「そのSSを撮ってみんなで作る本の資料にするんだ。ニンニン」
……俺のファンクラブを自称する連中であるのは何となくわかった。
隠れて見張っているのか。接触はNGでも隠れて見られるのは勘弁してほしいな。
かなり便利だな……本当に。気配察知も完備か。
あまり目立つ接近をしてきたら注意しようと思ったけど……新スキルを使って驚かせて見るか。
「ハイディング・ハント」
フッと俺が半透明になって移動する。
「き、消えた!?」
「絆ちゃん、目立ちたくないって事で姿を消すスキルを習得したのか?」
「それにしたって隠蔽系の難点である影やわずかな足音すらしてないぞ。俺の気配察知スキルでも見つからないって所を見るに帰還アイテムでも使って城に戻ったんじゃね?」
んー……結構隠蔽能力が高めの潜伏スキルみたいだな。足も少し早くなるのが分かる。
検証はこんなところで良いか。
とにかく、港の桟橋で釣りをしようっと、ファンクラブの連中を撒いて桟橋に到着した。
……一人で釣りをするのもなんだし、クリスとブレイブペックル辺りでも呼び出して一緒に釣りをしよう。
と、俺はペックルを呼び出して釣りを指示し、夜釣りに勤しんだのだった。
獲物事態はヌシとか大物は釣れなかったけれど、今までと特に感覚の変化はなく釣りをすることができた。
フィッシングマスタリーを再取得することの条件を満たしたし、取得すると前よりも釣り竿の動きのキレがよくなったような気がしてきた。
ちょっと腕が上がったような気分。
そんな感じで息抜きの釣りを終え、夜がかなり更けたころに俺は改めて城の部屋に戻り就寝した。
翌朝……奏姉さんが――蒸発した。
分業作業
『現在この方の電源が切れているか電波の届かない所にいるため、お繋ぎできません』
姉さんの姿が見当たらないのでチャットを送ったらこんなメッセージが帰ってきた。
「大きなブレイブペックルが召喚出来ない……姉さん、色々と気にかけてあげたのに恩を忘れて高跳びとはとんでもない奴だー」
「そうだそうだーお姉ちゃん酷いよー!」
俺と紡は姉さんが朝食を用意するはずなのにいない状況でそう発言する。
もちろん、違うことはわかっている前提でのネタ発言だ。
「えーっと……さすがに違うのではないでしょうか?」
「奏殿はそんな恩知らずじゃないでござる」
「……そう?」
しぇりるは工房に籠り切りだったから姉さんのことはあんまり知らないので反応に困る顔をしている。
挨拶はしたけどさ。
「まあ、絆君達の様子から考えてネタで言ってるように見えるから本気で答えなくても良いと思うよ」
「まあねー」
食堂で起きてくるはずの姉さんがいないために今朝は俺が料理をすることになった。
もちろん俺は昨日の夜に釣り上げた魚を焼いた焼き魚定食としてみんなに振舞ったぞ。
それと姉さんが作り置きしておいた品を数品。
「マジレスすると、アルトみたいに姉さんもついに昔のフレンドに呼ばれたって所かな?」
「だろうね。元々彼女には行方知れずのリーダーがいた訳だしね……おそらく彼女に呼ばれたのだろう」
「あ、その人と知り合い?」
「ああ、人柄は良いと思う」
ロミナの知り合いでもあるっぽい。
まあ、俺たちの中だとこの場にいないアルト以外で顔が広いのはロミナだもんな。
「絆くんも声くらいは聴いたことのある人物だよ」
「へー……」
「考えてみれば、どことのなく絆くんと似ている所があるかな」
誰だろ? パッと出てくる気がしない。
何にしても姉さんは行方知れずになったって事で、どこかでまた連絡してくるだろう。
後々アップデートで追加される場所にいるんだろうしな。
「それで絆くん。昨夜の放送で流れたユニークスキルは絆くんが取得したという話だったね」
「ああ、唯一スキルで狩猟具って名前だった。武器としてはこんな感じ」
と、俺は武器を取り出してみんなに動きを実践して見せる。
「武器チェンジの隙がほとんどないね。いろんな武器をコロコロ変えるお兄ちゃん向けって感じだね」
「確かにそうですね」
「武器の形状変更は硝子くんが持っている大鯰の扇子も似たような力は持っているけどね」
「より変化に特化した武器って感じかな。とりあえず初心者用って事だから強化なり強い武器に乗り換えとかできると思うんだけど、とりあえずロミナ、見てみてくれないか?」
俺はロミナに狩猟具のコアを差し出して見て貰う。
どうやら受け渡しは不可な装備品らしいけど、確認はできる。
「ふむ……なるほど、こんな独自ギミックのある武器が存在するのだね。唯一って事は絆くん専用の武器という事になるのだろうけど」
「アップデートを繰り返す内に廉価版みたいなのが出るんじゃない?」
「そんな元も子もない。ロマンに水を差してどうするんだい」
ロミナに注意されてしまった。
ノリに合わせないのは無粋かな、やっぱり。
「ちょっと羨ましいでござる」
「ほかに無いかみんなで探して取得すればいいんじゃないか? いろんなスキルを取ってたら見つかるかもしれないぞ」
「条件がかなり厳しそうだけどね。そこまで手広く器用貧乏と呼べるくらい取っていたのなんてお兄ちゃんみたいな人だけだと思うな」
「そうでござるな。やっぱりゲームの方向的に色々と手広くするのが大事そうでござる」
まだまだ考察の余地はあるって事かね。
運営的にはセカンドライフを売りにしているからプレイヤーが様々な経験をする事で有利になるかもしれない、みたいな感じなんだろう。
「お? どうやらこの狩猟具という武器の要となる器の部分も生産することが出来そうだ」
ロミナが色々と調べている間にわかったようだ。
「作れるって事は武器の量産ができるって事?」
作れるならほかのプレイヤーにも渡せそうだ。
唯一スキルとはなんだったのか? って疑問が脳裏を過るがロミナは首を横に振る。
「いや、ヘルプに追加されたのだけどどうやら該当スキルを所持した人物が依頼をした時のみ鍛冶画面に作成項目が出現するようだ。出来上がった武器も絆くんしか使えないという事だね」
うわ……他のプレイヤーを介しても俺にしか所持させない武器種って厄介だな。
カニ装備じゃないけど、完成品が簡単に手に入るのは金銭的に楽なんだ。
それに比べると必要な素材を集めて作ってもらうって作業は結構しんどい可能性が高い。
う~ん、ユニーク武器の難点って事かね。
「作成難易度も相当だね」
「厳しそう?」
「いや、これは非常にありがたい話で、私の鍛冶経験値が大きく稼げそうだ。願ったり叶ったりだよ」
おお……それは助かる。
「差し当たって……難易度が恐ろしく高いけれど一番強そうな狩猟具は魔王四天王素材で作る奴だね。ギリギリ絆くんと闇影くんが持ち帰った素材で作れそうかな。要にアクアジュエルがあってよかった」
「魔王軍侵攻イベントは硝子の方も快勝だったけど?」
「……」
しぇりるがここで沈黙しながら見つめてくる。
波で活躍したんだから気にしないでくれ!
しばらくはドヤ顔で固定でも良いからさ。
「生憎ドロップ品がギリギリ足りない。またどこかで素材を手に入れる機会があったら作ろう」
「私たちも色々と品は手に入れていましたけれど、足りないのですね」
「ここは運の問題だからしょうがないよ。四天王の再戦とか楽しみだね」
「そもそもの問題として四天王素材はそれぞれが権利を持ってるだろうしな……闇影、良いのか?」
俺と闇影が持ち帰ったとすると水の四天王素材だろう。
「拙者は問題ないでござるよ。絆殿の強化に使って下され」
「そうか?」
「激レア装備やスキルの試しと言ったら一種のイベントみたいなものでござるよ」
「あー、確かに」
滅多に手に入らない装備をギルドメンバーが手に入れたら見せてもらう的な奴だ。
狩猟具とか、まさにそのパターンだよな。
「作れるのは蒼海の狩猟具という武器のようだ。早速作るとしよう。子飼いにしている鍛冶仲間と連携してすぐに作るので待っていてくれたまえ」
という訳でロミナは工房に行き、知り合いの職人を集めて早速武器作りを始めてくれた。
「よーしみんな! 今回は非常に珍しく難しい武器作りだ。一緒に連携して作り上げよう!」
「何を作るか見当もつかねえけどすげぇ予測が出てるのわかるぜ」
「声を掛けてくれてありがたい!」
「ユニークスキル獲得者って島主だったんだな」
「よし! 行くぞー!」
鍛冶職人としてトッププレイヤーであるロミナが声を掛けて職人が集まり、カンカンと鍛冶仲間同士での連携ミニゲームが始まって行く。
俺達は技能持ちじゃないのでどんなことが行われているのかよくわからないけれど、各々担当で何かを打ち込んでいる。
凄い集中力でロミナが持ち込んだ素材が形となっていき、並列で別の職人がパーツを作りだしていく。
「そういえば日本でも昔、分業作業で鍛冶は行われていたそうですよ」
「鋳造に始まり、鍛冶、刃付け、柄、組み立てから銘を付ける作業とかでござるな。生憎拙者もそこまで詳しくはないでござるが」
「へー」
「……みんなで作ると作成難易度が下がって失敗のリスクが減る。専門じゃなくても作れるものが増える」
しぇりるがそんな補足をしてくれる。
この辺りも連携スキルの凄い所なんだろうな。
人間一人でできることは色々と限界があるって事なんだと思う。
やがてロミナたちは鍛冶を終えて武器が完成したようだ。
蒼海
「おお……こりゃあ良い鍛冶経験値になったな」
「ロミナ、サンキュー。アプデ直後にここまで経験値を稼げるって助かるぜ」
「それはこっちの言葉だな。私からも礼を言う。まだまだ作るからな! お前ら!」
「おうよ!」
と、鍛冶師みんなが作業を再開する中、ロミナは俺達の方へとやってきて青く透明な水晶玉みたいなものを俺に差し出した。
海の青さを閉じ込めたようなきれいな青い……うん。すごい代物だって一目でわかる。
装備スロットにつけた奴がそのまま反映はされているっぽい。
蒼海の狩猟具 ☆
□(銛専用スロット)
■武奈伎骨の釣り竿
■青鮫の冷凍包丁<盗賊の罪人>
■高密度強化エネルギーブレイドアタッチメントⅤ
専用効果 水属性強化 銛カテゴリー武器倍率アップ 蒼海の導き
これに切り替えるだけでガクッと全武器の性能が上がるみたいだぞ……単純に凄いという言葉しか出ない。
スロットが増えているなぁ。
語彙が貧弱に思えるだろうけどそれだけ強化された品って事だ。
ただ、この狩猟具はどうやら銛と相性がいいみたいだ。
専用のスロット枠が増えている。
銛か……確かに銛の方が海の狩猟感あるよな。
しぇりるのお古の装備とか貸してもらうと良いかな?
そう思った所でロミナが察して河童素材で作った河童の銛という武器をオマケで渡してくれた。
これを使えって事ね。河童の銛をセットしておく。
「とりあえず一番強いのを真っ先に作った。後は君が私たちに依頼したという事で作れる物は一気に作らせて貰う。経験値を稼ぎたいので頼まれてくれ」
「わかった。どんどん作ってくれ」
「うむ、感謝する。出来上がったものは城の倉庫に入れておくので君だけの装備だけど好きに取り出してくれ」
「ありがとう」
「何となくだが……まだ強化発展するような気配がある。素材が揃ったら強化しようじゃないか」
「そんなことまでわかるんだな」
「ツリーが見えるのでね。該当素材が判明すればできるはずだ」
よくあるゲームのパターンだな。
今の段階で相当強力だというのに恐ろしい話だ。
「では私は作業に戻る。また来てくれ」
そう言ってロミナたちは作業に戻ってしまった。
「じゃあ邪魔したら悪いから行こうか」
「ですね。出発しましょう」
「どこへ行くでござる?」
「アップデートで行ける場所が増えた訳じゃないんだよねー」
そこなんだよな。
波は終わったけれど大規模な拡張が行われたわけじゃない。
それなのに波に備えた準備って事で今までの狩場を巡って実績は稼いでいる。
「魚竜を倒しに行くのと……ミカカゲ辺りで稼ぐのとどっちが良いかって所か、カルミラ島のダンジョンの更に深い所に挑むのも良いな」
初期化されてしまったフィッシングマスタリーの熟練度自体はカニ籠回収でサクサクと取り戻せる。
アレはみんなに不評だったし、俺が個人的にやる予定だ。
主催者のアルトも居ないしな。
けれど今は狩猟具の実験をしないと始まらない。
「ミカカゲの奥が気になりますし、そろそろ本格的にクエスト攻略するのはどうでしょうか?」
「そう」
「サンセー。お姉ちゃんが居たら引き付けて耐えてもらうのにねー」
まあ……奏姉さんが陣形を意識して戦おうって色々とレクチャーしてくれたのに肝心の姉さんはほとんど一緒に戦ってないもんな。
「今の拙者たちからしたらそこまで苦戦はしないはずでござるよ。アプデで少しだけ上昇した熟練度稼ぎにも丁度良いでござろう」
「歯ごたえのありそうな敵と戦いたいね」
「まずは絆さんのスキルを試しましょうよ」
「そうだね。出発しよー!」
という訳で俺は新しい武器とスキルへの期待を膨らませながらミカカゲへと戻ってきた。
「手始めに実験として渓流辺りで戦ってみましょうか」
「そうだな。あんまり先に行くとどれくらい強くなったのか判断できないし」
ミカカゲで高速移動の乗り物に乗る際に目的地を定める。
河童を釣り上げることができる渓流に再度向かう。
この辺りの魔物が確かに手頃といえば手頃だろう。
他のプレイヤーもチラホラ見かけるけれど、狩場に困るというほどはいない。
そんなわけで赤鉄熊と早速遭遇したので俺は武器を取り出して構える。
銛はしぇりる程扱えないので手に馴染んだ青鮫の冷凍包丁<盗賊の罪人>でどれくらい攻撃力が上がったかを確かめるとしよう。
「それじゃあ絆さん、試してみましょう」
「おうよ!」
俺は接近してくる赤鉄熊へと意識を向けて構えたのだけど……。
「ガァァァァ……ァァァアアアアアアアア」
走ってくる赤鉄熊が異様に遅く……スローモーションで近づいてくるのに何度も瞬きをして確認してしまった。
なんだあの遅さ……バグ、ではないよな。けどいくら何でも動きが鈍重すぎるだろ。
振り返ると硝子たちは静かに見守っている。
俺がどれだけできるか期待している目だ。
とりあえずスキルを使わずにどれだけ行けるか実験しよう。
動きの遅い赤鉄熊に駆け寄って一振り。
スパ! っと軽い手応えがした後、赤鉄熊は一瞬でHPをゼロになって倒れてしまった。
「え?」
ズシンと倒れるポーズをとる赤鉄熊に俺は持っている冷凍包丁と赤鉄熊を交互に見てしまう。
「これは……」
「おー……」
「お兄ちゃんが異様に早く近づいて行って一撃で仕留めてたね」
「ブラッドフラワーか新スキルでござるか?」
「いや……普通に近づいて軽く振っただけなんだけど……」
硝子たちが何度も瞬きして驚きの表情を浮かべる。
「これは凄く強力なスキルだったという事ですね」
「お兄ちゃんの話だと単純に攻撃力が70%アップって話だけど、計算式の倍率の良い所なんだろうね。専用枠の武器にした訳だから元々強力な武器がさらに強化されちゃってる状態かな」
「……そう」
「装備ゲー感出て来たねー」
「もう絆殿は止められないでござるな。次の波が楽しみでござる」
桁違いの攻撃力を俺は手に入れたって事なのか?
硝子たちは類まれな戦闘センスで乗り切る所をスキルに頼り切った脳筋の一撃で赤鉄熊を普通に切るだけで仕留めてしまったと。
「と、とりあえず解体をしておくな」
赤鉄熊の素材を確保するために解体も行う。
サクサクと解体は出来た。技能が再取得になっているけど狩猟具のスキルに内包されている補正で全く困ってない。
「赤鉄熊が一撃では判断に困りますね。もっと奥の方で実験しましょう」
「お、おー」
って事で俺たちが行けるミカカゲの奥地まで到着し、出てくる魔物に俺は武器を振りかぶる。
案の定俺一人で瞬殺できてしまった。
「狩猟具ってスキルのぶっ壊れがすげぇ!」
何度か交戦してわかったのだけど、どうやら戦闘態勢に入ると俺に加速が掛かっているようで俺は周囲や相手がスローに感じるようになっている。
あれだ……システムでプレイヤー毎に認識できる時間を弄っているんだ。
硝子たちの1秒が俺には1、5秒や2秒になるような調整。
寝ると時間がすぐに経過したり、カルミラ島のダンジョンの5日が外では1日となる物と同じ代物だ。
単純にステータスにある素早さとかも反映されているのだろう。
運動神経の悪い俺でも硝子たちのように戦えるアシストが働いている。
「絆さんが一晩で達人の域になっちゃってますね。とても素早いです」
「スキルの恩恵が果てしないな」
「絆殿……火力が桁違いに上がりすぎでござるよ」
「お兄ちゃんの一人無双状態だよ」
本当にな。
ここまでぶっ壊れスキルを得て大丈夫なのか不安になって来たぞ。
「こんなスキルが無いといけないほどの敵とかが想定されてる可能性があると思うと怖いな」
今の俺基準で戦うべき相手が出てきたら怖いにも程がある。
ちなみに騎乗ペットは俺の能力に比例するので高速で動いてくれるぞ。
ペックルは別ステータスなので反映されていない。
「ちょっと怖い話でござる」
「後半は即死ゲームだったらスピリットは大変だね」
あー、ゲームあるあるだよな。
難易度が選択出来るゲームにありがちなんだが、難易度が高いというより当たったら終わりなのが結構あるんだ。
で、俺と硝子と闇影はスピリットなのでエネルギーを全損すると取り戻すのに途方もない時間が掛かる。
そうならないことを祈るばかりだ。
砂漠
「とりあえずお兄ちゃんが強くなったみたいだし、街で受注できるかなり難しい類の討伐クエストをやって先に行っちゃおうか」
「そうだな。歯ごたえって意味で行くと良いかもしれない」
「了解ー」
「絆さんがとても立派になって……私も負けていられませんね」
「システムに助けられてるんだけどな」
「インフレが激しいでござるよ。早く負けないほど強力な武具を見つけるべきでござる」
「この感じだと今回のアプデで色々追加されてるだろうしね」
「そう」
俺だけ性能が伸びすぎてるのは同意する。
とんでもない能力差だ。ユニークスキル様々だな。
とはいえ、こういうのって割とすぐに同等の装備やスキル、アイテムが出てくるんだよな。
職業のあるゲームとかだと派生職業が出てきて賑わうんだけど、追加装備を付けると結局既存の職業の方が無難、とかな。
だから最強感を体験出来るうちに体験して、クエストクリアや素材集めしておこう。
って事でミカカゲの湿地帯周辺で出来る討伐クエストを受けて高速で魔物を見つけては即座に倒して達成して行った。
「次はインスタンスダンジョンと鉱山にいるボスを倒して来いってやつだね。ただ……日も暮れてきたし今夜は一泊しようか」
「了解。じゃあ俺は設置していたカニ籠も採取して再設置してくる。宿に泊まるのとペックルハウスだったらどっちが良い?」
「温泉に入りたいし、キャンプは明日で良いでしょ」
「紡殿に賛成でござるな。今日は宿が良いでござる」
「そう」
「了解ー硝子もカニ籠の再設置ついてくるかー?」
「ご一緒します」
って事で俺達は湿地帯に設置したカニ籠の中身を回収したぞ。
お? ドジョウが入ってる。ほかにカタツムリ……タニシもあるな。
そのままゆでて食べるのは難しそうだ。
カニ籠を回収したおかげでフィッシングマスタリーが2まで再取得できるようになったぞ。