Wave of dimensions — страница 11 из 111


出航前、硝子に向かってしぇりるが近場で練習すると言っていたのを思い出す。

しぇりるさん、まさか分かっていたのか?

気付かれない様に視線を向ける。

するとしぇりるは相変わらず感情の読めない表情をしていた。

まさかな。


「しぇりるは船上戦闘スキルどれくらいだ?」

「熟練度124でレベル3。絆は?」

「レベル……は分からないが、ランクⅡだ」


スピリットは種族柄、他の種族とは違うという事なのだろう。

正直、熟練度だのレベルだの言われても今一分からない。

憶測だがレベル3はスピリットでいうランクⅢの事を指すのではなかろうか。俺達スピリットは船の上での滞在時間だが、レベルの場合条件が違ったりするのかもしれない。


「絆さんが船の上で迅速に行動できるのはスキルのおかげなのですか?」

「ああ。取得条件は船の上で12時間経過だ。取得するか考えておいてくれ」

「12時間ですか……短い様で長いですね」


取得する気マンマンの硝子は取得条件を聞いて少しがっかりしている。

確かに12時間は夜目と比べると比較的に条件は軽いが、ちょっと長い。


「にしても闇影はなんで落ちたんだ? ドレインを詠唱していただけだろう?」

「それが自分にも理解できないでござる。気が付いたら海に落ちていたでござる」

「……詠唱で意識が足にいかなかったのかも」

「あーありえるな……」


結構船の揺れは無意識にバランス取っているからな。

詠唱が仮に全意識を使う、みたいに設定されていたら転がって海に落ちる、なんて事も十分考えられる。

この辺りは船上戦闘スキルで補えるのか? 補えると良いんだが。

というか補えなかったら船の上で魔法スキルが死んでいる事になるぞ。

無論、誰かが支えて魔法を唱えさせるとか仮案はあるが、現実的じゃないよな……。


「絆さん!」


う~んう~んと思考していると突然硝子に話しかけられた。

振り返ると目が輝いている。何か名案でも閃いたか。


「絆さんが私と闇子さんの手を握って戦うというのはどうでしょう!」

「……え?」


いや、どんな戦い方だ。

そりゃ足を引っ張られた硝子の安定を保つ事はできる。幸い硝子の武器は片手で使える扇子だ。更に闇影の詠唱による海落下防止もできるだろう。

だけど……仲良くお手々を繋いで戦う。

かっこわるくね?

……待てよ?


「それで大丈夫なら、闇影をマストに吊るしておけばドレイン使えるんじゃね?」

「とんでもない事言っているでござる!」

「いや、固定砲台的にさ。この際張り付けでもいいぞ?」

「もっと悪いでござる!?」

「……ダメ。景観が損なわれる」

「しぇりるが言うならしょうがないな」

「釈然としないでござる!」


まあ冗談はさて置き、真面目に考えよう。

かっこ悪いとは思うが二人の手を握って戦うのも無理な手段ではない。


「そういえば後ろにバリスタがあるけど、あれは使えないのか?」

「使える」

「じゃあそれを使うというのはどうだ?」

「お金が掛かる」

「金か~……」


船の材料を買い漁った所為で俺も少々心許ない。

話によればバリスタの矢は弓矢の物より高額らしいので悩み所だ。


「しょうがないな……二人には船底で漕いでもらうか……」


ボソっと呟く。

さっき船内を覗いたら船底に押して漕ぐあの機材……名前知らない――があった。

あれを硝子と闇影に押させて俺としぇりるで12時間戦えば良いだろう。


「何がしょうがないなんですか!」

「ポジションが完全に奴隷でござる!」

「ちっ! 気付かれたか」


結構小さい声で呟いたつもりだったが聞こえてしまった。

まあ四人で乗れるとは言っても、この至近距離で聞き漏らしたらそいつは難聴だが。

しかしだ。

お手々を繋いで戦うとか、こう恥ずかしいじゃないか。

と訴えたのだが……その後数分の口論を挟んで。


「はぁ……分かった、かっこ悪いけど硝子の案で行こう」


結局妥協して頷いてしまった。

まあさすがに奴隷計画は自分でもナンセンスだと思うけどさ。


「はい!」

「絆殿が良い主で自分嬉しいでござる」


現金な奴等だ。

特にダークシャドウさんの方。

ん?

何か変な気配を感じてしぇりるの方を向くと初めて表情らしい不敵な笑みを浮かべて。


「……次ヘマしたら奴隷」


しぇりるさん怖いっす。

ともあれ仲良く手を繋いでの戦闘はさすがにアレなので、俺が二人を支えるという手段を取る事になった。というかさせた。



「硝子、このまま防ぎきれるか?」

「やってみます!」


作戦通り俺が二人を支えるという手段で戦っていた。

現在俺の左手には無防備になった闇影がドレインを詠唱している。

この間硝子を無闇に攻撃などで足を使わせると落ちてしまう可能性もあるので、前衛が硝子で敵の攻撃を扇子でいなし、俺が闇影の詠唱を支えて、ドレインが発動したら解体武器を片手に硝子のサポートに入るという、少々厳しい戦略を実践している。


敵はブレイブバード。

大型の鳥型モンスターで船の半分位の大きさだ。

属性は知らないが身体に赤い線が入っている。ちょっとかっこいい。

以前俺が戦った時は不利を悟って逃げ出したが、パーティーでならある程度戦えている。

今は硝子と闇影が船上戦闘スキルを所持していないが、取得が完了すれば二人でも相手できそうだ。

そうこう考えている間に硝子はブレイブバードの攻撃を扇子で受け止め、そしていなし、反動の少ない突きを繰り返している。

まだか? と焦りの表情で闇影を見ると丁度ドレインが完了したらしく。


「ドレインでござる!」


そんな声と共に黒色のエフェクトが高速で飛んでいきブレイブバードに命中、体内から緑色の粒子が闇影に戻ってきた。

何だかんだで魔法ダメージなのを含め、エネルギー計算のほとんどを注ぎ込んでいるドレインの威力は高い。

本音を言えばもっと火力の高い闇魔法を使って欲しい所だが、闇影のこだわりの様だし、俺達は何も最強を目指している訳ではないので楽しみを奪いはしない。

なにより最強云々を言い出したら俺なんかは相当弱いしな。


「闇影、次は硝子だ。攻撃を受けない様に待機していてくれ」

「承知でござる!」


ああ、実に歯痒い。

これが陸地なら二人の猛攻は順番など無く、打ち放題だと言うのに。

だが、そうも言っていられないのでアイアンガラスキを片手に硝子の近くまで接近する。


「行けそうか?」

「はい。充填量もかなり良い状態なので行けます」


硝子の扇子を確認すると発光はかなり強くなっていた。

戦闘方法の関係、闇影が詠唱している間はチャージ時間が長くなる。

つまり硝子から発せられるスキルダメージも大きくなる。

まだこれがあるので、最悪の状況とは言えないな。


「じゃあスキル後の隙はこっちで解消する。頼むぞ!」

「はい! 乱舞三ノ型・桜花!」


白色に光っていた扇子が淡いピンク色……桜色に変わる。そして桜の花弁が散るかの様なエフェクトが発生すると扇子が開き、勢い良く切り裂いた。

さながら『一閃』とでも表現したくなるが、あの線が攻撃範囲なのだろう。

つまり現状ブレイブバード一匹相手に戦っているのでベストな攻撃ではないが、チャージ時間に相応したダメージが期待できる。

そして勢いを付け過ぎた硝子の足がよろめく。


「おっと」

「ありがとうございます」


それを受け止めて体勢を整えるのが俺の仕事だ。

直様硝子はブレイブバードに向き直る。

が。


「おい……逃げたぞ」


ダメージ量が一定に達したのかは不明だがブレイブバードが突然急上昇を始めた。

あっという間に空の彼方へ飛び立っていく巨鳥。

え? 今までの苦労は全て無駄という事か?


――ピシュンッ!


そんな金属を滑らせた様な音が背後から聞こる。

振り返るとしぇりるが相変わらず無表情ではあったが、船後方にある物体を握っていた。

そう、バリスタだ。

矢一発が程々の額のする、あの兵器。

俺の頭は直に状況を理解した。

しぇりるはバリスタで追い討ちを掛けたのだろう。

その証拠に空へ目を向けるとブレイブバードが落下を始めている。

ステータス画面を眺めるとエネルギーが700も増えていた。

つまり倒した、という事か。


「どうにか行けるな」

「そう」


相変わらず口癖を呟くしぇりるを横目に考える。

四人で700エネルギー。

パーティー補正も入っているが、正直相当美味い。

無論、現状では数を狩るのは不可能なのも事実だが、それでも常闇ノ森よりエネルギー効率は良い方だ。要するに一匹一匹の獲得量が大きいという事か。


「海、経験値的にどうだろう」


元前線組で美味しい狩り場に詳しい硝子に訊ねる。

もっと効率の良い場所はきっと沢山あるだろうが、ブレイブバードは海のモンスター群の中でも弱い方だ。中々評価も良いんじゃないか?


「……考えていたよりも多いです。私が前線にいた頃戦っていた化け物さんと同等なのではないでしょうか」

「そりゃ良かった。船作りだの、戦闘方法だの、あれだけ苦労して不味かったらどうしようもないからな」

「ですが、ここはまだ海の中では始まりなのですよね? 一体この先はどうなっているんですか? 正直、これで弱い方と言われると疑問しか浮かびません」


硝子の言い分も頷ける。

さっき硝子は前線にいた頃と同等と言った。

つまる所、ブレイブバード程度の経験値が前線の獲得量という事になる。

無論、殲滅力などの差は当然あるが、少なくとも俺はブレイブバードよりも強い敵を何匹も知っている。

だが、そこから出てくる答えは不安ではなく……。


「だから、気になるんだろう?」

「……そうですね。あの先に何があるのか全くの未知数ですもんね」


それは期待。

冒険心と例えても良いかもしれない。

解らないから行って見たいという凄く単純な欲求。

俺としぇりるに限らず、硝子にもこの気持ちが理解してもらえるなら嬉しい。

あの水平線の向こうに何があるのかわからない。

だからこそ、行って見たいと思った。


「まあでも今は海に落ちたアレを拾って俺達の金になってもらわないとな」


今はまだ、その時ではない。

俺はしぇりるに解体武器の事情を話した。

同じ狩り場で戦っている者が誰もいないのだから隠す必要も無い。

こんな感じで俺達は船上戦闘スキルが出現する12時間もの間戦い続けた。



そして。

俺達はまだ知らない。

災いが刻一刻と近付いている事に……。


ディメンションウェーブ-始動-

ソレが起こったのは俺達が海で生活を始めてから一週間程経った頃だった。

硝子も闇影も船上戦闘スキルを習得して、遠くへ来られる様になった頃……。


「大分沖まで来れる様になってきたな。そろそろもっと先に行ってもいいんじゃないか?」

「そうですね。近頃は陸地よりも船の方が動き易く――」


言葉を途中で止め、硝子は直前までの柔らかだった表情を変えた。

そして海、第一都市の方向に振り返る。

釣られて何かあるのかと俺もそちらを向くが、これといった変化はない。


「どうしたんだ?」

「いえ、風が前からも後ろからも来るので少々気になって」

「確かに、変……」


しぇりるは船の帆を指差して言った。

確かに帆が変な動きを繰り返している。


「どうしたでござるか?」


船の先頭で警戒をしていた闇影が疑問を浮かべている俺達へ近付いて来る。

俺は硝子としぇりるの話を伝えようと言葉を紡ぐ……よりも前に事態は動いた。


「これは……行けません! 絆さん!」


突然硝子が俺を抱きかかえて手短にあった帆に繋がるロープを強く掴んだ。

どうしたんだ? そう訊ねようとした直後。


――ギギギッ!


何かを押し開くかの様な、不快な音。

単純に耳にクル音だ。

痛み、と例えてもいいかもしれない。

近い音というと黒板などを爪などで引っ掻いた音だろうか。

その音を何十倍にも不快にした。そんな音だった。

そして……。


――バリンッ!


鼓膜を破るかの如く、ガラスを地面に落とした音。

方向は硝子が指摘した風がした場所、第一都市の方角。


「なっ!?」


瞳に映った光景。

現実では決して起こらないであろう空間その物にヒビが入った様な黒い線。

直後。

爆発と例えて差し支えない突風がヒビの方向から発生した。


「くぅっ!」


硝子から苦痛に似た声が響く。

それもそのはずだ。爆風が船に直撃したからだ。

船の帆が強く靡く……いや、船その物が浮いている。

それ位凄い風だ。

テレビで竜巻の映像を見た事があるが、それに匹敵するかもしれない。

水飛沫が舞い、辺りは直前までの平和な海を地獄に変えている。


「闇か――」


闇影、そしてしぇりるが爆風に飛ばされていく。

声は暴風で聞き取れなかった。ゲームの仕様上死にこそしないだろうが、人が風に飛ばされていく……トラウマになりそうだ。


――


――――


―――――――


どれ位経っただろうか。

一分か、あるいは数十分か。

時間の感覚が曖昧になり、暴風が収まったのは、それ位経ってからだった。


「……絆さん。大丈夫……ですか?」

「あ……ああ」


硝子の声を聞いてやっと風が止んだ事を実感したのだから相当だろう。

辺りを眺めると俺達は船の上にいた。

帆船その物に被害はないが、海は木材などが浮かんでいる。

これがゲームだという前提が無ければ第一都市から飛んできた、と考える所だ。しかしこれはゲーム。おそらくそういう演出だと思われる。


「ダメージはありませんか?」


ダメージ?

俺は直にステータス画面を表示させて自身の状態を確認する。

幸いどこも異常はない。

暴風が起こる前と何等変わらない状態が映っていた。

いや、そもそもダメージはないか、という質問はおかしい。

まるで自分にはあったかの様な言葉だ。


「硝子にはあるのか!?」

「いえ、500程受けただけで、それ程大きい物ではありません」

「それは良かった。いや良くはないか」

「あれだけの事があったんですから、500で済んだのは不幸中の幸いと言えるでしょう」

「……そうだな」


安堵の息を吐く。

これが千だの万だの言われたら大変だった。


「しかし、今のはなんだ」

「絆さん空を見てください」

「空……?」


見上げると赤。赤い色が瞳に映し出される。

ワインレッドに染まった空。

血に似た色が頭上を染め上げていた。

不安になる色。不気味な雰囲気を醸し出している。

俺は呆気に取られた表情で唯それを見上げていた。

それは俺だけではなく、硝子も同じだ。

いや、今はそれ所じゃない。


「硝子、それよりも闇影としぇりるが先だ」

「そ、そうですね!」


先程風に飛ばされるのを目撃している。

海に落ちたなら風は多少防げるだろうが、闇影は泳げない。

そうなるとダメージを多く受けてしまうだろう。

スピリット的には可能な限り軽減してやりたい。

俺は船の周りだけでなく、遠くも眺める。

あの風じゃあどこまで飛ばされたのか皆目見当も付かない。

……二人とも、無事でいてくれよ。


「いました!」

「本当か!?」


硝子の指差した方向を眺めると浮かんでいる影が見えた。

俺は舵スキルを直に習得すると帆船を動かし始める。

今はエネルギーだの、マナだの言っている時じゃない。


「大丈夫か!」

「……ん。ヤミも一緒」


さすがに今まで舵を担当していたしぇりると比べれば拙い動きだが、船を近づける。

すると確かにしぇりるは闇影を抱えていた。


「しぇりるさん、掴まって下さい!」

「ヤミが先」

「わかりました」


硝子は言われるまま闇影を引き上げて、次にしぇりるに手を差し出した。

上がってきた二人は当然ながら海水で水浸しだ。

各言う俺達も風で飛んできた水で大分濡れている。


「闇影、エネルギーは大丈夫か?」

「……2000程受けたでござるが、ドレインでいつも皆よりもらっているでござる故、問題はござらん。それよりもしぇりる殿の介抱を」


2000ダメージというと正直、かなりのダメージだ。

スピリットは耐久的に問題ないが、しぇりるは晶人。最大HPが何あるかは不明だが、死んでいない所を見るにデスペナルティは避けられたのだろう。


「だいじょぶ。HPゲージが赤いだけ」

「それ大丈夫じゃないだろ」


問題ない事を主張するしぇりるを休ませて、俺は取り敢えず舵を第一へ向ける。

だが、自然とその視線は上空を眺めるだろう。


――ディメンションウェーブ。


俺達全員はその方角を眺めて、誰が言うでもなく確信した。

そう、第一都市の方向には未だ黒いヒビが自己主張していたのだった。


被害報告

――『絆†エクシード』さんに複数チャットが届きました。参加しますか?


第一都市へ向かっている途中。

奏姉さんと紡からチャットが送られてきた。

当然ながらディメンションウェーブの件だろう。

第一に着いたら俺の方から送ろうと考えていた所だったので舵を取りながら参加する。


「お兄ちゃん!? 大丈夫だった?」

「絆、怪我はない?」


突然二人の大きな声が響いた。

ゲームとはいえ、あれだけの事があったので気持ちは理解できる。


「ああ、海にいたんだが、硝子……仲間のおかげでダメージ一つない」

「よかった~……こっちはパーティーの二人がデスペナったよ」

「……お姉ちゃんの方では三人かな~」

「そんなにか?」


二人から落ち込んだ声で被害が報告される。

話によれば、デスペナルティを受けた奴は数えるのも嫌になる位いるそうだ。

しかし、予想よりも随分と被害が大きい。

紡が所属しているという事は、おそらく前線パーティーだ。

その中の二人が死んだとなると相当だろう。

もしかしたら俺達は海がクッションになって比較的にダメージが少なかったのかもしれない。いや……発生源が陸の方だったから離れていたのも大きいのか。

あくまで想像だが、あの突風を受けて壁にでもぶつかったら2000ダメージでは済まない気がする。そう考えると俺達は運が良かったのかもな。


「それでそっちは今どうなってるんだ? 俺達は海にいるから情報に疎くて」

「海? 海って海岸?」

「いや、沖の方」

「そんな所に行けるの? というかどうやっていくの?」

「RPGで海を移動する道具って言ったらそう何個も無いだろうよ」

「「なるほど!」」


それで納得する所がゲーマーの悲しさか。

船、あるいはそれに追随するアイテムを想像したに違いない。


「こっちは今、皆……沢山の人達で調査してる所だよ」

「調査?」

「ええ、ヒビの位置から第一から第二の間だと思うんだけど、何かイベントが発生しているんじゃないかな? というのが大多数の考えね~」

「なるほど」


よくよく考えてみればディメンションウェーブという、タイトルにもなっている物がどの様なイベントなのか俺達は何も知らない。

現状、赤い空と空間のヒビが関係しているのは確実だが、大多数参加型のイベントである可能性は十分考えられる。