会いなんです、無意味に波風立てたりしませんよ」
「拙者、たぶん喋らないでござる」
おい忍者、最初からコミュ障を主張はいかんぞ。
いるよな。新しい出会いとかをした際に何も喋らず背景化する奴。
堂々と人見知りするってのも逆に清々しい。
「……」
で、人見知り二号のしぇりる。
「絆くん達の話だと知っている人だろうから私は気楽なところだね」
ロミナは逆に顔が広いから助かるか。
「お? 来たかの?」
で、城に入って集まっている顔文字さんの所に行って片手を上げて報告した。
結構人数がそろい踏みだね。
「うん。ただいまーみんなを連れてきた」
「うむ。此度はカルミラ島の島主の絆とその姉である奏を開拓に巻き込んだ事をここに謝罪するのじゃ。誠に申し訳ないのう」
ペコッと深々と顔文字さんは硝子達に頭を下げた。
「貴方は……なるほど。いえいえ、こちらこそ絆さんと奏さんがお世話になりました」
硝子が丁寧に返す。
「道中で色々と話は聞いたよ。大変だったようだ。私の育てたペックルが役に立ってくれて何よりだ」
そんでうちのギルドの商売担当のロミナが硝子のフォローに入る。
「知っておる者もいるとは思うが改めて自己紹介じゃ。わらわはこのプラド草原の領主にしてギルド、ディメンションウェーブ対策研究所のマスターじゃ。プレイヤーネームに関して自業自得じゃが多大に不満を持っておるので語尾のノジャか顔文字と呼んでくれると嬉しいのう」
「そうですか、では改めまして、箱庭硝子です。よろしくお願いしますね。顔文字さん」
硝子と顔文字さんが自己紹介をしながら握手を交わす。
どうやら顔見知りではあったようだ。
まあ……俺と出会うまでは硝子も色々と活動的に動いていた訳だから前線組のトップをしていた顔文字さんとは話をしているのも当たり前か。
「あ、プギャーwwwちゃんだったんだ? やっぱりそっかー」
おい紡、お前顔文字さんの地雷を思いっきり踏み抜いていくな。
いちいちワラワラワラって奴まで付けるなよ。
煽り散らかしているみたいになってるぞ。
「よ、よろしくなのじゃ。その名で呼ぶのはやめてほしいのう」
顔文字さんがちょっとムッとしてるよ。
しかし……よく考えると顔文字さんの一人称である「わらわ」って所も被ってしまってるんだな。
ある意味因果なものか。
「おっす、俺はらるく、ワラの嬢ちゃんのギルドに所属してるぜ。絆の嬢ちゃんにも説明したけど趣味はクエスト探しだぜ。こっちはてりすってんだ」
「よろしくねーあんまり地で行くと絆ちゃんたちの所だと引かれちゃうからてりすそこそこのテンションで行くわね」
で、らるくが軽く自己紹介をしてくる。
コミュ能力高いなー。
てりすも自重してくれて何より。
出来れば接客モードをデフォルトにしてほしい。
メッキが剥がれるみたいにキャピキャピなんだけどさ。
まあ……これでも結構妥協してくれているのは分かる。
本当はギャルって感じだし。
「よ、よろしくでござる」
「……よろしく」
闇影としぇりるは物怖じしながら軽く挨拶した。
なんだろう。このまま放置しておくと距離が絶対に縮まないような気もする。
「そういえば闇影の嬢ちゃんが絆の嬢ちゃんのギルド所属だったな。仲間と合流出来てよかったな」
「そうでござるな」
ん? 闇影の物怖じが少し弱めか?
「知り合い?」
「絆殿に仲間はずれにされて死神と呼ばれてた頃に、指さす人から庇ってくれたでござるよ」
「ほー、さすが大人」
それは好感度アップだ。
ただでさえ顔文字さん陣営の年齢は高めなんだ。
精神も含めてな。
それに加えて友人を庇っていたなんて好感度上がるだろう。
「あれは色々と酷いからよ。意味もなく絡む連中に腹が立って注意したんだよ」
まあ、らるくって結構面倒見というか卑怯な事は嫌いそうだもんな。
なるほど闇影とも接点があったのな。
しかし闇影と知り合えるとは相当に顔が広いな本当。
「あの頃は大変だったわねー闇影ちゃんが行方不明にならなかったらてりす達が保護しようと思ってたくらいよ」
「色々と助かったでござる」
なるほどなーらるく達は本当、その辺り大人な対応だな。
「ま、これからよろしくな! マジで絆の嬢ちゃんは目を離すと希少なイベントを見過ごす事になるからゲームを楽しむなら凝視してねえといけねえな」
「絆さん」
硝子が相変わらずなんですねって顔で俺を見てくる。
ちょっと笑顔なのがまた、嬉しいのか恥ずかしいのか微妙な気分になってしまう。
「ち、違うんだ。地雷みたいに変なイベントに巻き込まれるだけで」
そうだったロミナに呪われた武器を見てもらわないといけない。
ただ、その前に妙な誤解をしているのを訂正しないと。
「絆さんの場合はそれで良いとは思いますよ。どうにも絆さんしか出来なさそうなイベントがあるんじゃないかってファンの方々が見つけた情報も聞いて居ます」
「なにそれ?」
「後で話しますよ」
凄く嫌な予感しかしないぞ。
接待ネトゲじゃないから!
「その時は絶対に教えてくれよな!」
らるく、俺を見世物にしない。
「よろしくー」
「紡の嬢ちゃんもよろしくな」
「同じ鎌使いとして負けないよー」
「おうよ!」
紡と同じ武器種使いだもんならるくって。
「……戦力としては紡よりらるくの方が良いな。鎌を使う奴なら」
「えーどういう意味ー?」
「人格でしょ。アンタは失言が多すぎるのよ」
うん。紡は刹那的な楽しみを持ちすぎなのが問題なんだ。
それならコミュ能力の高いらるくに戦闘を任せたいってね。
ちなみにらるくは戦闘以外の工作系だとパッとしないなぁ。
てりすと一緒に細工をしてるらしいけどあんまり本気で打ち込んでいるようには見えない。
なんだろう? 戦闘の方が好きでお喋り好きって鎌を望む傾向でもあるのか? このゲームだと。
まあ……良いか。
で、残りはクレイさん達な訳だけど、ちょっと離れた所でチャットをしている。
あれかな、外界で任せて居た配下と情報交換でもしてるんだろう。
そう思ったら切り上げてこっちにやってきた。
友達アピール
「――!!」
それで、なんか闇影が人見知りしてるのか眉を寄せてそれとなく距離を取る。
「やあ、自己紹介は進んで居るようだね」
「ええ」
「久しぶりですね」
ロミナがクレイさん達に声を掛ける。
「やあ、君はロミナさんだったね。君の腕はいろんな人から聞いて居るしお世話にもなっているよ。此度でも色々と助かったね」
「それはどうもありがとうございます。こっちの商人が妙な対抗心を抱いて居ましたのであんまり深く話が出来ずに申し訳ない」
なんか二人とも会話が固い。
まあ……どうにも商人関連が得意な奴等の特徴みたいなんだけどね。
「ロミナ、アルトが居なくて色々と困ってるんだろ? クレイさんに管理の手伝いして貰えば?」
「そうだね。いい加減、帰ってこない商人を待って私が本業の鍛冶に打ち込めなくては本末転倒な所なんでね。依頼出来るかな?」
「その辺りは得意としている事だから問題は無いよ。まあ……彼は手段を選ばず手広くしすぎて居るのである程度、モラルのある範囲での活動になってしまうけど良いかい?」
「むしろそれくらいが丁度良い。まったく……と嘆きたくなるような酷い事にも死の商人は関わっていたのでね」
ロミナがクレイさんと何か同意している。
「アルトってどんな商売してたわけ? 闇の方だとさ」
「うーん……そこは絆くん達に言うのは憚られると言うか……」
なんかロミナが言葉を選んで来るなぁ。
どんな事をアイツはやらかしてたんだ?
そこに対してクレイさんが朗らかに笑っている。
こういう笑い方をする時はいたずら気分でいるのわかってきてるからね? クレイさん。
「こう……このゲームは健全であるのは絆さんもわかっているだろう? お酒とかね。料理酒以外は無いし飲んでも状態異常で酩酊は無いんだ」
「まあ……そうだね」
闇影と意気投合した時は空気に飲まれて愚痴合戦しただけだしね。
「それでも参加者には大人な人も多い。数年に渡ってプレイする中でそういった事もなく、ずっととなると我慢できない人も出てくるだろう?」
「……」
何を言いたいのかなんとなくわかってきたような気はしてくる。
「要するに出来ないけど恋愛とお酒、それと宿での過激なトークを行う店なんかもギリギリのラインで行われているんだ」
うわぁ……あいつ、想像以上にやばいな。
「幸いなことにゲームだから美男美女揃い。一緒に飲んで宿で過激なトークと運動って事だぜ」
「親しい間ならやっても楽しいのかもしれないけどねー。てりすもある程度理解はできるけどお店にするのはどうなのかしらねー」
らるくとてりすが間に入ってきた。
とにかくあの野郎! なんて店の元締めをしてやがったんだ!
その手の店の管理をクレイさんはしないよ、それでも良いかい?
って聞いて来たのね。
んなもん潰せ、ロミナはノータッチで良いだろ。
「人気の衣装は着物とドレスだとか激しくどうでも良い装備発注が来た時は私にどうしろと言うのかと子飼いの商人に問い詰めたよ」
ロミナ、俺と硝子を見ないでくれない?
「……ファンクラブの連中に制裁を与える時か?」
「メンバーがそのような事をした場合は制裁対象だそうだよ。健全をモットーにしてるそうだから」
逆に制裁してるの!?
一体どんな組織なの? 俺のファンクラブって? 本気でわからん。
「まあ……あっちはあっちで絆くんと硝子くんが装備している衣装によく似た服を着るプレイヤーへの風当たりが強いんだけどね。絆ちゃんと硝子ちゃんを真似るのは有罪とね……」
「悪い人たちじゃないのは分かるのですけどね……」
硝子もなんか顔を逸らしてる。
一体何があったんだよ?
「アンタ……ファンがいるって大変ね」
「アイドルというのは本当なんじゃな!」
「俺はアイドルじゃねえ!」
「むしろノジャくんは絆くんを誘拐した主犯として付け狙われる可能性があるので注意が必要だよ」
「ストーカーか! ヤバいのじゃ! どうしたら良いのかのう?」
「素直に投降して罵倒を受け入れるって所じゃないの?」