Wave of dimensions — страница 40 из 111

色々な個体がいるので、好きなのを持っていけば良いって感じだ。


「中々に便利だよ。ペックル達は新たに覚えた技能とかで作業の手伝いをしてくれるし、面倒な採取や採掘、鋳造まで経験させればしてくれる」


ロミナはペックル雇用で随分と助かっていると言っている。

島内に居る限りは制限なんて無い。

いずれ島から出た後の事を考えると採取活動が出来るのは一匹になるんだろう。

ちなみにロミナが気に入っているのはハンマー持ちのペックルだ。


「しかもこの島ではペックルは無数にいる訳だしね。アルトに頼めば幾らでも人員を割いてくれるから私はやりたい事をずっとやって居られるよ」

「ああ……そうか」

「オリジナルペックルを育てるのも楽しそう。私の友達もマイペックルで遊んでるし」


紡が他プレイヤーの状況を教えてくれる。

なんて言うか、ペックルの役目から見る限り、やはり何処かの妖精みたいな扱いが向いているんだろう。

でだ……このペックル雇用なんだが……やはりというかなんと言うか、俺には制限が無い。

一人一匹と言う制限が無く、しかもカモンペックルでいつでも任意の場所に呼び出す事が出来る。

ブレイブペックルはさすがに一匹しかいないけどさ。


「ペックルカスタマイズで任意のアクセサリーとか装備をさせる事が出来るみたいだし」

「じゃあ前カバンでも付けさせてナイフの二刀流でもさせるかね」

「何か危険な発想をしている気がするからお勧めはしないよ」

「そうか?」

「それはともかく、マイペックルのシステムの説明をするよ。疲労度と呼ばれる別数値があるそうだ。高いと勝手に休んでしまう。これはストレスゲージと同じだろうね」


簡略化されているって事かな。

無数にペックルを呼び出せはするけれど、疲労度には十分に注意をしろって事ね。

ペックルの育成も面白そうだよな。

いつでも呼び出せるなら一緒に釣りでもさせるか。


「絆くん、もしもペックルを呼び出す際は、あまり呼び過ぎない方が嬉しいね。どうやら島にいるペックル達を呼ぶと、その分ペックルが使えなくなるから」


アルトが俺の考えを先読みして注意してくる。


「何だかんだ言って絆くんとは付き合いが長くなってきたからね。君の突飛な発想は時にとんでもない事を仕出かしかねない」


……。


「やりそうな事と言ったら……気に入った釣り場を見つけたからと行って際限なくペックルを呼んで釣りをしない事を勧めるよ」

「絵的に面白そう! お兄ちゃんやってみてよ!」


後で第二都市で釣りをしようと思っているけれど……あの川に一列ズラーッとペックルが釣竿を垂らしている光景を想像してみる。

凄いシュールな光景だ。


「何かのイベントだと思われそうですね」

「僕はやるなと言ったんだけど……」


硝子も想像して納得した様子。

確かにアルトの言う通りやめておいた方が良いかもしれない。


「わかったわかった。とはいえ、こんな育成システムも搭載してるんだな」

「やりたい事が多くなってくるから、そのアシスト用って事なんじゃないかな? MMOにはそこそこあったシステムだと思うよ。武器とか防具、道具作り、家具、何かの作業を代行してくれるNPCの雇用とかね」

「俺も知らない訳じゃないけど、確かになー……しかも戦闘にも一応出せるから便利と言えば便利か」


まあ、呼び出すのは精々五匹くらいがバランス的に便利そうだ。

一人でもパーティー活動が出来る。

……微妙にむなしいな。


「まあ、気に入ったペックルが居たら教えてくれると助かるよ。割り振るから」

「わかりました……けど」


そこでアルト以外の連中が俺の方に視線を向ける。

具体的には俺の頭上だな。

今の俺は元サンタペックルであるクリスが落としたサンタ帽子を被っている。


「あの、絆さん、一体いつまでその帽子を被っているのでしょうか?」

「別に俺は好きで被ってる訳じゃないぞ!」

「そうだね。絆くんがそれを被っている事には大きな意味がある。具体的にはペックル達に効果がね」


アルトが後押しとばかりに胸を張って言い切る。

俺が今装備しているのはクリスマスペックル帽とか言うふざけた頭装備だ。


クリスマスペックル帽 クリス&島主専用


どんな効果があるのかと言うと、雇用しているペックルの全能力20%増加とか言うふざけた性能を宿しているのだ。

ちなみにクリス自身に装備させれば前のサンタ帽子ペックル状態に戻せる。

中身はキングペックルだけどさ。外見だけな。

その優秀な効果の為に、俺はこれを装備する事を強要されてしまっている。


「絆くんとクリス、更にブレイブペックルの能力上昇効果を総合計すると、全ペックルの能力が約2倍にまでなるんだよ! ブレイブペックルの指揮無しで!」

「指揮をさせると?」

「2.5倍になるよ」

「それだけの能力を生かせる状況ってもうあるの?」


開拓ではやる事が多かったからこそ必要な能力だった訳で、今は精々店番や採掘、漁をさせるくらいしかする事は無いのではないだろうか?

建物の補修にしたって、劣化する時期ではない。


「ふ……甘いね。マイホームをカルミラで購入したプレイヤーが建築委託をしないとでも思ったのかな?」

「ああ、なるほどね」


ペックルに建物を建てさせる依頼の受注とかある訳か。

他にも家具製作とか、アルトからすると仕事は山ほど存在するって事だな。

とは言え、家の自作くらいは一般プレイヤーでも出来るはずなんだが……その辺りも金で解決できるのがなんとも妙にリアルっぽくて嫌な気もする。


「それに高いに越した事は無いだろう? 僕のボディガードをしてもらうにも良いしね」

「アルトはもう少しLv上げをすべきだと思う」


なんでそこまで頑なにLvを上げないのか、お前がディメンションウェーブをゲーム終了まで商売の練習をする為だけにやっているんじゃないかと言いたくなる。

薄らと見えるアルトのゲームプレイの意味。

今度紡にアルトをゲームオタクにさせる様、囁いておこう。

まあ元々アルトはゲーマーっぽいけどさ。


「話は戻って絆くんはブレイブペックルと……クリスが固定で雇えるのを忘れないでほしい」

「ほい」


一番有能な二匹が俺の専属ってわけね。

……癖が一番強い二匹とも言えるのが悲しい。


「新たな採掘場が見つかったら絆くんがペックルを大量に派遣させるという手もあるよ」


ロミナも悪知恵が働くようになってきたなぁ。

確かにその方法を使えば少ない時間で大量の鉱石を入手する事が出来そうだ。


「後は……タイムリーな話題としてコレが良さそうだね」


そう言ってロミナは何処からともなく大きなペックルのぬいぐるみを出した。

……いや、これはぬいぐるみじゃない。


「なんですか、コレは?」

「実は島の倉庫に溜まっていた品なんだけどね。ペックル達の抜け羽と言う物を鍛冶に使ってみたらレシピに出て来たんだ」

「着ぐるみ……ですか?」


そう、ペックルを模った着ぐるみだった。


ディメンションウェーブ第三波-始動-

ペックル着ぐるみ。

遊園地とかにいる、あのマスコット的な着ぐるみの衣装だ。


「フィッシングマスタリーと泳ぎ補正、水中戦闘技能が掛るんですか……しかも性能がそこそこ高いですね」

「絆くんの所持する下級エンシェントドレスには及ばないしドラゴンゾンビ素材に僅かに負けてしまうがね」


地味にいろんな技能が追加されるみたいだな。

コレはある意味ペックルに成り切れる装備かもしれない。

この手のネタ装備はネットゲームではありがちだが……う~ん。


「ちなみにだ。先ほどのサンタ帽子の件があるだろう? この装備を着用すると一時的に種族がペックルに表面上変化する」

「何……? じゃあスピリットは?」

「その辺りのシステムまでは介在しないのは確認済みだ。後は分かるんじゃないかね?」

「俺がリーダーとしてみんながこれを装備したらドラゴンゾンビよりも上の性能になる」


硝子を初め、みんなに目を向ける。

しぇりる、ロミナ、アルト以外が首を振る。


「……ペンギンストーリー。ダイエット。レトロゲーム」


しぇりるは反応が微妙だな。

それは何のネタだ?


「幾ら強くなれると言っても困ります」

「そうでござる!」

「そうそう、そう言ったネタ装備はお兄ちゃん枠でしょ。何ならそのドレスを頂戴」

「誰がやるか! と言うか完全に俺をペックル枠に入れる気だな!」

「客寄せと顔を隠す意味で僕は良いかもしれないけどね」


アルトの場合はな……死の商人としての顔が割れない様にしようとしている様に見える。

色んな意味で便利かもしれない。

というか、この前の4人組が使うと良いアイテムだな。


「武器とかは作れないんですか? それならまだ妥協できるかもしれません」

「どっちにしてもネタ装備になりそうじゃない? 硝子さん」

「よくわからないんだよ。ありそうな雰囲気はするんだけどね」

「アップデートで出る新武器枠にあるんじゃないか?」

「かもしれないね。キー素材が無いとかの可能性もあるよ。どちらにしても海上では有利になるかもしれないから覚えておいてほしい」

「使わない事を祈りましょう」


そんな訳でペックル達はディメンションウェーブをプレイしているユーザー達に浸透して行ったのだった。


で、他に起こったイベントとして島の近隣に別の島が発見された。

こっちも一応、カルミラ島の領地内って扱いっぽい。

この島は単純なモンスターが生息する狩り場って扱いだ。

カルミラ島本島を拠点に島へ向かう船持ちプレイヤーが効率の良いモンスターを探して向かう構図が出来ているって所だな。


しぇりるが監督する船のドックには新規で船を依頼する人がそれこそ、山の様に来るようになった。

船作りに関しては製造系プレイヤーが急いで作っているらしいけど、やはりゲーム当初から船作りをしていたしぇりるには敵わないらしい。


しかもしぇりるが作る船にはマシンナリーで作ったレーダー付きなので、性能もピカイチ。

素材、金銭、全部持ちでしぇりるに作って貰う環境と言うのは、しぇりるからしたら幸せな状況かな?

本人はあまり喋らないからわからないけど、人数限定で依頼は受けている様だ。

島が解放されるまで好き勝手に船作りしていた腕前が評価されつつあるって事か?


ああ、後……やはり解体に関しては割と周知の事実となっていて、解体技能を磨いている連中がそこそこ増えている。

釣り人は俺が見た所、其処まで居ないのが不満に思う所だろうか?

釣りと解体は相性がいいと思うのだが……。


そんな感じで島での出来事は日々代わる代わる変化が起こっている。

インスタントダンジョンの時間節約術でケチくさく地道にLv上げするか未知の島を冒険して自分達にあった狩り場を見つけるか等、やる事の可能性が広がった感じだな。

で、島での変化にみんなが対応し始めた頃……。


――バリンッ!


聞き覚えのある音が響き渡り、島に強風が吹き荒れた。


「あー……」


俺は風が来た方角を見上げる。

島の近海にひび割れた空が映し出されていた。

前回は遠過ぎて色くらいしか判別できなかった波の発生現場が……割と目の前にあった。

そう……島の近くで波が発生するのがわかったのである。


「造船を急がせろ!」

「今回の波は海上で発生するらしいぞ!」


島のドックを買い取った造船技能持ちの職人達が急ピッチで船作りをしていた。

先発隊が調査した結果、波が起こるフィールドは全部海だったそうだ。

自然と船に乗って戦うか、泳いで戦うかの二択になる。


さすがに海の上を歩く魔法なんてのは見つかっていない。

空を飛ぶ技術も今の所無いし。


で、船上で戦うとしても一般プレイヤーは船の上で戦う事をしてきていない。

その為、船上で戦おうものならまともに体が動かなくなる。

硝子や闇影が初めて船の上で戦っていた時が印象的だ。


あの時と同じで、船の上での戦闘に慣れない連中は試験的に船で戦ったらボロボロにされたって話だ。

一部は海で戦う事をしていたから多少は船上戦闘技能を所持しているけれど、それ以外の連中は蔑ろにしていた項目だ。

どちらかと言うとインスタントダンジョンの需要が多かったのは時間の節約も然ることながら、船上戦闘技能を習得する手間を惜しんだ所為だろう。

アルトの話では前線組とやらはプレイヤー同士で不必要な技能を強引に習得させられるとか愚痴っていたとか何とか。


モンスターと戦えれば何でも良いってゲームじゃないだろうに……Lv=強さって訳じゃない。

どうも前線組って連中はその辺りの柔軟性が欠落しているのではないだろうか?

前に俺がやった事のあるゲームでもあったな。

情報サイトの攻略情報以外は信じないって連中の話。


ネット内で情報が出回る前に効率の良い方法を見つけた事があって、知り合いにより効率の良い方法があると教えても、そんな情報ネットに転がっていないから非効率だとか言い返された。

後に俺が見つけた方法が出回ると手の平を返されたけど、それまで聞く耳を持たなかった。

誰かが見つけたやり方をなぞる事しか出来ない人と言うのは一定数いるのを俺は知っている。


それが悪いとは言わない。

だけど、それが正しいなんて俺は思わない。

デマに踊らされるのもそう言った連中だと思うし。


話は戻るが船上戦闘技能は習得に時間は掛るけど、取得の難しい技能じゃない。

これがスキルポイント制のゲームだったら振り直しをしなきゃいけないけどさ。

ディメンションウェーブはスキルポイント制では無く熟練度要素があるので、どうにかなる。

この技能習得を面倒臭がる前線組の思考は一体何なんだろうか?

極寒地域で波が起こったら防寒具を着こまないと戦えないのはおかしいと不満を言う気か?


……まあ、気にしたって始まらない。

前線組には前線組のルールや常識があるのだろう。

どちらにしても島が解放されて日が浅く、俺達以外のプレイヤーは島に合わせきれていない状況での波に挑む事になった。


そういえば久々に奏姉さんに会ったっけ。

会ったと同時に不足分の素材を持ってないか聞かれた。

奏姉さんは相変わらずやりたいようにしているようで、俺が島主である事に気づいていない様子だった。

それもそれでどうなんだろう?

まあ、奏姉さんも仲間が居て、そっちで色々とやっているみたいだし、あんまり干渉するのもどうかと思うけどさ。


紡の方も知り合いと一緒にそこそこ話をしたそうだ。

しぇりるに船を作ってもらえないかと頼まれたとか言ってたな。

俺の所の船を貸すのは図々しいから紡自身が念を押して断ったみたいだ。

海戦

そんなこんなで波戦が発生するだろう当日。

波の亀裂が黒く変質している。

間違いなく今日だな。


「うわー……一体どこからこんなに船が集まっているのかねー」


波が発生する専用フィールドには無数とも呼べる船舶が今か今かと待ちわびている。

第一都市に居た頃は船なんてほとんど見た事が無かったのにな。


「な、なんだあの船」

「でか! 巨大ペックルと融合してるぞ!」

「海賊船風か? 妙に凝ってんなー」


マップチャットが聞こえてきた。

みんな揃って俺達が乗っている、しぇりる作の俺達専用の船を指差しているのがわかる。

ちょっと気分が良い。


どんな形状かと言うと、まず船首は巨大ペックルが引っ張る形に適した船とも呼び辛い形状。

で、船の真ん中あたりからマストを建ててあり、大砲が横軸に設置されている。

しぇりるの趣味なのか、使われた素材がドラゴンゾンビ素材だからなのかは不明だが、髑髏のマストが設置されている。

もちろん、船首にもバリスタを設置してあるぞ。


船尾周りにもバリスタは設置してあって、完全に海賊船に見えなくもない。

開発段階ではこの船でペックル達は漁をしていたっけ。

こう……昔、シューティングゲームで猫と船が合体した中ボスを見た覚えがある。

それのペックルバージョンだと思ってくれて間違いは無い。


ちなみに何故か船にペックルを乗せると、みんな海賊の子分が着用するバンダナを頭に巻く。

パイレーツペックルってか?

ご丁寧な細工だ。


「良いなー、あれ。どうやって作ったんだろ?」

「島主のじゃないか? ペックルを滅茶苦茶連れてるし、あの巨大なペックル……設置物じゃないだろ」

「限定アイテムか何かを持ってるって事か。不公平だな」

「シークレットクエストをクリアしたら差も出るだろ、俺達もがんばるしかねえよ」

「堅実にダンジョン行くか大穴でクエストを探すか、か……」


割と注目の的になってしまった気がする。

まあ、これだけ事前準備をしていたらそうなるか。

ちなみにテスト運転をした限りだとかなりの速度で移動可能だ。

ソナー付きで魚影もキャッチ可能。

俺向きのカスタマイズをしている。

しぇりるも良い仕事をしてくれたな。


「前回は開拓業をさせられて免除にされたんだ。今度こそやるぞー!」

「ええ、がんばりましょうね」

「もちろん!」


ちなみにアルトやロミナは島の方で一般プレイヤーの援護に専念している。

回復アイテムの支給とか武器の提供とかする事は無数にある。

予備の船を戦闘フィールドと行き来させるつもりだ。

やはり問題はボスが出るまでだよなー……。


『今回もわらわが指揮を執るのじゃ』


お? 最初の波で的確な指示を出していた奴のオープンチャットが聞こえて来る。

前線組も何だかんだ言って手慣れた様子で武器の準備をしているし……どうにかなるだろ。

なんて準備をしていると前に参加した波と同じく……モンスターが現れた。


『毎度おなじみ、ボスが出て来るまでの辛抱じゃぞ! みんな! 前回と同じく、しっかりと戦うのじゃ!』


前回は参加してないけど、まあ気持ちはわかる。

俺もやっと戦える!

で、出てきたモンスターの名前を確認。


次元ノサハギン

次元ノ怪魚

次元ノカジキ


どれも水棲系のモンスターが出てきたようだ。


『ふ、船にモンスターが乗り込んで来た!』

『急いで殲滅するのじゃ! Aの6とBの5とAの1に黒い島……今回の破壊目標が設置されたのじゃ。モンスターの方は海から無数に湧き出しておる。出現数は前回の比では無い様じゃ! みんな気張るのじゃ!』







1  2  3  4  5  6


バシャッと海中から次元ノサハギンが飛び出して甲板に乗り込んで来る。


「負けませんよ! しぇりるさんと絆さんはバリスタと大砲で海中のモンスターを殲滅して居てください」


俺としぇりるは親指を立てて、バリスタで海中にいる次元ノ怪魚と次元ノカジキ目掛けて、バリスタを乱射する仕事を始める。

すぐに矢が射出される音が響く。


「ペックル共は投網と機雷を海に投げ込めー! モンスター共を少しでも減らしてみんなの手助けをするんだー!」

「「「ペーン!」」」


俺の指示に従ってペックル共が海中に投網と機雷を投げ落とし始める。

金に物を言わせた物量を俺達の船は積んである。


「拙者もやるでござるよ」


闇影が相変わらずのドレインを硝子が戦う次元ノサハギンにぶちかます。

バシっと良い感じの効果音がして、次元ノサハギンは一撃で息の根が止まる。


「おや……?」


闇影も手ごたえの無さに首を傾げている。

巨大ペックル船で高速で動きまわりながらバリスタや大砲を乱射する俺達に次元ノサハギンや次元ノカジキは狙いを絞り、群がってくる。


「ヘイトを集め過ぎましたね」


甲板に無数のサハギンが現れ、硝子と闇影、紡が防衛する為に構える。


「ペーン!」


そこにクリスとブレイブペックルが筆頭となったペックル部隊が乱入して甲板は乱戦となる。