ロミナが腕を組んで俺達の方を見る。
うん、わかる。
何を言いたいのかわかる。
「硝子くん以外はあまり戦闘向けなタイプに見えないが、入ってみるかい?」
まあ……そうだよね。
俺は釣りと解体担当、しぇりるは泳ぎと船作り、ロミナは鍛冶全般で単純な戦闘が得意なのは硝子しかここにはいない。
しぇりるが二番目かなー……?
ロミナに関しては詳しく知らない。
だけど、スキル構成的に厳しいはず。
「ロミナは戦闘が得意?」
「生憎と武器作りしかしていないから其処まで得意でも無いよ。精々友人と一緒にそれなりにLvを上げたくらいさ」
そうだよな。
今まで製造に特化していた訳だし、そうなるよな。
「俺も多少は戦える程度だし……どの程度のダンジョンなのか未知数なのがちょっとな」
「未知のダンジョン……少々興奮する出来事だと思いますよ。皆さん、やってみませんか?」
「そう」
硝子はともかく、しぇりるがやる気を出している。
悪い手じゃないとは思うけど、ここって王道から逸れた若干先の狩り場&ダンジョンなんだよね?
このメンバーで大丈夫なのか?
「すまない。少々忙しくてね、今回は遠慮させていただくよ」
ロミナが断った。
この中じゃ割と忙しい方だから、ダンジョンまで同行させる必要は無い。
役割分担がMMOの醍醐味だからな。
そこは各々適材適所にやっていくのが一番だ。
「了解、じゃあ挑戦してみようか。出来る事は多いけど少しマンネリだったしな」
という訳で俺達はパーティーを組んでダンジョン内に潜入する事にした。
†
ダンジョン内に入った俺達。
若干薄暗いけど見えない程じゃない洞窟って感じだ。
かなり湿っぽい感じがする。
相変わらず最先端のVR技術は凄いな。
「アレ? 絆さん、いつの間にかランプを持っていますよ?」
「本当だ! いつの間に!?」
リーダーをしていた俺の手に、いつの間にかランプが握られている。
道具/開拓地、帰還のランプ
説明/開拓地のダンジョン専用道具、迷わない様にと授けられるランプ。火を消せばダンジョンから出られる。
「脱出用アイテムって奴みたいだ。火を消すと外に出られるらしい」
「中々便利な道具ですね」
「escape」
しぇりるの台詞だけど妙にイントネーションが良かったな。
硝子が先頭でしぇりるが中衛、俺が後衛という陣形だ。
「どんな魔物が飛び出すか興味がありますね」
「まあね。海の魔物よりは強いかもしれない」
なんて話をしながら歩いて行くと、シトラスジェリーというスライムタイプの魔物の群れが現れた。
「行きます」
なんか戦闘は凄く久しぶりな気がする。
そう思いつつ感慨に耽って居たら。
うお! シトラスジェリーが飛びかかってきた!
……うーん?
ビタッと俺にぶつかったけど、痛くも痒くもない。
どうやらステータス的に余裕って事かな?
数分後にはシトラスジェリーの群れを全滅させていた。
「解体はどうしましょうか?」
「やってみる……とは言ってもジェリーの解体なんて意味があるのかな?」
転がっているジェリーの死骸を持ちあげる。
クラゲみたいな手触り。
……一応アイアンガラスキで解体してみよう。鳥用だけど。
んー……凄く透明だけど、どうやら内臓があるっぽい。
ジェリー、スライムみたいな魔物なんて想像で補完しなきゃいけないタイプの魔物だ。
結果。
ジェリーミート
ジェリーの内臓
ジェリーコア
の三つに解体出来た。
後は内臓から……石とかゴミっぽい物が出てくる。苔等もあるみたいだ。
どちらにしても消化中のゴミって奴だ。
マメに解体すると良い物とか出そう。
コアは綺麗だなぁ。
後でロミナに何か使えないか聞いてみよう。
錬金術とかのゲームだと生きてるとかの代物が作れそうだ。
「ゼリーを切り分けるとかこんな感じなのかもしれない」
スライムがクラゲみたいで、地味に難易度が高くて結構失敗した。
他にも使い道がありそうだ。
ゲームシステムの再現は離れていた期間が長かったので出来ていません。
それを前提によろしくお願いします。
時間経過
そんな訳で俺達はどんどん進んで行く。
道中でシトラスジェリーやスレートグリーンバットという魔物と遭遇。
硝子としぇりるのお陰で大分進める。
所々で壁が掘れそうだなとドリルで弄れそうな場所を見つけたりもした。
「どれくらい深いんでしょうね?」
「さあ……」
「あ、階段がありますよ」
「行こう」
そんな訳で階段を下りて行く。地味にダンジョン内は狭いのかな?
などと思いながら降りていった訳だけど7階くらい進んだ所で……敵に苦戦し始めた。
硝子が扇子を構えて攻撃を放つ。
「乱舞一ノ型・連撃」
硝子の先制攻撃がシトラスジェリーの群れに命中する。
が、シトラスジェリー達はビクともしていない。
「かなり頑丈そうです!」
硝子が飛びかかってくるシトラスジェリーの猛攻を弾きながら答える。
「ボマーランサー」
しぇりるも負けじとシトラスジェリーを爆発する銛で突いて行く。
俺も遅れを取る訳にはいかないか。
「クレーバー!」
と、各々の技を放ってどうにか撃破。こんな感じで戦っていたんだけど……。
地下10階くらいまで進んだ所で、同名のシトラスジェリーの突進を受けてしまった。
いってぇ! 攻撃力高い!
動きは鈍いけど1階と違って攻撃が痛すぎる。
数分後、シトラスジェリー達を仕留めた俺達は若干ぐったりして各々見合わせる。
「見た目同じなのに格上の相手でしたね。歯ごたえがあって良いです」
「そうだな。エネルギー面じゃ美味しいけど、俺は少し厳しいか」
地下10階クラスのシトラスジェリーは、動き自体は鈍くて良いんだけど……パチンコみたいに体を伸ばして突撃してくる時だけ早くて俺では反応しきれない。
動作である程度見切れはするけど耐えなきゃいけない時もある訳で。
硝子は黒字だったみたいだけど、俺は若干赤字だ。
ここ最近、碌に戦っていなかったし、稽古はして居ても実戦となるとまた別か。
「美味しい」
しぇりるも経験値の入手自体は良かったみたいだ。
「やはりここが現状、最も進んだ場所なのかも知れませんね」
「ああ、やっぱりそうなる?」
「はい」
硝子が言うのだから間違いないだろう。
「そう言えば宝箱が無造作に時々置いてありますね」
「そうだな」
中を確認すると建物の設計図が見つかる。
ペックル専用のアクセサリーの設計図まであった。
他に島限定の開拓用素材や鉱石が入っている事もある。
MMOだと普通のRPGみたいに宝箱からアイテムを手に入れる例は稀だ。
偶に宝箱という名前のモンスターを倒してアイテムをドロップする、なんてゲームがある程度か。
そして、今回みたいにインスタンスダンジョンで宝箱があったりする。
とはいえ、そこまで優秀なアイテムが出現するゲームはあんまりない。
少なくとも俺が今までやったゲームではそうだった。
「深い階層になると罠とかありそうで怖い」
「10階までサクサク進めましたが……入り口なんでしょうか?」
「わからない。この辺りはしっかりと攻略しないと終わりが見えないからなー……中にはエンドコンテンツ……はさすがにないか」
そんなこんなでやっとの事、15階に到達した。
休憩所っぽい所に宝箱があった。
中を確認すると……。
「ペーン!」
相変わらずペックルが見つかる。
今回は眼鏡装備のペックルだ。若干インテリっぽい。
適度に指示を出しておく。
「ねえ……」
「ん?」
しぇりるが若干困った様な表情で俺達に声を掛ける。
「もう難しい」
「それってダンジョン攻略が無理って事か?」
「そう」
「私はまだ戦えそうですけどー……」
「実は俺も厳しいんだよな……」
島に来て結構エネルギー面が溜まっていたけど赤字でボロボロになってきた。
しぇりるに関して言えば持ちこんだ回復アイテムが怪しいラインに来ているっぽい。
「そうなると、あまり深く進んでピンチになるよりは早めに離脱する方がいいかもしれませんね」
「もっと回復アイテム持ってくる?」
「うーん……硝子以外は戦闘向けって程じゃないからなー」
俺は元々マイペースの釣り人、しぇりるは船職人、硝子が戦闘向けだ。
かと言ってロミナを連れて来ても劇的にどうにかなるとは思えない。
10階まではどうにかなった。
しかし、その先となるとしっかりとした編成か戦闘センスが高い者がいないと厳しくなる。
硝子だって長期戦に向いたタイプじゃない。
スピリットは根本的に短期決戦向けだからな。
回復アイテムを満載して行く限りならどうにかなるかもしれない。
だけどな、硝子への負担が大きくなるし、ボスや別種の魔物が出てきたらその限りじゃない。
うーん……感覚的に言えば、外では魔物の存在がほぼ無い、この島で魔物との戦闘を其処まで強要される事態になる事は考えづらい気もする。
と言うか……俺達の手に余る状況になると誰かを呼ぶ事が出来る訳だし、状況次第だけど攻略が詰む様な要素というのは実は少なめなのかもしれない。
カルマーペングーの強さを考えても、硝子だけで勝てる強さだったし、アレは人数が居ればどうにかなるだろう。
だけどこのダンジョンは硝子一人では難しい。
となると、おそらく攻略しなくても開拓には関係が無いオマケ要素である可能性は大いにある。
ペックルに攻略させても、時間さえ掛ければコンプリート出来る的な。
プレイヤーが攻略した場合、その期間が短くなる場合だ。
後は地道に潜って経験値等を稼いで行けってタイプかも知れないな。
「どちらにしても一旦帰るべきだ。ダンジョン内の情報がわかっただけでも収穫だろう。攻略は本腰を入れて挑まないといけない」
「そうですね……今の状況では厳しいのも事実。ロミナさんに相談をしてからにしましょう」
という訳でランプの灯を消して俺達はダンジョンから脱出した。
†
「なるほど……島で発見出来る素材で装備の一新をして、どうにか出来れば良いけど」
ロミナに相談すると島で見つけた素材で作り出せる武具を考案してくれた。
ハック&スラッシュではないが、Lvを上げ、装備を整えていけばクリア出来るのはRPGの王道だ。
まあ俺や硝子の場合、Lvではなくエネルギーだが。
「劇的な代物を作り出すのは難しいね……後、君達が潜っていた時間がどれくらいか明確に教えてくれないか?」
「え?」
「行って三時間くらいかな」
「ふむ……実の所、君達が出かけて一日経過している」
ロミナが言葉に困った様な様子で答える。
「え!?」
いやいや、幾らなんでもおかしくないか?
時間の帳尻が合わないぞ。
「おそらく探索に行くと時間認識を弄られるんだろうね。まさに探索に一日潰した、という扱いになるのだろう」
そう言えばディメンションウェーブは機材を使って一日を数年に感じさせるゲームだ。
ゲーム開始直前の待ち時間などもあった訳だから、時間の調整は存在するはず。
つまりプレイヤーや場所毎に時間経過の調整も入れられるのかもしれない。
考えてみれば睡眠などを取れる施設を使うと、凄い速度で眠くなる。
あれもこのシステムの応用なんだろう。
つまり、この程度は造作もないって事かもな。
「何だかんだ開拓は順調に進んでいる。ダンジョンを深く攻略するとしてもだ。回復アイテムを作成して、装備を固めても……ごり押しでどうにか出来る場所では無いと私は思う」
「今のアップデート範囲内での最前線である可能性が高いから?」
俺の返答にロミナは頷く。
「言ってはなんだけど他のゲーム等でエンドコンテンツとなっている要素にインスタンスダンジョンの攻略なんてよくある話だ。私達が挑んでいるのはそういった場所である可能性は大いに高い」
そうだよな。俺も同じ事を考えたし。
んー……それにしても一体いつから俺達は最前線の場所を攻略する事を目的にしていたんだっけ?
ここに来る前は海で遭難していたはずだが。
「ペックル達に引き続き調査をさせて、俺達は別作業をするのも手か」
ぶっちゃけ、そんなエンドコンテンツに挑むほど、俺は余裕のある種族をしていない。
挑む度に弱体化して行ったらたまったもんじゃないし、スローライフが俺のモットーだもの。
釣りをして行きたいという初心を忘れたくない。
何かの基盤
「そんな後ろ向きな……」
「開拓を終える事が目的なんだから、それも手だと思うんだけどな……」
だって俺は別に新天地を見たり、釣りをしたりするのが目的で、強くなりたい訳じゃない。
元々運動神経とか良い方じゃないし。
戦闘は攻略組に任せるスタンスだったはずだ。
「どちらにしても今ある素材でどれだけの代物が作れるかはがんばってみるよ」
そう言ってロミナは鍛冶を始める。
「正直に言うと、硝子以外で戦闘向けのメンバーが居ないとここを乗り越えるのは難しいと思う」
「そう」
どうしてもスキル周りは好みが出るからな。
戦闘と生産は差が産まれる。
俺みたいな半製造みたいなのもいるが、戦闘特化には勝てないし。
なんて話をしているとタイミング良くサンタ帽子のペックルが俺の所にやってきた。
「誰か会いたい人はいるペン?」
「良いタイミングだ」
「まるで狙ったかのような状況です」
硝子が若干苦笑いをしながらペックルを見ている。
さて、誰を呼ぼうかな。
当面の問題としてダンジョンの攻略をしたい。
となると戦闘センスが良い奴で、仮に敗北しても即座に立ち直れるような者が適任だろう。
俺の知り合いの中で戦闘センスが高くて信用できる相手と言うと……奏姉さんに紡……後は闇影か。
他にも何人かいるけど、信用という点でこの三人だ。
そういえば奏姉さんとは全然話をしていないなぁ。
あの人はこういうの得意だとは思う。
ローグライクのゲームで99階とか999階を平然とクリアした実績がある。
帰還アイテムがあるから、堅実にクリアしていくはずだ。
とはいえ、いきなり呼んだらなんて言われるかわかったもんじゃない。
アレで結構根に持つタイプと言うか自分のペースを崩されるのを嫌がる人だから関わらない方が良い。
となると紡か闇影となる訳だけど……闇影はスピリット。
何かあって負けた場合の代償が大きい。
負けても翌日にはケロッとダンジョンに入って行ける様な人材が好ましいなぁ。
硝子はエネルギーを全部失う様なヘマはしないと信じているけど、闇影はなぁ……海に落ちたり幽霊船で怖がったりしていたから死んだら目も当てられない。
その点で言えば、楽しければ何でも良いとか思っている紡辺りが適切な人材な気がする。
アイツは飽きっぽい癖にローグライクのゲームで奏姉さん同様999階まで行った事あるし、この手のダンジョン攻略は好きだろう。
「よし、紡を呼ぼう」
「大丈夫なんですか?」
「ああ、何だかんだでこう言ったやりこみ要素は好きだと思う。俺の知る人の中じゃね。それに急に呼び付けても怒らないはず」
「妹さんですもんね」
「シスター紡」
「そう……って俺としぇりるの台詞が逆だぞ」
なんて言いながら俺は紡の名前をフレンドリストからコピーペーストして貼りつける。
「わかったペン。会える事を祈っているペン」
毎度おなじみの台詞を吐いてサンタ帽子ペックルは仕事に戻って行った。
これで明日には紡と会えるのか。
かなり賑やかになりそうな予感がするな。
ま、アイツには色々とがんばってもらうとしよう。
「闇子さんは?」
「アイツは今度で良いでしょ。ダンジョン攻略をするには若干、難があるからな」
さっきも思った通り、今の状況に合った人材では無い。
次があったら呼べば良い。
「とはいえ……ダンジョン探索の反動か眠くなってきた……少し休んでから次に備えよう」
「そうですね。紡さんと会ってから考えて行きましょう」
そんな訳でその日は早めに休んだ後、それぞれ好き勝手に開拓業務へと勤しんだのだった。
俺? もちろん、釣りをした。
夜釣りも良いよね。
早く光のルアーを取り戻さなければ……あの主、今の装備じゃ引っかかると同時に外れやがる。
だから熟練度を上げて技能を上げなきゃいけない。
†
「浜辺に何か流れ着いているペン」
翌朝の早朝、ペックルが俺を起こして言った。
「来たか!」
「そんな待ちわびたみたいな言い方はどうかと思うんですけど」
海岸にみんなで向かうとやっぱり垂直な形で海岸に紡が流れ着いていた。
「毎度思いますけど、これはどうにかならないんですか?」
「製作者の設定ミスって奴じゃない?」
「凄く滑稽な状況だ。とはいえ、面白い。流れ着く場所を特定してネタを仕込むのも良いと思うのだが?」
「良いなそれ」
「良くないです」
毎度恒例のスクリーンショット撮影を試みる。
何かのネタなのか誰かが近づかないと反応出来ない様になっているみたいだし。
撮影を終えた直後にやはり手が伸びて来るので避ける。
硝子並みに速い。やはり紡か!
慣れて無ければ避けられなかった。
「う……ん……こ、ここは……あれ? 絆ちゃん?」
「兄をちゃん付けで呼ぶな!」
「え? いつもお兄ちゃんってちゃん付けで呼んでるじゃん」
「そういう意味じゃないからな。お前が俺を呼ぶ時、名前+ちゃん付けは許さん」
「そうじゃなくって、どうしてお兄ちゃんが!?」
ガバッと紡が体を起こして辺りを見渡す。
「あ、硝子さんにしぇりるさん、それとーロミナちゃんだ!」
「やあ、久々だね」
「最近いなかったけどお兄ちゃん達と一緒に居たんだ。NPC扱いされた事に腹を立てて姿を消したって噂が立ってるよ」
そこで紡は俺の方に視線を戻す。
「こんな所に居たんだ?」
「いや、実はな……」
俺は紡にこれまでの出来事を簡潔に説明した。
すると徐々に紡の目に輝きが宿り、楽しげな笑みを浮かべはじめた。
「やっぱお兄ちゃんの周りの方が楽しそうだね! 私にもダンジョン攻略させてほしいな!」
「やる気があって何より、是非硝子と一緒にダンジョンに挑んでくれ。お前が頼りだ」
「うん! 任せて!」
「で、いきなり呼び付けてしまったけど、大丈夫だったか?」
「うーん……お兄ちゃんと別れてから、硝子さんの手伝いをしたりしてたけど、硝子さんも行方知れずになっちゃって、しぇりるさんが行方知れずになっちゃったでしょ? なんか面白い事でも起こってるのかなー? なんて思いながら闇ちゃんと狩りをしてたよ」
「ふむ……闇影くんがしっかりと生活出来ている様で何より。アルトに頼まれて私の工房に上がり込んでいたので、若干心残りだった」
ほー……闇影もあっちで卒なく生活しているみたいだな。
何せ第二の波でしっかりと好成績を残している訳だし。
まあ闇影の事だから、今頃俺達との経験を生かして最前線で戦っているんじゃないかな?
結構メンタルの強い奴だし、なんだかんだで上手く立ち回ってそうだ。
俺達とパーティーを組むまではソロだったしな。
そんな訳で俺達は紡を加えて島での生活を続けた。