「ここ数日の事を考えると否定できませんね」
「まあ……」
「では君達、始めるぞ!」
「Start the mischief in darkness shadow!」
だからしぇりる! こんな時だけ流暢に英語を話すな!
そんな訳で浜辺で水平に横になっている闇影(撮影済み)にアルトが接近して硬直を解く。
「こ、ここは!? 浜辺!?」
「ヤッハー! ナカマナカマ! キズナテキドウメー!」
なんで俺なんだよ。
お前を呼んだのはロミナだろうが。
共通の敵を作ろうとするんじゃない。
「ヒホッホー!」
「ハッホッホー!」
「ソーソー!」
うん……僅かに葉の合間から見る限り、アルト以外のやる気が若干低めの脅しが始まった。
「う、うあああああああああああ! わたしに何をするのぉおおおおお!」
あ、闇影がキャラを演じるのを忘れて絶叫を上げている。
しかも立ち上がって凄い速度で逃げ出した!
「ドウメーハイレー! ナベナベー!」
アルトが率先して鍋の方に闇影を誘導しようとしているが、さすがの闇影もバカではない。
「そ、そうだ! 帰路ノ写本を使うでござる!」
割と余裕があるんじゃないか? キャラが戻ったぞ。
で、アルトの時と同じく闇影は浜辺に転移した。
「きょ、強制セーブでござるか!?」
使う事を予測していたのか、アルトが先回りしている。
どんだけやる気なんだ。
「ニゲニゲムダムダー!」
なんて感じで逃げようとした闇影をアルト達が追いかける。
のだが……。
「ここは逃げるが勝ちでござる! ドロン!」
ボフっと闇影は煙を出して逃げだした。
しかも隠蔽系のスキルで隠れたな。
演技も完全に復活している。
ドロンじゃねーよ。
「トー!」
紡が隠蔽で逃げる闇影をあぶり出す。
じゃなきゃ逃げ切られるだろうし……。
「マテマテー! オエーオェエエエ!」
あ、アルトの奴、一人だけ闇影のステータスの高さに追いつけずに出遅れている。
この面子の中で全力で逃げる闇影に追いつけるのは紡、次点でしぇりるくらいなもんだ。
「今は現状把握でござる!」
余裕が生まれた闇影は逃げる逃げる。
この頃になってやっと紡としぇりるがやる気を見せて囲い込み始めた。
確かにこの動きの良さは追い詰めたくなるかもしれない。
難易度的な意味で。
「く……ドレインでござ……指定できない!?」
「オトナシクツカツカー!」
「GET!」
「ちょ!? やめるでござる! これは何かのイベントでござるかー!」
「ペックルはモンスターじゃないペン」
どうにか捕える事が出来た様で、疲れ切ったアルトが闇影を設置したキャンプファイアーの方へと誘導させたのだが……作業中のペックルが近くに通りかかって雰囲気が出ない。
のほほんとしているというか、微妙にシュールな光景だ。
「ジャマジャマー!」
「わかったペン」
ペックルカウンターで強引に移動させているが、ペックルは結構数が増えて来てるからなぁ……。
しかもアルトを呼んだ時よりも遥かに開拓が進んでいて、島の方を見ると建物が見えるんだ。
以前よりも観光地感が増しているというか。
後ペックル、何がわかったんだ。
まあきっとペックルカウンターで命令されたんだろうけどさ。
「とうとう拙者の番だとでも言うのでござるか!? だ、誰か味方は居ないでござるかー! 誰か助けてお願いー!」
うーん……そろそろネタばらしした方が良いんじゃないか?
なんて感じでリズムを取るのをやめようとした、その時。
「ハイドビハインドからの……シャドウダッシュでござる!」
またも闇影は魔法とスキルを使用し、影移動とでも言うかのような動きでアルト達の背後に回り込んで逃げ出す。
ここに来て新スキルの連続とは……中々やるじゃないか。
「……なんと言いますか、闇影さんって結構動きますよね」
「そうだな。割と冷静なんだろうか?」
「時々助けを求めていますし、混乱しているのは確かだと思いますよ」
アルトみたいに戦闘能力無しじゃないからなぁ。
初めて会った時もリザードマンダークナイトから逃げていたし、逃げ足はあるんだよな。
移動系や回避系のスキルも取っているみたいだし、忍法忍者って感じだ。
アルト……闇影を捕えて驚かすのは相当に難しいのがわかったんじゃないか?
「ウガー! シュダン選ばん!」
あ、アルトが手段を選ばずにいつの間にか作ったらしい火炎瓶を投げて闇影の進行先を遮る。
ちなみにプレイヤーには攻撃が当たらないはずなので、すり抜ける事が出来るはず。
だが、見た目の効果は抜群だったのか闇影が炎を避けて追い込まれて行く。
「く……拙者もここまでか!」
「フフフフ! ドウメードウメー!」
被害者同盟に加入しろと言いたいのだろうが、これは逆効果だぞアルト。
「ここでくじけては忍びの名折れ! さあ! どんなイベントかを説明するでござる!」
「……」
完全に白けちゃったな。
寝起きドッキリだから効果がある訳で、目が覚めた状態では騙せるもんじゃない。
色々とやり方がグダグダだったな。
「あー……アルト、もうお前の負けで良いよな?」
「く、くそ……この忍者め!」
ガクッとアルトは脱力した様に膝をついて項垂れる。
どういう意思がそうまでさせたのかは知らないが、意外にノリが良いのかもしれない。
まあ商人的なロールプレイをする位だしな。
しかし、その最後のセリフの意味がわからん。
忍者だからなんだ。
「こ、この声は!? 絆殿!?」
葉っぱの影から硝子と一緒に姿を現して闇影に声を掛ける。
もちろん、紡やしぇりるも変装をやめて着替えた。
「こ、これは一体!? 何が起こっているでござるか!」
「なんというか……実はな」
俺は島に流れ着いてから今までの経緯を闇影に説明した。
結果、闇影はこれまでに無いほどに驚きの声をあげた後。
「酷いでござる酷いでござる! 拙者を後回しにするなんて酷いでござる! 絆殿の所為で拙者がどれだけの思いをしたか知るべきでござる!」
闇影が駄々っ子パンチを俺にし始める。
子供かお前は!
ゲームのキャラだから実年齢は謎だけど、闇影は行動が子供その物の時が多分に見受けられるな。
俺よりも背が高い奴が駄々っ子の様に殴ってくる光景は目に痛いし、これからは年下という扱いで行こう。
「闇影、お前の近況はどうなんだ?」
「散々でござる!」
そうだろうな、とは思っていた。
闇影は愚痴るかのように説明を始めた。
硝子と一緒に活動していたが、ある日硝子が忽然と姿を消して連絡が取れなくなり、しぇりるの所に上がり込んだ後、しぇりるが行方知れずに……やむなくロミナの所に行った所で同様の結果に。
既にこの段階で悪い噂が広まり、街を歩けば人が距離を置く始末。
変なプレイヤーにも絡まれるし、たまったものではなかったそうだ。
波にも参加して好成績を残していたのが追い打ちとなり、チートをしていたから強制ログアウトをさせられたんだろ! 等と罵られたとか何とか。
それはそいつが悪い。後で運営に通報だな。
イベント的にもそう誤認されそうな部分を孕んでいるしさ。
というか、そもそもゲーム開始までゲームに触れる事も出来ないのにチートもクソも無いと思うんだが。
まあ、ここまでの経緯はアルトから聞いていたから想像通りだ。
紐なしバンジー
「で、アルトが消えた後は?」
「もう誰も頼る事が出来ないと拙者! 狩り以外宿に閉じこもってたでござる!」
あー……そうなるのか。
これについては本気で謝罪したい。
悪意で闇影を追い詰めた訳じゃないのだが、結果的にそうなってしまった。
ゲームは楽しくするのが俺の信条だ。
紡の時にも思ったが、みんなが楽しめないプレイスタイルは自分自身でも看過出来ない。
しかし、狩りに行く余裕はあったのな。
通りで新しい魔法やスキルを覚えている訳だ。
コミュ障の割に神経が図太いな、コイツ。
「某、途中で変な夢を何度も見たでござる! 突如語尾がごじゃるになって影武者をしていたり、なんか人相の悪い勇者を影ながら見守っていたりする夢を見たでござる。どっちが現実でござるか!?」
「何を言っているんだ、お前は!?」
これはヤバイ。
孤独過ぎて謎の幻覚を見るにまで至っている。
それ以前の問題として『ごじゃる』の前に『某』とか一人称が安定していない。
自分なのか拙者なのか某なのかハッキリしろ。
実は相当追い込まれているんじゃないだろうか?
「もう余は絆殿達とは四年間くらい会っていなかった様な気がするでござる!」
「さすがにそれは気の所為だ」
精々一カ月半行ったら良いくらいだろう。
多分……間違いなく……おそらく。
俺も勇者になったり、迷宮に監禁されたり、釣りしたり釣りしたり釣りしたり、ブレイブペックルみたいな奴と冒険した夢を見たけど、そんな事は起こっていない。
「後、一人称をなんとかしろ。キャラを安定させるんだ」
「孤独というのは人をここまで追い詰めるものなんですね……」
闇影が想像以上にやばいので、とりあえず安定化を図る。
キャラクター的に拙者が安定するか?
「ともかく、闇影、やっとお前をこの島に呼び出す事が出来た訳だ。急に呼び付けて申し訳なかった」
頭を下げて、本気で謝る。
「むしろ呼ばなかった事を怒っているでござる!」
「本当にすまなかった。言い訳をさせてもらうと、ペックルが悪さをしなきゃロミナは呼ばなかったはずだから、責任はペックルにあると思ってくれ」
「ここまで来て責任転嫁をするんですか!?」
「橋から突き落とすしかないね」
アレをやれってのか?
それで許してくれるならやるが、正直勘弁願いたいんだけどな。
割と何度も落下しているし。
だが、アルト。その時はお前も一緒だ。
闇影を追い詰めようとしたのはお前なんだからな。
「心臓に悪過ぎるでござる! 昨夜なんて夜中に床から大きな手が出て来て襲いかかってきたでござるよ!」
なんだそのイベント。
開発者悪質過ぎだろ。
しかもそっちのイベントまで俺の所為にされそうだぞ。
大体俺が悪いのは認めるが、ホラーイベントについては否定させてくれ。
「これもある意味、運営の悪ふざけって事なのかもしれないな。イベントをクリアしたメンバーが一人……また一人と消えて行き、そして……みたいな」
「些かフラグが適当過ぎる所があると思うがね」
ロミナがツッコミを入れる。
まあな。
幽霊船をクリアした際のパーティーメンバー限定とか制限を掛けた方が良かっただろう。
「ボッチがクリアしてしまう可能性を懸念したとかじゃないか? 開拓に適した人材も呼べるようにって感じで」
「まあ絆くん達を見れば不仲になりそうな要素がゴロゴロと転がっているからね」
確かにそうだよな。
リミテットディメンションウェーブに参加したプレイヤー全員で開拓をするって方が自然な流れだと思う。
長期クエスト的な感じでさ。
どうして分散させたんだろうか。
分散させるにしても個々が別の場所に流されていて、クエストを達成しながら合流するとか、やり様はあると思うんだが。
「これぞセカンドライフとでも運営が開き直りそうな話題だね」
内容的にありそうで怖い話だ。
ゲームとして大丈夫なのかね。
世の中にはPvPを謳うゲームなんかもあるし、その辺りはゲーム内容や運営の方針とプレイヤーが合うかどうかという面は否定出来ないんだよな。
仕様だと言われればそれまでだしさ。
「ともかく、そんな恐怖を植え付けてしまった闇影には罪滅ぼしの品々を献上しようと思う」
「な、なんでござるか?」
俺はロミナと一緒に闇影の為にと特注した装備群を渡す。
「こ、これはなんでござるか! 装備するだけで今までの三倍近く能力値が伸びるでござるよ!」
まあ、突き詰めた訳だしなー。
そもそもロミナの話では装備の桁がまだ少ないから驚異的に見えるだけで、今後もドンドン伸びて行くって予測を立てている。
武器の攻撃力が30程度だったとして、今の装備の攻撃力が90だったら間違いなく三倍だろ?
ゲーム開始がそんなものでも、ゲーム終了時は2500くらい攻撃力があるなんてゲームはそう珍しくない。
「絆殿達がここまでの代物を拙者にくれるにはきっと何か裏があるはずでござる!」
あ、滅茶苦茶警戒している。
闇影、よくわかっているじゃないか。
しかしコイツ、全部装備しやがった。
かなり要求スペックが高いはずなんだが……エネルギーも溜め込んでやがるな。
今まで同類だと思っていたが、実はコイツ硝子並にプレイヤースキルが高いとか、そういう展開だったりするのか?
「やったね、絆くん! 理解ある仲間だね!」
アルト、親指を立てるな。
そのネタ好きなのか?
「理解されているのを喜べばいいのか……きっと、嘆けば良いのでしょうね」
硝子の台詞が痛いね。
「闇ちゃんがどれくらい強くなっているのか見物だよね、お兄ちゃん!」
確かにな。
そこまで能力が上がっているならば俺達が直面している問題も容易く突破出来るかもしれない。
だが、見物って、なんでお前はそんなに上から目線なんだ。
「闇影くん、このカルミラ島という開拓地は寄り道クエストかもしれないが、前線組が戦っている場所よりも先の場所なのは間違いないと思う。その装備は私達が努力して作りあげた品なんだ。どうか協力を頼めないだろうか?」
「そう言えば……みんな装備が変わっているでござる。拙者も何か出来るでござるか?」
「場合によっては紡の代わりに呼んだんだけどな」
もちろん紡と闇影だったらどっちにするかの経緯も説明したぞ。
俺が如何に合理的であったか、ナチュラルにクズな感じで展開された。
闇影が凄く微妙そうな顔をしているのはこの際無視だ。
「わかったでござるよ……幽霊船での出来事からバラバラだったのがこうして集まりに混ざれたのを素直に喜ぶでござる」
そんな訳で闇影は俺達が渡した装備を受け取り、着替えた。
よし、上手く丸め込めたぞ。
……いや、別にそこまでクズに成り下がるつもりはないが。
ノリ的な意味で。
「今なら何でも出来そうでござる。絆殿、拙者に何をしてもらいたいでござるか?」
「ああ、紡がやらかした所為で出現した隠しボスに挑んでもらいたいんだ」
「隠しボスでござるか。燃える展開でござるな!」
俺はラースペングーの支配領域となっている場所の上空を指差す。
闇影も何処か悟ったのか息を飲むようにしてから頷いた。
「そんな訳で、待ち望んだ助っ人、闇影のデビュー戦だな」
「ところで橋から突き落とす罰ゲームはいつやるでござるか?」
チィ! 闇影、覚えていやがったか!
ちなみに罰ゲームをさせられたのは言うまでもない。
レッツ紐なしバンジー!
もちろんアルトも紐なしバンジー!
ついでに紡も紐なしバンジー!
こうして首謀者達は橋の下に消えたのだった。
3……2……1……。
ラースペングーの支配域の前にある光の玉にアクセスするとカウントダウンが始まり、再戦が出来る。
前回と同じくブレイブペックルが横になっている所から始まるみたいだ。
「そうそう、建設した図書館にブレイブペックルの伝説って本が閲覧できたよ」
「ああ、あの建てると同時に本が収まっていた図書館か」
「蔵書は一部だけだよ。ちなみに書記のペックルが建設後に説明した話によると、島中に書物が埋まっていたり釣れたり、特定のペックルが持っていたりするそうだよ」
何だその謎のシステム!
まだ謎の資料が見つかるのか?
きっと釣れるペックルみたいに本が出るんだろうな。
「本を拾うと図書館に転送されるから安心してほしい」
水中から出現する本が図書館に……濡れて大変な事になりそうだけど、そこはゲームだから大丈夫なんだろう。
そもそもそこを気にしたらモンスターが装備をドロップするのもおかしいしな。
ピンチになったら逃げる
「で、わかった情報を説明するよ」
「ああ」
「勇者はカルマを背負った変異をする事があるらしい。主に七つの大罪にちなんだ名前に変異をするそうだよ」
「へー……ラース、憤怒はストレスが原因って事じゃないって事?」
「そのようだね。で、ブレイブペックルにとってあの赤髪の女は敵対関係らしい。設定上相当悪女な人形らしいよ」
「ラースペングーイベントが発生する直前に笑ったんだったか」
不気味すぎて気色悪いぞ。
つまり呪いの大元は赤髪の女人形で、ブレイブペックルじゃなかったって事か。
「ヒントも載っていた。ブレイブペックルを参考にすれば攻撃の切り口が見えて来るのはわかるね?」
「あー……技能系は優秀で、ダンジョンに派遣する場合、攻撃能力が無い点だな」
仲間前提のペックルだ。
だからあの戦闘スタイルだった訳ね。
「そう、あのブレイブペックルは守護を担う盾を持ったペックル。実際の所、魔法にも相応の耐性を持ってはいるだろうね。とはいえ、モンスター辞典的な物が出ていたから対抗手段も載っていたよ」
図書館故にモンスターの情報も蓄積されているって事かな?
「じゃあ闇影が居ても同様の結果になるのか?」
「いいや。やはりというか、どちらかと言うと魔法攻撃向けの様だよ。近接で攻めるなら防御無視か比例攻撃を推奨されていたけど、遠距離か魔法の方が僅かに耐性が低めだ。炎以外ならそこそこ通るはずだよ。後は試すしかない」
「あいよ! じゃあみんな、行くぞ!」
俺の声にみんな頷き、打ち合わせ通りの陣形を取る。
主にスピリットが前衛となってダークフィロリアルの猛攻を耐えつつ、ラースペングーへ攻撃を集中させる。
紡は出来る限りダークフィロリアルと対峙してラースペングーは刺激しない。
俺や硝子、闇影が遠距離攻撃でラースペングーをチクチク弄り、しぇりるとロミナが弓矢で援護射撃。
アイアンメイデンを放たれそうになったらみんなで破壊に走る。
そう決めて、ラースペングーと対峙した。
前回と同じく姿を現したラースペングーに打ち合わせ通りの陣形を取り、ダークフィロリアルを紡と対峙させ、俺達はラースペングーがダークフィロリアルを守れない様に遮る様に陣形を組む。
近接攻撃はNG。
出来る限り距離を取りつつラースペングーを攻める。
「ドレインでござるー!」
バシン! と、妙に派手なエフィクトが闇影の放った魔法を受けたラースペングーで発生する。
見ると……硝子が防御無視攻撃を放った時に減ったHPよりも多く減っている。
数字的に言えば硝子が一発当てる毎に0,5%だとすると1%のダメージが入っているようだ。
「……効きは悪いでござるな」
あれで悪いらしい。
やはり魔法防御も高いみたいだ。
とはいえ、こちらは特化装備なのである程度効いているって所か。
「この装備は凄いでござるな! 拙者の魔法が軒並み強化されているでござる! サークルドレインでござる!」
今度はダークフィロリアルを含めてラースペングーに闇影が魔法を当てる。
誘導性が高いから簡単に当たっている様に見えるな。
「更にオマケでござる!」
闇影が忍術の印を描いて、光の玉がラースペングーに命中する。
こっちはあまりダメージが入っている様に見えない。
けど立て続けに唱え続けるとそれだけでダメージが入り続ける。
ラースペングーの奴、ダークフィロリアルの体力を回復させるので精一杯になって来てるぞ。