Wave of dimensions — страница 54 из 111

攻撃はペックルたちに耐えてもらい、津波は河童着ぐるみで無効化、変身ゲージ削りを俺が行い、三分の一まで削る。

そうしている内に前線組が駆けつけて来て、戦線の立て直しができた。


「よく耐えてくれた!」

「よくこの人数で耐えてるよな」

「釣りマスターが鮫を良い感じにまとめてくれんだよ」

「ペックル使いが上手いっていうか特殊ペックルが凄いのな」


クリスとブレイブペックルのおかげだな。クリスも攻撃に大きく貢献している。

ただ……問題はブレイブペックルのストレスゲージだ。

徐々に増えて来ている。まだ大丈夫だがそんなに長時間稼働をさせてはいられない。


「よし変身解除させたぞ! 畳みかけるんだ!」


そうして再度ゲージを削り切ってアクヴォルの変身を解除させて前線組が各々必殺技をアクヴォルに叩きんでアクヴォルのHPが一気にごっそり削れる。


『うぐうう……おのれ人間どもめぇえええええ!』


が、削り切ることができずに再度アクヴォルは変身する。一定以上のHPが削れた影響かセリフが変化したな。


『喰らうが良い! メイルシュトローム!!』

「こっちも対策済みだぁああ! な――!?」


と、装備を切り替えてきたっぽいリーダーを含めた前線組の連中がまた必殺技を受けて蒸発した。

俺達もカッパ着ぐるみの上からかなりのダメージを受けている。

もしかしたら撃つごとにメインの属性が違うのかもしれない。


「つ、釣りマスターとペックル……礼を言う」

「ああ、ほかの連中が戻るまでしっかりと戦ってくれよ」

「当然!」


幸い俺達の近くにいたプレイヤーにはブレイブペックルを指示して守らせることで多少は人員の減りを軽減できてはいた。


「うう……かなりの赤字でござるな」

「言うな。損失分は後で稼げば良い」


スピリットだからセーブポイントに戻らずにいられるが、ほかの種族だったらセーブポイント行きなのは間違いない。

ちなみに今回はタンク組も消し飛んでしまっていて、周囲がガランとしてしまっていた。


「ダメージを受けた事で本気になったって感じか……」


追いつめられると同じ技でも攻撃力が上がるボスとかゲームではよくある。

おそらくその辺りだろう。


「また駆けつけてくるまで時間稼ぎをするぞ」


俺達以外のスピリットで溶けた奴も見た……アレは悲惨だろうな。

仲間とか今までの熟練度は失われる訳じゃないので全てを失う訳じゃないけど戦線復帰は難しい。

ブレイブペックルのストレスゲージも危ない。

早めに片付けないとじり貧で負ける。

なんて思いつつモーションがわかっているので時間稼ぎをしながら前線組が駆けつけるまでの時間稼ぎを終える。


「攻撃力高すぎだろ。もう少しバランス考えろよ」

「歯ごたえあって楽しー!」


なんかワクワクすんぞって顔をしている奴が前線組に紛れている。

ああ、やっぱゲーマーってタイプ別れるよな。

俺みたいなコツコツタイプ、しぇりるみたいな冒険が好きなタイプ、硝子みたいな協力するのが好きなタイプ、紡みたいな戦うのが好きなタイプとな。

難しければ難しいほどに燃える連中が前線組には多いのは何となくわかるぞ。

ただ、正直そろそろ終わらせないとじり貧でイベント失敗になる。

アクヴォルの奴が防衛拠点に近づいていてどっちにしてもここで削り切らないといけない。

ただ、前線組が総動員で削った時のダメージを目算すると……少し足りない。


「闇影、一気に仕掛けるぞ」


氷ゲージが五分の一になった所で俺は一気に片付けるためのチャージに入る。


「承知でござる!」


ブレイブペックルとクリスにはアクヴォルの攻撃と防御を任せる。

どうにかブレイブペックルで耐えさせることができるのが幸いだ。

冷凍包丁で構えつつピュンピュンとチャージ音が鳴り響く……。

まだだ……前線組の削りが終わるまであと少し……俺が攻撃に参加してないから想定よりも削りが遅くて非常に歯がゆい。


『あっぐぅううう』


と言う所で削り切ってアクヴォルの変身が解除された。

く……チャージが出遅れた。


「一気に畳みかけるんだぁああああ!」

「おおー!」


みんなが畳みかけている中、歯がゆい思いをしているとアクヴォルのスタンが解除される兆しが表れる。

HP表示は俺の読み通り削り切るにはちょっと足りない。

チャージ長すぎだ。もっと練習しないといけないな。

なんて思った所でキン! っと音が響いた。


「よし! ブラッドフラワー!」


高速でアクヴォルに近づき、俺の最も強力な技が発動してアクヴォルを切り刻んだのちに通り抜けていた。

冷凍包丁を振り回して血糊を飛ばしてから振り返る。

するとタイミングよく血しぶきのエフェクトが発生して血の花が咲き乱れる。


「おおおおお! 派手な技当てた奴がいるなー!」

「今の技なに?」

「見覚えの無い技だな」

「解体武器のブラッドフラワーだ。うちのメンバーに使えるのがいる」

「へー、そうなのか。結構派手な技あるんだな。つーか削り切ったって火力たけー!」

「いや、解体武器だから火力はそこまで高くないはずだけど……」

「技放ってたの釣りマスターだったぞ」

「なら火力あるのは当然か。めっちゃ下のゲージ削ってくれてたし」


なんてみんながホッと余裕を見せる。

まあどうにかHPを削り切ったからだ。


『……思ったよりやるようね。良いでしょう』


大きく仰け反ったアクヴォルはそういうとシュバッと空高く飛び上がって姿が消えてしまった。

うわ……倒した扱いにはなるけど死んだ扱いにはならないイベントボスだったのか。

ディメンションウェーブイベント時のボスとは扱いが違うらしい。



魔王軍侵攻、水の四天王撃退!



クエストクリア画面が出る。

同時にフィールドにいた雑魚たちも一斉に姿を消したので防衛は成功した。


騎乗ペット

報酬画面は……まだ出ないか。


「よーし!」

「やったな!」

「結構ギリギリだったけどどうにかクリアしたぜ!」

「これでビザのランクアップだな!」

「おつかれー」

「お疲れ様ー」

「アクヴォル様ファンクラブ、絆ちゃんファンクラブに参加したい方はこちらー」


みんな各々勝利を労う言葉が周囲に飛び交う。


「絆殿、やったでござるな!」

「ああ、ところでリザルト画面が出ないな」

「そうでござるな、まだイベントは終わっていないって事かもしれないでござるよ」


あり得るな。

もちろんそれは戦場にいる連中も理解しているのか警戒を解かずにいる。

やがて……フィールドの上空になんか黒い影が出現した。

なんか邪悪そうな影だな。


『愚かな人間共よ。よくぞ四天王のダインブルグとアクヴォルを退けた。その事は素直に賞賛の言葉を贈ろう。貴様らを侮った我の落ち度である』


うわー……なんだろう。

よくあるイベントというかあれが魔王って奴かな?


『此度の侵攻は序章に過ぎん。四天王共も手を抜いていたのでな。我が魔王軍の恐ろしさをその身をもって理解できたか? 今日はこのぐらいにしておいてやろうではないか……精々一時の平和を甘受するが良い、フハハハハハハ――』


とまあ、なんか挑発的な口調で大きな影は姿を消していったのだった。

直後、リザルト画面が表示される。



ミカカゲ・魔王軍侵攻防衛線……二勝二敗。

水の四天王・アクヴォル戦場勝利!



という所からランキングが表示された。

与ダメージやダメージ、貢献度とかのランキングはディメンションウェーブイベントの時とそこまで差はないか。



絆†エクシード 与ダメージ 12位

戦場貢献 1位

総合計 評価 8位



おお! 目立つ活躍だと結構いい感じの戦果だ。

ただ……やっぱテクニックというかボスとかに張り付いて戦うとかは上手く出来なかったので与ダメージとかはそこそこって感じだ。

これが硝子や紡だともっとダメージ出ていたんだろうな。

どちらかと言えば被ダメージの方が高いだろうし。

で、闇影は当然ながら与ダメージ1位を取っている。

属性相性良かったもんな

やっぱ闇影って戦闘が得意だよな……魔法で色々とやっているからなんだろうけどさ。


「絆殿が与ダメージ1位じゃないのでござるな」

「まあ、そこまで攻撃に力が入っていた訳じゃないからだろ」


氷削ってー鮫を集めてーとかだしな。

変身解除をさせるのは貢献したけどそれ以上の攻撃、雑魚処理は他のプレイヤーに一歩及ばなかったって感じだ。

やっぱ戦闘特化の前線組や闇影には負けちゃうのはしょうがない。

ただ、罠を壊すとか他の部分で貢献できたから良いとしよう。


で……報酬は、スロットじゃなく宝箱表示だ。

確認をすると箱が開く演出と共にビザランクアップの表示が出た。

これで更なる先へと行けるようになったわけか……。


他に武具の強化素材と……ボス報酬って文字が表示された水の四天王の魚鱗とアクアジュエルという名の宝石だ。

さらに追加報酬の欄がある。

えーっと……。



騎乗ペット、ライブラリ・ラビット獲得!



「騎乗ペットがあるな」


ペックルの笛で巨大ペックルを呼び出せる俺だけど、ほかにも入手してしまった。

なんか本の形をした召喚アイテムの様だ。


「絆殿、拙者も獲得したでござる!」


闇影も本を持っている。

まあ、騎乗ペットって普通に移動するよりも早くなるだろうから便利か。

周囲を見ると似た様なアイテムを持っている人がちらほらと見受けられる。

入手確率はそれなりに高い様だ。


「気になったでござるが……二勝二敗というのはどういう意味でござる?」

「四つフィールドが分かれているんだぞ?」

「……やっぱりそうでござるな」


なんて闇影と会話をしつつ硝子達が気になった所で硝子からチャットが来た。


「絆さん、お疲れ様です。どうやらそちらの戦いも終わったようですね」

「ああ、戦果はどう?」

「勝ちました。私の持っている武器と防具がボス魔物……大地の四天王・ダインブルグという方にとても有利に働きまして問題なく戦えました」


どうやら硝子も相性の良い相手と交戦したようだ。

前線組の推理だけどあながち間違いはなかったって所か。

硝子の方の戦果をこっちで細かく確認はできないけれど、闇影がトップを取れたんだから硝子もトップを取れたに違いない。


「そうか、こっちも上々、水の四天王・アクヴォルって奴を倒せたよ」

「それは何よりです」

「お兄ちゃん! 勝ったよー!」


紡からもチャットが来る。


「はいはい。正直硝子と紡が居たところはボス撃破が早そうなイメージだけどあのボス、戦場のどのあたりで倒せた?」

「真ん中に届くより少し早めだよね」

「そうですね。攻撃に対してこちらが抑える手段があったので皆さん、全力で戦えていたと思います」


うわぁ……こっちはそこそこギリギリだったぞ。

硝子の地震対策がかなり刺さっていたのは間違いないか。


「硝子さんねー殆ど項目で1位を取ってるんだよ!」

「紡さん!」

「大活躍のようで俺もうれしいよ」


こりゃあMVPは硝子で間違いないなさそう。

ただー……。


「つまりしぇりるの方は惨敗だったって事だよな」


ロゼPTが居ても敗北か……チャット出しづらいな……。

恐る恐るしぇりるにチャットを送ってみる。


「……」

「えーっと」

「……失敗」


なんか割と疲れたような顔をしているしぇりるがポツリと零す。


「ああ、次は頑張ろう」

「……そう。報酬……乗り物ペット」

「あ、しぇりるも貰えたのか」


割と確率高めなのかもしれない。


「ランキング……7位」


結構上位にいる。なんだかんだ硝子や紡、闇影と一緒に居るからだろう。

負けても報酬は良い物が貰えるんだから良いんだろう。


「すぐに合流するぞ」

「そう……」

「あんまり引きずるなよ。ゲームは楽しむもんで責任は二の次なんだからさ」


コクリとしぇりるは頷いた。


「じゃあ硝子、紡、合流しよう」

「はい。今度は一緒の場所で戦いたいですね」

「お兄ちゃんのネタ行動見たいもんね」

「してないから安心しろ」

「絆殿は――」


闇影が密告しようとしたのでチャット前に外した河童着ぐるみを闇影に見せる。


「……大活躍だったでござるよ」


よし、空気を読んだな。

まあ、すぐに噂となって広まりそうだけど気にしない。


「そっかーちょっと残念だね」

「むしろ蟹工船をしたおかげで戦場で拙者も罠を見ることができて大活躍だったでござる。何が幸いするかわからないでござるよ」

「こっちも似た感じで地雷の罠とかあったっぽいんだけどね。硝子さんの武器の力で割と完封しちゃったみたい」

「次は上手く行くかわかりませんけどね」


なんて感じで俺達はさっさと着替えてフィールドから出て関所前で合流した。

奏姉さんは……失敗したときに声を掛けたら五月蠅そうなので今度声を掛けようと思う。


「今回のイベントってさー、魔王の四天王の顔出し的な奴っぽいよね。倒した後で飛んで行っちゃったし」

「そうだな。これでどこかのイベントのフラグが立つとかなんじゃないか?」

「だよねー」

「いずれ決着を付けないといけませんね。やはり今回のイベントのように戦うのでしょうか?」

「どうだろ? どこかのクエストで遭遇とかもあり得るんじゃない?」


古き良きRPGとかでもありそうだよな。


「イベントでも出てくるけどインスタンスダンジョンのボスの可能性もあるぞ? フィールドボスとかもいるかもな」

「ありそー攻撃パターンが増えていたり色々とバリエーションの出てくるボスって奴。フィールドボスでも出てくるかもね」


闇影と出会った時の出来事を思い出す。

あれもフィールドボスだったな。


「しぇりるさん、お疲れ様です」

「……」

「しぇりるさんは絆さんが戦った水の四天王と戦いたかったですか?」


コクリとしぇりるが頷く。

まあ、水関連は俺としぇりるが担当って感じだもんな。

やってることは釣り人と海女だし。


「とりあえずしぇりるの鬱憤を晴らす方向で何かしていくか。しぇりる、次はどこ行きたい?」


河童運

「……関所の先、それと魚竜を倒したい」


冒険志向の強いしぇりるらしい返答だ。


「これからもう少し装備を強くする……機材も」


しぇりるはマシンナリーもしてるから、色々と今回の反省からやって行きたいって事なんだろう。


「了解。でだ……報酬で騎乗ペットが出た訳だけど硝子たちも手に入ったんだよな」

「はい」


と、みんな本を取り出す。割と今回のイベントだと上位は貰える品っぽくて関所前では各々本をもって雑談をしている人が多数いる。

どうやら開くことで呼び出せるっぽい。


「じゃあ、試乗してみよう」

「そうですね」


と、硝子が本を開くと……虎くらいの大きい白い猫が出た。


「ニャー」


ノビーっとしてから硝子が乗りやすいように伏せをしている。


「わー猫ちゃんだーにゃーん!」


紡が触れようとすると猫がすり抜けた。


「あれ? 触れない」

「個人所有の騎乗ペットだからじゃないか?」

「ああ、なるほど、硝子さん乗ってみなよ」

「は、はい」


硝子は恐る恐ると言った感じで白い猫の背中に乗る。

すると白い猫はスタッと立ち上がった。


「あ、馬と同じ感じで進めますね。ちょっと上下が激しいですけど良いです」


スタスタと硝子が乗り心地を試していた。

周囲にいる他プレイヤーも似た感じで各々乗り物を楽しんでいるっぽい。

お? なんか大きなトカゲみたいなのを騎乗ペットにしている人もいる。

結構ランダムなんだな。


「次は私ー!」


で、紡は犬を出していた。シベリアンハスキーっぽい感じの乗り物だ。

かなりファンシーな犬って感じがする。


「紡さんのワンちゃんもかわいいですよ」

「えへへー」

「……」


続くしぇりるは大きなカワウソの騎乗ペットの様で悪くないって顔をしている。


「……」


で、なぜか闇影がしぇりる化して目が死んでいる。


「どうした闇影」

「そうでござる……」


なんでここでそこまでテンション下げているんだ?


「絆殿は……」

「俺がどうした?」

「いや……その反応は違うでござるよな……」


だからどうしたんだよ。次は俺かお前の番だろ。


「闇ちゃんどうしたの?」

「闇影さん?」

「そう?」


みんな闇影の様子がおかしいので首を傾げる。


「絆殿! 交換してほしいでござる!」

「なんで俺が指定されてんだよ」

「あ、闇ちゃん。今回の騎乗ペット受け渡しできないよー」

「なんとでござる! では拙者、騎乗はしないでござる! 捨てるでござる」

「おいおい。せっかく手に入れたんだから無駄にするなよ勿体ない」


なんだ? 一体何を引き当てたんだよ。

闇影の奴、どうにもみんなに乗り物を見せるのを拒絶している。


「嫌でござる! これは交換を要求するでござる! せめてカエルならよかったでござる!」

「なんだ? ナメクジとか蛇でも当てたか」

「それなら当たりでござる! そもそもなんで絆殿はこれじゃないでござるか! みんな同じだと思ったでござる!」


ナメクジと蛇は当たりなのか。

忍者路線だから当然だったのかもしれないが。

本当、何を引いたんだ?


「あんまり騒ぐなよ。他のプレイヤーの迷惑だろ」

「理不尽でござる!」

「闇影さん、何を引いたんでしょう? ちなみに絆さんは?」

「ライブラリラビット」

「それって他のプレイヤーも出してる奴だね」


と、周囲のプレイヤーへと紡が視線を向ける。

硝子たちのに比べると若干小柄の乗るには少し心もとないウサギの乗り物だ。

そこそこ外れ枠だろ。

そんな俺に比べて外れってどんなだ?


「では見るでござる!」


しばらくぐずっていた闇影だったが、観念したのか闇影が本を開く。

すると煙と共に現れたのは……河童だった。

ファンシーな感じの二頭身の河童だな。河童着ぐるみとも趣の異なるかわいい系だ。

口には手綱を咥えており、鞍を背負っている。バランス悪そう。


「わーかわいいー」

「でも河童でござる!」

「幾ら尻子玉抜かれたからって毛嫌いするなよ」

「闇ちゃんネタが尽きないのってすごいねー」

「それだけが理由じゃないでござる!」


闇影……着実に不幸ながら美味しいポジションを引いているなぁ。


「……死神忍者が河童引いてる」

「そりゃあ、あの河童装備で大活躍したんだ。河童運が巻き起こるのはしょうがねえだろ」


周囲のお笑いを誘う。それが闇影の生きざまなんだろう。

あんまり弄ると碌な事にならないだろうからここでは自粛しておこう。


「河童装備……アレを着たんですね」

「やむなくな。装備したお陰で活躍できたのは間違いないから完全に笑いものにはされていないぞ」

「拙者は笑いものになったでござる!」


俺も着ていたのに闇影に集約したのは間違いない。

すまんな闇影、さすがに騎乗ペットに河童を引くなんて誰も想像できなかった。