「うん。できると思う」
「じゃあロゼもこの戦場にいるだろう。リーダー会話で一報入れとく」
現状一匹のモンスターに対して数え切れない人数が集中している。
この中からロゼを見つけ出すのは不可能だが、リーダー会話を使えば可能だ。
『戦場内にいるロゼットに告げる! 紡を借りるぞ!』
大きな声で叫ぶと現状報告の誰かが返事をした。
おそらくロゼで間違いないだろう。
直に俺はカーソルメニューからパーティーの項目を表示させて、紡にパーティーを要請した。
――紡†エクシードさんをパーティーに招待しました。
「闇影、言われた通りパーティーにいれたぞ」
「では、先程取得したスキルを使うでござる」
そう言うと闇影はいつもの様にスキルを詠唱する。
ドレインと比べると詠唱時間は短く、直に完了した。
「エネルギーコンバーターでござる!」
スキルを叫ぶと闇影から青白い魂の様な物が紡に吸い込まれる。
正直、闇影がドレイン以外のスキルを使っている事に違和感を覚えつつ、紡が不思議そうな表情で闇影を眺めた。
「MP回復?」
「スピリット固有スキルでござる。自身のエネルギーをパーティーメンバーに転移させる事ができるのでござる」
「スピリット以外ならHPとMP回復って事か」
「その通りでござる」
中々に便利なスキルだ。
しかし闇影だけ何故、そのスピリット固有スキルとやらが取得できたのか。
スキル構成談義などでも硝子達から、そう言ったスキル名を聞いた事がないので、習得条件が相当厳しい可能性がある。
「そのスキル、習得条件なんだ?」
「総獲得エネルギー量が100万を超えるでござる」
「……なんだって?」
総獲得エネルギーという事はゲームが始まってから手に入れたエネルギーの事だろう。
そのエネルギー量が100万を超える。
条件としては比較的に緩い。
時間と共にエネルギーが増えるスピリットなら最終的には項目が出現する。
スピリット専用という分類でいえば元素変換に近いスキル、だろうな。
だが、ゲームが始まって一ヶ月で100万となると相当難しいはずだ。
しかしながら闇影は俺達と出会うまでの二週間マイナス3000のドレインでプラスにするという日々を送っていたはず。
以降も常にドレインを使っていた事から習得できた、という事か。
「だけど良いのか? 消費量は知らないが」
「自分、絆殿の言葉に感銘を受けた故、問題ないでござる。それに今までエネルギーを必要以上にもらっていたでござる。多少放出する事に躊躇いはないでござる」
「……わかった。頼む」
「承知でござる!」
闇影はもう一度エネルギーコンバーターを詠唱する。
紡のMPを聞くに五回の使用が必要だそうだ。
これで紡の戦線復帰は相当早くなったはず。
当の紡は三回受けた辺りで復帰を申し出る。
「もう大丈夫だから行くね!」
「了解でござる。中距離からも可能でざる故、スキルを使いまくるでござる!」
「わかったよ。ありがとう、忍者ちゃん!」
そう言って笑顔を見せると紡はケルベロスの元へ飛んでいった。
ケルベロスの方向で硝子が紡の空けた部分を一人で補っている。
簡易的に攻撃パターンを分析するに、ケルベロスは三つの頭それぞれにAIが搭載されている。その証拠に攻撃が頭毎にターゲットを変えている。
確定はできないが、遠距離攻撃に対して反応するタイプが炎を吐く奴。
硝子が炎を吐きそうになったら顔へ打撃を与えるので炎の発射がズレる。
その直後、ケルベロスの右腕が硝子を襲う。
硝子は攻撃を避けず、右腕を真剣に見据え……。
「乱舞四ノ型・白羽返し!」
攻撃を扇子で受け止め、スキルの発動と同時に強烈な一撃がケルベロスに命中した。
……カウンタースキルって奴か。
対戦ゲームなんかで度々見られる、敵の攻撃を受け止めるのが発動条件となる技。
相手の攻撃を先読みしなければならないので扱うのは難しいが威力が高い。
あのスキルがどの程度の威力かは知らないが、多分強いだろう。
「ソウルサイス!」
そこに紡も参戦してケルベロスに攻撃を与える。
紡の攻撃は頭三つを同時に攻撃した。
ダメージ判定が複数?
目算だが顔三つと身体って所か。もしかしたら腕なども入るかもしれない。
「くそっ! ボスの攻撃が一定しない! このままじゃ瓦解するぞ!」
盾役の誰かが叫んだ。
確かに参戦したばかりの紡を狙ったと思ったら、硝子にも攻撃が振るわれる。
そして定期的に自軍に飛んでくる炎や尻尾攻撃。
ボスのAIとしては正しいが、攻撃が一人に集中しないのは火力を担う弓や魔法スキル持ちには厳しい。
弓はライトアーマー、魔法はローブ系という制限を受けるからな。どうして防御力という面で厳しくなる。特に今はケルベロスの攻撃を受けたら致命傷だ。
あの頭のうち、一頭でも狙いを釘付けにできれば……あるじゃないか!
「あの火を吐く頭のヘイトを稼いでみる!」
俺はアイテム欄に武器を仕舞うと人面樹の竿を取り出して叫んだ。
ぶっちゃけ、この戦場には似合わない平和な装備だよな。
弓部隊、盾部隊を超えると眼前では硝子と紡がアクロバットを繰り広げている。
遠くで見ていてもアレだが、近くだともはや曲芸だな。
プレイヤースキル一つでここまで違うとは……。
「火を吐くのは真ん中だったな……」
くっ!
俺を狙ってくる奴は一頭もいないのにケルベロスの動きが激しくて狙いが定まらない。
ともかく当てるだけ当ててみるか!
「ヘイト&ルアー!」
青色の発光を伴った錘がコツンとケルベロスの頭に命中する。
すると僅かだがこっちを向いた……が直に弓部隊へ向き直る。
効果が無い訳じゃないなら、当てまくればいいか。
「ヘイト&ルアー!」
×3発撃った。
ヘイトは蓄積型で、遠距離からの攻撃に反応する真ん中の頭は徐々に俺へ向ける時間が長くなってきた。
うわっ! 炎を吐き出そうとしてやがる。
弓部隊とは反対の方向へ頭を誘導する為、横にステップする。
炎にカスって当った。1500ダメージ。
硝子達の様に避けられれば良いんだが、俺にあんなアクロバットはできない。
だが、成果も大きい。
弓部隊&魔法部隊さえ無事なら勝機はまだある。
よし、もう一発ヘイト&ルアーだ。
スキルを使うと、左腕に当った。
やべ、ケルベロスの左腕が俺に迫る。
「ファストシールド!」
「……ロゼ、か」
俺を庇う形でロゼが盾スキルを使用していた。
無論、無傷とはいかないが健在な所を見るに盾スキルの効果は期待できるっぽい。
「絆、あいつの攻撃はオレ達が防ぐ。このままヘイトを稼いでくれ。攻撃が絆に集中すれば近接攻撃もできる」
近くにはミドルアーマーを着込んだ両手斧や両手剣といった攻撃力の高い武器を持つプレイヤー達。確かに硝子達みたいなアクロバットを全てのプレイヤーに求めるのは酷ってもんだよな。
ちなみにヘイトアップ系のスキルは近距離攻撃に多いらしい。
当たり前だよな。後衛に攻撃が集中して良い訳がないし。
だからヘイト&ルアーみたいな遠距離属性の付いたスキルは少ないそうだ。
代わりにダメージはゴミだが。
多分だがこのスキル、本来の用途は魚を呼び寄せるスキルだ。
まあ特殊な環境とはいえ、今この瞬間役に立つので良いとしよう。
「わかった! 高威力スキルでささっと、あのデカブツを倒してくれよ!」
「任された。行くぞ!」
矢が刺さり、魔法が焦がし、武具が穿つ。
今正にディメンションウェーブは終結を迎えようとしていた。
ディメンションウェーブ-終結-
――――――――――!?
誰の攻撃で仕留めたかは不明だが、引き裂く様な咆哮と共にケルベロスは倒れた。
同時に白いフラッシュが起こり、その場にいる誰もが次の攻撃に身構えた。
が。
閃光が晴れ、やがて瞳に映った光景は青い空と白い雲……元に戻った空間だった。
そしてどこからか白い花びらが吹き荒れる。
周りを眺めると辺りは花畑で、様々な花が咲き乱れていた。
「よっしゃー!」
気持ちの高ぶった誰かが言葉を紡ぐ。
それに釣られて勝鬨(かちどき)を上げ始める人々。
「おつかれー」
「お疲れ様~」
「おつです」
「乙」
オンラインゲームにお決まりの勝利後セリフをバックミュージックにしながら俺は花畑を絨毯にして腰を下ろしていた。
この身体……絆†エクシードは疲労を感じないが、精神的に疲れた。
ヘイトを稼ぐという直前の緊張が途切れたのも大きい。
スピリットにとってダメージを受けるのは強いストレスになるからな。
――ディメンションウェーブ第一波討伐!
システムウィンドウが強制的に表示されて、そう描かれている。
その中にはディメンションウェーブで如何に貢献したが順位になって表示されている。
えっと、俺の総合順位は……。
――総合順位77位、絆†エクシード。
77位か。
このプレイヤー群の中で77位なのは行った方か。
他にも様々なランキングが表示されていて、ベスト五位までは調べなくても名前が載っている。
――合計ダメージ1位、紡†エクシード。
さすがは我が妹。
大鎌の範囲攻撃と大群だったので相性が良かったのが理由か。
おお、物資支援なんかも評価に入るのか。
1~10位までにアルトとロミナの名前があった。
何だかんだであいつ等もディメンションウェーブに貢献していたんだな。
中には一月生活ランキングなどという項目もある。これはおそらく設定された基準から算出された日々の生活を謳歌しているか、といった所か。
料理や家を作ったりするのがこれに入ると思う。
俺は542位だった。
「うわ、8万もダメージ受けている奴がいる!」
被ダメージキングの項目で2位を大きく上回って1位を取っている奴がいる。
なになに?
――被ダメージキング一位、絆†エクシード。
……俺じゃねーか!
頭を垂れて、地面に両手を付いたポーズを取りたくなるつーの!
あれ、良く見ると衣服が外れてインナーになっている。
名前/絆†エクシード。
種族/魂人。
エネルギー/19550。
マナ/8100。
セリン/46780。
スキル/エネルギー生産力Ⅹ。
マナ生産力Ⅶ。
フィッシングマスタリーⅣ。
ヘイト&ルアーⅠ。
解体マスタリーⅣ。
クレーバーⅢ。
高速解体Ⅲ。
船上戦闘Ⅳ。
元素変換Ⅰ。
……まあ、こんな感じだからな。
「装備に必要なレベル……じゃなくてエネルギーを下回ったって事か……」
そもそもこのゲーム装備レベルとかあったのか、知らなかった。
つまり装備に必要なエネルギーを満たせず強制的に解除されたって所か。
しょうがないのでアイテム欄から以前使っていた装備を取り出して着る。
エネルギー不足で強制的に外れた防具はいつのまにかアイテム欄に納まっていた。
そんな感じで順位などをスクロールしているとランキング以外にも項目がある。
――追加スキル及び、アイテムの実装。
他、新技術という表現で道具や既存の特化武器と派生武器などの説明がある。
身近な物で大鎌が戦鎌に特化。片手剣なら派生に双剣。両手剣なら派生に刀。
みたいな感じで今まで以上に武器系統に差が出る形となっている。
所謂ゲーム的に追加パッチといった所か。
次のディメンションウェーブで確認しないと判断できないが、多分ディメンションウェーブをクリアする度に追加アイテムやスキルといったパッチが当てられるのかもしれない。
お、釣竿の項目にリールの実装と書いてある。
これは後で絶対手に入れなくては。
そんな感じで追加項目をスクロールしていく。
「種族の能力解放?」
説明を流し見ていると種族の項目があったので目を止める。
他の種族は後から調べるとしてまずはスピリットからだ。
――媒介石の実装。
魂を現身に維持させる為の依り代となる結晶石。
という触れ込みで、付け替えの可能なスピリット専用装備、らしい。
効果は媒介石によって様々で、エネルギー生産時間を短縮させる物やスキルによるエネルギー使用量を減少させるもの、シールドエネルギーなどが簡易的に書かれている。
そして最後にディメンションウェーブ貢献度に応じてアイテムが送られるそうだ。
総合順位から計算されて1~5位、6~100位、101~1000位、1001~5000位、それ以降で報酬が変わるらしい。
一応俺は77位、多少は良い物が出る事を期待しよう。
報酬を受け取りますか? と選択肢があったので『はい』を押す。
押すとルーレット、数字や果物などの絵柄が回る。
人魂のマークが横一列に並んだ。
――エネルギーブレイド獲得。
おお、これはスピリット的に期待できるんじゃなかろうか。
何故か普段は表示されないアイテム説明が映し出される。
エネルギーブレイド。
武器系統、なし。
攻撃力0。
装備条件、魂人。
装備に必要なエネルギー2以上。
任意でエネルギーを振り込む事で攻撃力を増加させ、一振りに限りダメージを与える。
注意、一度振ると命中の有無に関わらずエネルギーカウントは0に戻ります。
剣身の付いていない柄だけの剣だ。
昔のアニメや映画にこんな感じの武器があったな。
いざという時に力を発揮する選ばれた者が使う光の剣。
イメージ的にかっこいいが効果的にはどうだろう。
個人的には、良いような悪いような、微妙な武器だ。
スピリット専用装備なんだろうが、使い道に悩みそうな武器だと思う。
少なくとも、現状は使わないだろう。
まあそのうち使うかもしれないし、丁重に保存しておくか。
「絆さん」
エネルギーブレイドをアイテム欄に仕舞った所で硝子がやってきた。そんな硝子にお決まりの言葉である『おつかれ』と一言呟くと硝子も同様に返してきた。
しかし当の硝子はディメンションウェーブ討伐が完了したというのに浮かない顔をしている。
心配になって立ち上がりながら訊ねる。
「どうした? 何かあったか?」
「いえ、今回私が無茶ばかりをした所為で絆さんに多大な被害を与えてしまって……」
「なんだ、そんな事か。気にするなよ。ゲームは楽しんだ奴が一番って大昔から決まっているんだからさ」
「ですが――」
硝子の心配している事は俺の総エネルギーの事だろう。
劣勢の時に大群から受けた攻撃、紡を守って受けたダメージ、ヘイトを受け持って受けた致命傷。どれを取ってもエネルギーを失うに等しい攻撃だったからな。例え全て俺が選んだ事で受けた物でも間接的に自分が関わっている事が心残りなのだろう。
だけど俺は知っている。
ケルベロスからの攻撃を何度もあのカウンタースキルで防いでくれた事。
無論チャージの必要な扇子では連続の使用はシステム的に不可能だ。
それでも、あの接戦の中にいて俺に意識を向けてくれた事が嬉しかった。
「ともかく海だよ、海! でもエネルギー的に厳しいか。そもそも現状じゃあ寄生になりそうだな」
「そんな事はありません。私は絆さんをあの先へ至るお手伝いをしますから……いえ、したいんです」
「それは助かる。硝子は頼りになるからな。今回はそれが凄く分かった」
ケルベロスに行なったアクロバットを忘れていない。
そもそも紡と同レベルのプレイヤースキルを持っていた事に驚きだ。
もしも前線組に復帰したいとか言い出したら、というかゲーム的にはそっちの方が世界に与える影響は良いんだろうけど、生憎と硝子はこういう性格だからな、きっと俺達と一緒に居てくれる。
そんな硝子に前線組に復帰するか? という質問は無粋だろう。
「ともかく今日は疲れた。第一に帰ってゆっくり休もうぜ」
「その事なのですが……」
「なんだ?」
硝子は人差し指を口元に当てて『静かに』のポーズを取る。
そして視線だけをケルベロスの死体に向けた。
なるほど……解体か。
ロゼ達に話そうと思ったが色々あって解体武器の効果を話していない。
何よりもあの時の俺は平然を装ってこそいたが少し機嫌が悪かった。
仲間を貶されたのだから当然だろう?
ケルベロスの向こう、プレイヤー達にも目を向ける。
既にイベントが終了したので帰還を始めているプレイヤーは多い。
節約をする者は徒歩だが、前線組ともなると帰路ノ写本を惜しげもなく使っている。
中にはこれから更にモンスター狩りに行くと発言している猛者までいた。
これだけのプレイヤーが一挙にいる場所で解体作業を行なえば当然バレるだろう。
仮に隠し続けるとすれば、安易に解体作業は行なえない。
「少しゆっくりしませんか? こんなに綺麗な場所なのですから」
「……そうだな」
ゲーム製作者も粋な事をしてくれると思う。
ディメンションウェーブを討伐したら辺り一面幻想的な花畑だもんな。
せっかくの現実と卒の無い……下手をすると現実よりも綺麗なのだから堪能するに越した事はない。まあ先程まで戦っていた凶悪なモンスターの死骸が視界にあるのはシュール過ぎて逆に笑えないが。
「絆殿!」
「闇影か、おつかれ」
「おつかれでござる。それより聞いて欲しいでござる」
「おう、何か良い事でもあったか?」
「自分、スピリットランキングで一位になったでござる!」
「ああ、またの名をエネルギー量ランキングか」
総獲得エネルギー量が100万の闇影なら確かに一位を取れそうだな。
今回の戦いも常にサークルドレインを使っていただけに無難な線か。
「そういえばしぇりるはどうした?」
「……さっきからいる」
「うわっ! ビックリさせるな」
いきなり背後から声がしたので驚いた。
潜伏スキル持ちでもないのに存在感を消せるとは中々やるな。
いや、単に俺が連戦で疲れていて注意力散漫になっていたのが原因だが。
終盤、闇影よりも空気だった気もするしぇりるだが、ボス戦闘の邪魔にならない様に雑魚モンスター討伐をしていたらしい。
地味な作業だが、結構重要な役回りだ。
なんていうか、細かい所に気が回るしぇりるっぽいと納得してしまった。
しぇりるは鳥系モンスターが逃げ出したりすると、しっかり追い討ちを掛けるからな。そういう先を読む技術は素直に参考としたい。
ともあれパーティーメンバーが全員揃った。
「まあお前等なら分かると思うが『アレ』のついでに花見しながら祝勝会と行こうぜ」
「良いでござるな!」
「ん」
「はい」
まあ春でも花見なんて現実ではした事がないのだが、戦闘後の高揚感からか、それとも仲間と一緒に何かを成し遂げられた事からなのかは分からないが、妙にワクワクした。
……実際は、花を見るだけなのにな。
「ただ花見るだけなのはアレだな。今度料理スキルでも覚えるか」
「スキル圧迫せぬでござるか?」
「多少厳しいが、最終的には必要になるだろう。海を越えるんだから」
「そうですね。食料的にはアイテムメニューがあるので大丈夫ですが、仮に尽きた場合、誰かが料理スキルを使えれば困らないでしょうね」
「そうなると自然と戦闘スキルメインの硝子と闇影は外れるだろう? しぇりるは既に製作スキルを取っているからきついだろうし、消去法で俺って感じだ」
「……絆がそれでいいなら」
「使っている武器的に相性も良いしな」
釣った魚をその場で料理する。
今までは釣って終わりだったが良く考えたら、どうして取得してなかったんだ。
うん、半ば衝動で言ったが割と本気で取得を考えておこう。