Wave of dimensions — страница 21 из 111

宝石が装飾された大きな箱でどう見ても場違いな形相を示している。

個人的にミミックなどの、トラップモンスターが頭を過ぎる。

空けるべきか、無視するべきか。

仮にモンスターだった場合、一人で勝てるだろうか。

こういう時に一人だと困る。

仲間が居ればなんだかんだで開けると思う。

しかし一人だと無理は利かないし、不安にもなる。


うん、開けよう。

宝箱に近付いて異常が無いか確認した後、開いてみる。

もちろん開いた瞬間飛び退く。

矢や毒ガスは宝箱のお約束トラップだからな。

……何も起こらない。

開きっぱなしになっている宝箱に覗き込んで見るとアイテムが入っていた。

小さな箱だ。

宝箱の中に小箱とかマトリョーシカの派生か。

さすがに小箱の中に箱はなかったので安心だ。


アイテム名は開拓者の七つ道具。


……凄く嫌な予感がするんだが。

こう、俺が一人でここにいる事がシステム的な影響を受けている様な、そんな気分だ。

うわっ、捨てようと思ったらアイテム欄に勝手に収納された。

呪いの道具かよ。


――いや、まあ好きなシチュエーションだけどさ……。


今の俺には仲間がいるからのんびり開拓生活をしている余裕はない。

ちなみに、これがパーティー結成前だったら喜んでいた所だ。

そもそも……一人?

なんでパーティーメンバーが除外されているんだ。

開拓イベントにしたってパーティー全員とか、プレイヤー全員参加じゃないのかよ。

……思う所はあるが、我慢しよう。

取り敢えず俺は開拓者の七つ道具とやらを使ってみる。

すると変幻自在アイテムの様で、変化できる項目が現れた。


クワ。

カマ。

オノ。

ハンマー。

ドリル。

ロープ。

釣竿。


「ドリル!」


一つだけ浮いている!

なんだこれ。ツルハシじゃダメだったのか?


「ドリル!」


やばい、凄い興奮してきた。

こんな姿は硝子には見せられないな。

まあ……紡にはリアルで毎日見られている気もするけどさ。

何を隠そう。俺は王国生活ゲームで姉さんと紡がゲーム内時間5年で飽きた所を1000年超えしている男だ。

無意味に家系図が進み、最初に作ったキャラクターの血筋すら見えなくなる位やりこんだが、異常者の様に扱われたのはどうでも良い事か。ともあれ同様の理由で開拓物語を無限時空に入ってから200年突破も達成した事がある。


……少し興奮し過ぎだ。


「ドリル!」


手始めにドリルを持ってみる。

先端が螺旋状になっているハンドドリルだ。

取っ手を引くと想像通りギュイイインというモーター音を立てて回転した。


「ドリル!」


やっぱり男はドリルだよな。

今時スーパーロボットでもドリルを使っている機体なんか見ないけどさ。

と、ともかく今直ぐドリルを試してみよう。

俺は硝子達の事など忘れ、一時の快楽に身を任せてドリル片手に走り出した。


……俺が正気を取り戻したのは十分も経ってからだったのはどうでも良い補足か。


開拓開始

「決めた……」


俺がこの島、カルミラ島に漂流してからしばしの時が流れた。

最初こそ俺は開拓者の七つ道具なる救済アイテムを無視して……ドリルはちょこっとはしゃいだが――無視して、島からの脱出を模索した。


まず舵スキルを取得して木の船で南の砂浜から海へ出たのだが……北側に出た。

昔のRPGにありがちな南を越えたら北、みたいな状況だ。

船が小さいから戻されたのか、単純にこの島がそういう仕組みなのかは解らない。

それから色々と模索した訳だが結局、島からの脱出には至っていない。

ともかく俺は現在、カルミラ島に閉じ込められている。


だが、俺には心強い仲間がいる。

硝子達が俺を見付けてくれる可能性に賭けた訳だが……ついに一週間が経過した。

もちろん信じていない訳ではない。

硝子との付き合いは一月程だが、誰かを裏切る様なタイプじゃない。

今頃俺を探していると思うが、この島がそう簡単に見つかるとは思えない。

現に一週間が経過している訳だしな。

のんびりと釣りを繰り返し、釣りスキルと料理スキルを上げまくった。

ついでに一日中イカと釣れた魚を元素変換していた。

そこで俺は硝子達の救出が一週間以上遅れたら決めていた事がある。

それは……。


名前/絆†エクシード。

種族/魂人。

エネルギー/78630。

マナ/22070。

セリン/68780。


スキル/エネルギー生産力ⅩⅡ。

マナ生産力Ⅸ。

フィッシングマスタリーⅨ。

ヘイト&ルアーⅡ。

一本釣りⅠ。

解体マスタリーⅤ。

クレーバーⅤ。

スライスイングⅡ。

高速解体Ⅳ。

クッキングマスタリーⅡ。

船上戦闘Ⅴ。

元素変換Ⅱ。



名前/絆†エクシード。

種族/魂人。

エネルギー/78630。

マナ/27070。

セリン/68780。


スキル/エネルギー生産力ⅩⅡ。

マナ生産力Ⅸ。

フィッシングマスタリーⅨ。

ヘイト&ルアーⅡ。

一本釣りⅠ。

解体マスタリーⅤ。

クレーバーⅤ。

スライスイングⅡ。

高速解体Ⅳ。

クッキングマスタリーⅡ。

元素変換Ⅱ。


この様に島以外で必要無いスキルを未取得に変更してマナに変換する。

これによって取得できるスキルとエネルギー生産量が増えた。


……船上戦闘スキルだけな気もするが。


元々解体武器と釣りだったので開拓に近いスキルだったのが不幸中の幸いか。

ともあれ船上戦闘はⅤだったので削れば相応のエネルギーを他に回せる。

助けが来るまで生き延びる……もとい開拓生活を実践しようと決断した。


実は俺って人間は――こういうのが大好きなんだ!


皆には悪いがタイムリミットは過ぎた。

クククッ……この島を骨の髄までしゃぶり尽くしてくれるわ。



そう決断してまず俺が手を出したのはカマ。

紡が使っていた武器用の装備ではなく、釣竿と同じ生活系装備だ。

要するに生え過ぎて邪魔な雑草を撤去する。

性能は救済アイテムだけに良くも悪くもない、微妙なラインだが、アイテム欄にレベルの項目が存在する。

なんでも開拓者の七つ道具はこの島でしか使えないらしい。

つまりアイテムのランクはカルミラ島限定でレベル制に変化している。


こういうの燃えるよな。


よし皆、俺の開拓者の七つ道具がレベルMAXになるのが先か、皆が助けにくるのが先か勝負しよう。とかアホな事を脳内で語りつつカマで雑草を切断していく。


「別のゲームでも思ったけど、こんな処理の仕方じゃ雑草生えてきて当たり前だよな」


しかし手で引っ張っても効率が悪いし、一応は根の部分まで無くなっている。

ここ等辺はゲーム世界による不思議空間という事で我慢だ。

それにしても現実の墓参りとかで毎年掃除を手伝わされるが、ゲーム内の身体は疲労が無くて良いな。

カマをいくら振り回した所で疲れないのだから現実の何倍もの速度で切れる。


だが、あまり雑草ばかりに目を向けるのも下策だ。

一日は24時間しかない。

更に睡魔も襲ってくるので事実上無理をして18時間位しか開拓に時間を注ぎ込む事はできない。そうなってくると俺の取れる行動にも限界が出てくる。

さすがに食事の時間などもある訳だから18時間全部は使えない。


……この手の思考はすると何もできなくなるからな。

今は目に付いた範囲で開拓作業を繰り返し、効率的な方法を見つけたらそっちにシフトしていくという方針で固めよう。


次にクワだ。

雑草をカマで切り取った限られた土地のみ耕す事ができる極めて限定的な畑。

いや、他意はないが。

ともあれ疲労はないがマスタリースキルを所持していないので時間を掛けて耕す。

どこまで再現しているかは知らないが土の匂いがした。

カマの時は草の匂いがしたのでシステム自体は流用かもな。


「……種がない」


畑を耕し終わってから気付いた。

実にバカバカしい状況だ。気付けよ、俺……。


「お?」


開拓者の七つ道具にあるクワの項目から種を選択できた。

一種類しかないが……。

取り敢えずこれを植えておくか。

種を手頃な区間に分けて植えて、廃墟近くにあった井戸から拾ってきたバケツに入れた水を掛ける。

まあ後は毎日雑草をカマで処理しつつ実が生るのを待つか。

何日必要かは知らないが、一月とかはさすがにないだろう。

でなければ農業系スキルが死んでいる事になる。


さて手始めに行った作業が四時間で終了してしまった。

オノも戦闘用の斧ではなく伐採用の斧だ。

この島は森かという程木々が生い茂っているが無闇に伐り倒して良いのだろうか。

同じ理由でハンマーは破壊武器の項目に属する。

元々は解体武器の派生武器なのだがモンスターの部位や破壊可能オブジェクトを破壊して弱点を作ったり、邪魔な物を撤去する為に存在する。

性能と効果、パーティー構成の関係で解体武器のままだったのだが、開拓者の七つ道具の項目に含まれている所を見るに使う局面があるんだろうな。

尚、調べてみた所ドリルも破壊武器の項目に属している。

一週間前、はしゃぎ過ぎてスキルが一つ出たからな。


……取得出来なかったが。


スキル項目欄に赤い線で破壊武器から繋がっている。なので、おそらくはディメンションウェーブ第二波などで開放される武器なのではないだろうか。

……以前アルトに海路は本来のルートとは違うとかデタラメを言った覚えがあるが、もしかして当たりなんじゃないか?

ハーベンブルグ伯爵の日記にも国交とかなんとか出ていた。

漂流している俺に調べる術はないが、この島が何かを握っているのは予想できる。


思考を戻そう。

ドリルは壁や岩、穴などを掘る事ができる。

そしてカルミラ島にはドリルで道を作る必要がありそうな場所が随所に見られる。

おそらく本来であればドリルが武器として存在する頃に訪れる場所なのだろう。

ともかくオノ、ハンマー、ドリルは後回しだ。

今は生活基盤もとい、運営できる状況を作りたい。


そうなるとやはり、カマで雑草を撤去して、クワで耕し種を植えまくるのが基本か。

ちなみに釣竿とロープに関しては現状必要用途を見つけていない。

ロープは移動箇所が存在する事が予想できるが、釣竿はなんだろうか。

食べ物? しかし畑に実が生れば生きてはいけるはず。

森の中に肉になりそうな逃げ足だけが特徴の野生生物がいたのでそっちでも良い。

そんな中で釣竿がどうして必須の道具に入っているんだ。

いや、個人的には嬉しいが。

性能は現在所持している釣竿には劣るが、安い餌が無限に出てくる。

無論、開拓者の七つ道具の釣竿でしか使えない餌だ。

その影響で釣りには困っていない。


まあ……開拓していけばわかってくるか。

ともあれ、今空いている土地を耕したらオノで木々を伐り倒すか。

もちろん一定の区間を作ってだが。

それが終わったらドリルで目に見えて行かなければならない道を作るとしよう。


俺は島内部を見上げる。


屋敷跡とも見える、比較的大きな建物が見えた。


伯爵の置き土産

あれから二日が経った。

空いている土地の半分を畑に変えた所でドリルを片手に岩石の前に立っている。

岩石は一言でいうなら巨大だ。

俺の身長の三倍程で道を塞ぐ様に置かれている。

不自然に置かれているがディメンションウェーブの衝撃で、島内部から転がってきた――とかそういう設定だったりするのかもしれない。

ともあれハンマーでコレを壊すのは少々難しいだろう。


「ドリ……」


叫びそうになったのを途中で止め、ドリルの取っ手を引っ張る。

するとモーター音を立てて回転を始めた。

同時にシールドエネルギーが700から699に変化する。

ドリルはMPを消費して使用する道具らしく、エネルギーを消費してしまう。

開拓作業にエネルギーを使い過ぎるのは危険なので地道に岩石を破壊する。

要するに毎日こまめにドリルを岩石に当ててダメージを与えている。

少しずつ亀裂が入ってきているので後少しだ。


「スキルが使えるようになればなぁ……」


おそらくはマスタリースキルだとは思うが取得不可では厳しい。

まあ元々第四都市を見つけようって時に海へ向かったのが悪いのかもしれないが。


お?

ドリルが石を破壊した時と同じ感触が手元にやってきた。

すると岩石がピキピキと音を立てて半分に割れた。

……もう少し砕いて行って撤去する感じを想像していたんだが、まあ良いか。

道の両脇に割れた岩石を門代わりにしながら先へと進む。

文字通り島の中心へと進んでいるので微弱に斜面だ。

山の中腹よりも少し前の方に屋敷跡があるのでそんなに時間は掛からないはず。


よしよし見えて来た、見えて来た。

屋敷は村と同じく随分と風化していて、ハーベンブルグ伯爵が設定上どの時代にここで暮らしていたのかを物語っている。

これもミスリードだろうか?

ソウルイーターが何十年も前に存在していたという事はディメンションウェーブ自体がここ最近突然現れた存在ではない、という事になるのだが……。

いや、そもそも世界観云々を述べたらディメンションウェーブが第一回なのか、第三十回なのかは具体的に明記されていない。

ここ等辺もプレイヤーが世界の謎に近付いていくストーリー性かもしれないな。


さて、ここで立ち止まっていてもしょうがない。

俺は古くなった屋敷の扉を開いた。


「え?」


埃一つ無い手擦り。破損していない床。風化すらも感じられない。

驚いた事に屋敷の内装は綺麗なままだった。

どういう事だ?

すると半透明の物体がゆらゆらと降りてくる。

どう見ても幽霊です。ありがとうございました。

幽霊は二人居て、片方は軍服に身を包んだ男性、おそらくハーベンブルグ伯爵。

もう片方は女性……伯爵夫人とかか?

ハーベンブルグ伯爵の幽霊は俺に気が付くと微笑んで喋る。


『――良くぞ化け物を倒してくれた。これで私も楽になれる。恩人よ、島は任せたぞ……』

「は?」


訳も解らず唖然としていると成仏したのか二つの幽霊は天へと消えて逝く。

そして霧が覚める様に辺りの景色に変化が起こった。

直前まで見えていた屋敷が無くなっており、かろうじて支柱の跡が残るのみ。


そしてその中心に大きな箱が置かれていた。

近付くと箱には四つのボタンが付いている。

肉、木の実、魚、人参。

食物? あれか、選択式で中身が対応したアイテムに変化するとかそういう奴か。

一応危険が無いか調べ、開けられるか確認を取ったが開けられない。当然ながらボタンが鍵を握っていそうだ。


「まあこの中だったら一つしかないよな」


ルアーとか、性能の高い釣竿、あるいは釣り針などだろうか。

きっと状況的にハーベンブルグ伯爵の贈り物だからな。期待して良いだろう。

俺は迷わず魚のボタンを押した。


『ペーン!』

「うわっ!」


魚のボタンを押すと箱から何かが叫びながら飛び出してきた。

ビックリさせんな。

くそっ、伯爵め、何を残していたかと思ったらトラップかよ。

箱から出てきたのはデフォルメされたペンギンの様な形をしたモンスターだ。

頭にサンタの帽子みたいな物を付けている。

大きさは俺の胸位の高さ。

……デカイ? とも思うが良く考えたら俺は幼女だった。無難な大きさか。

俺は迷わずケルベロススローターを持つとモンスターと対峙する。


「ペックルはモンスターじゃないペン」

「しゃべった!?」


今まで倒してきたモンスターは人語を解した事が無かった。

というかしゃべったら嫌だ。倒せないじゃないか。


「ペ、ペックル?」

「ペンギンとコルポックルが力を合わせてーーペックルになったんだペン」


聞いてもいないのにやや説明口調で語りを始めるペックル。

ペンギンとコルポックルでペックル?

微妙な造語だな。

容姿はペンギン八割、コルポックル二割といった所だ。

なんかリーダー格と思わしきサンタ帽子の近くに山から二匹のペックルがやってきた。

麦わら帽子とカウボーイハットを付けたペックルだ。

あれだ。個体によって付けている帽子に差があるのかもしれない。


「ペックルはこの島を開拓するんだペン」

「そ、そうか……がんばれよ」

「だからご主人には命令して欲しいんだペン」

「誰が主人だ」

「あなただペン。これをあげるペン」


なんか肯定も否定もする前に変なアイテムを渡された。

一昔前のPDAみたいな情報端末でペックルカウンターという名称だ。

ペックルカウンターには三匹のペックルが描かれており『待機』と表示されている。

待機のボタンを押すと従事させる仕事を選べるみたいだ。


そしてペックルには一匹一匹『やる気』とやらがある。

サンタ帽子のペックルが100%で他二匹が70%だが、どういう意味だろうか。

あれか、空腹度とかそんな感じのゲージか。

まあペンギンだし魚でも食べれば回復するのだろう。

良く考えたら俺が押したボタンは魚だったな。


「餌の事かよ……」


そうなると他のボタンを押したらどうなったんだ。

憶測だがそれに該当した生物が現れるに違いない。


「そっちの二匹」


麦わら帽子とカウボーイハットを呼び、アイテム欄に入っているイカを渡してみる。

イカを手に取った二匹のペックルはイカを食べた。

するとペックルカウンターのやる気ゲージが30%上昇した。

全個体が100%になった訳だが……どうすれば良いんだ?


これはアレだよ。サポートキャラクターだよな。

条件はハーベンブルグ伯爵の屋敷に辿り着く、とかで以降開拓を手伝ってくれる。

まあシステム要素なら使わせてもらうが。

個体によって能力差あるよな。多分。

麦わらが畑仕事で、カウボーイが狩りだな。サンタ帽子……何が得意なんだこいつ。

取り敢えず当てはまりそうな項目を探す。


農業、狩猟、畜産、漁業、伐採、建設、開拓、指揮の八項目だ。


指揮ってなんだ? リーダーっぽいし、これと相性が良いのかも。

でも既に俺が命令を出している様な気がするしな。ともかく、開拓という動作が何を意味しているのか確かめる為、サンタ帽子には開拓を命令させておこう。


「仕事を始めるペン」


そう言ってペックル達は走り去っていった。

きっと命令した仕事をやってくれるのだろう。

取り敢えず村に戻ろう。



村に戻ると俺は唖然とした。

サンタ帽子を付けたペックルが両手でハンマーを握って家屋を破壊していたからだ。

まだ始めたばかりなのか倒壊こそしていないが、今にも崩れそうだ。


「なにやってんだよ!?」

「これはご主人。ペックルは開拓作業をしているんだペン」

「それは破壊って言うんだ! なんで家、壊しているんだ」

「新しい家を建てる為だペン」

「…………」


意味は理解できるが……この廃墟、壊されると俺の寝場所が無くなるんだが。

新しい家とか言っているし、後々建設とやらで家を作ってはくれると思う。

だがそれまでどうするべきか。

まあ……小回りが利かないのがサポートキャラのお約束か。


「わかった。お前は建設に回れ」

「わかったペン」


そう言って帽子にハンマーを入れると今度はノコギリを取り出して立ち去っていった。