確かに……色々と工夫をして燃えない糸を作って釣りにするのが良いだろう。
「マグマから顔を覗かせるタイミングで銛で突き刺して取るのはどうじゃ?」
「その手も否定はしないけど出来れば釣りをしたいな」
しぇりるだったらやってそう。
何にしてもあの溶岩内で跳ねている魚を釣ってくれる!
「じゃあ寄り道も終わったし帰ろう」
「そうね! 本当、有意義な強化合宿だったわね」
「じゃな! これからやっとわらわ達の開拓が始まるのじゃ!」
って感じにホクホクの期待に胸を躍らせた俺達はダンジョンから帰還したのだった。
一日考えた答え
「ただいまー!」
「ただいま戻ったのじゃ!」
「地上が懐かしいわねー」
と、俺達は地上に戻って拠点へと戻る。
「おっす、帰ってきたな。成果はどんな感じなんだ?」
拠点の工房前にはらるくと、オルトさん達がいた。
姉さんは……いないようだ。まだ何かしらの作業にでも行ってるのかな?
「成果は上々じゃ! 大量の作物を作り出せたのじゃ!」
顔文字さんがホクホク顔と言った様子で収穫した野菜の一部を握りしめて報告してくる。
「それは何よりだね。これでやっとウサウニー達を大々的に活動させられるね」
クレイさんもウサウニー達の食糧確保が出来て本格稼働が出来ると微笑んで居る。
「てりす、すぐに帰って来ると思ったら遅いじゃねえか」
「色々とあってねー。ちょっと荷物を置いてくるわねー」
「ったく、場所が場所だから連絡しづらいってのは分かるけど困ったもんだぜ」
お? この流れはアレだな。
俺はてりすと話しているらるくの元に近づく。
「ねぇねぇラルクラルク」
「ん? なんだ? 絆の嬢ちゃん」
「なんでNTRれたのか明日までに考えといてください」
すぐに帰って来るって話だったのにずっと一緒に水晶湖生活をしていたてりすを待つらるくに対するお約束のセリフだ。
ここでネタに走るのが俺達なのだよ。
ドヤ! っと思って言ったらなんからるくが軽く眉を寄せてため息交じりな態度を見せる。
怒髪天とかになるような奴じゃないと判断してから言った冗談ではあるが……軽いツッコミ待ちなのにマジレスか?
「それ……昨日、奏の嬢ちゃんも言ってきたぞ」
「なん……だと」
俺のセンスが姉さんと同じと言うのか。
「なんつーかさ……絆の嬢ちゃんって本当、奏の嬢ちゃんと血が繋がってるって分かるぜ」
くっ……姉さんに先を越されていたというのか!
らるくへ冗談を言って手痛い報復をされるよりもダメージが大きいような気がしてきた。
「あはは、絆ちゃん。お姉さんに先を越されちゃったわねー」
「く……」
てりすも冗談だって分かっているのか笑っている。
「そんな訳で今日がその明日だから絆の嬢ちゃんに一日考えた事を言うとしたら、生活が快適だったとか中々夢中になれる状況だったとかだろ? 楽しそうで何よりじゃねぇか」
うわー、おっとなー。
さすがは年上。なんだかんだで落ち着いた感じがする。
「当たりよー絆ちゃんの持ってるシェルターが凄くてね。ここの家より設備良いのよ。で、水晶湖でいろんな鉱石が採れるし鉱石の魚も居て地上にいるより有意義だったのよ。ほら、見なさいよ」
てりすがらるくに事情を説明しつつ手土産の原石を見せる。
「やっぱりそうか。成果は上々じゃねえか」
「でしょ? らるく達の方はどうなのよ?」
「絆の嬢ちゃんの指示した畑の浄化は大体終わったぜ。奏の嬢ちゃん達もすぐに来るだろ」
なんて話をしていると姉さん達がやってくる。
「あら、絆。帰ってきたのね」
「……」
姉さんとセンスが同じってのが地味にショックだ。
「大分経過は良さそうね」
「ある程度はって所かな。これでしばらくはウサウニー達を動かせるはず。色々と分かったシステムもあるし」
「検証もしてきたのね」
「まあね。それと帰りのついでにダンジョンの行ける最下層まで行ってきたよ。それで110階のマグマの中で魚が泳いでたから釣りをしたい所かな」
色々と手段が思い浮かぶし、てりす達の細工と付与に期待したい所か。
それと地上のオアシス回りの釣り場検証もしたい。
「ついでって割にかなりやりこんできたわね……やっぱりノジャ子がいると楽に潜れるのね。らるく達と少し潜ったけど三人でそこまで行けるとはね」
「その件じゃが、島主の戦闘能力は相当じゃぞ」
顔文字さんが収穫物を倉庫に収めて説明を始める。
俺がユニークスキル、狩猟具の所持者である事やペックルハウスに関する事などだ。
「ほう……新たに追加された件のスキルの話だね。君がそのスキルの所持者だったんだね」
クレイさんがうんうんと何度も頷いている。
「12のユニークスキルか。クエストで聞いた12の勇者って話があるがそれとの繋がりが大きそうだな。てりす」
「そうね。ぶっちゃけ、所持者がゲームの代表プレイヤーって事になるんじゃないの?」
「ありそうだな。しかし……絆の嬢ちゃん。そんなにも戦闘力高いんだな」
「元々の運動神経は姉さん達には及ばないけどな」
ここは本当の話だ。
システム的なアシストで加速が掛かるので一見すると反応速度が高く見える。
実際はリアルの時間が数日だけどゲーム内時間はとてつもない時間に感じるシステムの流用だろう。
俺の感じる時間を加速させているに過ぎないんだと思う。
「取得は相当難しいようじゃがな。似たような放送はあったかの?」
「生憎と聞かないぜ」
まだ俺以外の所持者は見つかって居ないのか。
「実績とか色々と手間が掛かりそうだし、やっていかなきゃいけねえとは思うが……どんなスキルがあるのか把握仕切れねえのが難点だな」
「無難に剣とか槍とかだったら良いんだけどねー」
「ふむ……」
ここでクレイさんが考えるように腕を組んでいる。
「あなた、何か心当たりでも?」
ミリーさんがそんなクレイさんに尋ねる。
「いや……ただ、現状としてブレイブペックルやブレイブウサウニーの所持する武器はユニークスキルに該当するのかと思ってね」
あー……確かにその辺りはありそう。
「絆くん、君は島主であるけどその辺りの心当たりはないかい?」
「えーっと……」
俺、その辺り所か釣り場関連以外は全部硝子達に丸投げしてて実は全く知らない。
ただ持ってこいとか採ってこいとかの島主クエストをやったに過ぎない。
「この子にそう言ったのを期待するだけ無駄よ。ゲーム開始からしばらく港で釣りをしてただけなのよ」
「そうだけどさー」
「でも河童関連のクエストを見つけたそうじゃぞ」
顔文字さんからの援護が入った!
ふふん! どうだ姉さん! 俺だってやる時はやるぞ!
「たまたまでしょ。何より釣りをしてないと見つからないクエストだったら引っかかって当然じゃないの。今尋ねられているのはブレイブペックルのバックストーリーでしょうが」
く……姉さんめ。何処までも俺の事を見透かして追求してくる。
「そういうのはアルトが調べてた」
島の図書館にバックストーリー関連の記述があるらしいけど、俺は全く目を通してない。
誰だってあるだろ。ゲームはプレイしてるけどストーリーはスキップしてるとかそういう奴!
「でしょうね。まあ私もそこまで目を通してないのよね。このゲームってその手のテキスト多いしクエストも無数にあるから調べてたら無限に出て来るわよ。期間限定クエストとかもあるんだから厄介よね」
確かに……リミテッドディメンションウェーブとかまさにそれだし。
「らるく、君はクエスト関連を相当調べていたはずだよね。心当たりは?」
クレイさんがらるくに聞いて居る。
「あー……ブレイブペックルに関する記述は確かにカルミラ島の図書館で見たぜ。赤髪の女に罠に掛けられたりしながら仲間と共に戦うって物語でしたぜ。ブレイブウサウニーはどうなんだろうな?」
「そこから12のユニークスキルに繋がるかって言うと分からないのよねー法則を組み立てるとブレイブと付くのが12匹いる事になっちゃうのよね」
確かにブレイブペックルやウサウニーの持つ武器がユニークスキルである場合は12匹もブレイブ生物が存在する事になる。
一箇所につき一匹だと開拓地が四箇所だろうという予測とは合わないしなぁ……。
「後々のアップデートで開拓地が8つ増えるとか?」
「さすがにマンネリが酷くないソレ?」
「無くは無いとは思うけど憶測の域を出ないだろうね。何にしても現状は参考にするのは厳しい所のようだね」
ミックス
「何にしても手探りでやっていかなきゃいけないって事ね」
姉さんがため息交じりに呟く。
まあ……こういう状況で一番適応するのは家のだと紡の担当だもんなー。
こう、知らないゲームを事前知識無しで上手くやっていくのは感覚派のアイツが一番なのだ。
姉さんは仕様を把握してから伸びるタイプで俺は単純作業をずっと出来るタイプだから。
スキル回りの未知を探るのにはそこまで向いては居ない。
俺が取得出来たのは釣りがしたいと色々と取っていった結果、偶然条件を満たしてしまったに過ぎない。
硝子達とも狩猟具から他のユニークスキルの考察をしたけど……やっぱり人によって意見が変わるもんなんだなー。
「絆、アンタが取得した狩猟具がキワモノ枠なのかそれとも別なのかって所もあって判断しがたいのよね」
「そこは否定出来ないよ。王道の剣や槍、弓辺りにユニークがあるかね」
「んー……その辺りはそれこそ無数のプレイヤーが持ってるから見つかったらすぐに取るプレイヤーが出て来るでしょ」
確かに……そんな王道武器だったら条件があっさり開きそう。
だけどいないのだからもしかしたら全体的に変わり種が特殊武器かも知れない。
「何にしても絆、アンタは戦闘組に組み込むのが良さそうね」
「えー……」
「えー……じゃない! 人型以外には有利なんだから貢献なさい」
「そうは言ってもな……現状は開拓なんだし戦闘はそこまで必須じゃないでしょ」
俺の返事に姉さんはやや考えて納得してくれたようだ。
「確かにそうなのよね……実に宝の持ち腐れね」
「下手に高火力過ぎると他プレイヤーから嫉妬を買いそうだけどな」
「絆、それは今更だから気にしてもしょうがないわ」
島主になったって所で既に嫉妬される立場よ、とか言われてしまった。
そんなー。
「そもそもアンタはペックルを大量に呼んで一人でも戦えるでしょ。ソロでも困らないのは便利よね」
「まあ……俺が戦える範囲でなら黙々とやるけどさ」
ああ、懐かしき姉達がやっていたゲームのLv上げ作業。
Lv上げが面倒なゲームを良く任されたんだよな。
レトロなゲームに多い仕様だ。
最近だとLvの上がりが早かったりしてそこまで必要じゃないゲームが増えた。
「考えて行きましょう」
「個人的には勘弁して欲しいなー俺がやりたいのは釣りであって魔物狩りじゃないってのに」
「狩猟具の所持者が言ってるんじゃないわよ」
ああ……なんかモンスターをハンティングするプレイヤーキャラクターの気分が分かってしまったような気がする。
「島主のスキル説明はこれくらいにして、今回の合宿のお陰で物資は大分増えたのじゃ!」
「そうだね。じゃあノジャはこの作物でどうするんだい? シードメイカーで種にするかい?」
「そうじゃな。一部は種にするとより上位の作物に出来る様じゃな」
工房の一角にあるシードメイカーで顔文字さんが確認をすると上位の作物の種にすることが出来る様だ。
「む? 技能が上がったお陰で色々と機能がアンロックされたようじゃぞ」
「へーそんな機能まであるのか」
結構やりこみ要素が組み込まれてるんだなぁ。
「ウサウニーを動かすだけならカブとかすぐに実る奴を使うだけでも良さそうだけどね」
「確かにそうじゃが手広く覚えたいのじゃ」
「まあ……その手のスキルの能力アップは種類になるもんなー」
同じものだけやっていけば良いって訳じゃ無いのがこのゲームの特徴だ。
効率良く同じ魔物を倒せば良いだけでは無いってのと同じ。
ウサウニーの運用はそうでも作物はそうじゃない。
「じゃあ地上の畑の管理になるか、後は作物のミックスだけどこれって品種改良になるのかな?」
「そのようじゃ。ふむ……特定の作物を入れることで新たな作物の種に変換する事が出来るのと、交配させるミックス機能があるようじゃ」
前者はカブとジャガイモを入れて別種のトマトに交換するみたいな感じで、後者は現実じゃ不可能なスイカとメロンを合成させてスイカメロンにするとかそんな感じの代物らしい。
ただ、決まった組み合わせじゃないと行けないようで奇怪なキメラ作物を作るのは現状無理なようだ。
この辺りは……さすがに俺の管轄外だなぁ。
知っている作物の育て方なら助言が出来るけどさ。
「奥が深そうな要素だな」
「そうじゃな」
「薬草類の栽培もお願いしたいね」
ああ、農薬関連でポーションとかクレイ達に作って貰う事になるからなぁ。
ダンジョンのドロップとかで誤魔化すのも限度がある。
色々と薬草類は植えられるようだ。
マジックオニオンも薬草に使えるとの話だ。
料理にも使えるけどメインは調合って所だったんだろう。
「地上でも作物を育てて行くのじゃ! ダンジョンでは手に入る経験値が少ないからのう」
「数で誤魔化したけどそれも限度があるだろうからなー」
何より種類を増やさないと話にならないわけだし、他の季節での作物も重要だよな。
ウサウニー達には開拓業務、土地の整備から建物の建築を頑張って貰わないとペックルの能力も発揮出来ない。
「そんじゃ巣穴で休眠しているウサウニー達に作物を与えて開拓を進めて行くのじゃ!」
って事で顔文字さんは早速ウサウニー達に作物を配って動かす。
やっと開拓開始って感じだな。
ウサウニー達が土地の整備を始めプラド砂漠は開拓が再開し始めた。
「で、絆。てりすさんが言ってたシェルターが気になるわね」
「……」
姉さんの詰問に俺はやむなく地上でもペックルハウスを設置して使う事になった。
こう……地上の住居は確かにあんまり文化的じゃないもんな。
石作りの無骨な家で言っては悪いけど住居の質が悪い。
ペックルハウスは三人くらいが限界だけどさ。
って事で開拓兼、農業は顔文字さん主導で俺が時々助言という体勢で進める。
まあ助言と畑の様子を見るだけで良いのでそこまで苦労はないか。
水やりはスプリンクラーが使われているし。
この辺りはじょうろで水やりをしなくて良い分だけ楽かな。
そんなみんなが作業に入っている中、俺はオアシスの前に立つ。
「さーて! ここでもレッツフィッシングターイム!」
じっくりと釣りをするために面倒な農業基礎知識を顔文字さんに伝授しているんだ。
この時を楽しむぞー!
ちなみにオアシスには大量のカニ籠は既に設置済みだ。
カニ籠にはカニが入って居た。オアシスクラブって実在しない種類のカニっぽい。
見た目はシオマネキを大きくしたようなカニだ。
これも狩猟の一種なのか実績にはカウントされたけどさー……なんか納得し辛い。
まあ、カニ装備の本来の材料である魔物も海岸沿いの砂浜が狩り場だったし不思議じゃないけどさ。
他にイエローパーチがカニ籠に掛かっていたっけ。
後はサンドマイマイってカタツムリとサンドオオカブトってカブトガニみたいなゲーム仕様の生き物が入って居た。
サンドオオカブトは……なんかロミナに渡したら防御力の高そうな装備を作ってくれそうな位に甲羅が固い。
ロミナのペックルに頼んで鍛冶でもして貰うかな。
ウサウニー達に施設強化をして貰って居るから工房の性能が上がるのも時間の問題だろう。
「何が釣れるかなー」
オアシスの木陰から釣り竿を垂らすっていうのも中々乙なもんだ。
優雅にチェアでも設置して釣りに興じるのも悪くはない。
当面はみんなの技術を磨いてもらってマグマに垂らせる釣り具を作ってもらわねばいけない。
「……こう、先に仕事をしたら釣りをしていても良いって話にしたけど引っかかるわねー」
重ね装備
「おっとフィッシュー!」
グイ! っと釣り竿を垂らしていたら魚が引っかかった。
フィーバールアーはまだクールタイム中なので使用出来ない。
何が釣れるかなーと釣り上げる。
プラドオアシスコイが釣れた。
……オリジナルな魚が多いな。場所が場所だからか?
水場が少ないからだろうか?
他に何か釣れないかな? と水面に目をこらすと小さい魚影が確認出来る。
うーん……かなり小型だな。
投網とか使った方が早そうなのがいる。
とはいえ竿で一度は釣りたい。
仕掛けを吟味して小さい釣り針で挑戦してみる。
思いのほかあっさりと魚が釣れた。
「デザートパプフィッシュ」
これは実在しそうな魚っぽい。
ただ、さすがに俺もよくわからん。
サクサク釣れるけどなんか悪い気がしてくる。
他にピラニアとか釣れた。
なんで砂漠でピラニア?
ちなみにピラニアってイメージだと凶暴で群れで襲いかかって貪るイメージがあるけどそこまで噛む力は強くなく、臆病な性質で死肉を食べる魚らしい。
そんな感じで釣っていると変わった魚が釣れた。
「レッドテールキャットフィッシュ?」
なんかナマズに似た感じだけどナマズよりも大きめで背中には斑点のある尾びれが赤い魚だ。
「おや? その魚は」
ここでクレイさんが俺に近づいてきた。
「ヌシかと思ったら違ったけどちょっと大きめの魚だな」
「南米の方の魚がこんな所で釣れるとは驚きだね」
「あー……そうだな。ピラニアもここで釣れるし結構適当な所があるとは思う」
なんて言うかこのディメンションウェーブは魚の分布がよく分からない所があるのは否定しがたい所がある。
「とはいえレッドテールキャットフィッシュか……観賞魚としてなら知ってるよ」
「へー」
観賞魚か、ディメンションウェーブは生活に重きを置いている側面があるので魚を飼育する事も可能だ。
養殖とかもあるし、出来る事は多いんだよなこのゲーム。
「現地ではピララーラとも呼ばれていてね。人にも懐くから愛嬌もあって可愛いと飼って居る知り合いがいるよ。それと水族館とかでも展示されていたりする魚だね」
「へー」
結構クレイさんも詳しいな。
釣り仲間になってくれないのだろうか?
「絆くんは魚の飼育はしないのかな? 釣りが好きなようだけど」
「え? うーん……」
よくよく考えて見れば俺は基本、釣ったら解体したり食材にしたりとかする事が多かったな。
飼育ねー……なんか庭に錦鯉とかイメージだけど水槽で魚を飼うってのも趣味の一つか。
ペックルハウスに設置すれば何処でも世話は出来そう。
ただ、水槽自体は大きめの物が必要か?
あれか? ヌシとかも水槽に入れて飼育とかも出来るか?
「レッドテールキャットフィッシュは他の魚と同居は難しいけどね」
「そうなのか。んー……一応水族館を所有しているようなもんだからなー」
島の水族館に行けば釣ったことのある魚とか、持ってる魚を寄贈出来る訳でそれってある意味趣味で飼育しているような気もしなくもない。
「はは、確かに君は水族館を個人所有しているような状態だものね。お金持ちって感じだね」
社長らしいクレイさんに言われるのはちょっと堪える。
どんなブルジョアだ? と、俺だって思ってしまいそうだ。
「これってプラド砂漠のナマズ枠って事になるのかな……?」
カルミラ島の池のヌシはナマズだった訳だし、法則を考えるとあり得る話だ。