Wave of dimensions — страница 61 из 111

なんか仰々しく古代遺跡から発掘される飛行機を模したものと思われる金で作られた細工品とかテキストには記されている。


「これって?」

「鉱山で稀に見つかる代物で発掘品という類の品だよ。アルトくんが最初にこれを見たときは目を輝かせてオーパーツだ! っと喜んで説明してくれたんだけどね。コロンビアだったかで見つかったって話だったかな」

「なんか高そうな感じだけど……」

「残念ながら……結構な数が産出される、ただの収集アイテムさ。ほかに水晶ドクロとか土偶とか掘っていると稀に見つかる」

「そんなのあったのか……前に採掘に行った時には見かけなかった」

「絆くんたちに軽く調達を頼んだだけだからね。たまたま見つからなかったんだろうさ。ちなみに水晶ドクロもそうだけど鉱石としての使い道があるから不要って程ではないよ。それも溶かして金に出来る訳だしね。アルトくんが切なそうな顔をするけど」


アルト……お前ってオカルト好きなのか? 幽霊船で怯えていたくせに。

いや、オーパーツは金目の物という認識からタダの収集アイテムという判断から残念がっていただけの可能性も高いな。


「で……この化石の方はどうなんだ?」

「一定数集めると装備に出来るよ。化石装備という類の装備品になるね。絆くんが解体して得られる骨などから作れる骨装備の上位装備に該当するかな。集めれば性能は期待できると思うよ」

「……」


なんかアルトの気分がわかったような気がしてきた。

このゲームってこういうロマン系な代物を実用性重視で処理してしまう所があるのかもしれない。

いや、ロミナが悪いわけじゃない。

ロミナは鍛冶職人だから装備品に加工できると言いたいだけなんだろう。


「化石なんだからこう……掘りだして何の化石かとか切り分けたりできない訳?」

「そういう使い方もできるかもしれないね。なんの化石かを見極めればより上位の化石装備もできるかもしれない」


装備から離れてほしいんだけどな……。

とは思うがあまり強く言わないで置くか。

ただ……化石の余計な部分を取って分かりやすくクリーニングするというのは興味がある。

そう思って化石を見ると……あ、解体部位がわかる。


「解体技能に反応がある」

「ほう……掘削辺りの技能かと思ったけど違うようだね」

「そっちでもできるんじゃないかな? あくまでシナジー効果的な感じだと思う。けど……たぶん難易度はそこそこ高めだな」


鉱石類の硬い所と柔らかい所を見極めるのに近い。

解体の効果が働くとしても反映する値はそんなに高くないと感じる。

俺はドリルをそこそこ使って遊んでいたから掘削系も多少割り振ることができるし、今日の採掘の為にそこそこ振って効率化を図っているからこそ、化石のクリーニングに挑戦できるんだろう。

カルミラ島で覚えた技能がここで役に立つな。

で、クリーニングに必要な機材を見繕う。

ドリルがあればある程度はどうにかできそうだけど……小さめのドリルも欲しいな。


「しぇりる、小さいドリルとか無いか?」

「……」


スッとしぇりるが俺にハンドドリルよりも小さい歯医者とかで使いそうな小さめのドリルを差し出してきた。


「サンキュー」


小さめのドリルを受け取り、化石のクリーニング作業を行う。

まずは大きめのドリルでゴリゴリと削り落とす。

ボロボロと化石は徐々に削られて行き、狙ったラインでそげ落としていく。

できれば中身をスキャンできれば良いけど……そこは解体の勘的な補佐で誤魔化すとしよう。


「……絆くんが集中し始めているね。私たちは私たちで採掘をしよう」

「そう」


ロミナとしぇりるが化石のクリーニングに夢中になった俺に気を使って発掘作業に戻って行った。

パッパと引っ付いた土を払い、コンコンと冷凍包丁の柄で叩いて細かく削りを入れて……。

まだ薄皮みたいに硬い石が混ざってる……。

小さめのドリルで輪郭がわかるように化石を削って行くと……あ、削りすぎた!

けど失敗には辛うじてなっていない!

諦めずにクリーニングを続行!


「よーしできたー!」


やがて俺はクリーニングを終えると、化石がキラっと光った。

何が出てきたのかというと、魚の骨の輪郭がはっきり出てきたのだ。

少し失敗した所為で尻尾の部分が無くなっているけど、魚であるのは一目でわかるようになったぞ!

何かの化石が……魚の化石に変わった!


「終わったのかい?」

「ああ! 魚の化石に変わった!」

「ほー……こうしてわかる形にすると名前も変わるようだね。このまま家具として設置できそうじゃないか」


マイホームの調度品みたいに使えそうだなぁ……とは俺も思った。

魚の化石とはなんとも釣り人の俺にとってふさわしい事か。

しかもなかなかクリーニング作業は楽しかったぞ。


魚の化石



「ところでこの魚は何の魚なんだろうね?」

「フォッシルボーンフィッシュ」

「しぇりる、それまんま化石ボーンフィッシュじゃないか。違うだろ。これはリコプテラって魚の化石だ」

「わかるのかい?」

「俺は釣り人だぞ」


フィッシングマスタリーを取得しているおかげで魚に関しちゃ大体名前がわかる。

魚の化石でもそこはある程度適応するんだろう。

アロワナの仲間みたいな魚のようだな。

魚の化石の名前がリコプテラの化石へと化石の名前が変わる。

どうやら鑑定が発動したようだ。アルトだと虫眼鏡とか使わないといけないけど、こういったマスタリー所持でも作動するんだな。


「魚なら絆くんがわからないはずもないか」

「当然」

「そう……」

「ちょっと見せてくれないかい?」

「ああ」


俺はロミナにリコプテラの化石をロミナに手渡す。


「ふむ……お? この化石で絆くんの下級エンシェントドレスを普通のエンシェントドレスにする材料に出来そうだ。数が10個ほど必要だが」


俺の装備品のパワーアップができる?

エンシェントドレスは古代魚、シーラカンスの素材で作られた装備でロミナが作ろうと思って難易度の高さからギリギリ出来上がった品だった。

ある意味、形にはなったが品質が悪い……なので下級と着いてしまったのを普通に繰り上げることができるのか。


「私のミスを補うことになるがそういった事ができる素材になるようだね」

「ほー……なら集めるのも悪くないかもしれないな」


性能はかなり高い装備品なんだ。

今も見た目の関係で装備しているし……ただ、性能だけで言えば河童の着ぐるみの方が高くなってしまっているだけで……。


「これでエンシェントドレス作れそう?」

「ああ、50個ほどこの化石があると作れる上位の化石装備だね。むしろこれが正しい作成ルートなのだろうさ」


ここに来てエンシェントドレスの正しい作成ルートの開示である。

かなり限定された条件じゃないか?


「新発見……って事なのか? 化石っていつごろから見つかるようになったわけ?」

「この前の波が終わってから採掘場で見るようになったのではなかったか……生憎、カルミラ島以降の採掘場じゃないと出ないと聞くが」


なるほどなー……条件としては間違っていない訳ね。

ただ……採掘技能を持っていてツルハシじゃなくドリルやハンマーを使えて、完成した化石を鑑定しないといけないと考えるとかなり条件が面倒くさいな。

解体と同じく情報が出回るのに時間はかかりそうな案件だ。


「ともかく、絆くんが良ければ素材が揃えばそのドレスの性能アップを行うよ」

「中々楽しめそうだ」


魚の化石が掘り出せたって所から釣りとは関係ない採掘にもなんだか楽しみが見出せそうな気がしてきた。

ロミナには日々色々と助けてもらっているからその礼として付き合っていたけど、装備強化とは別の意味でやる気が出てきた気がする。


「よーし! どんどん化石を掘り出すぞー!」

「やる気になってくれて嬉しいとは思うが、絆くんの場合は化石がメインで採掘がオマケになっているのがわかるね」

「そう」

「良いじゃないか。採掘のついでに何かの化石が出たら俺が受け持つぞー!」

「そうだね。こういう楽しみが無くてはやる気も長引くものじゃない」

「おおー!」


という訳で俺は化石目当てにどんどんドリルで掘削を続けたのだった。

エネルギーの回復が間に合わなさそうになった所で要らない品などをエネルギー変換でエネルギーに変換していき、どんどん掘っていく。

やがて大量の鉱石と共にそこそこの何かの化石を俺達は手に入れることができた。


「絆さーん」


やがて硝子たちが鉱山内の魔物退治を切り上げて俺達の所にやってくる。


「経過はどうですか?」

「三人とペックルたちでどんどん掘っているからね。一日でかなりの量の鉱石を確保できたよ」

「まだまだ足りない」


しぇりるが手にした鉱石類を見てつぶやく。


「確かにこれだけの量があっても色々と作ってるうちにあっという間になくなってしまうね。設備強化にも使わねばならないからね」

「ロミナさんたちに必要な物資はまだまだ足りないのですね」

「大変でござる」

「お兄ちゃんはどう? 休憩中にネズミ釣りとかモグラ釣りとかしてない?」


紡……お前という奴はそんなに俺が信用できないというのか。


「ふふん。俺はそんなしょうもない事をしたりしてないぞ。やったのはこれだ!」


ジャーンと俺はクリーニングを終えた化石を硝子たちに見せる。


「化石でござる?」

「そうだ! 俺が出てきた何かの化石をクリーニングして鑑定したんだぞ!」

「へー化石なんてあるんだ?」

「そのようですね。魚の化石ですか……絆さんらしいです」

「おう! なかなか化石も楽しいぞ」

「鉱石掘りで化石に興味を持ったみたいですね。鉱石はオマケですか?」


みんな俺を理解するのが早いなー。

確かに魚の化石って所でテンションは高いぞ。

ちなみに何かの化石を集めただけで最初の一個以外、まだクリーニングはしてない。


「結果的にそうだな」

「次は化石掘りに夢中になっちゃうのかな? お兄ちゃん」

「釣りもするに決まってるだろ! 釣り人で趣味で化石掘りをするだけだ」


初心を忘れてはいけない。


「まあまあ、この化石をある程度集めると絆くんが装備しているエンシェントシリーズの作成ができるようだから悪い話ではないよ」

「フォッシル……エンシェント」

「へー! じゃあ私たちも作って貰おうかなー! 集めれば良いんだよね?」

「しばらくはここで採掘をするから必要数は集められるかもしれないね。50個ほど必要なんだけどね」

「かなり多いですね。そんなに出るのですか?」

「いや……今回の採掘で14個ほどだね」

「気が長くなりそうですね」


硝子がなんか困った顔で言葉を選んで言う。


「この程度ならゲームによってはあり得る数字だね」

「そうでござるな。無理とは言い難い数字でござるよ」


割とゲーム廃人的な思考を理解している紡と闇影が問題ないとばかりに答えている。


「ですが絆さんとロミナさんしぇりるさんとペックル達を今日一日使って14個なのですよね? 装備に武器……他の部位も考えると途方もない様に感じますが……」

「それでもって所だね。解体素材だって必要数はそこそこ必要なんだよ? 気にするほどでもないさ」


ロミナもその辺りは日々の鍛冶で消耗するからわかっているんだな。


「問題は材料に使える目当ての化石がこの中でどれだけ見つかるかになるだろうけどね」

「なんとも……大変なんですね」

「失敗したら目も当てられないから揃う頃には絶対に成功できるほどに技能を上げておきたいところかな」


ロミナの重圧も凄いだろう。

何せこれだけやって失敗した何もできなかったなんてあったらトラブルになるのは想像にたやすい。

そういったところから俺は鍛冶師には絶対になりたくないなー。


「まずは10個集めて絆くんのエンシェントドレスの強化をしておきたいところさ」

「それくらいならできそうです。お手伝いは必要ですか?」

「大丈夫だ。飽きるまで化石のクリーニングを任せろ」

「それってずっとやってるでしょお兄ちゃん」

「ですね。絆さんに飽きるという概念は存在しないように感じます」

「間違いないでござるよ」

「そう」


なんでみんな揃って俺に飽きるって概念が無いって事に同意してる訳?


「はは、絆くんに関してみんな理解が深いね」

「お兄ちゃんはねー。ちなみに私はお母さんにお腹の中にいる時に先に生まれたお兄ちゃんに根気を取られてきたんだろうって言われたことあるよ」


なんか自慢げに紡が言ってるけどそれって虚しいだけだからやめろよ?


「絆さんの根気の一部を紡さんが持っていたら丁度良いような気はしますが……」

「親というのは無神経で酷いもんでござるよ」


なんか闇影が棘のある言い回しをしている。

親子仲が悪いのだろうか? まあゲームに理解の無い心無い親はそこそこいるもんだよな。

うちの場合はゲームには寛容かな……姉と妹がゲームマニアすぎるけど。

ゲームの参加権を売って家族旅行を提案したら怒られたし。


化石クリーニング



「とにかく上手い事お兄ちゃんがハマりそうな代物が見つかってよかったね、ロミナさん」

「はは、絆くんがどれだけやり遂げるのか興味はあるね」

「良いと言えるのかそれ? まあいいや、しばらく化石のクリーニングをしてみるさ」


なんでもやるのが大事だしな。

これはこれで技能が上がるので無駄になることはない。

一定数集めるとエンシェント装備をロミナが作ってくれるわけだし、上手くクリーニング出来たのはカルミラ島の自室とかで飾っても良さそう。


「それで硝子達の方はどうなんだ? 上手い事魔物退治出来てるか?」

「んー……正直大分きつくなってきたね。ロミナさんに頼んで装備を新調した方が効率が良くなりそうな感じだよ」

「戦闘に大分時間が掛かりましたね」

「強敵だったでござるな」

「ロミナさん。装備素材の為にお兄ちゃん借りて良い?」


まあ強い魔物の素材を使えば自然と強い武具が作れる法則な訳だから解体技能のスキルが高い俺を連れて行くのが効率的か。

情報が出回った昨今、解体持ちって需要が高いんだろうなぁ。


「ああ、こっちは絆くんとペックルが居たおかげで目処は立っているからね。そっちの素材収集のために絆くん、行ってきてくれないか? 化石が出たら残しておくから」

「はいはい。んじゃ硝子たちの方の手伝いをしに行くかー」


って感じで俺は硝子たちと一緒に鉱山内の魔物退治組に参加して解体をしばらく行っていたのだった。

出てきた魔物はアイアンリザードという金属質の皮を持つトカゲ型の魔物とかだったな。皮が文字通り鉄でロミナに後で提出したところ鉄のインゴットに鋳造出来たらしい。

もちろんそんな使い方は間違いで、柔軟な皮みたいな側面も持っているのでなめす事も出来てそっちの方で良い装備になるそうだ。

それからしばらく狩っていると、そろそろ時間なので帰ろうという事になり揃って鉱山から出ることになった。

採掘場の外に出ると既に日が暮れ始めていた。


「おー」


夕日を見ながら今日の収穫を確認する。

鉱石沢山、クリーニング前の化石そこそこ、魔物素材も十分確保出来た。


「今日は疲れましたねー」

「色々と戦いっぱなしだったでござる」

「密度の高い一日だった。今夜は宿に戻ろうか、今日と同じ量を明日採れれば私たちが消費する分は十分に確保できるだろうね」

「ロミナさんの所の鍛冶場が拡張出来たら私たちの装備もよりパワーアップできるね」

「そう」

「いい加減拙者は装備の更新をしたいでござるよ」


闇影の奴、まだそのネタを言うのか。

とはいえさすがに色々と素材を確保できているし、色々とできる頃合いだろう。


「ところで絆くん。水晶ドクロを沢山持ってくれて助かるよ」


あの後、水晶ドクロがそこそこ発掘されて整頓のわかりやすさから俺が預かった。


「量が量だからね。みんな持ってくれて助かる」

「当然ですよ。カルミラ島に着いたら倉庫に入れましょう」


って事で俺達は街へ戻り、ゆっくりと休むことになった。

ま……俺は当然、食事を終えたら風呂までの間の少しの時間に釣りをしに出掛けたんだけどさ。




「ふー……」


風呂の入浴を終えて宿の部屋で涼んでいると部屋の扉がコンコンと鳴り来客を知らせて来た。。


「絆さん居ますかー?」


お? 硝子のようだ。


「いるよー」


扉を開けて挨拶をする。


「なんかあった?」

「いえ、特に何かあった訳じゃないですけど、いらっしゃるかと思いまして」

「釣りに行くと思ってた?」

「そうですね。もう釣りに行ってしまったのかと思っていました。この後行くのですか?」

「いや、風呂に入る前にカニ籠のチェックと釣りを少ししてきたから大丈夫、今夜は釣りに行かないよ」

「そうなのですか? てっきり行くのかと思っていました」


これはアレかな?

硝子も俺の夜釣りについていこうと思って声を掛けてきたのかな?


「今夜は寝るまで化石の処理をしておこうと思ってさ」

「ああ、なるほど」

「しぇりるやロミナの話だと機材をそろえた工房とかでやった方が良いって話だけど、まだそこまで技能がある訳じゃないし、練習にね」


まずは色々とやってコツを掴まないと始まらない。

機材に関しちゃドリルとかある訳だから問題ないだろう。

少なくとも硬くてドリルが通らないとか出力が足りないって事は今の所ない。

技能上昇の条件を満たさないといけないし、何事も挑戦だ。


「少し見ててもよろしいですか?」

「良いけど、そんな見てて面白いもんじゃないと思うよ?」

「絆さんが新しく興味を持ったとの話ですからどんな事をするのかと思いまして、もちろん少し見るだけです」


硝子なりの好奇心って事なのかなー?


「良いよ。じゃあ見てて」


俺は部屋の床に何かの化石を出してクリーニングを行う。

コンコンと大きく化石を砕いて削り落としてーっと。


「結構室内で音がしますね」

「隣の部屋でうるさいとか言われそうだなぁ……闇影とか文句を言いに来そうだ」


アイツ、本当寝るの早いんだよなー。

夜更かしをするって決めない限り闇影の就寝は早い。

正確には夜間での戦闘等を目的とする場合、闇影は昼寝をする。睡眠に拘りがあるのだろうか?

もしくは単純に子供っぽいのか。


「そうですね。寝ている所を起こされるのは嫌ですよね」


このゲームだと部屋でベッドの横になり寝ると意識するとスッと寝入ることができるのだが、何かしらの要素で起きたい時間より早く起こされることもある。

俺も前にペックルに起こされたことがあった。

騒音で起きるって事もあり得る。


「でも気にせずこれだけでもやってくー」

「絆さん……」


カンカンと叩いて何かの化石を一つクリーニングを行った。

お? どうやらこの化石はアンモナイトの化石のようだ。貝の形からそれっぽい。まさに化石って感じだ。

アルトに後で鑑定してもらったところ、エンシェント系の素材に使えることが分かった。

結構使える素材があるっぽい。


「よーし一個完了」

「これが化石のクリーニングですか」

「そう。ほら、しっかりと別のアイテムになってるだろ?」


硝子にクリーニングを行った化石を見せて掘り出された化石との違いを確認してもらう。


「確かに別のアイテムになってます。それで絆さん。化石はやはり魚の化石が欲しいのでしょうか?」


魚の化石って所で興味が湧いたのは事実だ。

だけど……。


「恐竜の化石とかも出たら面白そうだとは思ってる」

「きっと出ますよね」

「そうだとは思うけど……この何かの化石で恐竜の化石が出てきたらどうなるんだろう?」


俺がカンカンと叩いている何かの化石は40センチくらいの石の塊な訳で……。