Wave of dimensions — страница 33 из 111

「何?」

「アイテムを渡す毎に少しずつステータスが強化されるタイプのNPCって事か……」

「ただ、ブレイブペックルは守り専門で攻撃は出来ないペン! 十分に注意するペン」


サンタペックルはブレイブペックルに関しての説明を続ける様だ。

纏めると、ペックルの中でも特別なペックルで、基礎性能が総じて高め。

しかもここから成長するし、アイテム……道具や素材を渡す毎にステータスが更に伸びる。


「確かに、ブレイブペックルには専用の指示が出せるようだね……とは言っても代表である絆くんの命令を優先する様だけど」

「ペックルカウンターから指示は出せるんだろ?」


ブレイブペックルのステータスを再確認。

……特殊技能に薬剤、料理、細工、付与、指揮補正と言うをデフォルトで所持しているみたいだ。

他のペックルとは大きく異なるのはわかるな。


「まあね。とりあえず……指揮辺りをさせてみるとしようか」


ペックルカウンターでブレイブペックルを指揮をさせるように指示させる。

すると……全ペックルのステータスが5割ほど上昇した。


「……凄いね。全個体に作業経験値の増加のバフまで掛っているよ」

「滅茶苦茶優秀なんじゃないか」

「そう……だね。不自然な程に何でも出来るペックルだ。ダンジョンのクリア報酬では無いのだったか」

「ああ、主を釣りあげた時に手に入れた鍵で開けた扉の先に居た」

「となるとその難易度に合わせた報酬か……開拓が進んで良いね」

「俺の釣りのお陰だな」


無駄に自己主張しておく。

じゃないと俺って割と役立たずだし。


「間違ってはいないと思います」

「そこは謙虚にするべきだよ、お兄ちゃん」

「だからダンジョン探索を手伝ったんじゃないか」

「そう言えばボスは復活したのかい?」

「ドラゴンゾンビを倒して素材をゲットしたぜ! 俺の解体で!」


ここまで行くと自分でもちょっとウザイ感じが漂ってきたな。

まあ気にしない。


「前線組に売りつけたらどれだけ高額になる事やら……とは思うけど、とりあえずロミナくんへ持って行ったらどうだい?」

「もち!」


そんな訳でアルトと別れてロミナの方へと行く。

ドラゴンゾンビの素材を持ち帰るとロミナも満足する様子で受け取ってくれた。


「中々良い素材を持ってきてくれるね。今度は……確か紡くんの装備で良かったのだったか」

「そうそう。この装備で行けばもっとダンジョンでの戦いが楽になると思うんだ」

「わかった。じゃあ試しに作ってみよう。古代魚素材よりは楽なはずだ」


で、ロミナは持ちこんだ素材で紡に装備を作ってくれた。

黒光りする不思議な防具が出来上がる。

さっそく紡が着こんで俺達の前でポーズを取る。


「わー凄い! 前の防具よりもガッチガチだよ!」

「そりゃあ良かったな」


スカートのあるデザインの鎧だ。

割とデザインは凝っているんじゃないだろうか?


「洒落たカスタマイズをしても良かったのだけど、もう少し素材が必要でね。実用優先に最小限の素材で作ってあるよ」

「了解ーお兄ちゃん。また素材を手に入れに行こうね」

「わかったわかった」


まあ……少しは経験値と言うか戦闘の熟練度をあげておきたいし、悪い話じゃないか。

とは言え……釣りが恋しくなってきたな。


「今度は失敗しなかったので何より」

「その事だけど、絆くんが持ってきたオレイカル鉱石なんだが……鋳造の難易度が随分と高くて驚くよ」

「絆さんは常に先に行ってますね」


硝子がそう囁く。

そのつもりはないんだがな……とは言え、空き缶商法を思い出すので否定も出来ないか。


「上手い事鋳造は出来たけど、その先はまだ難しい。腐竜素材で随分と経験値を稼げそうだから持ってきてくれると助かるよ」


困った時のロミナさん。

もはや俺達専属の職人っぽくなって来てる……島から出た後も当たり前の様にタダで武具を作ってもらうとかさせそうで怖い。

親しき仲にも礼儀あり。

これからも仲良くやっていく為に色々と考えないといけないな。


「紡、硝子……ダンジョンで得た金銭をしっかりと報酬で払うんだぞ。当然の様にロミナに作ってもらっていたら前線組と同じになってしまうからな」

「……そうですね。いつまでもロミナさんの善意に甘え過ぎてはいけませんね」

「わかってるよ。お兄ちゃん」

「こっちは良い素材を提供してもらって、頼んでいる側だと言うのに……」


これはけじめだ。

甘え過ぎては今後の生活にも関わってくる。

俺も今度、島で一番美味しい魚のクエをロミナへ提供しよう。

割と普段から振舞ってるけど。


「報酬はもらっているさ。難易度の高い素材を貰って良い感じに熟練度を稼げているからね。まあ……相手を尊重する気持ちは受け取っておこう」

「話は戻って、オレイカル鉱石とスターファイア原石、そして古代魚系の素材での武具製造は難しいって所だっけ?」

「そうだ。少なくともまだ私の腕が足りないと言う話だね」

「大丈夫だよ。今の所ダンジョンのモンスター相手に遅れは取って無いもん」


硝子と紡はな。

俺も下級エンシェントドレスのお陰でどうにか出来ているし……。


「今度はしぇりるの番か、防具辺りはあっても損じゃないだろ?」

「……そう」


まあ、しぇりるは職人でもあるから少しずつ手伝ってもらえればいいんだけど……なんて思っていると腐竜の頭骨と骨、そして翼膜の端材に目を向けている。


「船の素材に欲しい?」

「……うん」

「じゃあ休憩したらまた取りに行くか」

「おー!」


とは言っても、後一回くらいで俺はまたスローライフに戻りたいけどさ。

そんな訳で俺達は装備を整えてまたもダンジョンに挑戦して行った訳だ。

ま、ここまで来ると作業なので、ドラゴンゾンビをまた倒して戻ってきたで終わらせよう。

合間にダンジョン内で掘削をして建築用の素材をゲットした。

今回はレアドロップは無かったっけ。

しぇりるも程々にLvが上がり、紡はガンガンLvが上昇しているっぽい。


次に手に入ったドラゴンゾンビ素材はしぇりるが受け取り、残りの素材でしぇりるの装備を作った。

ああ、素材が噛みあわない物でロミナの鍛冶道具を新調したらしい。

連続でインスタントダンジョンに潜ったので疲れた俺は、その後ダンジョン行きを辞退し、島での釣りと狩猟……泳ぎ技能の向上に努めた。

アルトの話じゃブレイブペックルを入手したお陰でペックル達が効率よく動いてくれているそうだ。


「よーし!」


大鯰の釣竿のお陰でクエも簡単に釣れる様になった。

しかもロミナがドラゴンゾンビの牙から釣り針を作ってくれたおかげで強度も補完されたし……難点は時々、毒が魚に着く事かな……夜に使うとボーンフィッシュが釣れる。

この釣針の使用はやめるべきだろうか。


狩猟としてトラップマスタリーを取った。

最初はモンスター専用の落とし穴を作成する物だったけど、何度か狩猟エリアで使用していると技能Lvを上げる事が出来た。


翌日はしぇりると一緒に素潜りで貝探しをした。

あさり汁を地底湖で作って食べたと話したらみんなも食べたいと言うので、しぇりるが貝も採れるだろうと海で採取する。

釣りばかりだけじゃダメだって硝子が言っていたし、特化するよりも良いのかな?


なんと、カルミラ島ではアワビが採取出来た。

バーベキューをしてみんなで食べてみた。

身がコリコリしてて絶品だった!

うん! 良い感じ!


オレイカルインゴット

そうして四日程過ぎた。


「うーん……」


ロミナが工房でオレイカルインゴットを前に腕を組んでいる。

試作品で作った小手だったかが紡曰く、凄く優秀なんだけど、一個作るのに何度も失敗を重ねた……らしい。

硝子と紡は日課にしているダンジョンへと潜って行っている。


「何か作らないのか?」

「難易度が高くてね。在庫も少ない……絆くん、また採取して来てくれないか?」

「良いけどー……アレってそう何個も採れないんだよな」


あの後もしぇりると探索とばかりに素潜りで地底湖探索に行ったけど、最初に見つけた時は運が良かったのか、あまり採取出来なかった。


「ミラカ凝縮結晶装備やドラゴンゾンビ装備で戦えるみたいだし、余り拘らなくて良いんじゃないのか?」

「そうは言ってもね。釣りに拘る絆くんと同じく、私も鍛冶職人としての意地があってね」


なるほど……とは言ってもな。

と言う所でブレイブペックルがやってきた。


「何をしているペン?」


このブレイブペックル。

他のペックルとは異なるAIで動いている様で、それなりに受け答えをする。

何かしらのヒントとか言ってくれるかもしれないな。


「オレイカルインゴットで作れる物の難易度が高くて困っているんだ」

「わかったペン」


すると俺の視界に作成指示のアイコンが出てくる。

は?

手元の素材と言うか……工房内にある道具一覧で作れる物が出てくる。

いや、ヒントをくれよ。


「どうしたんだい?」

「なんかブレイブペックルが作成指示アイコンを出して来て……」

「ふむ……どうせ壊しかねない素材だ。折角だから何か作ってみるのはどうだい?」

「ロミナが良いのなら……」


と言う訳でロミナからインゴットを受け取り、手元の素材で何か作れないか探してみる。

オレイカルインゴットってアクセサリー系が多いな……。

いや、確かブレイブペックルって細工を持っているんだったか。

その点で言えば防具では無くアクセサリー枠が多いのは当たり前か。


「じゃあ……」


俺はオレイカルスターファイアブレスレットを指示する。


「わかったペン」


ブレイブペックルが工房の金床の前に座り込んで何やら弄り始めた。


「じゃあ残ったインゴットで私も挑戦するとしよう」


作業シーンを見ているとブレイブペックルは細工をしているみたいだ。


「くー……失敗した!」


ロミナが悔しそうに消滅したオレイカルインゴットのあった場所を見ている。

そんなにも作成するのが難しいのか。

やがて……。


「出来たペン!」


ピョコンと立ち上がってブレイブペックルが俺に腕輪を差し出す。


オレイカルスターファイアブレスレット+2


……なんだこれ?

アクセサリー枠だけど下手な防具よりも防御性能から何まで高くなるぞ!

魔力が突出して高くなる。

しかも媒介石エネルギー自動回復(弱)まで付いた代物だ。

ロミナに手渡して確認させると、若干眉が上がる。


「え、NPCにここまでの代物を作られると私の立つ瀬が無いのだがね。悔しいがここまでの代物をまだ作れない」


うわ……すげえ。素直に称賛の言葉が出るとか、俺だったら嫉妬とかしそう。

と言うかゲームバランス考えろ! とか叫びそう。


「島の素材なら難しくないペン」

「おそらくカルミラ島由来の素材ならばブレイブペックルにとって容易い物なんだろうね」

「そうなんだろうけど……このアクセサリーはどうするべきかな」


俺が使っても良いけど、硝子や紡に持たせても良いかもしれない。

まだダンジョン内で物資調達をしている。その効率を上げる意味でもさ。

で、オレイカルスターファイアブレスレットを見ていたらブレイブペックルが新しい項目……付与一覧を見せてくれる。


「素材さえあれば簡単に作ってもらえるだろう?」

「ちょっと待って、そういや付与って技能があるんだが……」

「そんな物は実装されていない……やはり少々先取り技能を所持していると言う事か」


とは言え……今、俺が手持ちに入れているアイテムだとそこまで優秀な付与を施せはしないんだがー……。

お?

ドレイン強化を発見。

素材は吸血魚とボーンフィッシュ……。

仲間外れになってしまった闇影のご機嫌取りと実験には良いかもしれない。


「じゃあこれで」

「わかったペン」


ブレイブペックルがオレイカルスターファイアブレスレットを持って行き、今度はそこに手をかざして作業に入るモーションを始める。


「……何させても卒なくこなすね」

「ペックルの中での勇者みたいな奴だからな」

「もうブレイブペックルさえいれば他はいらないのではないのかね?」

「僻むなって、アクセサリーしか作れないみたいなんだからさ」


なんて言いながら少し時間が経過すると。


「出来たペン!」


ってな感じでオレイカルスターファイアブレスレット+2(ドレイン強化)は完成した。

付与無しよりも僅かに性能が落ちているが……コレはバランス調整か?

どっちにしてもしばらくは誰かに使って貰って、闇影と会った時にでもプレゼントしておこう。

現状だとサンタペックルが来ても闇影は必要ないけどさ。

ダンジョン攻略終わってるし。


「なんとも歯がゆい気持ちになるね。今日は寝ずに技能上げに励むべきだ!」


ロミナが謎の対抗心を出している。

まあ、硝子達が定期的に良い素材を持ちこんでくれるもんな。

波が来てアップデートされた後の事を考えれば悪い話じゃないはず。


「腕が上がって……島から出た後は前線組も驚きの腕前を披露するんだな」

「そうなるかもしれないね。まあ、職人仲間にはライバルもいたから、ライバルたちを出し抜いて一番の職人になったと自負しても良いかもしれないね。そこまで至れば馬鹿な連中を逆に返り討ちにも出来るだろう」


ロミナは俺の方を見て。


「むしろ絆くん達の専属鍛冶師でもあると主張しても良いかい? おかしな連中を黙らせるには良い名目なんだが」

「勝手に呼んでしまったしなぁ……別に良いけど、俺達はマイペーススローライフ勢だぞ? 今後もそのスタンスを崩す気は無いし、何処かで落ちぶれるかもしれない。そもそも一番なんて望んでいないが良いか?」


そう、結果的に今は、推定最前線らしい所に来てしまっているだけに過ぎない。

いつ落ちぶれるかわからないのも事実だ。


「問題ないさ。好きにさせてもらっているのだから名目貸しだけでも良い」

「それこそ、気に入った連中が居たら直ぐに移籍可能な立場……良いかもな」

「良い人材を絆くんは抱えていると思うがね。硝子くんや紡くんは前線組でも有数の人材だ。闇影くんだって波での成績を見れば他の追随を許さない。そしてアルトくんまでいるんだ。そんな仲間達に囲まれているのに本人は釣り三昧……君を見つけてコンタクトを取る方が難しいと思うがね」


しぇりるは船職人だから有名とか関係ないか。

なんか島でカスタマイズしている船が海賊船みたいになって来ているのは気にしない方向で行こう。

この中で代表を一応している俺に声を掛けるのは……案外難しいのかな?

ま、島を出たら釣りをしているのは決定だし。

……俺って何処かで隠居している仙人みたいな生活してる様な……?

この考えはやめよう。


「さてと、じゃあ良いアクセを作ってくれるブレイブペックルには硝子達の分までアクセサリーを作ってもらうか」


その間に素材をゲットすれば良い。


「あ!? ったく、面倒な仕事を押しつけてくるんじゃねえペン」

「……は?」


ブレイブペックルを再度見つめる。

するとそこには先ほどの様な丁寧と言うか若干ボケっとした様なペックル顔では無く、妙に鋭い眼光になり、口の悪いペックルがいた。

何度も確認する。

おかしいな……ブレイブペックルなのに反応が違うぞ。


奴隷じゃないペン

「おーい」


ブレイブペックルの豹変に困惑していると、アルトがこっちに近づいてきた。


「絆くん、何かブレイブペックルに命令したかい?」

「え? ロミナと一緒にアクセサリー作りを指示したけど?」

「やはりそうか」

「何か知ってるのか?」

「ああ……万能なブレイブペックルなんだけど唯一の短所があってね」


アルトは凄く不機嫌そうにしているブレイブペックルにペックルカウンターで指示を出して移動させる。


「人を小間使いみたいに扱いやがって、奴隷じゃないペン!」


なんか歩調すらも態度が悪いなー……。

しかし……その台詞は地味に痛い!

ペックル達全員の総意にも聞こえかねない!

後、お前は人ではなくペックルだ。


「ストレスゲージの上がりが物凄く速いんだ。だから何かさせる場合はしっかりと見ておかないとあっという間に増える」

「なんと……そんな短所があるのか」


性能が高い代わりって奴か。

勇者ならもっと耐えろよと思わなくも無いが、なんともゲームらしい短所だな。

とはいえ、無難な設定だと思う。


「うわ……指示を出して放置したらあっという間にヤバイ事になりそう」

「間違いないね。そしてストレスゲージが50%を超えると、あんな感じで露骨に態度が悪くなる。随分と独特のAIをしているよ」


一体どんな設定なんだ?


「バックストーリーか何かがあるのかもしれないけどね。調べた限りだと図書館を建てれば少しはわかりそうだね」

「知りたい様な知りたくないような」

「まあ、ブレイブペックルは何もさせなくても全てのペックルの能力を二割あげてくれるし、ストレスを下げる為に放置するのが一番なんだけどね」


いる事に意味があるタイプか。

宝の持ち腐れなペックルだなぁ。

しかもアルトみたいなしっかりと全ペックルの様子を確認している様な奴がいないといけないとか。

ちなみに城建設だけど五分の一くらい進んでいるって所かな。

まだまだ先は長そうだ。


「で、ブレイブペックルにアクセサリーを作らせたそうだけど」

「ああ、コレだ」


オレイカルスターファイアブレスレットをアルトに見せる。


「ははは、ロミナくんが廃業になりそうな代物だね」

「アルト……君はまだ懲りていないのかな?」


ロミナが指をボキボキと鳴らし始めた。

死の商人VS鍛冶師の対決第二ラウンドが幕開けしそうな雰囲気だ。


「ドレイン強化は闇影くん用かい? いや、絆くんの事だから……手持ちの素材で何かしたと言う所か、そのついでに闇影くんの機嫌を取れそうな物があったとか」


本当に一言多い奴だな。

俺もふざけておこう。


「名推理だよ、アルトくん」


アルトが苦そうな顔になった。


「その闇影くんはどこにいるのかな?」

「君の様に賢い商人は嫌いだよ」

「直後にその弓で撃ちそうな悪ふざけはやめてくれないかな?」


撃ってもダメージは無いけどな。

まあいい。


「未実装の技能、付与をついでにブレイブペックルにさせたんだ」

「なるほど……とは言え、ブレイブペックルに何かを作らせる時は僕に一言相談してからにしてもらって良いかい?」

「了解」

「そもそもロミナくんは鍛冶系の熟練度に意識を向けているけれど、基本的なLvを疎かにしていないか? 何だかんだ言って腕力とかも影響するだろう? ちょうどいいから硝子くんや紡くんにあげてもらってはどうだ?」

「確かに……上がりが悪いのもLvの所為かも知れない。良いかもしれないね」


そんな訳で、優秀なアクセサリー量産計画はもう少し時間を掛けて作らせる事になり、ロミナは硝子達の方へ手伝いに出た。




「絆くん、ちょっと良いかな?」

「なんだ?」

「この島なんだが、開拓を進めていると、やはりと思う点が増えて来ているよ」


で、島の開拓は着実に進んでいる。

アルトが俺の代わりに色々とペックルを運用してくれたから、見違えるほど発展した。

俺が釣りに使っていたナマズの居た池周りなんて完全に舗装されて池が噴水みたいな感じになっていたし、空き家になっている住居がそれこそ無数にある。

しかし、なんでこんなに家を建てているんだろうか?


「僕の推測なんだけど、おそらくここは第三都市に相当する場所なんだと思う」