「ボマーランサー」
しぇりるの魚影目掛けた一撃で水しぶきが発生する。
「お兄ちゃん! 私達も攻撃すべき?」
「糸に当てるなよ?」
「あー……ちょっとそれは難しいね。硝子さん」
「そうですね」
「では拙者が行くでござる!」
闇影が魔法の詠唱に入った。
「ドレインでござる!」
相変わらずドレイン忍者は健在だ。
ドシュっと良い感じに命中。抵抗が弱まっているのがわかる。
「今だ! 一本釣り!」
ザバァ! っと水面から魚影の主が姿を現した。
「か――」
で、全員がその姿を見て唖然とするしかなかった。
「河童?」
ビチビチと暴れる河童が地面でのた打ち回っている。
うん。さすがはゲーム。河童が釣れてしまったよ。
魔物名は悪行河童だそうだ。
ご丁寧にフィーバールアーはキュウリの姿に擬態している。
そうかー……ここでは河童が釣れるのか。
わかるか! ノーヒントでどうやって河童を釣れば良いんだよ!
どっかのNPCがヒントでも言ってくれるのか?
「ギャア!」
あ、敵意満点で立ち上がって飛びかかってくる。
「任せてください!」
「いっくよー!」
硝子と紡が攻撃を放つ。
「あ? この手応え、地味にこの魔物強いね」
「そうですね。闇影さん。援護をお願いします」
「もちろんでござる」
硝子が河童の水かきによる猛攻を捌き、紡が鎌で凪ぎ、闇影がドレインを放つ。
で、魔法に反応したのか河童が中途半端に近い闇影に高速接近して背後に即座に回り込み手を金色に光らせて闇影の……尻を攻撃する。
「キャアアアアアア!」
おい、忍び! キャラを忘れてるぞ。
「うう……弱体化とスタンの状態異常、で、ござる」
「尻子玉抜かれたね」
「闇ちゃん、はい」
ポイッと紡がポーションを投げつけて闇影の状態異常を解除した。
手慣れてるなぁ。
「闇ちゃんって美味しいポジションだよね」
「嬉しくないでござる!」
「えーっと……はい。闇影さんの尊い犠牲のお陰で私達も注意すべき攻撃がわかりましたね」
俺はどうしたら……下手に攻撃したら俺も尻子玉を抜かれて笑い物にされそう。
っと、河童に付いていたフィーバールアーが取れて地面に落下すると……。
「ギャオオオ――……」
ざわざわと渓流近くの木々が大きく揺れ、赤鉄熊が三匹、バラバラに集まってくる。
「ここで増援?」
しかも四方八方から。
他にも赤鉄熊や他の魔物がなだれ込むように来るぞ。
「群がって来てる!?」
「一体どうして!?」
「お兄ちゃんのルアーが地面に落ちた瞬間、なんか辺りの雰囲気変わらなかった?」
「入れ食いになるルアーなんだが……」
「魔物まで引き寄せるって事なのかな?」
ヒュンヒュンとルアーを振り被って遠くに飛ばすと、魔物がそっちに誘導されて行っている。
……間違いないみたいだ。
「お兄ちゃん! 早くそれをしまって! 危ない!」
「とはいえ、ここでしまうとあの数の魔物を相手にしなくちゃいけないぞ」
「それは大変でござる。処理出来るでござるか?」
「出来なくはないですが被害も覚悟した方が良いかと」
だよなー。
ボスとか引き寄せる前にどうにかしなきゃいけない。
「よし! ちょっと散らして来る。しぇりる。補佐よろしく」
「了解……」
フィーバールアーをそのままぶんぶん振りながら俺はしぇりると一緒に休憩している地点から急いで移動し、硝子達に向かわない程度に距離を放して地面に一度ルアーを着地させた後、武器を持ちかえてフィーバールアーを解除。
目標を見失った魔物たちが今度は俺としぇりるをターゲットに群がってくる。
「よし! 逃げるぞ!」
「イエス」
逃げ回りながら地面にトラバサミを仕掛けて一匹ずつ数を減らす。
で、どうにか硝子達の方に戻るとまだ戦っていた。
「この子、地味に固いね」
「ええ、手応えがあって良いです。思いもよらない相手ですね」
硝子と紡に意識を向けている河童に背後から近づき隙を伺って出血狙いで青鮫の冷凍包丁で斬りつけると、運よくスティールが作動した。
――河童の甲羅獲得!
河童の背中を確認。
うん、甲羅が残ってるね。
まあそのまま盗めたらギャグでしかないけどさ。
「サンダーボールでござーる!」
闇影が接近戦で河童に向けて今度は雷の玉を押し当てていた。
尻子玉を取られた仕返しか? カッコつけているのか微妙なラインだ。
「地味にタフでござるな」
「ほ!」
ここでしぇりるが河童の脳天に銛を叩きつける。
するとバキッと河童の皿が砕けて河童がのけ反った。
直後に硝子と紡が各々攻撃すると、悪行河童は倒れた。
「いきなり柔らかくなりました。皿が弱点ですか。とりあえず倒しちゃいましたが……」
「ボスって程強くは無いし、かといって普通の魔物よりは強かったよね。イベント魔物って所かな? それともお兄ちゃんがよく狙っている主?」
「えー……」
これが主なのか?
いやいや、どっちかと言うと魔物だろ。魚は釣ったらおしまいだぞ。
「さすがに違うと思うでござる。ブルーシャークが例でござるよ」
「確かにそうだよね。後で街のNPCに該当したのいないか探してみるよ」
「それで良いと思うぞ」
フィーバールアーが形状を変えた所から考えるに仕掛けを無視してかなり融通がきいてしまう様だ。
しかも地面に落とすと魔物が群がる副次効果まであるし。
……魔物を釣りあげたらそのまま収納出来てしまうのだろうか?
いろんな意味でフィーバーするルアーなんだな。
「ドロップは……河童の皿と尻子玉ですね」
「闇影の?」
「違うでござる!」
「とりあえず、この河童はどうしますか?」
「一応、解体しておくよ」
まあ、闇影の為にもこの悪行河童の解体をしておくべきか。
と言う感じで悪行河童を解体する。
人型の魔物を解体するって少しグロい気もするけど、リザードマンダークナイトも解体したんだから気にしない。
で、出たのが尻子玉、河童の皿、河童の甲羅、河童の水かき、河童の肉だ。
「こっちが闇影の尻子玉だな」
「そのネタはいい加減にするでござるよ。結構エネルギーを取られたでござるんだから!」
闇影がぷりぷりと怒っている。
「はいはい。とりあえず……フィーバールアーは使い所を間違えると危なそうだな」
「場合によっては便利だよね。索敵せずに済むし」
「そうですね。魔物を呼び寄せるのは良さそうです」
今回のピンチは俺が招いた様な気がするけれど皆気にせず迎え入れてくれるのは感謝するしかない。
「とりあえず河童が釣れる件とか街に戻って調べたいかな。お兄ちゃん、硝子さん」
「わかりました。一旦切り上げるには良さそうですね。絆さんもまだ釣り足りないでしょうから安全そうな街で釣りをしたらいいと思います」
「了解」
って訳で俺達はそのまま街に帰り、各々自由行動をする事にした。
俺は街に戻ると川に近づき事前に準備していた物を仕掛けてから橋の上で釣りをする。
すると硝子や闇影、紡が街中のNPCに声を掛けに行ってしまった。
「……」
しぇりるは橋の下に仕掛けた俺の仕掛けや他の代物をぼんやりと見ていた。
お? ここでもヤマメとアユが釣れるな。
……おとりアユって漁法があったっけ、アユ単体を狙うのには良さそうだ。
って感じでフライフィッシングをしていたのだけど、他の仕掛けを試したくて釣り餌を着けたスタンダードなスタイルに変化させて投げてみた。
ウナギ
「お?」
ガクンと良い感じに竿がしなる。
さすがに河童じゃないよな? なんて魚影に目を向けるとしっかりと魚だった。
釣れる魚に不安を覚えるとか……むなしい気持ちになって来た。
俺は本当に釣りをしているのか?
それとさすがにフィッシングコンボは作動しないよな?
ザバァっと引き寄せて釣りあげると……ニジマスが釣れた!
おお……ニジマス、シンプルにニジマスだ。海まで降りるとサーモントラウトと呼ばれるのだろうか?
「レインボートラウト」
「ああ、ニジマスの別名だな」
「そう……ムニエル、美味しい」
「後で作って皆で食べような」
コクリとしぇりるは頷く。
さて……この川で釣れる主は何なのかいい加減考察して仕掛けを考えないといけないな。
ニジマスを収納してから再度釣竿を垂らす。
お? またヒットだ。
ヒョイッと魚を釣り上げたその時……!?
「ギャア!」
パシッと水場の影から青っぽい鳥が飛びだして釣りあげた魚に食いついて飛び立とうとしていく。
「oh……」
いや、何唖然としてんだよ。
くっそ……川でのフィッシングコンボって鳥に魚を横取りかよ。
ギギギっと飛びだって逃げようとする青っぽい鳥との攻防が始まる。
ま……今回は電撃を放てるリールを着けているから弱らせる事は出来るんだけどな。
行け! スタンショック!
バチバチっと糸を伝って青い鳥に電撃が走った。
「ギャア!?」
バチバチっと電撃を受けて青い鳥はのけ反りダメージを受けた。
よし、そのまま一本釣りで引き寄せてフィニッシュ。
ビクンビクンと俺の手元で痙攣して倒れる青い鳥。
……えっと、アイスヘローンって言う魔物みたいだ。
「サギ」
「鳥の?」
「そう」
ああ、もしかして氷のサギって事か?
しかし……フィッシングコンボで鳥を釣る俺は何なんだろうか?
ペックルを釣っているから今更な気もする。
ただ……うん。フィッシングコンボで釣りあげた魔物はそれ以上暴れないみたいだ。
多分、このまま収納出来るだろう。
「絆さん。分かりましたよ!」
なんてやっている所で、硝子と紡がこっちにやってくる。
「ここの主が?」
何処かのNPCが主の情報を教えてくれたりするのだろうか。その可能性を忘れていた。
「違います」
なんだ違うのか。
「お兄ちゃんの方は……なんでアイスヘローンがここに?」
「釣った」
しぇりるがここで短く言うと、硝子が困った様な顔をして紡が笑い始めた。
「魚じゃないですよね。水の中に居たんですか?」
「いや、魚を掠め取ろうとして来てそのまま」
「ああ……なるほど」
「お兄ちゃんの所だと何が起こるか分からないから片時も離れない方が良い気がするね!」
本当、何なんだろうな。
とりあえず面倒なのでそのまま収納する。
「本当に収納されちゃいましたね」
「他のプレイヤーにこの瞬間だけ見られたらどうしたら魔物を収納出来るんだ? って聞かれそー」
確かに。
「絆殿……」
ここでお約束の様に闇影がやって来た。
タイミングが悪いと言うか何と言うか。闇影ってこういうポジションだよな。
「どうしたら動いている魔物を収納できるでござる?」
なんてお約束のやり取りの後、説明をしてから本題であった調査結果を聞く事になった。
「NPCに聞いた話だとね。あの渓流にはガラの悪い河童が生息しているって人がいたよ」
「倒した扱いでクエストが進みましたね。皿を攻撃して割ってから本体を攻撃すると戦いやすくなると言われました」
「進んだって事は別のクエストに派生する訳?」
「はい。なんでも渓流の先に悪行河童の巣があるので、沢山倒してほしいとお願いされました」
「こんなクエストがあるんだね。お兄ちゃんと一緒に行くまで気付かなかったよ」
俺のお陰みたいな事を言われてもな。
「しぇりるは水の中とか興味無かった訳?」
「あんなの見てない」
「出現条件があるんじゃないかな? キュウリを持ってるとか」
「絆殿のルアーが代用してしまったでござるな」
「たぶんな。とにかく、クエストが進んでよかったな」
こんな発見があるのも面白いと言ったら面白い所だ。
「あの河童の強さから考えてもう少し絆さんと狩りをしてからが良いかと判断します」
「好きにして良いさ」
その為に色々と準備していたんだしな。
「早くまた狩りに行きたい気もするね」
「まあ行っても良いんじゃないか? あ、その前にやりたい事があるから待ってもらって良いか?」
「ええ」
俺は徐に橋の下の方に回り込んで仕掛けた物を確認する。
「お?」
俺が仕掛けた代物と言うのは竹筒と呼ばれる魚が逃げられない様にする一方通行の罠漁の仕掛けだ。
その竹筒を確認すると……中にウナギが入っていた。
「ウナギってもっと下の河口とかに生息する魚じゃなかったか?」
流れが穏やかな川下の橋の下に設置したんだけどさ。
まあ、捕れたならそれでよし。
ズルンと竹筒からウナギを出していると硝子達がきょとんとしている。
「絆さん。罠の腕前が上がった様に見えましたが……」
「うん。仕掛け漁があるのが分かってさ。これなら皆と狩りをしながらでも釣りが出来ると思ってさ」
流れの急な方に仕掛けたら何が引っかかるか検証が必要だ。
ここ一週間の検証で釣竿での釣り以外でフィッシングコンボは作動していないからこれもある意味、安全に獲物を確保出来る手段と言える。
トラップマスタリーとフィッシングマスタリーの間の扱いがこの仕掛けだ。
どんどん橋の下に仕掛けた竹筒を確認して行くと……ウナギが三匹引っかかっていた。
他は沢ガニやムラサキシガイって貝が入っていた。
成果は上々かな? 生息図が滅茶苦茶な気もするけど、そこはゲームだからしょうがないか。
「徹底してるねお兄ちゃん」
「これで皆と狩りをしている間にも釣りが出来る様なもんだ」
「あの短時間で結構仕掛けていますよね」
「橋の下に仕掛けがずらっと並んでいるでござる! 景観が悪いでござるよ!」
「ああ、これって仕掛けたプレイヤーとパーティー以外は見えない設定らしいから気にするな」
アルトとこの辺りは検証済みだ。
俺も遊んでいただけではなく、アイテムやスキルの効果などを調べたりしている。
「あ! さっき絆さんと港に合流した時に船に何か違和感があるのはこれだったのですね」
そりゃあ船の周囲に仕掛けを施し済みだからパーティーメンバーである硝子達は分かっているはずだろう。
「そう」
しぇりるは分かっていたみたいだぞ。
「ウナギだよね? さっきの」
「ああ、捌いて蒲焼にでもするか? 俺の料理技能だと出来ると思うぞ」
「うん! ウナギ食べたい! うな重食べたい! うな重」
紡は言うまでも無く、ウナギは好きだ。
姉さんもだな。高い料理が好きなのは知っている。
どこぞの探偵団の食いしん坊みたいな台詞を言ってるな。
「ウナギと言ったら通は白焼きでござるよ」
闇影が玄人染みた事を言い出した。
さすがは忍者と言った所か。
和風関連で攻めるつもりなのかもしれない。
白焼きで思い出したが、ウナギの蒲焼って関東風と関西風があるんだよな。
一度白焼きを蒸してから焼くのが関東風で、蒸さずに焼くのが関西風だ。
どっちが美味いかは人によってそれぞれだな。
ゲームでその差があるかは……後で実験するか。
「うなぎゼリー……」
しぇりるがボソッと言った。
「それは拙者の好みではないでござるな」
食った事あるのか。
確かイギリス料理だったはず……詳しく知らん。
フランスとごっちゃになるからだ。
よし、珍しい料理自慢なら負けないぞ。
「なら、オレはうなり寿司で勝負だ!」
「某県某市の名物でござるな」
なん、だとっ……!?
某県で2010年代後期に生まれた名物を知ってやがるだと。
コイツ、実は食通だ。
ただのネタビルド好きではない!
鰻料理
「早く早くー!」
「クエストはどうするんだ?」
「クエストを受ける前にうな重だよ! お兄ちゃん!」
って感じにハイテンションになって行く紡を余所に硝子と闇影、しぇりるの反応は大人しめだ。
もしかしてうちだけなのか?
「硝子はウナギは嬉しくない?」
「いえ、美味しいとは思いますよ。絆さんの釣って料理してくれる品々はとても美味しいですから期待してます」
ああ、特に変わらない俺への信頼……と言うか大人な反応なだけか。
「ウナギは確かに美味しいでござるな。絆殿がどう料理するのか楽しみでござる」
「……美味しい、らしい」
むしろ紡のテンションがおかしいだけか。
しぇりるはよくわからないけど知ってるって程度なのか。
「じゃあ食いしん坊な妹の為にクエスト前だけど調理して食べるとするか」
「わーい! お兄ちゃん大好き!」
こういう時だけ甘えてくる現金な妹め!
なんて思いながら料理技能で調理を開始。
食事用の持ち歩いていた米を炊き、ウナギを捌いて白焼きにし、タレを塗ってかば焼きにする。
解体技能のレベルが高いから綺麗に捌く事が出来たな。
料理技能と合わせるとより精度が上がる。
料理と解体はシナジー効果があるので覚えて損は無い。
「ところで闇影」
「なんでござるか?」
「河童肉と尻子玉で鍋が作れそうなんだが、食べるか?」
「なんで拙者にだけ聞いてくるでござるか!?」
いや、尻子玉抜かれた闇影に戻して上げないといけないかと思ってと言いたい気持ちはグッと堪える。
ネタにしてもやっていい事と悪い事があるのだ。
そこの分別は持っておこう。
「しょうがないな。闇影にもウナギを作ってやろう」
「納得行かないでござる!」
米もゲーム内にはしっかりあるので調理機材を出して料理して行く。
宿屋の厨房とかを使わせてもらえたりするな。
もちろんレンタル料金とか払う事になるけれど。
とにかく、持ってきた米やウナギ、タレとかで皆が満足する料理を作製する。
あ、ウナギを解体した肉で白焼きを作れて、かば焼きにも出来る。
割とレパートリーは豊富だな。
素材が無いとレシピが出ないのもあるから奥が深い。
お茶も持っているから……うん。ひつまぶしも作製可能な様だ。
ちなみに料理技能をブレイブペックルは所持している。
近くにいるとサポートと言うかバフを掛けてくれるのが最近分かったので呼び出して近くで待機させて作った。
補足であるが料理関連はミニゲーム……作製の結果が良いと+が非常に付きやすい。
消耗品だからかね。
そんな訳でウナギ料理を人数分作って皆の所に持って行って配った。
軽く作ったのに+6な代物が出来た。
最大HPやエネルギーを一時的に増加する効果があるのが出たぞ。
料理系の特化な人だともっと上の代物が作れそうな感じだなぁ。
「わー! ウナギウナギー!」
紡がごちそうが運ばれてきてテンションが滅茶苦茶上がっている。
「……うな重、美味しい。らしい」
しぇりるは初めて食べるって様子でうな重を見ているな。
「あれ? 絆さん。私のはひつまぶしなんですか?」
「ああ、硝子はこっちの方が好きそうなイメージでな。紡としぇりるには入門でうな重だ」
「拙者は白焼きでござる!」