Wave of dimensions — страница 46 из 111


ああ……あるな、そう言った代物。

でもドロップ率0.1%とかでしょう?

ありがちありがち。


「新大陸では簡単に武器が入手できないし、出てくる魔物から作った武器もカルミラ島の通常ダンジョンで入手できる武器に毛が生えた程度。揃ってボスドロップ狙いに挑戦者が集まっているってことさ」


うん。オンラインゲームあるあるだなぁ。


「しかもね。このボスドロップ……強化発展するのが分かってさ、こっちも一本ほど作らされたよ。私しか作れないって言われてね」

「大変だな」

「まあ……随分と鬼畜な仕様だけどね。本当、運が良いプレイヤーがいたよ。強化を7までしないと下地に出来ないって言うのに、幸い強化するのに必要な素材はボスを周回したら集められるんだ」


おお……そりゃ剛運だ。


「一応、その武器は私が見た中では一番の攻撃力を持っていたね。前線組、垂涎の品だろうさ」

「ロミナが受けたって事は……悪い奴じゃないんだろうな」

「そりゃあね。君も知っているよロゼットくんさ」


ロゼット……ああ! いたいた。紡と一緒にデスゲームごっこをしていた彼ね。

運が良いなぁ。


「ちなみにドロップする武器名は海賊船長のサーベルで片手剣、これを素材にしてハーベンブルグのカトラスが出来る。なんと威力は今までの2.5倍。夢が広がる。島は今、メモリアルクエストフィーバーさ」


ああ、この島の設定上、前の持ち主だ。

海賊の船長ではないから正しい姿への昇華とも言える武器だな。

ここでもフィーバーしてんのか。


「絆くんも狙うと良いかもしれないよ。確か設定ではこの島の前の持ち主なんだろう?」

「あの列に並ぶのはちょっと……」


それくらいズラーっと並んでいたぞ。

クリアして出なかったら並び直しって感じだった。

入場制限があるんだろうなーってのはすぐにわかる。


「良い狩り場を求めて海に出たらしい君やみんなからしたら挑戦はする気は無いか……元々君達が達成したクエストだしね」

「まあな……最悪、買えば良さそうだし」

「買えてしまう君達の財布が恐ろしいね」


なんて言いながらロミナは青鮫の冷凍包丁<盗賊の罪人>を作り上げて俺に手渡した。


青鮫の冷凍包丁<盗賊の罪人>+3(5)

ブルーシャークの牙を素材にして作りだされた冷凍包丁。

ただし、使われたのは<盗賊の罪人>である為、他の青鮫の冷凍包丁とは次元の異なる切れ味を宿している。

<盗賊の罪人>の力を宿してる為、特殊な力を所持している。

固定スキル オートスティール 冷凍特攻 出血付与


おお……なんか手に吸い付く良い感じがする。

攻撃力も滅茶苦茶上がるぞ。装備条件が下級エンシェントドレスとほぼ同等と言う恐ろしい仕様だ。

幸いアップデートでエネルギー総量が自動で上昇しているので装備自体は出来る様だけど。

ケルベロススローターを軽く凌駕している。

料理用の包丁が一気にトップに返り咲いたとしか言いようがない。

ただ……飛行系の魔物用の解体包丁が無くなってしまったなぁ。

まあ、これだけの性能があれば全く問題ない範囲だがな。


「ちなみに、先ほど話したハーベンブルグのカトラスに負けず劣らずの性能を宿した代物になったよ」


そっか……まあ、片手剣なんて俺の仲間で使っている奴はいないし、良いんじゃないか?

これで解体が捗る……と良いのだけど何分冷凍包丁だから刃渡りが勇魚の太刀には劣る。

切り分けるのが大変そうだ。

手に馴染ませないと。


「色々と助かる」

「それはお互いさま。良い経験と種類確保になったよ。またこれで良い装備を作れるようになったからね」


なんて感じに俺はロミナから新しい装備を作って貰ったのだった。


投網漁

「ああ……そうそう、白鯨素材の解体武器を作る為に勇魚の太刀を預かっても良いかい?」

「良いけど……俺じゃなくて硝子達の装備を優先してもらって良いんだが」


俺なんかよりも硝子達の装備を優先した方がこの先の戦いや冒険なんかを有利に立ちまわれる様になるはずだ。


「もちろん硝子くん達の方の装備も視野に入れているよ。ただ……硝子くん達から念を押されているのさ。君は釣り具以外はかなり無頓着な性格だから良い素材を持って来たら気に掛けてほしいとね」


うわ……なんか先回りされている。

まあ、本音で言えば硝子達に戦ってもらって俺は釣りに専念したいって気持ちも無くは無い。


「それと……しぇりるくんからのオーダーで釣竿の強化だったね」

「ああ」


俺はしぇりるから貰った素材をロミナに渡す。

するとロミナは俺の電動リールを一緒に受け取り、完成させたようだった。

釣竿を確認。

あ……追加スキルって項目が付いてエレキショックって代物が付いている。


「針が引っ掛かった相手に電気で攻撃出来るようになったね」

「もはや釣りなのか何なのか分からないな」

「それだけ、これからの釣りも厳しくなるって事なんじゃないかい? って……解体武器を渡した時より嬉しそうな顔をするのは鍛冶師をする側からすると複雑な気持ちになるんだけどな」


そんなつもりは無かったのだが、これからどんな魚が釣れるのかを考えたら誤解されてしまった。

とにかく、これで釣竿の攻撃性能もアップか……本当、先が思いやられる。


「さーてと……それじゃ、こっちも色々とやって行くかな」

「アルトくんから話は聞いているよ。クエスト頑張って」

「ああ、一週間くらいでササっと目処を着けて硝子達と合流する予定。それまでに追加で武器を作ったら持っていく」

「了解、新大陸での良い情報とか聞きたい所だね」

「んじゃ……」


徐にペックル着ぐるみに着替えて……。


「島主が珍妙な恰好をして店から出て行くね」

「制作者が何を言っているのやら、クエストではこれを着た方が効率が良いんだよ」


と言う訳で俺はクエスト達成のためにペックル達を引き連れて船に乗り、出航したのだった。


それから一週間、船での漁に関してだが……投網などを使っての数の漁だ。

出てくる魔物に関してはしぇりるが用意してくれたバリスタを駆使すれば特に苦戦することなく戦えたし、船に乗り込んでくる魔物なんかも新武器の青鮫の冷凍包丁で戦えば一撃に近い感じで戦えた。

ブレイブペックルに守らせたりしているので……うん。一人でも問題ないのは間違いない。

装備の良さなのか、今までの魔物で苦戦する事は無かった。


ただ、なんか強そうな魔物はいるにはいるので危なそうな時は急いで船を移動させて逃げた。

船とは言え巨大ペックルが動力なので逃げるのはそんなに難しくない。

……モンスターをハンティングするゲームの魚竜みたいなのもいて、そいつは強そうだと思って襲われても逃げに徹した。

先制攻撃のバリスタが全然刺さらなかったから間違いなく強いだろう。

硝子や闇影達と合流したら挑戦するのは良いかもしれない。


で、投網漁は一応カルミラ島に閉じ込められていた頃にもやっていたのだが……色々とわかった事がある。

まず、投網漁では獲れる魚は思ったよりも限られている。主は引っかからない。

これは当然の事なのかもしれない。

捕れるのはニシンやイワシ、カツオとかが多い印象だ。

後は言うまでもなく海域などで獲れる魚にも変化がある感じだった。


レーダー完備で魚群を見つけて投網を発射する機械で一網打尽の楽な仕事では……あったかな。

魚を捕まえるとペックル達が自動で船の倉庫に積んでくれる。

アルトとはチャットで連絡を取り、必要な魚の量を逐一報告しながら色々と捕って行った。

その合間にしっかりと釣りをしたぞ。


ただ……やっぱり思うのだが、俺は海釣りばかりしている気がする。

そろそろ川釣りをしたい所だ。

ああ、プレオープンだった水族館もオープンさせた。

海の魚は先に俺が寄贈しているし、硝子達に合流前に水族館は覗くつもりだ。


で……船で行ける範囲で色々と周っていると流氷が漂う海域や温暖な海域とか、アップデートで行ける範囲が増えているのがわかった。

問題は新大陸が他にもあるかもしれないって所には俺だけじゃ難しい魔物がうようよといる点だ。


それを避けて進むと霧とかが出て先に進む事が出来ない。

アップデート待ちのマップって事なのか……って感じだ。

また船の墓場的なイベントに単独で遭遇するのは勘弁してほしい所だ……ああ、一度謎の力で船ごと弾かれたな。


「この先はまだ島主はいけないペン」


ってクリスがぶつかると同時に注意してきた。

たぶん、島主だからこそ出来ないイベントってのがあるのだろうと納得した。

条件を満たしているから進めないとか、逆に条件を満たしていないから進めるとか、ありがちな要素だしな。


「さてと……こんなもんか」


カルミラ島に戻り、アルトと合流した。


「うん……さすが絆くんだね。今、海で手に入ると思われる魚の大量狩猟クエストの必要数は殆ど揃ったよ」

「作業的に魚群を見つけて投網キャッチをしていただけだけどな」


こんなのでも釣り関連の習得条件を満たせるのだから大雑把な仕様だ。

数を釣るのが習得条件の物の中には投網は条件外って技能も増えてきたけど、投網での数が必要な漁は大分収まった。


「で、例の方もどうなんだい?」

「そっちも順調。初期投資をしただけはある。ぐんぐん上がっているし、船の一部に納品済みだ」

「やはりこの関連だと絆くんが一番だね。僅かな期間でそこまでやりきるとは」

「褒めても何も出ないぞ」

「ははは、これは厳しいね。ただ、この関連クエストは一定周期でまた発生する様だから、その時はまた頼むよ」

「一度クリアしたら終わりじゃないってのが地味に面倒だな」

「こういう所はどんなゲームでもあるものじゃないかい? デイリークエストさ」


確かにあるな。

オンラインゲームに始まり、ソーシャルゲームでも見る。


「どちらにしても、絆くんが達成してくれたお陰でカルミラ島の名産品も増えたし、新装備もアンロックされた。またプレイヤー達から金銭が得られる様になったね」


アルトが目を煌々とさせて言い切る。

最近、コイツが本当に死の商人へと進化して行っている様に見えてきた。


「アルト、今度はお前も手伝えよ」

「わかっているよ。そんなに難しくは無いみたいだしね。そう言う事業経営の経験にもなりそうだし」


なんか引っかかるが……まあ良いか。

ゲームを楽しんでいる様で何より、という事にしておこう。


「さて……じゃあ早速オープンさせた水族館を見させてもらうか」

「うん。こっちだよ」


と言う訳で俺はアルトの案内でカルミラ島で建築された水族館エリアへと案内された。

港から隣接したエリアにあるんだな。

前は図書館が建っていた所の裏で樹木が壁となっていた場所だったはずなんだが、図書館と繋がった形で道が出来ている。

水族館にはチラホラと……プレイヤー達が出入りしている。

で、入口にはデカデカと次元ノ白鯨の骨格標本が展示されていて、荘厳とした佇まいを醸し出していた。


「入場料がいるけど、僕達は当然の事ながら不要だよ」

「そうか」


水族館に入り、受付のペックルが声を掛けてくる。


「いらっしゃいペン。島主様ペン! 島主様は……寄贈された魚の合計で386コインペン。どうぞペン」


ってコインをチャリチャリって効果音と共に渡された。


「結構貰っているね。さすがは釣りマニア」

「釣りに関しちゃうるさいつもりだ。確かこのコインでアイテムと交換出来るんだっけ?」

「うん。ただ、個人的には次のアップデートとかを待つのも手だと思うけどね。絆くんがクエストをクリアしたらラインナップが増えたみたいだし」


こう……有名なRPGのメダルを連想する要素だな。

後で良さそうな物があるか確認しながら交換するか考えておこう。

コインの事は後回しにして案内図を確認する。


「一応徐々に増築する予定だけど、海水魚と淡水魚のコーナーで分けられるね。港近隣、沖合とか色々と寄贈した場所に割り振られるみたい」


結構本格的な水族館なんだな。


ヌシ図鑑

あけましておめでとうございます。



「で……こっちが資料関連だね。図書館の蔵書が一部こっちに移ったみたいだよ」

「アップデートでここまで出来るんだな」

「そうだね。セカンドライフプロジェクトって呼び名のゲームだけど、ここまで出来るのは感嘆に値するよ。飽きさせない作りって奴だね」


と、言いながら案内図の一部をアルトは指差した。

まあアップデートと銘打っているけれど、実際はアンロック形式だろうしな。

仕様の同じゲームをずっとやらされる、と考えるとイベントが起こる度に変化があるのは当然の仕様とも言える。


「ここが主とか特殊な魚を展示するコーナーだね。絆くんが釣った主も展示されているよ」

「解体したはずなんだが……」

「そこはゲームの謎仕様だね。ブルーシャーク<盗賊の罪人>も載っているから確認してみると良いよ」


まあ……一番気になる所だから見て行くか。

なんて思いながら主エリアへと向かう。

道中の展示物に次元ノ白鯨の展示物とかがあった。

波での戦闘で戦ったボスってだけの印象だけど、全体図とか色々と細かく記されていて、かなりの作りこみを感じる。

現実の鯨とかその辺りの資料とかも参考にしているんだろうなぁ。

胃袋の中は~とか腸の長さは~みたいな所に現実の鯨に関する記載も一部混じっていたし。勘違いはさせない配慮はあった。


「あ、ここはペックル区画だね」

「……」


水槽の中を無数のペックルが泳いでいる。

……水槽のいちばん深い所にある神殿みたいなオブジェの前でブレイブペックルが座禅を組んでいた。


「カモンブレイブペックル」


いたずら心がうずいてブレイブペックルを召喚。


「ペーン」


俺の足元にブレイブペックルが出現した。

なのだが、水槽の中にもブレイブペックルがいた。


「……なんでブレイブペックルが二羽に増えているんだろうな」

「あっちは別の展示枠って事なんじゃないかい? 望遠鏡でペックルをそれぞれ照射してスイッチを押すとそれぞれのプロフィールが出るし」


一羽一羽、設定があるとか手が込んでいるとしか言いようがない。


「ちなみにマイペックルを探す人もいるよ。来場者は探せば自分のペックルもここで見つけられるみたいだね」


色々とあるんだな。

この手の便利NPCってこだわりたくなるものだし、ほしくなる気持ちはわかる。


「……硝子と一緒に詳しく見て回りたい所だな」

「それはデートって意味かい?」

「死の商人と来る場所ではないと思ってな」

「そうだね。ゆっくりと見るならそれが良いかもね」


流されてしまった。

そうして足早に主エリアに到着する。

……でかい水槽が立ち並んだエリアだ。

お? ルロロナで釣った主ニシンやオオナマズとかが当然の様に展示されている。

ヌシニシン

第一都市ルロロナの海を根城にしているニシンの主。

無数の釣り人から餌を奪い取り、豊富な栄養を得て巨大化した歴戦の猛者。

生息地 ルロロナ近海


と記されていて、詳しい大きさが書かれていた。

なるほど……長さをしっかりと測った訳じゃないけど、そう言った要素まであるのか。


寄贈者 絆†エクシード


ここに自身の名前が記されてニヤついてしまう。

であると同時に疑問が浮かぶ。


「なあアルト」

「なんだい?」

「主って他のプレイヤーが釣り上げたら居なくなるの? 何か情報とか無い?」

「このヌシニシンに関しては君以外にも何人か釣ったって話を聞くね。ただ……君以降で聞くのに時間があったから条件の検証は出来てないよ」


ふむ……再出現はあるのか。

まあ当然だよな。

なんて感じに主コーナーを見渡す。

すると……大きなアユがあった。


ヌシアユ

第二都市ラ・イルフィの川を占拠する凶暴なアユの主。

気性が荒く、大きな縄張りを牛耳る程の力を持った歴戦の貫録を備えた主。

生息地 ラ・イルフィ


おお! 第二都市の主はアユなのか。

俺も釣りたかったなぁ。

と言うかこの水族館に主を釣ったプレイヤーが来訪していた事は喜ばしい事だ。


なんて思っていると……


ヌシダークバス

常闇ノ森の泉に生息するコイの主。

長年、暗黒の泉の中で息を潜めて大きく育った闇の様なコイの主。

生息地 常闇ノ森


常闇ノ森にも釣り場があったのか!

くっ……俺の移動範囲の狭さがここで明るみになっている。

激しく負けた様な気がしてきた。

そんな感じで第二都市周辺で見つかった釣り場の主なんかが数匹、展示されている。

思ったよりも釣りに興じているプレイヤーも多いんだな。非常に参考になる。


ただ……アルトから教えてもらった地図と水場を照らし合わせると釣られていないと思われる主なんかもぼんやりと予測できそうだった。

まだ第二都市近隣でも釣られていない主がいるはずだ。

もちろん、第一都市でもな。

カルミラ島でもあるかもしれない。二匹釣ってるけど。

ちなみに白鯨の寄贈者は俺の名前が付いていたぞ。


「おーい。絆くーん」

「な、なんだ?」

「随分と夢中になっていたね。硝子くん達との冒険と魚のコンプリートだったらコンプリートに走るのかな?」


言われて考える。

うーん……ここは強欲に行きたい。


「そんなの両方に決まってるだろ? 釣りをしながら冒険するんだ」

「ま、それが良いだろうね。ここはいわば参考にすべき場所だし、君が釣った主は他の寄贈者よりも多いんだ。きっとほかのプレイヤーたちは血眼になって釣りに専念してるだろうね」


ちなみに……と、アルトは指差す先を見る。


ブルーシャーク<盗賊の罪人>

獲物の横取りを好んで行う卑劣な、二つ名を宿したブルーシャーク。ペックル達も手を焼いていた海のギャング。

生息地 ???


ああ……やっぱり主だったのな。

ただ、なんかコーナーが違うぞ?

主じゃないのか?


「絆くんの報告を聞いて色々と話を聞いた所だとね。アップデート後に釣ろうとした魚を大きな魚が食べて別の魚との攻防が継続される出来事が増えているそうだよ。釣り人の間でフィッシングコンボって言われているみたい。発生すると大物がヒットするんだってさ」

「やっぱりそうなのか」


実はここ一週間で海で釣りをしていると稀に発生した。

最初はビンチョウマグロだったのにフウライカジキに掠め取られて釣りが継続したんだ。

しぇりるとロミナによってパワーアップしたリールの電気ショックで問題なく釣りあげられたけれど、大物だったのは間違いない。

……主ではなかった様だ。


「真偽はどうかわからないけれど二連鎖して主が引っかかったって自慢しているプレイヤーがいたらしい。この中に居るのか分からないけどね。絆くんの釣ったブルーシャークもその一部だろう。二つ名付きと任命すると良いかもしれないね」

「また厄介な要素が混ざってきたな」

「そうだね。ただ……二つ名付きのブルーシャークを登録した絆くんに支給されるコインは多いんじゃないかな?」

「そうなのか?」

「生憎と寄贈で得られたコインの報告数が少なくてね……釣り人は居るにはいるけど、全体数だとまだ少ないんだ」


カルミラ島での波を見て、始めたプレイヤーもそこそこいるらしいけどね、とアルトは続ける。


「ま、そんな訳で、色々と参考に出来る施設になっているから、有効活用してほしいね」

「ああ、ありがたく使わせてもらおう。釣り具のセッティングなんかも紹介されているみたいだし」


と言う訳で俺は淡水魚に関して色々と目を通す事が多かったのだった。

やっぱり俺は海での釣りが多過ぎる。

川釣りなんかも視野に入れるべきだなと感じた。

フライフィッシングとかの道具も揃えるとしよう。


「絆くんはこの後どうする予定だい? こっちの目処は大分出来ているけれど」