Wave of dimensions — страница 43 из 111

機械類の販売、付与、精錬等生産系の大幅拡張、レシピの拡張とかかなり項目が多くて全部を読んでいたらキリがなさそう。

大幅拡張ってなんだろ?

後でどう変わったのかロミナに聞かなきゃな。


戦闘に関わる要素だと、連携技の追加があるみたいだ。

仲間と一緒にスキルや魔法を放つと混ざって発動させれる様になる……か。

上手く使えば強そうだ。


他に種族の能力拡張もあるみたいだ。

亜人系のキャラクターは一定のLvを越えた後にクエストを行うと獣化が出来るようになるみたいな感じで出来る事が増える。

スピリットはー……倒したモンスターの魂を集めて力に出来る?

ちょっとわかりづらいな。

これは検証しないといけないだろう。


後は……お?

カルミラのインスタントダンジョンが拡張と書かれている。

おそらく最下層にあった扉が開く様になったんだろう。


「後はお楽しみのボーナスアイテムの支給ー」


今回、俺の総合順位は1位だから良い物が支給されるはず!

報酬を受け取るをチェック!

やはりスロットが回る!


釣竿と魚があった! これに当たれ!

アタレ! アタレ! 一位補正で任意の奴にアタレ!


なんて祈る様にスロットを見ていると魚で揃ったかのように見えて……またずれて双剣みたいな項目に変わる。

フェイントやめろ! もう驚かねえよ!

なんてガックリしていると+という四つ目のリールが出現して魚のマスで止まる。


――高密度強化エネルギーブレイドアタッチメント獲得。


またこれか!

で、魚の項目は何なんだ?

なんて思っているとブレイブペックルが俺の服の裾を摘まむ。


「ん?」

「がんばった島主への報酬ペン」


そう言って盾の裏から凄いピカピカ光る成り金っぽいルアーを俺に手渡す。

お前が渡すのかよ。

受け取るとルアーは光となって消えた。


シークレットスキル『フィーバールアー』を習得しました!


カモンペックルみたいな追加スキルをまたも取得したって事か?

後でどんな効果があるのか検証しなきゃな。


その前に支給された高密度強化エネルギーブレイドアタッチメントを出して見る。

もう一本のエネルギーブレイドか?

所持していたエネルギーブレイドにある端子とくっつきそうなので合わせて見る。

やはりカチっと音がして引っ付いた。

む!? 何かエネルギーブレイドに光の線が走って小型化した。


試作型可変機能付きエネルギーブレイドⅣ獲得。


可変機能?

エネルギーブレイドを握って項目を確認する。

すると剣、槍、弓、杖と、いろんな武器アイコンが出て来る。

扇もあるな。


ただ……釣竿は無さそうだ。

解体刀も無いみたいだ。

微妙に俺が使う物に被らないなぁ……精々弓かな?

使いやすくはなるか、いざって時に硝子や闇影に使ってもらうのが良さそうだ。


「みんなイイ感じの順位だったね」

「絆さんは報酬は……」


エネルギーブレイドを硝子に見せる。


「またそれなんですか?」

「ああ、スピリットにはそこそこの確率で出る武器らしいね。微妙に使い辛いからアイテム欄の肥やしにしている人も多いそうだよ」

「だろうね」


実際、使いづらいしな。

一振りする毎にエネルギーが減って行く訳だし。


さてと……恒例の奏姉さんの戦績は……。


総合順位89位、奏†エクシード。


前回よりも落ちている。

おかしいな。

奏姉さんならばそろそろ頭角を現しても良い時期じゃないか?


あ、他にも名前を見られる所を発見。

散財順位にも名前が載っている。

こっちは54位だ。


こんな項目があるという事は俺の名前は……無いな。

アルトやロミナ、しぇりるも無い。

それなりに金を使ったイメージがあるんだけどな。

バリスタとか撃ちまくったし。

どういう基準なんだ?


後は……次元ノ白鯨にプレイヤーの船が群がっている。


「うわ! 硬い……しかも全然切れないし、切り辛いぞ!」

「く……これ以上は取れないか!」


次元ノ白鯨の上に乗って解体をしている様に見える。


「MVPが島主チームだろ? しょうがねえよ」


なんか俺達の方に注目が集まっている。

解体の情報が広まっているってのは本当なんだな。

じゃあ隠れて解体する必要は無いか。


「そんな訳でさっそく解体もさせてもらうとするか」


勇魚ノ太刀を出して次元ノ白鯨に飛び乗る。

そして解体する為に刃を立てる。

勇魚ノ太刀なんてまさしく次元ノ白鯨を解体するために作られた様な解体刀だよな!

アッサリと肉に刃が沈んで行く。


硬いか?

これは解体の熟練度や技能が高くないと出来ないって事だろ。

少し技能が足りない気がしたので、解体に振りこんで行く。


おや? 捌き方の道筋が点線が付いて見えるようになったぞ。

高速解体等を駆使して切り分け、サクサクとアイテム欄にぶちこんで行く。

鯨の捌き方なんてよくわからないけど、魚と同じ感じで切っても問題は無さそうだ。

ただ、油が滅茶苦茶取れるな。


「島主何者だよ。釣りに解体も出来るとか」


どっちかと言うとそっちが本職だよ!

魚を捌くのが解体に繋がってんの!


とは言え……この解体作業って結構グロい気がする。

血は出ないし、臓物は水晶っぽい感じに変わってるけどさ。

コツを掴めば何でも出来るようになる。


そんなこんなで解体完了。

捌き切ったら半透明の次元ノ白鯨が出来上がった。

素材はかなり採れた。後でロミナに何が出来るか聞いてみよう。


「なあ……捌いたら次元ノ白鯨が半透明になって見えるんだが、アレはなんだ?」

「ボスクラスは解体した人以外でも貢献した人の物として解体出来るようになっているそうでござる」


ああ、分け前はしっかりと分散される訳ね。

前回のケルベロスの場合は解体する人が少なくて残ってたって感じだったんだろう。

という訳で俺達は足早に解体を終えてカルミラに帰還したのだった。


後で素材類を確認していた所、素材以外でのドロップ品もあった。

ネメシススーツとかいう、かなり強力なダイバースーツだ。まだ俺には装備出来そうに無いし、付与効果に素潜りの補正が掛るみたいだったからしぇりるに支給する事にした。


他、復讐の船首像。

船の速度を上げる効果のある品だ。


他は武器だな。

復讐の神の剣なんて使い道が分からないのでロミナに分解してもらって別の武器にしてもらう事にした。


次元ノ白鯨素材で何が作れるかな?

ドロップ品とほぼ同じ物が作れそうだけど。


そうしてカルミラの城……俺達のギルドへと戻り、祝杯をあげた。


「完勝でござったな!」

「イイ感じだったね!」

「ええ、今回ばかりは非の打ち所も無いほどの勝利だったかと思います。かと言って侮ることなく、次も同じ様に勝って行きましょう」

「ふふふふ……資金は潤沢。この金をどう転がして更なる富を得るのか、考えるだけでぞくぞくするね」

「アルトくん、もう少し落ち付きたまえよ。アップデートによるアイテム作成の幅も広がってきたし、これからどう転がって行くか、刺激に満ちた生活が見えて来るね」


俺はいい加減、第二都市の川で主を釣りたいな。

なんて思いながらカルミラ島が見渡せる展望台から辺りを見る。

思えば長い道のりだった。

絶好調だとも言える。

しぇりるがエイハブスピアを背負って遠い海を凝視しているのを見つけた。


「波が終わって、次の波が来るまでに何をするか……か」

「そう……」

「しぇりる、お前は何をしたいんだ?」


俺は分かり切った質問をしぇりるにぶつける。

しぇりるは迷うことなく海を指差す。


「この先に何があるのかを確かめたい。その為の準備も万端」

「そうだな、また漂流するかもしれないが、こんな結果になるのならどんどん挑戦すべきだよな」

「私は出来れば避けたい所ですが……元々効率の良い狩り場を探して未開の地へ行こうとしていたのですものね」

「インスタントダンジョンが拡張したらしいが、それはやりこみ組の連中が挑む所だろ」


俺達がすべき事は別にある。

初心を忘れちゃいけない。

冒険心は失っちゃいけないよな。

半ば作業の様にモンスターを倒して強さを自慢する様な連中に、俺達はなり果てたくはない。

というか、そういう目的でこのゲームをプレイしている訳じゃないしな。


「硝子や闇影、紡は自由にしても良いんだぞ? 俺だって釣りをするのが目的だし」


未知の魚を釣りたい。

その為に俺は新大陸を目指している訳だし、知らない場所なら既存の狩り場でも行くべきだと思っている。


そう言った意味では人が減った第二都市近隣の狩り場を巡るのも悪くは無い。

幸いカルミラに帰るのは簡単なんだから。


「よし、じゃあ明日は新天地を目指して行動してみるか。何かあったら帰れば良いんだし」


帰還アイテムもあるしな。

まあ前回と同じく脱出不可、なんて可能性も高いけどさ。


「OK」

「……わかりました。絆さん達らしいですね。ある意味、島を開拓したがったペックルと変わりませんね」

「アイツ等と一緒にするなよ」

「ふふふふ……僕は島に残させてもらうよ。プレイヤー達から金銭を絞り取らねばならないからね」


アルトは島の管理をする気満々みたいだ。

まあ、良いか。


「足元見るなよ」

「ははは、そんな真似をするほど困ってはいないよ。交易など面白い項目があるから試すだけさ」


なんか引っ掛かるな。

ロミナが肩を軽く上げて、説明をする感じで言う。


「私も島に残ってみんなの装備品を作っているよ。幸い鍛冶仲間も移住して来ているし、出来る事が増えているからね。色々とチャレンジする毎日になりそうだ」

「今度は拙者を置いて行っては嫌でござるよ」


闇影もついて来る気だし、紡もそれは変わらない。


「決まったな」


こうして俺達は戦勝会もそこそこにしぇりるが作った船に乗り、新たな場所を目指して出発したのだった。



そんな訳で開拓編終了です。

以降の更新はストックが溜まってからしていこうと思っています。

フィーバールアー

カルミラ島を飛びだし、新たな地を目指して旅立った俺たちだけど……第四都市と言うか新大陸に関しては割とすぐに見つかってしまった。

どうもカルミラ島のディメンションウェーブが終わった際のアップデートで航路が開けたって設定なのか、流通って意味での設定なのか不明だけど新たな大陸への船が出るようになってしまったのだ。


この事が露見してアルトがカルミラ島はすぐに廃れるかもしれないと冷や汗を流していたっけ。

とりあえず先発隊とばかりに出かけたプレイヤーの証言を聞くと、帰路の写本で登録できない特殊な都市らしい。

しかも色々と制限があって使い辛いとか何とか……拠点と言うより中間地点って印象のある都市だったとの噂がカルミラ島には来ている。


そんな訳で俺達も新大陸とやらにすぐに到着した。

漁港ロラ……と言う簡素な船を止める港しか無い場所に無数のプレイヤーたちと共に俺達も船を停泊させた。


「いらっしゃーいペーン。カルミラ島出張の出店だペン」


……何故か漁港ロラではペックルがアイテム補充等の店を開いている。

どうもこれがアルトの言っていた交易と言う要素の一つらしい。

ここでの収益はカルミラ島の税収にカウントされるそうだ。


「ここが新大陸ですか……」

「思ったより早く見つかったでござるな」

「そう」

「ワクワクするね!」

「まあな」


新しい場所に到着し、無数のプレイヤーのいる人ごみの中を歩いて俺達は新大陸を見渡す。

港を抜けると草原が伸びている。

街道らしき道があって、プレイヤーたちがぞろぞろと道沿いに歩いて行っている。


「他のプレイヤーの方々に続いて私達も行きましょうか」

「いや、俺はこの港で釣りをしてる」

「またでござるか……」


なんか闇影が呆れた様な声を出している。

何をわかりきった事を言っているんだ?


「ここまでの道中でも絆さんは釣りをしていましたよね」

「硝子、新しい場所に着いた=新しい釣り場でもあるんだ。ここは海ではなく、漁港ロラと言う釣り場なのだ。何が釣れるかのチェックを忘れてはいけない」

「……そう」


ゲーマーとして、釣りが俺のライフスタイル。未知の場所に着いてする事と言ったらまず釣りが俺のする事だ。


「お兄ちゃんらしいね」

「もはや恒例となっているのは分かっていますが、ここで先に向かわず釣りをしたいとは……絆さんらしいです」

「じゃあどうするでござる?」

「……別行動」


しぇりるの言葉に同意だな。


「しぇりるはどうするんだ? 夢と言うか目的だった新大陸を見つけた訳だが」

「……まだ全てが見つかった訳じゃない。もっと調べる」

「まあなー」


まだ世界地図の全てが埋まった訳でもない。もっと海を調べ回るのも確かに必要な事だろう。

ただ、アップデートしないと新しい場所が見つからない様に細工されている様なので、程々に新しい事に挑戦するのも……また一考ではある。


「んじゃ、海をもっと調べたいのか?」

「のう……新大陸、調査……コロンブス」

「大陸の調査もしたいってことね」


しぇりるはコクリと頷く。


「じゃあ、俺が港で釣りをしているから皆は先に行っててくれ。何かあったら教えてくれよ」

「わかりました……ただ、本当、絆さんはマイペースですね」

「ただ、絆殿の奇想天外な行動で成功しているのだから否定は出来ないでござるよ……」

「あはは! じゃあ先に行ってるねお兄ちゃん! 水場があったら教えるからね!」

「おうよ!」


って事で俺は硝子達に先に行かせて港で釣りに勤しむ事にしたのだった。


「おい……あそこに居るのって釣りマスターじゃね?」

「ああ……あのクジラを釣ったアイツか」

「新大陸に来てやる事が港で釣りって徹底してんなー……」

「ゲーム開始時にも一日中釣りしてた姿が目撃されてるんだぜ。釣りのトッププレイヤーだろ」

「アイツの真似すれば成功するって感じで釣りを必死に覚えている奴もいるらしいぞ」


道行く人が俺を指差して、噂話をしているのが聞こえてくる。

悪い気はしないけれど、俺の真似ねー……別に釣りだけをして新しい場所を見つけた訳じゃないんだけどなぁ。

もちろん新しい場所での釣りは好きだけど……他にも色々と覚えてみたいスキルがアップデートで出ているんだよなぁ。

釣竿を垂らしながら次に覚えるか悩み中のスキルをチェックする。


お? 竿が引いてる。

何が釣れるかな?


む……地味に釣り辛い。

引っ掛けるのが中々難しい手応えと、引っ掛かった直後に暴れ出して手こずった。

まあ、十分に上げたフィッシングマスタリーの前ではそこまで苦戦はしなかったが。


「おお? シマダイだ!」


シマダイって言うのはイシダイの若い魚だ。イシダイは割と釣り人泣かせと言うか憧れの魚でもあるので自身の成長を感じられる。

ここでシマダイが釣れるって事は近くの岩礁地帯に行くとイシダイが釣れるかな?

問題は釣り針か……そこそこ強度が無いと噛み切られるだろうなぁ。

竿だけではなく釣り針も拘らねばならないかもしれない。

他にクロダイとウミタナゴが釣れる様だ。

ここの主は一体何が引っかかるか今から楽しみだ。

なんて感じに試行錯誤を繰り返していると……。


『絆さん』

「ん? ああ、硝子? どうした?」


硝子からチャットが飛んできたので応じる。


『ちょっとこっちに来てくれませんか? 試したい事が見つかったので』

「別に良いけど……」

『お願いします。道なりに進んだ先です』


せっかく乗って来たのになー。

なんて思いながら釣り具を仕舞って皆が向かっている先に俺も続いて行くのだった。


「やっほーお兄ちゃん。成果はどう?」

「呼ばれたからそんなに釣ってないけどシマダイが釣れたな」

「へー……よくわかんないけど凄いね」


よくわからんなら凄い言うな。

とにかく紡の挨拶を無視して硝子達に声を掛ける。

なんか……仰々しいズラーっと横に並んでいる城壁が続き、その真ん中に入口らしき砦のある場所だ。

プレイヤーが一列になって並んでいる。


「どうやらこの新大陸にある国はミカカゲと言うそうなのですが関所を通過しないといけないそうで……」

「へー……」

「門番の話だとね。国内に入るには通行手形と言う名のビザ申請が必要なんだって、そのビザを取るとこの先に三日間だけ滞在出来て、期日を過ぎるとこの関所に戻されるらしいよ」

「期日を過ぎると一日程、申請期間が必要だそうでござる」

「……そう。ビザ……常識」


滞在期間が決まっているね。微妙にリアルな設定のある国への来訪って事なのかな?


「しかもここで発行したビザだけだと更に先の関所は通れないし、首都に行くのには日数も掛るから三日じゃまず辿りつけないみたい」

「ふーん……で、それで俺を呼ぶのに何の理由がある訳?」

「ちょっとお兄ちゃん。こっちの受付のNPCに声を掛けて見てくれないかな?」


砦内でズラーっと一列で並んでいる列とは別のガラガラの受付がある。

俺たちの後から来たプレイヤーがチョロッとその受付に話しかけるのだけど、なんかそそくさと長蛇の列の方へと行ってしまう。

まあ……良いか。

俺はその受付の方へと向かう。

俺の前に並んでいる人がその受付に声を掛けると。


「ようこそいらっしゃいました! ミカカゲ国へようこそ……こちら、貴族地位所有者用の受付でございます。一般の冒険者の方はあちらの冒険者窓口でお尋ねください」


と、NPCが長蛇の列の方を手で指し示している様だ。

……とりあえず俺も声を掛けよう。


「ようこそいらっしゃいました! ミカカゲ国へようこそ……カルミラ島の島主様!」


うお。反応が違うぞ。


「こちらが滞在期日無期限のミカカゲ国の栄誉通行手形になります。お受け取りください!」

「あ、ありがとう」


サッと、通行手形と言う木製のアイテムを受け取る。文字が金色で書かれているなぁ。


「ミカカゲ国では他国から来る者達には滞在期間を設けております。普通の冒険者の方々は通行手形を受け取り、国内で依頼や危険な魔物の討伐等を行って実績を稼いで行き、通行手形の格を上げて行くことで滞在期間と関所を越えて行く事が出来るようになります」


なんか受付のNPCが長々と俺に説明を始めてしまった。

硝子達がなんか勝った様な顔をして俺の後ろに居るんだが……。

ともかく、どうやら普通のプレイヤーは一般受付の方に並んで普通の通行手形……ビザを受け取って実績を稼ぎながら国内へと進んで行くって事なのね。


「ですが、貴方様はミカカゲ国と交流のあるカルミラ島の島主様。これはギルドの皆様にも適用いたしますので、どうぞ我らが国ミカカゲをご堪能ください」


えーっと……つまり、色々と面倒な手続きを免除してくれるわけね。

カルミラ島で甘い汁を吸いつくした俺たちが次の場所でも優遇処置を受けるのかー……色々と大丈夫なのか?

激しく接待をされている様な気がする。


ただ……それだけカルミラ島での隔離業務をさせられた見返りって事なのかもしれない。

考えてみれば開拓の遅延は起こりえる問題な訳だし、適切な人材を呼べなければ上手く行かない可能性は高いだろう。

俺はそう言った面だと友人知人に有能な人材が多くて助かった。


「やったでござるな!」

「アッサリと通れそうですね」

「うん! やっぱお兄ちゃんに話しかけさせて正解だったね」