Wave of dimensions — страница 49 из 111


俺も一応ひつまぶしだ。食い足りないかもしれないので米は多めに用意してある。


「じゃあ頂きます」

「いただきまーす!」


紡の大きな声と共に皆思い思いにウナギ料理を食べ始める。


「んー! お兄ちゃん美味しいよ! 他のVRMMOで食べた事あるけど、再現率はこっちの方が高いね!」

「そうか」


紡がうな重を夢中になって食べながら言う。


「美味しいですね。絆さん、腕をあげましたね」

「色々と技能を振ったりしてるからなぁ」


解体が俺の特技故に料理の腕前も自然と上がりやすい。

ウナギ単体を捌く方が得意かな。


「良い味でござるな」

「一応、捌き方一つで関東風か関西風か別れる、みたいな細かさがある様だぞ」

「一緒くたにしない奥深さがあるでござるな」


本当にな。


「……」


で、しぇりるは黙々とうな重を食べているようだった。


「うな重はどうだ?」

「……」


俺が声を掛けるのだけどしぇりるは聞こえていないのか食べ続けている。

夢中になっているって事で……良いのか?

うな重を食べ終えてからしぇりるは頭を上げた。


「お、いしい」

「そうか」

「また食べれる?」

「仕掛けに掛っていればな」

「そう」


どうやら気に入ってくれたようだ。


「香ばしく、それでいて柔らかくて良い味ですね。タレも良いと思います」


因みにタレは調味料を配合して作れる。

俺の所は両親が共働きの影響で姉さんと俺で料理をする事がそこそこある。

お陰でこの手の調味料に関しては多少心得があるんだよなぁ。

そんな訳でみんなしてウナギを堪能し、英気を養った。




で、しばらく赤鉄熊を倒してエネルギーを稼いでから、様子見と言う事で悪行河童の討伐クエストの場所に向かう。


「こっちに隠し通路があるみたい。ほら、クエストを受けたら見えるようになってる」


半透明の茂みが出現している。

通ると茂みが消えて道が現われた。

洞窟っぽいな。こっちでは別の魚が釣れそうな気がする。

ピチョンと水音が響いているなぁ。

それと所々にツララもある。


「ギャア!」


バシャっと洞窟内の川から悪行河童が数匹飛び出して来た。


「行きます! ハ!」


バキンと硝子がテンポよく悪行河童たちの皿に攻撃をして割って行く。


「頭を狙えば良いだけだから難しくは無いね!」


紡も同様だ。ただ、鎌を横振りではなく縦振りで攻撃していた。

狭い場所だと鎌が引っかかる判定だからだそうだ。


「増援」


洞窟の奥から増援の悪行河童が出てくる。


「そっちは既に罠を設置済みだ」


ピッと釣竿でルアーを飛ばして起動させるとボンって音がして洞窟の奥に仕掛けた落石の罠が起動。悪行河童達に降り注いで皿を割り、スタンさせた。


「今でござる! サンダーボール!」


闇影が尻子玉を抜かれた腹いせなのか弱らせた悪行河童に率先して弱点攻撃を行う。


「罠が非常に便利ですね」

「そうだな。漁に戦闘に大助かりだ」

「お兄ちゃんが直接戦わなくてもこれならかなり効率よく戦えるよ!」

「そう。それと……また増援、今度は河童違う……」

「お? 新顔か?」


って構えると、アイスモンキーという氷でできたサルが襲ってきた。


「ウキャ!」


冷凍包丁は冷凍特攻の効果があるから相性が良いはずだ!

そう思って青鮫の冷凍包丁に持ちかえて斬りつける。

ザリュ! っと良い感じの手応えと共に血飛沫が発生し、アイスモンキーが吹っ飛んだ。


「おー! お兄ちゃんクリティカル!」

「やっぱり相性が良い武器みたいだな」


そのまま追撃の連続攻撃を行う。

ズバァ! っと特に損害も無くアイスモンキーを倒す事が出来た。

うわ……切れ味が良すぎてバラバラにしちゃったぞ。

こんな感じで戦闘が終わった。


「好調ですね」

「ああ。おっと、なんかスキルを習得したな」

「新しいスキルですか? 何でしょうか?」

「待っててくれ」


俺は新しく習得したスキルを確認する。

どうやら解体武器の攻撃スキルを習得できるようになった様だ。

えっと……ブラッドフラワーってスキルみたいだなぁ。

奇妙なスキル名だ。


ブラッドフラワーⅠ

解体武器の攻撃スキル。

チャージする事によって性能が変化する。

一回の使用に100のエネルギーを消費する。

取得に必要なマナ400。

獲得条件、解体武器で相手を微塵にする。解体を150以上する。

ランクアップ条件、解体武器によるモンスターの討伐数が200を超える。


ブラッドフラワー



「解体武器でチャージ系のスキルみたいだ」

「へー」

「チャージって言うと硝子が良くやっているスキルに多いよな」

「そうですね。しっかりと溜めると強力ですから絆さんも使って見てはどうでしょうか?」

「うん。実験は大事だな」


と言う訳で早速取得。


「今回のクエストは何匹討伐すれば良いんだ?」

「えっとね。パーティーで50匹倒せば良いみたいだよ」


地味に多いな。いや、ポップするんだからそんなに多くもないか。


「じゃ、新スキルの試し打ちも兼ねてササっと次に行くぞー」

「おー! でござる!」


なんて感じで洞窟を移動すると悪行河童とアイスモンキーがまた出てきた。

早速新スキルの試し打ちをする事にした。

ブラッドフラワーを意識すると冷凍包丁に光が集まるエフェクトが発生する。

ピュンピュンっと効果音まで聞こえてきた。

ああ、硝子は何時もこの効果音を聞きながらタイミングを確かめているんだな。

で……硝子の戦い方から察するに溜めながらも往なしたり軽く通常攻撃は出来る。


「お兄ちゃん。まだー?」


足止めをしている紡が催促をしてきやがる。


「もう少しだ。硝子と一緒に戦っているんだからタイミングはわかるだろ」

「そうだけどー」


キン! って音がして最大まで溜まったのを確認。


「よし! 行くぞ! ブラッドフラワー!」


と、発動すると体が勝手に加速し、狙っていた悪行河童に向かって突撃、ズバァっと斬る手応えと共に気付いたら悪行河童の後ろに居て両腕を上げていた。

ザシュッと言う効果音が聞こえたぞ。


「おおおー!」

「派手でござるなー! カッコいいでござるよ!」

「ええ、絆さんもやりますね」

「いいねーお兄ちゃん!」


振り返ると悪行河童に血飛沫が発生し、まるで血の花を咲かせている様なエフェクトが発生していた。

随分と派手な技だな。


「ギャ――!?」


で、悪行河童がバラバラに斬り裂かれ、解体されて素材をドロップした。


「フィニッシュ技の様でござるな」

「解体の手間が省けて良いな」


その分、コストも考えないといけないけれど。

パチパチと皆が祝ってくれる。

そうしている内に目標数の討伐も終わりそのまま惰性で狩りをして、キリの良いタイミングを見て街に戻った。

日も暮れてきたと言う事でその後は宿で休む事にし、みんなで思い思いに休息を取る。

のだけど、俺は橋の上で相変わらず釣りをしている。

ここの主は何だろうな。


「お兄ちゃん。悪行河童のクエストが進んだよ。なんかね。洞窟内に悪行河童の親玉がいるから倒してくれだってさ」


で、皆で晩飯を食べた後、釣りをしていると紡が報告に来る。

なんだ? 面白い事はもうないぞ?

ちなみに晩飯は河童鍋にした。すっぽん鍋と同じ感じの料理扱いだったな。

闇影が微妙な顔をしていたけれど、すっぽん鍋と同じ味だと言っていた。

食った事があるのか。

闇影っていろんな物を食ってるなと思った。

尚、尻子玉も闇影に食わせたぞ。コリっとして不思議な食感だった。


「本当、お約束のクエストだな」

「そうだねー」

「既に次の関所を越えるだけのポイントは稼げたみたいなのですが、後味が悪いので河童たちのボスさんは倒すべきですね」


硝子は親玉退治の依頼をしてから次に移動したいか。

ま、良いんじゃないか?


「俺はここの主を釣ってから次に行きたいがな」

「何時釣れるか分からないから次に行くのが遅れそうですね」

「いや、次の街とかに行けるならそっちを拠点にすれば良いさ。あっちにも釣り場があったら考えるけどさ」


移動費自体はそこまで掛らない。

出来る限りは皆と狩りを楽しみたいからな。


「気を使って頂き、ありがとうございます」

「それはこっちのセリフだよ」


未知の釣り場が俺を求めている!

そう思いつつ、ここの罠で釣れた魚を分析する。

ヌシアユは第二都市で釣れているからヤマメとかその辺りだろうか?

釣りの勘が告げている。周囲の状況から渓流の魚じゃない。

ニジマスかウナギ辺りが怪しいな。

ウナギ釣り用の仕掛けを施そう。確かシンプルに餌釣りで引っかかる。

夜釣りが無難だ。少し徹夜になるが夜釣りに挑戦してみよう。


「じゃあこの釣り場の主を求めて俺は夜釣りをするから」

「わかりました。じゃあ隣で見てましょうかね」

「硝子達は頑張っていたから早めに休んでいて欲しいんだけどな。キリの良い所で切り上げて俺も寝るからさ」


一応俺が上手く立ち回れたのは硝子達が上手に敵を引きつけて攻撃を逸らしてくれていたからだ。

ディメンションウェーブにおいて肉体的な疲れは感じないけれど、精神的な疲れは十分にあるはず。

そう言った面で硝子達にはゆっくりと休んで貰いたい。


「絆さんがそこまで言うのでしたら……では、宿の部屋からも絆さんが見えますし、見てますね」


いや、見られるのもどうなんだ?

とは思うけれど、ここで突くと面倒なので流す事にした。

一緒に釣りとか頼めばしてくれそうだけど、硝子達も俺への接待で疲れているはずだ。


「お兄ちゃんおやすみー」

「おやすみ」


と言う訳で硝子と紡は先に宿に戻って休んで貰う。

闇影としぇりるも何処かで硝子が声を掛けて部屋で休んで居るだろう。

……釣竿を垂らしていると、宿の部屋から硝子がこっちに手を振り、椅子に腰かけてこちらをぼんやりと見ている。

橋の上でランプを置いているから俺の場所は一目でわかるし。

川の流れを見ていると平和だと感じさせるね。


餌釣りをして数時間。

釣果は上々……やっぱりルアー釣りやフライフィッシングよりも食いつきは良いか。

そもそも夜間のフライフィッシングは色々と危ないしな。

ルアーが何処かに引っかかったりしそう。


「ヒット!」


ヒョイっと釣り上げ成功。

ウナギが釣れた。

やっぱりこの川ではウナギも釣れる様だ。

夜釣りだと釣りやすいな。

もっと数に物を言わせた釣りをすべきか? みんなウナギが大好きだし。


フィーバールアーが使える時だけ釣りをするって手も無い訳じゃないが、その問題は解決済みだ。

そもそも場所によっては戦わねばならない魔物も引き寄せてしまうっぽいし……。

今は気楽に釣りを楽しみたい。

そう言えば紡がうな重を食いながらVRMMOにおける料理の味に関する話をしていたっけ。

ダイエットに使われたりするし、お金の無い人がゲーム内で美味しく料理を食べて食欲を解消するとかそんな話。


ただ、なんかそれで餓死したプレイヤーがいる所為で、既存のVRMMOでは味に制限が掛ってるとか聞いた覚えがある。

まあディメンションウェーブは現実でのプレイ時間は数日以内なんでその心配は無用って事で味がしっかり再現されているのかもしれない。

なんて感じに釣っていると……ガクン! っと一際強い引きが来る。


「お?」


なんだ? 何が掛ったんだ?

そう思いながらリールを巻いて行く。

スタンショックを同時に作動させて魚の弱体化を図るのだけどそれでも引きが強い!

これは……もしやこの川の主を引き当てる事が出来たのか!?

キリキリと糸がどんどん持っていかれるが負けじとリールを巻いて行く。


「絆さん。大物が掛ったみたいですね」


そうこうしている内に、宿で見ていた硝子が近くに来て声を掛けてきた。


「ああ、近くに見に来たのか?」

「ええ、手伝いをしますか?」

「いや、今回は大丈夫そう」

「そうですか」

「みんなは?」

「寝てますね。しぇりるさんは何やら機械と木工をしているようでしたが」


そっか……とは思いつつ、硝子が見守っている中で俺と引きの強い主らしき魚との攻防は続く。

水面を見る限りだと……大きな蛇、いや……。


「ああ、ウナギみたいだな」


グネグネと随分と暴れる。

電動リールに張り合うとかどんだけだよ!

だが、地道な電気により大分弱らせた!


「これでトドメだ! 一本釣り!」


バシャっとその大きなウナギを釣り上げる事に成功した。

よっし!


「フィッシュー!」


ビチビチと釣りあげられて跳ねる魚に勝利のガッツポーズを取ると硝子が拍手をしてくれた。


「さーてと……魚影で分かっているけれど何が釣れたかな」


と、確認すると案の定大きなウナギだった。


カニ鍋



「大きなウナギなのでオオウナギで良いのですか?」

「いや、実はオオウナギは別にいるんだ。そっちは地方じゃカニクイって呼ばれていて昼間食べたウナギとは別種」

「そうなんですか? 知りませんでした」


誤解しやすいよな。


「たぶん、法則からするとヌシウナギって所だと思う」

「なるほど……」


とりあえずスクリーンショットを撮って……ヌシの場合は自動で水族館に登録されるから気にせず解体してOKだ。

でっかいなーウナギがそのまま大きいぞ。

捌いても味が大味になりそう。試食はするけどさ。


「運が良かったですね」

「あっさり釣れてよかった!」


幸運に感謝だな。釣りあげた興奮は堪らないもんだ。


「後で皆さんに見せますか?」

「そうだな。後で自慢しよう。もう飽きられ始めている様な気もするけれど」

「それはそうですが、絆さんが釣った主の素材で良い武具が作れる事が多いので皆さん、実は期待していますよ」


確かにそれは否定できない。

だって俺の持っている武器の大半は主を釣って作った代物ばかりだし。


「紡はこのヌシウナギでかば焼きが食べたいとか言いそうだな」

「そうですね。なんて言いますか人が変わった様にうな重を食べていましたね」


貧乏人これ如何に……。


「このウナギを解体して得た素材でどんな武具を絆さんは予定していますか?」

「うーん……実の所決めてないなぁ。ただ、ウナギから連想すると毒付与とか着いてそうなイメージ」

「それはなんで?」

「ウナギって火を通さないと毒があるから」

「ああ……なるほど、ありそうですね」

「それと地味に解体難易度自体は高めなんだ」


ぬるぬる滑る所為か、俺は出来たけれど中途半端な解体の技能じゃ失敗するのは目に見えている。


「明るくなってから解体するのが良さそうだね」

「ええ」

「んじゃ、目標も釣りあげたし、早めに切り上げよう……その前に仕掛けの確認っと」


橋の下に仕掛けた竹筒を確認して、収穫をして再設置っと。

ウナギが4匹掛っていた。


「じゃあ宿屋に戻りましょう」

「うん」


こうして思いのほか手早く主を釣りあげて宿へと戻ったのだった。




翌朝。


「わぁああああああ!」

「蟹でござる!」

「クラブ……」


朝食にと俺はゆでた蟹をセットで皆に出した。


「朝からすごく豪勢だね! お兄ちゃん!」


紡の目がキラキラしている。ごちそう三昧に目が滾っている感じだな。


「カニ鍋も作ったから好きに食って良いぞ」

「いただきまーす!」

「硝子はカニ食うか?」

「私は……」


ちょっと返事に困った様子の硝子、朝からヘビィなのは避けたいけど周りの様子から言いだせない感じか。


「気にしないで良いさ。焼き魚定食も用意してある」


ポンと硝子には焼き魚の定食を提供すると、硝子は嬉しそうに受け取ってくれた。


「ありがとうございます」

「俺も朝食は軽めにしたかったからね」

「これはベニズワイガニでござるな! ズワイガニには劣るでござるが美味しいでござる!」

「そうなの?」

「そうでござるよ。カニバイキングなんかで使われるのはこのベニズワイガニなのでござる。代替品でござる」


闇影、よくわかったな。ゆでカニにしたらアイテム名が変わるのでわからないかと思ったが味だけで判断しやがった。

夢中でカニに群がる紡と闇影としぇりるを余所に俺達はそのまま朝食を終えた。


「お兄ちゃん! カニまだ無いのー? もっと食べたい」

「紡殿、わがままを言ってはダメでござるよー」

「あるぞー」


ポンとカニを追加する。

すると闇影も目を丸くして追加分を食べ始める。


「まさにバイキングでござる!」


しぇりるはキリの良い所でやめた様で口元を拭いている。

それから紡は出した分だけカニを食べ続けた。


「紡殿はいつまで食べているでござる」

「だってー」

「幾らでも入る」


ここでしぇりるが呟く。

ああ……ディメンションウェーブと言うゲームのシステム的な事なのだろうが、食事に関して満腹感はあるのだけど食べようと思えば幾らでも食べれる様なのだ。

紡は満腹感はあるのに詰め込みまくっている。


「このまま食べていたら胃拡張とかの熟練度があがりそう」


……ありそうだな。大食い用の技能とか。

魔物とかもそのまま食べるとかシステムであったら怖いぞ。


「ま、飯はこれくらいにして、昨日主を釣ったぞー」

「おめでとー!」

「おめでとうでござる」

「おめでとう」


さてと……と言う訳でヌシウナギをボンと出す。


「わー……でっか! ウナギデッカ!」

「大きいでござるな。オオウナギとも異なる大きなウナギでござる」

「そう」


っとまあ皆の反応を確認してから日の光を確認してウナギの解体に入った。


得物が良くなったお陰で解体はどうにか完了した。

途中で失敗するかヒヤッとしたけどな。

中級王者の皮、中級王者の鰭、中級王者の軟骨、中級王者の粘液、鰻の大皮、鰻の大軟骨、最高級鰻の肉になった。


「中級王者……ヌシのニシンが低級王者だったから汎用的な素材だな」


主の一部はこう言った同一規格の素材が入手出来るんだろう。

今まで変わった素材だったのは運が良かったのかはたまた……。


「お兄ちゃん、このウナギでうな重は?」

「アレだけ食ったのにまだ食うのか、お前は」

「だってー」

「それはこの素材が武具に使えるか否かを確認してからでも遅くない」

「ぶー」


本当、底なしの食いしん坊が!


「良い食後のパフォーマンスだったでござるよ」


闇影の謎の感想、別に見世物にしていた訳じゃないぞ!


「それじゃあ早速悪行河童のボスを倒しに行くのでござるな!」

「ああ、闇影、尻子玉を抜かれない様にな」

「だから拙者にだけなんで言うでござるか!」


だってな? 闇影がそのポジションだし。