Wave of dimensions — страница 18 из 111

「勘だよ。そういえば……さっき普段と違わない事言っていなかったか?」

「……別に」


まあ良いか。

釣る事に必死で良く聞こえなかったし。

ともあれ俺は解体したアイテムを全てしぇりるに渡しておいた。

まだ決まってはいないが、良い武器になるといいな。


「絆さん! しぇりるさん!」


巨大イカを釣り上げた達成感に酔っている中、硝子が血相を変えて俺達を呼ぶ。

硝子が慌てているなんて珍しいな。こんな表情は初対面の頃に何回か見た位だ。


「何かあったのか?」

「船が勝手に動いています」

「そりゃあ船なんだから動きもするだろう」

「そうではなく――」

「絆」


硝子の言葉を遮ってしぇりるが上を指差した。

その方向は閉じられた帆。

周囲を見回す。風も無く波の少ない静かな夜。

舵スキル持ちが動かしている訳でもない。

それなのに。


……船が不自然な速度で移動していた。


リミテッドディメンションウェーブ

「こんな真夜中に一体なんの用だい……?」


アルトが眠そうに目を擦りながら言った。

周りにはほんの数分前まで眠っていた闇影や紡もいる。

闇影も最近は規則正しい生活が続いていたので眠そうだ。

紡に至っては半分寝ている。


「船が何かに引かれているんだ」

「波ではないのでござるか?」

「舵スキルが効かない波なんてあるのか?」


嵐の時だって沈まない様に動かす事ができた。

仮に何かしろの要因で舵スキルが機能していなかったとしても原因が分からない。

最初こそ巨大イカを釣り上げたから、という線も思考したがハズレていそうだ。

巨大イカが原因の場合、釣りが条件という事になる。

普通に考えて、そんな限られた条件ありえないだろう。

単にイカとの攻防で引っ張られた影響で、ある程度移動した程度だ。

その移動経路が帰らずの海域で何かしろの条件を踏んだ、と楽観視もできるが……。


「ともかく警戒態勢を……なんだ?」


誰かが肩を叩いたので振り返る。

が、誰もいない。

当たり前だ。この場には全員がいて、俺の右柄に闇影、紡。逆側にアルトとしぇりるだ。そして正面に硝子がいるという状況なのだから、後ろから肩を叩かれるはずがない。


「絆さん。海で幽霊というと何を想像しますか?」

「そこはもうちょっと怖がってほしかった……」


真正面から俺を見ていたであろう硝子には正体が見えたらしい。

悲鳴を上げろとまでは言わない。

それでも幽霊的なイベント中に真顔で『幽霊と~~』とか言われるとな……。

まあディメンションウェーブはゲームだが、ちょっとは反応してほしかった。

さて、硝子の質問だが海で幽霊と聞くと頭に上がってくるのは。


「……幽霊船」

「そ、そそそ、そうなのでござるか?」

「僕の知る限り同じ条件で海賊船とかも定番だね」


口にする前にしぇりるとアルトに言われた。

MMORPG的にもその手のダンジョンやイベントは多い。

逆に海が登場するRPGで出てこない方が珍しいといえる位だ。

後闇影、お前なんでそんなにビビってるんだ。


「なるほど……つまり、妙に肌寒いのも、霧が出てきたのも説明ができるな」


霧で周囲が曇って視界が悪くなっている。

人魂の様な霧……幽霊船であるならゲーム作者的に演出は上々だろう。

現に闇影が直前まで眠そうにしていたというのに足が震えている。

怖いのか?


「闇影、突然『わっ!』とか言って驚かすのが定番だが、やっていいか?」

「何を言っているでござるか!」

「いや、先に言っておかないと怒られそうだし」


どうにも俺が口にする冗談は空気を読めないらしい。

そういう訳で、ありかなしか先に聞いておこうかと。


「やらなくても怒るでござる!」

「そうか……じゃあアルト」

「僕にもダメだからね! 昔からホラーは苦手なんだ」

「いや、やるとは言っていないが、お前等反応良すぎだぞ」


ここまで嫌がられると逆に楽しくなるというか。

それに引き換えこっちの三人は……。


「なんですか? その目は」

「……これはゲーム」

「幽霊はヒロインだよね!」


約一名血を分けた妹だが、その言葉は聞きたくなかった。

オタク的な意味で。

……いや、わからなくはないけどさ。

だからって幽霊船の話している時に幽霊はヒロインとか言うか普通。

風情も何もあったもんじゃないな。


「幽霊船か……敵、強いんだろうな」

「昼間でも結構大変だもんね~」


まあその甲斐もあってパーティー全体のレベルは上がってきているが。

俺も元々のエネルギーの半分位は回復している。

一応暇を見つけてはイカを元素変換しているが、元素変換はランクがⅠで詠唱時間が長い。イカ一匹5~15エネルギー位の変換率で一時間700位しか増えない。

変換数が増えればランクⅡとか出るだろうし、定期的にやっているが未だ現れず。


「ふ、ふふ、船が見えてきたでござる!? 怖くて驚いたでござる……」

「それ以前にお前が未だに夜目を取得している事の方が驚きなんだが」


お前夜は寝ているじゃねーか。

俺なんか随分前に未取得に戻しているぞ。

そんな事は置いておいて闇影が指差した方を眺める。

青白い不気味な光を煌々と放ち、VR特有の臨場感溢れるホラー映像が展開されている。


船の全長は超デカイ。

俺達の船ですら20メートルはある小型船だというのに、それを遥かに上回る巨大さ。

クルーザーが25フィート(約7、6メートル)以上の船を指す言葉だと以前しぇりるが言っていた。

なんでもクルーザーと言っても大きさはまちまちで居住空間と居住施設を備えたレジャー用のヨットやボートを差す言葉というのが現代の考えだそうだ。

そんな船の何倍? 何十倍か? は有ろう巨大なボロ船が前方に浮かんでいる。

帆は破け、木々はボロボロ、青白く発光していなければボロ船扱いされそうな幽霊船。

なんか『ひゅーどろどろ』とか流れて来そうな雰囲気だな。


「闇影」

「ぎゃああー!」

「いや……話し掛けただけで悲鳴はさすがに……」


そして面白そうなのでアルトの方を眺めると後ろを眺めている。

現実逃避か?

反応いいな、こいつ等。やっぱ仲間に一人はこういう人材が必要だよな!


「絆、僕は君の評価を少し下げる事にするよ」

「なんで幽霊船一つでそこまで」

「君は今自分がしている顔を自覚した方が良い」


ははっ!

まあ良い。今は幽霊船だよ。


「取り敢えず戦闘準備をするぞ。さすがに幽霊船に敵がいないとかありえないだろ」

「わかりました」

「……ん」

「むふー!」


元気に返事をした三人。

残り二人は相変わらず怖そうにしている。

特に闇影。お前ビビリ過ぎ。

アルトの場合は商人やっていたのでレベル的問題があるのでわかるが、闇影は俺達の中で一番スペックは高い。

ドレインが基本なのでステータスだけは硝子を上回る程だ。

まあ性格的に幽霊が苦手なのだと言われればそれまでだが。


「そんなに怖いなら、お前等二人だけで残るか?」

「……残る? ここに?」

「ああ」

「自分、絶対に付いていくでござる!」

「いや、船で待っていた方が安全だろう?」

「誰も居ない所の方が怖いものなんだよ!」

「そういうもんか? 俺ホラーとか昔から見慣れているから良くわからん」


兄弟が多いとホラー映画とかレンタルでよく借りてくるんだよな。

しかも何故か一緒に見させられる。

最近だとVR機を映画に取り入れた主人公と同じ目線で見られるVR映画なんかもあったか。

ジャンルとしては好きでもないし嫌いでもない、という微妙なラインだがな。

そうこうしている内に船が幽霊船へ突撃する。


ピキンッ!


何かにヒビが入る様な音が響く。

これはほんの二週間前位に聞いた事がある。

あれは……。

強い閃光が発生し、空間が歪む――


――リミテッドディメンションウェーブ。


リーダー   1 絆†エクシード。

サブリーダー 2 函庭硝子。

メンバー   3 闇影。

4 しぇりる。

5 紡†エクシード

6 アルトレーゼ。


メニュー画面が表示され、こう表記された。

光が晴れると船は幽霊船内で降りられる形となっており、如何にもダンジョンと言った形相を示していた。

地図を表示させると俺達がいる場所が映っているのみで、他の場所は黒く塗りつぶされている。おそらくゲームにありがちな探索すれば表示されるという奴だろう。


「リミテッドディメンションウェーブ?」


思わず俺が呟くと周りには事態を把握できていない仲間達が各々な反応を示している。

硝子は武器を構えていた。あの閃光の一瞬に武器に手を伸ばしたとか、どこの武人だよ。

しぇりるは無表情でキョロキョロと周囲を見回しただけで特に反応なし。

紡は両手で戦鎌を持って、足腰を震わせ、ケモノ耳を興奮気味に動かしている。

アルトは相変わらず現実逃避を繰り返している。

そして……。


「ぎゃああぁぁーー! 怖いよー! 助けてええぇぇー!?」


約一名、周りがドン引きする位驚いている人物が……。

というか口癖が無い。本気で怖いのだろう。

幽霊云々で驚かそうと思ったが……なんだろう、凄い罪悪感が襲ってくる。


「闇影、落ち着け!」

「……絆ちゃん?」

「絆、ちゃん!?」

「…………絆殿」


言い直した闇影に若干思う所はあるが良いだろう。心の中で俺をどう思っていようが気にしない。

それにしても闇影の奴、どんな奴なんだ?

長い事一緒に生活をしていればその人がどんな立場か、ある程度推測する事ができる。

性格云々ではなく、現実でどんな人物なのか、だ。

無論、それを訊ねるのは本人が自分から話す以外ではノーマナーだ。

オンラインゲームでの常識とも言える。

あくまで俺の勝手な予想だが、硝子は旧家みたいな金持ちのお嬢、しぇりるは……情報不足で不明、紡は論外、アルトは……多分年上。

こんな認識だ。まあゲームでそれを考えるのは無粋か。


「闇影、これはゲームだ。幽霊がいても、あくまでゲームなんだ。わかるか?」

「……わかったでござる」


目を見て、俺が見上げる形だが……落ち着かせる様に話すと闇影は素直に頷いた。

さて、闇影も落ち着いた事だし、事態の把握をしよう。

俺の服の裾をダークシャドウさんが引っ張っているとか、そういう事は気にしない。


「リミテッドってなんだ?」

「……限られた、有限。日本だと制限ともいう」

「つまり直訳すると制限された次元の波ってなるのか」

「パーティーが表示されたという事は人数が制限されているのではないですか?」

「ありえるな……」


オンラインゲームでは度々見られるシステムだ。

インスタントダンジョンとか、パーティークエストとか、そんな感じ。

紡が以前やっていた奴だとパーティーメンバー全員で協力してクリアするって奴か。

お約束になるが、ダンジョン攻略後にボスがいて、そいつを倒すとクリア。

クエスト報酬やボスドロップが手に入るというパターンだ。

一日何回とか、週一回とか制限が付いていたりするんだよな。

なるほど。だから制限された次元の波、なのか。


「まあ、このまま立ち止っていてもしょうがない。進んでみるか?」


トラップ

「闇影、本当大丈夫か?」


全員で船内の探索を始めたのは良いが、明らかに怖がっている。

アルトですら闇影を心配する程なのだから相当だろう。

まあ気持ちは分からなくもない。

幽霊船の船内は視界が悪いというのに見える範囲は青白い不気味な色をしている。

しかも木製の壁に触れると冷たくヌルッとしていて、船というよりはおばけ屋敷だ。

どちらかといえば幽霊船とおばけ屋敷は近いのか?


「だ、大丈夫でござる」

「ついて来るだけでも良いからな? 無理に戦って怖い思いするよりは良いだろう」

「そういう訳にはいかないでござる。自分、パーティーの魔法役でござる故」


闇影もなんだかんだで仲間想いなんだな。

柄にもなくちょっと感動しちまったじゃないか。

よし、闇影。お前を攻撃しようとする幽霊は全部俺がなんとかしてやるからな。

そう息巻いて前方を眺めると硝子が先頭で警戒を行なっている。

尚、一番後ろは紡だ。

通路が狭いから広がって戦えそうに無いんだよ。

だから戦力を前と後ろに割いて不測の事態に備えている。


「それにしても結構歩いたが、中々モンスターが出てこないな」

「確かにそうだね。この手のダンジョンは普通もっと敵が一杯沸くイメージがあるね」

「地図も中々埋まりませんね」

「……まるで迷宮」


言われてみれば迷宮という言葉がしっくりくるな。

妙に広い船内。そして狭い通路。

船上戦闘スキルが機能している所を見るに船であるのは事実だろうが。

地図が広くて良く解らないし、石畳だったら地下迷宮と間違えても不思議じゃない。

そうこう雑談しながら進んでいると硝子が前方にある扉に気付いた。


「皆さん、扉です。何があるか解りません、気を付けてください」


警告に全員が頷き、扉を開けて直に横へ移動する。

いきなり銃で撃たれる訳じゃあるまいし、警戒し過ぎだろう。

何秒か経過しても敵も攻撃もやってこないので頭を出して扉の先を確認する。

食堂?

船の見取り図に関して詳しく知らないが大勢の人間が一同に座れるイスと長いテーブルが置かれていた。当然どれもボロいが、どうにもホラーっぽさを意識している。

硝子、しぇりる、アルトの順番で入り、続いて俺も入ろうとした直後。


バタンッ!


扉が突然閉まった。

開けようと扉に力を込めるが開かない。


「おい! 大丈夫か!?」


中に向かって叫び、ドンドンと扉を叩く。


「大丈夫です! 敵が――」


フッと硝子の音が消えて以降はどんなに話しても言葉は返ってこない。

モンスター風情に硝子としぇりるが遅れを取るとは思えないが……。

おそらくこの罠はプレイヤーを分散させる類の罠だ。

広いダンジョンでパーティーが拡散すれば戦力的に厳しくなる。

入った順番、だろうな。


「お兄ちゃん、チャットを送れば良いんじゃない?」

「さすが紡。だが、ゲーム的に良いのか?」


しかし考えとしては有りだ。

メニューカーソルからチャットの欄を表示させて硝子へ会話を送る。

出ないな。

もしかしたらチャット禁止地域とかそういう設定をされているのかもしれない。

にしても幽霊船っての意識し過ぎだろう。


「硝子がいるんだ。本人も大丈夫って言っていたし信じよう」


数分は扉の前で開くのを待ったが開ける事も開く気配すらなかった。

もしかしたらワープタイプの構造でどこかに飛ばされたのかもしれない。

こうなると俺達がこのまま黙って待っているのは得策じゃなくなるな。

そこ等辺はアルトが硝子としぇりるに話してくれると信じよう。

あいつ、地味にゲームに詳しいからな。多分大丈夫だ。


「ともかく別の通路を探してみるか?」

「わ、わかったでござる」

「ほい!」


怖がっている闇影と喜んでいる紡。

対照的な二人が残ったな。

正直、混ぜるな危険な感じの二人だ。

まあ良い。今は三人と合流を果たす事だけを考えよう。


「あっちに通路があるなって、人数が減ったからか暗いな」

「カンテラは機能しないみたい」

「ゆ、幽霊の所為でござるか?」

「いや、そういう風に設定されているんだろ。そうだな……」


光のルアーが装備されたままの釣竿が目がいった。

使えるか?

実験に取り出して、釣竿を振ってルアーを飛ばす。


「おお、見えるな」


まあルアーの部分だけが微弱に見えるのでブーメランライトみたいな感じだ。

それにしても飛距離が長いな……。


コツンッ!


そんな音と同時に糸を通して光のルアーに何か当った感触が響く。

壁ではなく、骨の様な物体に当たったと思う。

幽霊船でモンスターと言えば当然、アレだよな。


「闇影、紡! 何かいる。気を付けろよ?」

「むふー!」

「だ、だ、大丈夫でござる!」


う~ん……ちょっと大丈夫じゃ無さそうだが信じるしかない。

リールを巻いてルアーを戻し、シルバーガラスキを取り出す。

一応以前の奴よりランクアップした武器なので信頼はできるはず。

前方からはガタガタと木々と何かをぶつける様な音が響く。

その音の正体も直に判明した。

やはりモンスター。

頭にバンダナを巻いた骸骨……パイレーツスケルトンだ。


「……? なあ、海賊って割には服がなんか変じゃないか?」

「そうなのでござるか?」

「あたしはわかんない! こういうデザインなんじゃないの~?」


そう言われればそれまでなんだが。

パイレーツスケルトンはボロボロになったならず者の衣服、というよりはボロボロな紳士服みたいな、もうちょっと気品を感じる衣類だ。

考え過ぎかもしれないがモンスター名を見て初めてパイレーツスケルトンだと分かった。


「おっと!」


考えに没頭しているとパイレーツスケルトンは持っていた剣、カトラスを振りかぶってきた。その攻撃を辛うじて避ける事に成功。船上戦闘スキル様々だな。

今はそんな事考えている場合じゃない。

早く、硝子達と合流してダンジョンの仕組みを理解するのが先決だ。

何より紡は船上戦闘スキルが低い。

そうなると前衛である俺が敵を抑えないと話にならないからな。


「スライスイング!」


初級解体スキルの二番目攻撃スキルだ。

クレーバーが力を込めた一撃に対して、こっちは切り裂く事に重点を置いた攻撃だ。本来は骨の様な物理攻撃と相性の良いスケルトンには効き辛いが、使わないよりはいい。


「え?」


赤い発光の伴ったスライスイングが命中したパイレーツスケルトンはあっさりと倒れた。

その死体に怪訝な目を向けるが、動かない。


いや、そんなバカな。


客観的に分析すれば俺はアルトの次に弱い。

無論、商売を第一に行動していたアルトを比較対象に持ってくるのはアレだが、パーティー内での俺は解体スキルと釣りという名の食料調達が主だ。

そんな俺の、それも解体武器の攻撃スキルを一発食らった程度で死ぬって何かおかしくないか?


「全部倒しおわった~!」

「思ったより怖くなかったでござる」

「そうか……気の所為か……?」


まあ良い。

ともかく俺達三人は幽霊船内の探索を始めた。


ギミック

「……一体なんなんだ、ここは」


探索を始めて既に数時間が経過していた。

分かった事といえば地図を多少把握した程度で、船内がどうなっているのかまるで解らない。敵は前や後ろからやってきて、時間の経過と共に増えている。


そして判明した事はパイレーツスケルトンが復活系モンスターである事。

倒しても一定時間経過すると元通りに復活してプレイヤーを襲う。

尚、経験値が入ったのは最初だけで以降は0。

ダメージを受けた場合、回復する手段が乏しい。

一応はシールドエネルギーの範囲で戦えているが、数の増加と共に受けるダメージも増えて来ている。エネルギー減少も時間の問題だろう。


「闇影はもう大丈夫っぽいな」

「さすがに何時間もいれば慣れるでござるよ」

「がんばったね。闇ちゃん!」