Wave of dimensions — страница 86 из 111

「いや、俺のこの姿は姉さんと妹の所為だし……本当は屈強な男アバター予定だったんだよ」

「それにしたってわらわ達を子供部屋おじさんと仮定して接するのはどうなんじゃ?」

「まあこの場にいる全員が実は子供部屋おじさんだったりする可能性もあるが……」


そういう展開も割とリアルにありそうだよな。

俺は子供部屋おじさんではないが、まあ二人に証明する手段はないしさ。


「なんじゃその地獄の様な絵面は……」


確かに。

傍から見たら結構笑えるが事実だったら地獄だ。

う~ん、中々面白い展開になったなぁ。

内心ちょっと笑っていたら手元が狂ってフィーバールアーが収穫後の田んぼの水路へと落ちてしまった。


「なんていうのかしらね……絆ちゃんって、こう……ずっと黙々と釣りをしつつ畑に関する助言をする所とか、今回の強化合宿も含めて思うけど、仙人みたいよね」

「じゃな……中身男という割には随分と枯れておる。初めて見るタイプじゃ」

「ノジャちゃんもあんまり騒ぐと子供部屋おじさんになっちゃうけど実際どうなの?」

「わ、わらわはリアルを話す訳にはいかんのじゃ。けど子供部屋でもおじさんでもないのじゃ」


色々と込み合ってるな。大変そうだ。

ヒョイっと引き上げようとした所でガクーン! っと今までで一番強い引きを確認した。


「お!」


ぐいっと竿を上げるとメチャクチャしなった。

この手応えは間違い無くヌシだ!

幾ら釣ろうと水晶湖に釣り竿を垂らしていてもヌシがいる場所に入らなければ意味が無いって事か!?

こんな水田跡に潜んでるなんて思うはずもない!

バシャバシャとヌシが田んぼの跡で抵抗を見せる。


「なんじゃ?」

「大物が引っかかった。この手応えはヌシだと思う」

「ほう……上手く釣り上げられそうかの」

「それはまだわかんない」

「きゃー! 白熱したバトルかしら? 白鯨を釣ったって話だったわよね絆ちゃん。生絆ちゃんのヌシ釣りよー!」


てりすがキャピキャピって騒いでる。そっちに意識を向けすぎると負けそうなんで後回しにしよう。

ギリギリとリールを巻きつつヌシらしき奴が行きたい方向とは逆に竿を振って戦う。

泥の中を泳ぐヌシらしき奴の引きの強さは驚きだ。

こんな場所に潜んでるヌシってのは一体どんな奴なんだと疑問は湧いてくる。

ヌシらしく、針と糸に攻撃をしているのが分かるし妙にヌルッとする奇妙な感覚で動き回っている。

だが俺の今の装備を侮るなよ。

俺が今装備しているのは蒼海の狩猟具にセットした武奈伎骨の釣り竿だぞ。

引きの強さ的にカルミラ島のシーラカンス・ラティメリアと似た相手だと判断出来る。

ならば俺に負ける道理はない!

モーターリールと電気ショックを発動させて引き上げる。

ブシャッと抵抗とばかりに泥から跳ねて姿を見せるが泥を纏ってパッと判断出来ない。


「なんじゃろうな?」

「泥臭そうねー」

「釣ったらボス戦闘とかあるのかのう?」

「釣って戦闘に――なったのは河童とかだけど、違うと――思う」


地味に抵抗するぞこのヌシ。ええい! 大人しくしろ!

直接攻撃する程じゃないけど抵抗しやがる。


「河童って……何処で釣ったんじゃ……又聞きで河童装備を聞いたが」

「サラッと当たり前のように絆ちゃん言うわね。てりす、そっちの方が気になるわ」


よーし、一気に畳みかけるぞ!


「フィッシュー!」


ぐもも……と、泥から引き寄せて出すと……そこから顔を出したのはヌシ肺魚プロトプテルス・エチオピクスと名前が記されて居た。

大きさが2.5メートルもあるヌシだった。

他の肺魚が50センチ前後だったので大きすぎ、というか別種だなコイツ。


「でっか! 暴れてた魚影よりもでっか!」

「魔物と見ても良いくらいの大きさじゃな」

「よーし、釣ることができたぞー」


これで俺の目的の一つは完遂したようなもんだ。

まさか田んぼの方に潜んでいたとはな。

しかし……幾ら肺魚と言っても泥の中だけに生息している訳でもあるまい。


「泥の中にとか……どんな配置をしたんだと疑問に思うが……もしや農業を設定されたプラド砂漠補正という事か?」


正しいか分からないけど畑や水田に釣り竿を垂らすと釣れるものなんかも出て来るのかもしれないという可能性が出てきたぞ。

水田は……釣れる可能性はあるからなー……水場だし。

何にしても水晶湖の水田に隠れてたって事だからこんなに時間が掛かったんだな。


「肺魚って確か夏眠する魚でしょー乾期でも平気って奴ー」

「その辺りの再現って事なのか? でも水晶湖の設定温度は春なんだが……」

「この魚ーなんかよく見るとラブリーな顔してるーキモカワって感じねー」


キャッとてりすがヌシの顔を指さして言ってるけどサイズが大きくて不気味って感じだぞ。


「中々のファイトじゃったな」

「んー……カルミラ島で釣ったシーラカンスと同じくらいだったかな」


実際、そこまでの強さじゃない。

釣り具が相当強力だったから糸が切れる危険とか無く、かなりごり押し気味に釣り上げられた。

顔文字さんの仲間が絶望したダンジョンの魔物の強さと同じ感じと言うのかな? 据え置きというか毛が生えた程度って奴は間違い無いだろう。

この場所に隔離されたまま新しい狩場に行けないのは確かにちょっと辛いかもしれない。

俺もまだ見ぬ魚を沢山釣りたいからなー。


「さすがに鍵とかは付いてないか」

「確か島主の時はブレイブペックルの部屋に入れる鍵が付いておったんじゃったか」

「顔文字さんは地面掘ったら出てきたんでしょ?」


楽に手に入ってちょっと羨ましい。

この辺りの難易度が軽いのか、運の判定か何かがあるのかはわからん。


「そうじゃな」


魚拓をしっかりととってーっと。


「らるくに見せてあげたいけどどうしようかしら?」

「さすがに持ち運ぶのは骨が折れるし、この開拓地から出て島の水族館に行けばヌシは登録されて見れるから後で良いんじゃ無いかな」

「そっかー後でてりすがらるくに教えてあげないとね」

「水族館。デートじゃな!」


おーらるくとてりすはリアルカップルらしいからそこはデートって事になるのか。

ヒューヒュー。


「えー……てりすデートするなら水族館より博物館が良いわー鉱石とか原石とか置いてある所が良いー魚見てもどう調理するかしか考えないもん」


わー、てりすに水族館はロマンがないのかー。

俺は水族館に行くとどう釣るか考えるのになー。

何にしてもプラド砂漠のヌシは俺が最初に釣ったぜ!


「じゃあさっそく解体と行きますかー」


と、解体して出てきたのは古代魚系の素材……やっぱりシーラカンス枠だなー。

少し型落ちで残念。


蕎麦



「さて……素材は手に入ったけど、ロミナに会うまでは倉庫入りかなー……」

「アクセサリーの材料に出来ないかしら?」

「クレイに頼んで薬などの材料になるかもしれんぞ」

「ああ、その辺りで良いか。古代魚素材って化石で代用できるし、必要なものがあったら使ってくれて良いよ」

「島主の装備はヌシ由来が多いと聞くがこのようにして装備を揃えておるのじゃな」


顔文字さんの質問に頷く。

俺の装備って大半が釣って手に入れた素材をロミナに加工して貰ったものだ。


「生憎、武器は難しいが防具の一部はブレイブウサウニーに頼めば作ってもらえるからそっちも確認すると良いかもしれん」

「へーブレイブウサウニーって防具作れるのか」


ブレイブペックルが細工と付与を使えたけどブレイブウサウニーも同様に技能持ちなんだな。


「奴は裁縫ができるぞ。だから服飾系は完備じゃな」

「じゃあ細工の時に一緒に居たらコンボ発生しやすくなるかもね」


確かに、技能的にてりすがやりたがってる細工関連に融通が利きそう。

ブレイブペックルと仲が良いらしいしコンボは発生しやすそうだ。


「難点を言えば作れる防具の種類が服限定でアクセサリーも一部といった所じゃが……しかもワンピース等一部の服ばかりしか作れん」


種類がそこそこ限られてるか、まあ利用しない手は無いかな?


「俺が着てるのはエンシェントドレスだけど何が作れるかね」

「後で確認じゃな」

「その場合、同種の装備だからなー……性能が似たり寄ったりなら誰か他の人に回すのが無難だなー」


誰に装備して貰うのが効率的かね。


「装備効果にフィッシングパワーが付いてるけど基礎性能は高めだったかな」


今だと少し型落ち感は否めないけど強力だ。

バランスアシストとか運動神経系へのサポートもあるし水泳もできる。


「服限定でしょ? となるとノジャちゃんかてりす、クレイさんとミリーさんかしら」

「戦闘で使うのなら被弾しそうな者が使うのが好ましいのう」


硝子が最近、釣竿を武器に使い始めたので選択肢として渡したいけど……仮に硝子が居ても着物を好んで着てるから難しいかな?

らるくと姉さんはー……一応、戦闘時は鎧装備か、姉さんは着ぐるみ着用が一番防御力上がるけどさ。

……ウサウニー着ぐるみとかもいずれはできるのだろうか?


「装備効果だけで見たら実用性は劣るけどな」

「そこは基礎性能で割り切るのも大事じゃぞ。装備に凝り固まるのは限度さえなければいいのじゃ」


お、どこぞの自称前線組とは異なり顔文字さんは結構大らかな認識のようだ。

効率だけが全てじゃない、すべてを楽しむスタンスは好感が持てる。

さすがは本物のトッププレイヤーだった人だ。


「そもそも島主の活躍を考えて装備に拘る次元じゃなかろうて」

「そうねー絆ちゃんの防具、基礎性能結構高いように見えるわよ。被弾を考えるとノジャちゃんかしらね。ヒーラーが倒れると困るでしょ」

「その辺りは相談してからで良いのじゃ」


って形で軽くヌシ素材の使い道を話した後の事。


「島主のわらわたちへの認識はこの際、気にしない事にするとして……明日はどうするかの。収穫も一区切りじゃ」


強化合宿によって作物を確保はある程度出来た。明日は残った作物を収穫するだけだがそれもすぐ終わる。

で、強化合宿の見積もりの最終日で時間が多少余裕がある段階だ。


「そのまま帰るでも良さそうだけど何かあるのかしら?」

「俺は別に帰っても良いと思うけど?」

「せっかくじゃし最下層のボスを倒して帰るのはどうかの? エレベーターで一瞬じゃ」

「え? この面子で倒せるわけ?」


俺と顔文字さんとてりすの三人でダンジョンのボスを倒せるのだろうか?

まあ……カルミラ島のダンジョンのボスであるドラゴンゾンビは硝子と紡の二人でも倒せたから難しい相手じゃないのかもしれないが。


「大丈夫じゃよ。わらわが注意を引く。てりすが魔法を使い、島主が適度に攻撃すれば倒せるじゃろう」

「そっか」

「ダンジョンのボスって何かしら?」

「デビルズドラゴンじゃな。ドラゴンゾンビの亜種のような魔物じゃったぞ」

「へー、ドロップや素材も似た感じ?」

「うむ」


なるほど、そこまで脅威じゃないに手ごろな土産って事で良さそうだ。


「それじゃ明日の収穫が終わったら行って帰ろうか。帰るだけだから……顔文字さんが日記を書き終わったら翌朝の出発時にてりすが日記を書いて交換日記は終了だね」

「了解なのじゃー」

「快適すぎて思ったより長く滞在しちゃったわ。てりすも結構、細工が出来たし文字通り強化合宿だったわね」


ちなみにダンジョン内での細工とかは手に入る経験値に補正が入って少ない。

実は釣りもそうだけどそこは数で誤魔化す感じだな。

顔文字さんがやっていた農業系の技能も同様だけど、上手く行ってなかったのでLvも低かったそうでそこそこ上がったらしい。


「農業って傍から見ると大変そうねーてりす、お百姓さんに感謝しなきゃいけないわ」

「まあ……手抜きでやるのにお勧めの作物も無くはないんだけどね。お手軽な奴」

「なになにー?」

「そんな簡単な作物があるのかのう?」

「蕎麦。アレってそこまで手がかからず成長が早い便利な作物なんだ。弱点は湿害くらいなもんかなー」


深く耕す必要もなく、成長も早い。

雑草とかを処理しなくても結育つ。

時期の合間に小麦とか植えられる。


「ほら、観光地ってどこも蕎麦屋があるでしょ? アレってどこでも育つから材料が仕入れやすいって所があるんだよね」

「そうなんじゃな」

「なんか奏ちゃんが言いそうな気がするんだけど、絆ちゃんに農業任せて蕎麦があったらそれだけ作ってそうよね」


てりすが俺のことを分ったように言ってくる。

まあ……効率だけ考えたら蕎麦畑を多めに作るのは間違いないかな。


「蕎麦もある程度は悪くないがずっとは困るのう」

「奏ちゃんの話だとカニバイキングの元締めは絆ちゃんって話だしねー。妹ちゃんが飽きるほどカニを食べさせられたって話を聞いたわよ」

「まあ、栄養偏ってもゲームだから死にはしないし」


ずっと魚を食べてたことだって俺にはあるからなぁ。


「極端なところがあるのは本当、奏ちゃんの弟さんなのが分かるわー」

「じゃな。ともかく、島主には今後も色々と教えてもらいながら色々と農業をしていくのじゃ!」


って事で俺たちの時間は過ぎて行ったのだった。



14日目・わらわ。

苦情を入れたが誰が子供部屋おじさんじゃ! 島主はもっと相手を信用すべきだと思うのじゃ。

っと注意するのはこれくらいにしてやっと稲の収穫が出来たのじゃ! 地上に戻ったら脱穀をしてお米にするんじゃな。

今から楽しみじゃ。

本当、米を作るのは大変なことなんじゃな。

わらわだけで農業をしようとしても中々うまく行かないもんじゃて。

作物は大分出来上がったのう。これで当面はウサウニーたちを動かすことができると思うのじゃ。

他の階層はそれぞれ四季が異なるので今度はそっちで強化合宿をするか考えねばならん。

まあ……ここはわらわが独自にするとしていくのが良いかの。

ともかく判明した事は、後作に相性の良い作物を植えると品質や成長が早まるボーナスがあるようじゃ。

後は島主の言う通り農薬は大事という事じゃ。無農薬では収穫量に圧倒的な差がある。

そして品質も安定して良いものが多かった。

実に有意義な合宿じゃったぞ。

子供部屋おじさんと言われた意趣返しとしてここに島主は己の事を男だと思っている幼女と思う事にするのじゃ。


15日目・てりす

そんな訳で最終日はてりすね。今、ノジャちゃんが最後の収穫をしている所を見ながら書いてるわ。

いやー日記外でも言ってるけど快適な生活だったわ。

きれいな水晶湖でのやりたいことだけやる生活ってのも悪くないスローな生活よね。

魔物を相手に戦うとかクエスト探しに夢中になるのも良いけどこういったゆったりとした時を楽しむのもこのゲームで大事なところね。

地上に戻ったら細工をもっとしていく予定だけどー……後は何をしていけばいいのかしらね。

家作りとかカルミラ島にあったような作業の手伝いはする事になると思うけど、この調子なら思ったより早く開拓は終わるかもしれないわね。

さてと……この後は最下層でボスを倒して帰るって話だし、強化合宿の感想をここに書いておくわ。

楽しかったわよー絆ちゃんたちの事を知れてよかったわ。

子供部屋おじさん扱いされたてりすから絆ちゃんへの仕返しは絆ちゃん、本当に男の子なのかしらね?

それくらい、一緒に居て男の子っぽさが無かったわー。

実はネナベじゃないのー? って煽っておしまい。


デビルズドラゴン

「うーむ……」


てりすに交換日記を書き終わって返されたので読んだ。

しっかりと二人とも日記内で俺への反撃をしてきている。

自分を男だと思っている幼女……なんとも面白おかしい返答だ。

とはいえ俺はしっかりと男だぞ、リアル。

俺のどこに男らしさを感じられないというのだろうか?

まあ、そもそも原因はこどおじ疑惑をふっかけた俺な訳だが……。


「じゃあ出発しようか」


俺は今までお世話になったペックルハウスを収納するためにペックルの笛を外してボタンを押す。

するとペックルハウスはドールハウスサイズまで収縮して収納することができるようになった。


「地上でも設置して使えないかしら?」

「出来なくは無いけどそんなに気に入った?」


簡易コテージだから最終的には建築した家の方が設備的には優秀な代物のはずだぞ?

まあ……キャラクターグッズ的な意味だと欲しいのかも知れないけど。


「時々泊まるのに楽しそうよねーって思うのよ」

「そうじゃな……島主無しの強化合宿をしたらこれが使えないと思うと辛いものがあるのう」


否定はしない。

いずれはここまで高性能なコテージ……シェルターが何処かで手に入るかも知れないが、今は手元にないわけだし。

何処でも泊まれる場所に出来るって点はかなり優秀な代物だったよなー。


「ともかく出発じゃな」

「サクッとボス倒していこー!」

「おー!」


っと、俺達はエレベーターに乗り込んでサクッと地下100階へと向かった。

直通エレベーターが出来てるんだなー。

チーン……と件のボス階層に到着。


「そういえばさ、このプラド砂漠を入手するためのリミテッドディメンションウェーブってどんなイベントだった?」

「迷いの砂漠を彷徨って進んだ先で妙な遺跡に入ってのう、そこの数々のトラップを潜った先にいた古代兵器コールドローンを倒したら貰えたのじゃ」

「へー……開拓終了後はここでもメモリアルクエストが出来そうだなー」


やっぱりカトラスみたいな優秀な武器ってのが手に入るのだろうか。

色々と闇が深い武器だけど……品の質は似たり寄ったりだからそこまでじゃないか。


「クエストは大事よね。てりすもらるくと一緒に攻略するわよ」

「俺もやる事あるのかなー」

「島主ならきっと初見突破可能じゃろう」


どうかな……まあ、カルミラ島の時は俺も偶然クリア出来たけどさ。


「ではボス戦じゃ」


っと顔文字さんが指さした先には玉座があって、その前にドラゴンの亡骸が倒れている。大きさはやっぱり15メートルくらすの大型ボスな見た目。

うん……ドラゴンゾンビの亜種ってのは間違い無いようだ。

俺は狩猟具を釣り竿に変えて弓代わりに使う事にした。


蒼海の狩猟具 ☆


□(銛専用スロット)河童の銛


■武奈伎骨の釣り竿


■青鮫の冷凍包丁<盗賊の罪人>


■高密度強化エネルギーブレイドアタッチメントⅤ


専用効果 水属性強化 銛カテゴリー武器倍率アップ 蒼海の導き


久々の戦闘での武器使用って感じだなぁ。

エネルギーブレイドじゃなくて別の弓矢を使うのも手だな。

問題は矢の確保が現状だと大変だから厳しいか。

ロミナが居ない環境って中々厳しいもんだ。

矢を自作しなきゃ行けない。

んー……やっぱ釣り竿と釣り具で代用するのが良いか。


「まずわらわがヘイトを取るからその後に島主とてりすは各々攻撃するのじゃ」

「わかったわー」

「了解、足りない人手は俺がペックルを呼び出して補充するよ。カモンペックル」

「「ペーン!」」


ブレイブペックルは地上に呼び出してるけど……大丈夫だろう。

こういうボス戦こそブレイブペックルの活躍所だし。


「わー絆ちゃんがいると足りない人員も補充出来るのね」

「島主……ソロで何処でも行けるのではないかの?」


……非常に悲しくなる事を言わないで貰いたい。

そりゃあカルミラ島での領主クエストをほぼ一人で一式達成した事あるけど、だからといって楽しい訳ではないぞ。

魔王軍侵攻イベントとかも闇影とペックルで遊撃隊が結成出来た。


「顔文字さんも……いずれそうなるさ」

「そうなんじゃろうなー……まあ、アヤツ等の相手をするのも面倒じゃと思っておったし心機一転するには良いかもしれん」

「あんまりNPC頼りにしてるとボッチになっちゃうから二人とも程々にすべきだとてりす思うわ」