Wave of dimensions — страница 76 из 111

『HPガリガリ削れてくぞ。半端ねえ』


周囲の魔物を蹴散らした所で硝子や姉さんが俺の方に顔を向ける。


「これってしぇりるちゃんがやったのよね?」

「たぶん……」

「そのようですね」

「絆……今どこ?」


しぇりるが聞いて来る。


「Bの3と4の間。ボス近く」

「そう……」


って声がしてしばらくするとしぇりるが騎乗ペットに乗って全速力でこっちにやってきて合流した。


『ざ、雑魚は蹴散らした! みんな! 針山みたいになってるけどボスに突撃だー!』

『お、おおおお!』

『いや、これ……もうMVPとか上位入賞無理じゃね?』

『おこぼれを貰えー!』

『開き直り大事! ラストアタックをもぎ取るのだー!』


ってプレイヤー達は体制をを立て直してボスに向かって突撃して行く。


「早く行く」


淡々としぇりるが針山に向かって指さすので俺達は言われるがまま、ボスへと向かい……次元ノガネーシャと名前が出ている動く針の山に向かって攻撃……もう瀕死じゃん。

今現在も周囲に設置されたバリスタや大砲がボスに向かって飛んで来ている。


「プ、プハオオオ……」


なんだこの状況と思いながら攻撃を数回入れて居る内に……ドスーン! っと次元ノガネーシャは地面に倒れた。

次元ノガネーシャの切ない声が酷く印象的だった。

そりゃあ……周囲に設置されたタレットでハチの巣にされたわけだし分からなくも無い。

サァア……っと空が晴れ上がり、波が終了したのを告げる。

本当にコレで良いのか?


「……!」


しぇりるがドヤ顔をしているが周囲のプレイヤーを含めて言葉を失うばかりだ。


「「「よ……よっしゃー?」」」

「なのか?」

「どうなってんだ? 誰か説明しろ」


割と本当にどうなってんだ?


――ディメンションウェーブ第四波討伐!


システムウィンドウが表示されて描かれている。


「一応……突破した事になるけど、なんか達成感が薄くなってしまったような……」


割と本当になんだこれ? って状況に戸惑いを隠せない。


『あのタレット、最初から置かれて無いし、地面から生えたもんじゃなかった』

『ああ、しかも弾にイカやカニ混じってたぞ』

『ゴミ飛ばしてなかったか? 大砲』

『何がどうなってんだ? また島主がやらかしたんだよな?』


俺がやらかしたってどういう表現だよ!


『絆ちゃんは無実でござる! だって呆然とみてたのを見かけたでござるー』

『みんなの絆ちゃんがここまで頭が回る仕掛けはしないよなー』

『ボスを釣り上げる所を見たかった』

『奇抜な釣りキボン』


それはそれでよく考えろ。ここは陸だ。俺を馬鹿にするな!

ボスを釣るってゾウの口に引っかけるにしても俺が来た時には針山だったよ!

周囲の期待が変な所に集まっている。


なんて内心愚痴を思っているところでリザルトが表示される。

与えダメージで俺は……12位か。

エネルギーブレイドとか闇影との連携スキルで結構稼げたけどやっぱり俺はそこまで貢献しきれてないな。

使用したエネルギーを考えると大規模イベントだからこそって感じのコストパフォーマンスだ。

闇影の方は2位……相変わらずの高火力だよな。

広範囲魔法だから数で稼いでいる強味だ。


「……」


ふんす! っとしぇりるが胸を張っている。

堂々の1位だもんな。合計ダメージもぶっちぎりだ。総取りとはこの事で他はドングリの背比べな次元となっている。

まあ……俺たちはそこそこ稼いでいたのでその中でも少しばかり上なんだけどさ。

1位な理由は戦場にタレットを無数に設置してぶっ放したのだから当然か?


「ペーン」


で、タレットをよく見るとペックルたちがなんか特定の場所に立ってタレットを動かすと追随するように無人のタレットが動いている。

あれってもしかして。


「おそらく何かしらのギミックで連鎖するようにしているでござるな。しぇりる殿はマシンーナリーを習得しているでござるから」

「……そう」


うわ、やるもんだな。


「戦場に無数のタレット設置ですか、すごいですね」

「絆を参考にした……」

「参考に? 何を?」

「大量設置」

「カニ籠でござるよ。絆殿が各地でばら撒くように設置していたのがアイデア元だとしぇりる殿は言いたいでござる」


闇影の補足にしぇりるがこくりと頷く。


「備えて大量に作った」

「イカやカニ、バリスタの矢も含めて色々と戦場を飛び交っていましたね」

「あはは、しぇりるちゃんも面白いことをするねー!」


紡がケラケラと笑っている。まあ……これも工夫次第の戦い方ってことになるのかね。


「本当、固定観念持ってると痛い目見るわ。私ももっと尖った副業を覚えた方がいいのかしらね」


姉さんも感心している。

確かに、ここはしぇりるの一本勝ちって感じだ。

ただ……生活の出費ランキングもぶっちぎりでお前だぞ。


「アルトが帰ってきたら謝らないとな。倉庫にあった金や物資が大量になくなってて悲鳴を上げていたぞ」

「……そう」


犯人はしぇりるだったというのは想像に容易い。

工房に籠って今回使うタレットを大量に作っていたのだろう。

どれだけ技能経験値を稼いだのか。

集められるだけ集めて色々と作る……ロミナ並みのマシンナリーの腕前をしぇりるは修練しているのかもしれない。


「お兄ちゃんは相変わらず総合順位はトップだね」

「しぇりるが1位じゃないんだな?」


なぜか総合順位で俺は前回と同じく1位を取っている。

なんでだ?


「……あれだけ荒稼ぎしてやることをやっていればそうなるかと思いますね」


姉さんと紡以外の全員が顔を逸らしながら頷いている。


「本当この子は、自分が何をしでかしていたのか自覚がないのが嘆かわしいわ」

「なんかあったっけ?」

「お兄ちゃんのカニ籠漁の結果でプレイヤーの汎用装備がどれだけ広まったのか考えた方がいいよ」

「アルト殿も大量に関わっているでござるがそこは不動でござるな」


あ、そういえばアルトの名前はあるかな?

そう思ったのだけどアルトは生活などの項目で名前が載ってなかった。

免除枠に入っているのだろうなぁ。

パッと見つけるのが大変なので後にするか。


「産業を生み出す火種に必ず関わりながら色々とやって波にも戦闘貢献していたら他のプレイヤーじゃ手も足も出ないわよ」

「そんなもんかねぇ」

「そもそもお兄ちゃん。ペックルを強化させる帽子を被っているだけで戦闘貢献度が勝手にあがるでしょ」

「でしょうね。かなり恵まれてるわよ。あら、私もかなり貢献扱いされてるわね」


姉さんが総合順位で12位にいる。一気に順位が跳ね上がったなぁ。

波での戦闘貢献に関して言えば3位。しぇりる、俺の次に入ってるぞ。


「魔物たちの攻撃を一挙に引き付けて皆さんが戦いやすいようにして下さっていましたもんね」


侮辱してきたプレイヤーを探して波の戦場を走り回っていただけだけどな。

魔物を引き集めて他のプレイヤーが戦いやすいようにしていたら貢献度も上がるか。

被ダメージは思ったより受けていないのは防御力の高さからか……攻撃を捨てて守りに特化した姉さんは侮れないな。


「ふふん。悪くないわね。想定より良かったわ」

「あんまり戦った感じがしなくて残念だなー」


奏姉さんとは逆に紡の方は不満そうだ。

当然の事ながら生活に関して俺達はみんな上位に入っている。

姉さんはこの辺りが低めなのは加入が遅かったのがあるかな。

ホームレス生活をしていたのが響いているのだろう。

ただ、これから改善していくかな。


『なんにしてもまた島主パーティーに良い所を持ってかれたって事だな』

『いや――待て! みんな! 冷静によく考えてみるんだ! わっしょいわっしょいしている場合じゃないぞ』


何やらここで一人のプレイヤーが緊迫した様子で発言した。


想定されたプレイング



『なんだ?』

『何を考えろってんだよ』

『相変わらず島主たちにやられたってだけだろ。トップの連中ってのはそんなもんだって』

『島主の連中って努力してる俺達からすると遊んでいるように見えるけどやっぱ金の力って偉大なんだろう?』


この辺りはプレイヤーの主観が入るよな。

一見遊んでいるようにしか見えないとか言われるだろうとは思っていた。

現に俺は基本エンジョイでやりたいことしかしてない。

なのに好成績なのはゲームとの相性や仲間、環境に恵まれているというのは大きいだろう。

硝子が不愉快そうに異議を唱えようとしているけど俺は気にするなと首を横に振る。


「一生懸命魔物を倒している連中からしたら遊んで見えるもんだ。な? 姉さん」

「そうね。だけどこのゲームの正しい遊び方は絆たちの方法だって学ばないといけないって事、合流して痛感したわ」

「……努力の方向性という奴でござる。拙者はまだ直面していないので人伝でござるが、しっかりと目的を持った努力をしないと身につかない……受験勉強などがそうらしいでござる」


闇影の言い方が若干気になるけど、確かにと思える所はあるよな。


『だからそうじゃねえよ。みんな、前回の波の時を考えてくれ。魔王軍侵攻は無視して』

『はぁ?』

『前回も島主たちの圧勝だったじゃねか』

『察しが悪いな、お前ら。お前らもやってた事だよ。今回はやってないんだ』

『良いから単刀直入に言え!』

『三行でわかりやすく言え!』


確かにちょっと回りくどいな、この何か気づいた奴の言い方。

前回の波と今回の波の違い……俺達は勝ち馬に乗れて他のプレイヤーはあまり活躍できなかった。

で、今回の波で他のプレイヤーはしてなくて、俺達はしている?


「船」


しぇりるがポツリと呟いた。

まあ……船は陸だから使えないもんな。


『船か? 陸じゃ使えないだろ』


あ、気づいた奴がいてしぇりると同じことを言ってる。


『半分正解だけど、もう答えを言うな? 波に備えて俺達は船を用意しただろ? けど今回の波は陸だからって用意して無かった。島主パーティーはタレットを設置した……ここから考えられるのはよ。波のフィールドが決まった段階でそこでしなくちゃいけないことがあったって事だ!』


船に該当しうる陸での代物……戦車、じゃないな。

ああ……なるほど。

しぇりるは船大工だけどここで船を取ったら大工。


『おい……まさか』

『俺達はまだこのゲームの事をまるで理解してなかったんだ! 砦だよ! タレットとか設置されてたりするだろ! 何悠長に俺達は波が始まらないかなーってボケっと待機してんだよ』

『あー……確かに』

『製造系が豊富なのは伏線だったのか』

『マジかぁ……』

『運営が想定しているプレイングは待機時間内に設備の準備って事かよ』

『うわあああ……こりゃあ馬鹿丸出しじゃねえか』

『戦闘始まってから設置してたって事は島主パーティーも気付いてなかった事だよな。出し抜けるチャンスだったのにー!』


と、悔しがる声が大量に沸き始める。

つまりあれだ……ゲームとかの防衛戦で戦場を彩るギミックやオブジェクトをプレイヤーの大工とか作成系の技能持ちが戦場で事前に作ることも波に備えた仕事とカウントされる。

砦を設置することで他のプレイヤーも戦いやすい状態になる、と。

確かにどう見ても運営が想定しているパターンだよな、コレ。


『……マジだ。波のフィールドで建築関連の技能、使える。通常のフィールドじゃできないから盲点だった!』


俺も水辺でカニ籠を大量設置したりしてるので設置可能箇所の制約はある程度わかる。

どうやら建築は普通のフィールドじゃできないっぽい。


『何から何までプレイヤーにゆだねられてるのかよ。カルミラ島を開拓した島主ってのもヒントなんだよ。気づかなかったのが悪いんだ』

『つまりルールを知ってたら今回位の難易度ならかなりのヌルゲーだったって事だよな?』

『むしろあれだけLvを上げて敵が強すぎね? って思ってたけど、ギミックを設置しろって事か』

『つまりこれからは製造系のプレイヤーも抱えて行かないといけないって事だな』

『うへー!』


ってフィールドチャットが混迷を繰り広げている。

砦の建造までできるのか……船の改造やタレット設置とか考えると相当いろんな工夫を入れられる余地があるって事だな。


「ロミナさんを戦場に引き出す日が来そうね」

「そういった可能性は否定しきれないな。とは思いつつ、アップデート項目の確認をしておくか」


表示された項目をいじってアップデート情報を開く。

お? スピリットの技能拡張……何かをすることで新しい技能が解放されるっぽい。

この辺りもどこかで検証や情報収集して覚えて行かないとな。

前回のもどうにもよくわからない所があったもんな。

倒したモンスターの力ってのはどうやら見知らぬモンスターを倒すことでエネルギー上限の限界突破が出来るって事だったみたいだけど。


で、新たなスキル解放とか書いてあるけど前回のアップデートだってすべてのスキルが分かってないんだから判断のしようがない。

アイテムも追加されているっぽいけど……どれくらい増えるんだ?

アップデート内容は前回よりは少ないっぽい? まあ俺が不参加の二番目の波の時も似た感じだったし、こんなものか。


と思ったけどユニークスキルの追加実装とデカデカと表示されている。

シークレットスキル以外にユニークスキルも増えるのね。

ユニークスキルといえばフィーバールアーがそれか。


「それぞれゲーム内で一人しか習得できない12のユニークスキルを実装ですか」

「わーなんか燃える感じの要素が入ってきたー」

「普通のVRMMOとかだったら炎上モノの要素がぶっこまれるわね」

「ログアウト不可のセカンドライフプロジェクトならではの要素ということでござるか」

「どっち道、嫉妬とか凄いだろうけどな」

「……」


みんな思い思いにユニークスキル実装の項目を確認している。


「問題はシークレットスキルも多いからどれがどれなのか判断し難いのだけどね」

「全部覚えきれないよな」

「まだまだ私たちはすべてを理解しきれていませんね」

「だからこそ楽しいんじゃん。全部が分かったらお姉ちゃんに持ってかれるし、飽きる頃にお兄ちゃんにボコボコにされちゃうよ」


まあ確かにそのパターンがいつもの流れだ。

それに飽きっぽい紡からしたら新しい要素と隠されたスキルは継続力になるんだよな。


「絆さんの根気は参考にすべき所でしょうね」

「この子は極端すぎるのよ。前にやってた農業が必要なゲームなんて紡は元より私も投げだす程の面倒なシステムだったのにずーっと遊んでたし」

「お陰で農業要素でLvアップする所だけをやってもらってゲームクリアできたけどね」

「流行っている頃に絆が作った作物のリザルト画面をゲーム仲間に見せて驚かれたわよね……極めてる、頭おかしいって。農家出身の人も驚いてたわ」


硝子が俺の方をキョトンとした顔で見てくる。


「絆さん、農業もできるんですか?」

「別のゲームでだよ。今の俺のソウルライフは釣りだから」


処理落ちするまでやり込んだゲームの話などされても今は釣りをするのが目的なのだから関係ない。


「さてさてー今回もお楽しみボーナスアイテム支給ー」

「きっと絆殿はエネルギーブレイドの拡張アイテムでござる」


こら闇影! そんなお約束みたいにフラグを立てるんじゃない!


「そうはならないことを祈ってー! 報酬チェーック!」


スロットがくるくると回るー!

釣り竿と魚が気になる! 何が手に入るんだー?

なんにしても当たれ!


「ペーン!」


どこからともなくリール内にペックルが現れて止まって行く。

いや、お前らいらないから!

やがて三つ共にペックルで止まった。

ステップアップ! 何かステップアップ!

とは思ったのだけど……何も起こらず確定したようだ。


――ペックルハウス獲得!


ユニークスキル

控えめに言って何を俺は貰ったんだ?

ペックルハウスってなんだ!?

とにかく、支給されたペックルハウスというアイテムを確認してみる。

人形の家? ペックルの笛と反応している。


「絆殿、それが当たったでござる?」

「ああ。正直よくわからん品が当たった」


ぶっちゃけ外れ枠だろ。

と、思ったんだけどこのアイテム……特殊アイテムだ。

マジックアイテムって書かれている。

取引不可だ……捨てることもできないし面倒くさい。

島主指定の支給品か?


「ではちょうどよかったでござる。はい。絆殿」


って闇影がコスト低下アダプター・エネルギーブレイドアタッチメントというパーツを渡してきた。


「お前……」

「拙者が当たったので絆殿にプレゼントでござるー」


エネルギーブレイドの拡張がどこまで行くんだ?

ご丁寧に拡張もアップデートで増えてるっぽいし。

と、思いつつしょうがないのでセットする。


高密度強化エネルギーブレイドアタッチメントⅤ


お? 解体刀とドリルとかが可変範囲に入っている。

試作より発展して使いやすくなったのか?

ただ、釣り竿はまだ無い。

振り込めるエネルギーに対して攻撃力が増加したっぽいな。

ここぞとばかりの時にしか使わないので後で実験が必要だけどな。


「絆さん、報酬はどうでした?」

「硝子は?」


俺が教えた後に硝子も実は教えてくれていたのだけど今回は硝子が先に教えてほしい気分だ。


「天露の糸という糸が手に入りました。釣り糸に使えるみたいなので釣り竿に使おうと思います」

「おお! いいなー!」


素直に羨ましい。

くれないかな?

期待の眼差しを送る。

俺のペックルハウスと交換しようぜ。

仕様の所為でできないけどさ。


「絆殿が露骨に硝子殿にせがんでいるでござる」

「すみません。取引不可品みたいで見てもらうことは出来ても私しか使えないようです」


うへ……こういった代物こそ欲しいのにな。


「ちぇー……」

「絆さんは何が出ました?」

「よくわからないペックルハウスって人形の家っぽいアイテム。なんか騎乗ペットみたいに拡張項目があるけど……武器なのか何なのかすらわからない」

「試しに使う……にしてもドールハウスみたいでわからないでござるな」


だろ?

って思って地面に置くとムクムクと膨れ上がり……どう見てもペックル型のドーム状の建物になった。


「シェルターね。テント枠のアイテムって事か」


奏姉さんが大きくなったペックルハウスを見て冷静に答える。

扉には……ペックルの笛が差し込めそうな穴がある。


「……」


穴にペックルの笛を差し込むとガチャリと扉が開いた。

中はそこそこ広く、ペックルで彩られた装飾が施された部屋だった。


「アハハ! お兄ちゃん。なんていうかどんどんペックルマスター化してきてるね! ペンペン」

「やかましいわ!」

「どこでも休めるという事でしょうかね。これがあればある程度は寝泊りが楽になるかもしれませんね」

「そうだけど……」

「釣りをする際にあったら便利だと私は思いますよ? 皆さんはここで休んで扉を出たら釣り場です」


夜釣りの意味では便利と言いたいのか。

そう考えると悪い手じゃないかもしれない。

船とかが使えない所だと便利と……。


「問題はどこでも使えるのかってところだな」

「魔物の多いフィールドだと使用できないわよね。テント」


そりゃあ何時魔物がポップするかわからない所とかあるもんな。