と言う感じで数日掛けて俺は砂海での釣りのコツを掴んだのだった。
砂海での釣りを終えて朝にオアシスへと帰還すると奏姉さんが朝食の準備とばかりに食材をキッチンで揃えているようだった。
「あら絆。朝帰りかしら?」
「うん。デザートシャークとか釣れる様になったからさ」
どうよ!
っと釣果を姉さんに見せつける。
ちなみに同じ釣り方でサンドシャークも釣る事が出来たぞ。
ちょっと釣りづらい感じで悪く無かった。
「ああそう。アンタは満喫してるわね」
「ふふん。ヌシだって釣ってやるぜ」
「砂海に居るのかしら?」
「さあ? 居なくても居るかも知れないで釣るのさ」
カルミラ島の海にはヌシが居なかったもん。
けど釣りを辞めたりはしなかった。
「別に良いけどね。てりすさんが来たら連携技でサッサと朝食作るから寝ずに待ってなさいよ」
「ウェーイ」
って感じにてりすが来るのを待っていると、寝起きではなさそうな様子でてりすがやってきた。
農薬ジャブジャブ野菜
「あら? 絆ちゃんおかえり」
「ただいま、てりすも徹夜ー?」
「うん。細工が楽しくてジャンジャン作ってた所よ。ゲームだけじゃなくリアルでも加工関連の技術習得に使えそうよねーってさすがに無理かしらー?」
てりすって凝り性な所があるみたいだ。
「ああ、そうそう。絆ちゃん用のルアーが一つ出来たわよーちょっと使い心地を確認して見てね」
「お? なになにー?」
と、てりすが俺にルアーを差し出してくれる。
大鯰のルアーと言うシンキングペンシルタイプ、巻かずに居ると沈むタイプのルアーのようだ。
これに付与効果で潜砂という代物が施されている。
「クレイがね。絆ちゃんが砂海で釣りをしているのならって溶岩での釣りが出来る様にするための実験でこう言った付与をしてくれたのよ」
「おお……」
「てりすの釣り系技能が低いから土台のルアーは拠点に居たブレイブペックルに技能でサポートをして貰ったんだけどね。このルアーを使えば砂漠でも水の中みたいにルアーを使えるんじゃないかしら?」
凄いな。砂の中に潜れるルアーって。
試しにセットして軽くキャスティングしてみると……すっとルアーが砂の中に潜って行ったぞ。
巻くと浮かび上がり止めると沈む……うん。普通にルアーとして使える。
「ありがとう。使わせて貰うよ」
「これで上手く釣れると良いわね」
「さっき釣って来てたみたいよ。コツを掴んだようね」
「あら? 一足遅かった?」
「姉さん。俺がやったのは釣り方の一つだからこれはこれで悪く無いよ」
こっちの釣り方で引っかかるのかも気になるし別の魚だって引っかかる可能性は大いにある。
このルアーで何が釣れるかと思うと中々楽しいじゃないか。
「しっかし……潜砂ねー……装備に使ったら砂の中にプレイヤーも潜って泳げるのかしら?」
「てりすも気になって聞いたんだけど装備類には今の所、付与できそうにないみたいよ? 出来たら面白そうよね」
「ペックル着ぐるみ辺りに付与出来たら砂の中を泳ぎ回るとか出来そうだね」
それはそれで夢はある。
「ゲームだからでしょうけど、発想は無限大ね。それはさておき二人とも朝食を手伝って頂戴」
「はーい」
「わーい」
そんな訳でプラド砂漠で料理技能持ちが揃って朝食の連携技を行ったのだった。
もはや日課になってきたなー。
ちなみにこの潜砂仕様の鯰のルアーを砂海で使用した所、デザートシャークが引っかかるのは元よりサンドアンチョビ、砂漠鯛とサンドゴーレムの欠片、砂漠のバラってのが引っかかるのが確認出来たぞ。
サンドアンチョビって……まんま砂漠仕様のアンチョビのようだ。海だと大雑把に網とかで捕れる魚だったかな。
砂漠鯛も似たような代物で鯛! って感じの食感だ。砂とか混じって食べづらいかと思ったけどそうでも無かったのが不思議だ。
デザートシャークの身は食用じゃないのになー……。
何にしても色々と釣れる魚が多くてプラド砂漠での生活も馴染んできたような気もしてくる。
硝子と再会するのが楽しみだなー。
そうして釣りに興じて更にしばらく経過した頃の事。
「島主よ。とうとう出来たのじゃ。どうやら――」
「お? 出来た? じゃあ姉さんを呼ぼうか」
顔文字さんが俺に報告をしてくれたので早速姉さんを呼ぶ。
「何よアンタたち?」
「ホラ姉さん。ご希望の農薬ジャブジャブ食材が出来たから見てくれ」
と言って密かに顔文字さんと一緒に研究していた野菜を姉さんに見せる。
実験に使ったのはトマトだ。そこにクレイさんに作って貰ったポーションをコレでもかと毎回使って育て……二世代ほど進めた所で目処がたった。
出来上がったのがこれだ。
ケミカルアシッドボムトマト
原種は普通のトマトだったが無数の農薬と度重なる交配によって凝縮され新たな種として確立した毒トマト。
強度な毒性を持ち、肌に触れれば火傷を引き起こす。
運用には注意が必要である。
品質 上質
まだらに黄緑やピンク、赤や紫が混ざった食欲を全くそそらない代物へと昇華された代物だ。
農薬漬けによって普通のトマトだった代物が品種変化を起こして出来上がったぞ。
「さ、姉さん。これが食べたかったんでしょ? 食べなよ」
「ちょっと、毒食材じゃないの」
「農薬ジャブジャブ食材と言っておったからのう。無農薬派だったわらわも今では抵抗はそこまでなくなってきた。これを作る時は大丈夫かと思ったものじゃ」
「途中から楽しそうな顔をしてたけどね」
俺と顔文字さんはフフフと笑い合う。
時々情報交換をしながら経過を確認してたんだよねー。
二人して楽しくなってきてた所だった。
もちろんクレイさんは知ってて黙ってたぞ。
「これ、どこまで行けるんじゃろうか? と面白くなってしまっておったぞ。まだまだ品種改良が出来そうじゃ」
数世代でここまで変化するってのは実にゲームって感じさせるけど、ここまでの代物にまでなると面白いというのは否定出来ない。
「ほら姉さん。遠慮せずにガブッと食べなよ。農薬ジャブジャブ野菜だよ」
「イヤよ! アンタたち限度を知りなさいよ。何よこの別種にまで至った代物は! 第一世代目じゃダメなの!? 何ちゃっかり進化させてから紹介してるのよ! そういうのを曲解と言うのよ」
姉さんがめっちゃ突っ込んで来るな。
言い分は間違って無い気はする。
農薬漬けの第一世代でも良いよな。品質が農薬漬けだったっけ。
「まだギリギリ食べれる判定っぽいよ。食べたらHPが割合で減るけど」
「だから食べさせようとするんじゃないっての!」
と、姉さんがメチャクチャ抵抗した。
「ああもう! 食べりゃ良いんでしょ! うおおおおおおおおおおおおおおおお!」
「あ」
って挑発してたら姉さんがキレて食べてしまった。
さすがに冗談のつもりだったのに。大丈夫か?
「あら? ケミカル飲料みたいな味ね。それから……う――」
モグモグとやけくそとばかりに食べた姉さんだったけど顔をこのトマト並にカラフルに変えてパタリと倒れてしまった。
どうやら死にはしていないようでその場で痙攣しているようだ。
後で味を聞いた所、口に入れた最初の風味は栄養剤でその先は失神して分からなかったそうだ。
システム的な再現って事なのかね。
とりあえずコレで懲りてくれれば良いが、姉さんの性格だからきっと別の事で懲りずに極端な提案をするだろう。
うちはそう言った血筋というか癖があるっぽいのを顔文字さん達に言われてしまっているからなぁ。
指示したのは俺だし、似たもの同士か。
「姉さん。アンタは一体どうしてそんな芸人みたいになってしまったのか」
別のゲームとかだとこんなポジションじゃ無く、割と優等生なのにディメンションウェーブでは芸人枠としてのポジションを確立してしまって。
面白いから良いけど弟としてはちょっと複雑な気分だ。
体を張ったネタに走りすぎだよ。
やる人そんな居ないよ。
こう……俺を見て面白いって人いそうだけどさ。
姉さんこそ動画配信者向けでしょ、今じゃ。
欲しい装備の為にホームレスして見た! とか動画タイトルで放送出来るでしょ。
今回は品種改良した農薬漬け食材を食べてみた! とかでさ。
みんな真似をしては行けません。ってテロップが絶対に出るタイプ。
むしろ危ない領域なので動画サイトでBANされるか。
「大丈夫かのう?」
「死んではいないみたいだし……どうしたもんか」
「回復魔法もしばらく受け付けないようじゃ。時間経過で解除されるようなので待つしかないのう」
とんだマイナス食材だ。間違っても料理に混ぜて良い代物では無いだろう。
「おや? どうやら奏さんに公開したようだね」
ピクピクと倒れている姉さんに気付いてクレイさんが近づいて来た。
実験成功と言う事にしておこう。
グリーンモンスター
「正しい運用は使い捨ての投擲武器じゃな」
「もはや爆弾と言えるのは否定しない。こぶし大のだと手榴弾か」
「状態異常が振りまけそうじゃ。間違っても食用では無いのう」
「奏さんも負けず嫌いな所があるね。無理なら無理と言って良いと私は思うのだけど……」
さすがのクレイさんも奏姉さんを見て苦笑してるぞ。
「もう少し栽培してクレイさん達の作る調合の素材に使えたりしない? もう農薬使わなくてもこの形で育ちそうだし」
ポーションの部分が種として取り込まれてしまったと言うか。
「作るのに苦労するポーションの途中を省けるよ。短縮素材の側面もありそうだね」
「運用としてはそっちが良いのかな? 実験で作ったけど損にはならないのが奥が深いね」
「工房の機材で配合したらどんな代物が出来るじゃろうか」
「本当、奥が深いなーまあ、釣りとかも奥が深いし網引き漁で攻撃に使える魚とか釣れたもんなー……」
「養殖業とかしておると似たような事が出来そうじゃな」
「俺は釣りメインで養殖は管轄外だからなー」
今度その辺りを実験すれば良いのかねー……個人的にはそれは別の人にやって貰いたい所かな。
「この区画は絆さんとノジャさんが随分と凝った代物を作って居る所だね」
「ああ、主導は顔文字さんで俺もなんとなくで助言してる所は大きいけどね」
農薬漬けトマトを実験的に作って居た区画は他にピストルプラントやショットガンフラワーの栽培も行われている。
種から植えて育てると人には攻撃する性能が無くなる仕様なようだ。
「交配したらピストルプラントはバルカンフラワーになったのう」
ああ、なんか物騒な進化してるね。
見た目同じなんだよな。
タマネギ型の花でね。
なんか下に弾倉みたいのが追加されてるけどあそこが種を作ってる所かな?
「危険な環境植物って扱いなんだろうけど、観賞用なのかねー」
見た目は確かにちょっと綺麗な気もする。
「どうなんだろうね?」
「色々と手広く栽培するのは楽しいのう。個人的には材木となるような植物も育てたいがそれは上手く行かんのが惜しいところじゃ」
結構大きな作物は作れるけど木に関しては土地柄なのか不思議と育ちが悪い。
「農業であって林業ではないって事なのかもしれないね」
「他の開拓地にメインであるかも知れないか」
「ありそうだね」
まあ、少なくとも残り二種があるから不思議じゃない……か。
「それでノジャさん。薬草類の栽培でお願いしたいのだけど良いかな? マジックオニオンだけでは足りなくてね。他にもお茶に欲しくてね」
「もちろんなのじゃ。最近は農業のLvも上がってきて色々と育てられるようになったからリクエストに応えれるようになったのじゃ」
なんか嫌な予感がする。
ここはしっかりと言わないと行けないとゲームで仕入れた農業知識と経験が警報を鳴らしている。
「良いけど何?」
「ミリーがミントティーがあると良いんじゃ無いかと言っていてね。作れないかい?」
「ミントは厳重注意植物。そこのトマトなんかの比じゃ無い程あぶない。育てるならプランターでしっかりと管理して育てて」
俺はここでしっかりと顔文字さんとクレイさんに注意をする。
「おや? 島主よ。随分と強めに言うのじゃな」
「そうだね。随分とミントを警戒してるようだけどどうしたんだい?」
「このディメンションウェーブがどれだけ植物に関するシステムを搭載しているか分からないけど、注意するに越した事は無い。ミントは畑に直植えは絶対にダメ」
連作障害を再現している程の面倒なシステムで動いて居るディメンションウェーブでミントを畑に直植えなんてしたらどうなるか分からない。
「そうなのかの?」
「ああ、ミントは環境破壊植物として注意されるほどに生命力が高くて下手に放置すると他の植物を全部枯らす勢いで育つ。駆除してもまた伸びてくるほどだ」
「そ、そんなにまでなのかのう」
「この警告をすると姉さん辺りはミントが取り放題って言いそうだけど世代を跨いだミントって風味も飛んで美味くないんだよね」
農家の人に聞いて失敗したミントで作られたお茶を飲ませて貰った事がある。
しっかりとしたミントティーとは質が全く違った。アレではただの苦いだけの水でしかない。
「さすがに最低限の保障をゲームだからしてくれるとは思うけど注意だよ」
「色々とあるんじゃな」
「なるほど……生憎植物関連は軽い概要程度しか知らなかったけどそこまで危険なんだね。私が知っているのはクズくらいなもんだよ」
クレイさんはクズを知っているのか。
「クズとな? それは罵倒やゴミの呼び名では無いかの?」
「植物のクズはマメ科クズ属のつる性植物で日本じゃ秋の七草に数えられる程の代物なのだけど海外ではグリーンモンスターって呼ばれる程に大繁殖して困らせてるんだ。それで都市が沈んだなんて言われている」
クレイさんの言葉に俺は頷く。
「葛って読むとそう感じさせないけどね。葛湯とか……葛根も漢方薬に使われるし、顔文字さんも聞いた事くらいあると思うよ」
「ほう……」
葛の葉とか、日本の陰陽師系の話じゃ聞くキャラクター名だろうから良い印象を持つけど繁殖力が凄いって意味で間違い無い。
「参考までに聞きたいのだけど他に危険な植物なんてのもあるのかい?」
「出来れば鉢植えで育てないと行けないのだと、お茶繋がりならドクダミ」
「ドクダミってお茶で有名じゃな」
「うん。アレも結構繁殖力が高くて地面に根を張るから取っても伸びてくるから駆除が大変なんだ」
「ううむ……お茶になりそうなモノは危ないのが多いみたいじゃな」
確かに、よく考えるとお茶とかで聞く植物が多いね。
「入手しやすいって意味でお茶として定着したってのがあるんじゃないかな? 他に顔文字さんが植えそうなのはシソ。和風ハーブなんて言われたりしてるね」
「シソもなのかの?」
「うん。シソ自体は虫が付きにくい植物だから悪くは無いのだけど、シソに付く虫もいるからそこまで実装されてるとイナゴの如く畑を荒らされかねない。覚悟を持って育てないとダメだ」
「うむ……やはり一度島主に聞いてからが良さそうじゃ。蕎麦が楽と言っていたのもそのあたりに詳しいからじゃな」
「まあね。まー……ウサウニーに勝手に食べて行動を指示させれば駆逐してくれそうだけどね」
ウサウニーの食欲が何処までしてくれるのかって点は気になる。
ペックルの場合は釣ったりして魚を確保しないといけないからな……あ、養殖した魚は勝手に食べるんだったっけ?
アルトにその辺り任せてたし、カニ籠で大量に魚を確保するから気にならなかった。倉庫に入れて設定しておけば勝手に消費してくれるし。
「趣味でガーデニングをしている友人がいるのだけど、色々と危険な植物があるのだね」
「見た目が綺麗だからって植えている人は多いね。しっかりと管理してるなら良いけど、注意しないと行けないんだ。クレイさんだとグレコマとかカラーリーフ系かなー?」
口頭で説明するのは難しいか。
「ここじゃさすがに藤とかは育たないし育てないだろうけど、あれもしっかりと管理が必要。キウイも似た感じで伸びるね。植物の生命力は侮れない」
「ほう……」
「あ、顔文字さんが植えそうなのだとブラックベリーとかラズベリーも注意が必要だね」
「ブラックベリーとな。確かにそれは育ててみたいのじゃ。ジャムにすると美味しいのじゃ」
この辺りは育てそうだもんな。ちゃんと注意して育てれば良いはず。
ノースフェラト
「上手く使えばよさそうではあるけど手に余る代物もあるのだね」
「うん。他に二人にとって身近そうなのだと、竹は言うまでも無く有名だね。結構生命力が高いんだよ」
「竹はタケノコが採れるので良いと思うのじゃが確かにここでは上手く育つか怪しいのう」
「地震にあったら竹林に逃げろと言う話があるけどアレはデマだと聞いたね。竹の根は横に伸びるんで地滑りを止める力はそこまで無いそうだよ」
クレイさんも豆知識を知っているなー。
「害は無いけど繁殖してるのだとナガミヒナゲシとかも外来植物だったっけ、春頃に道路沿いとかに生えてるオレンジ色の花がそれだね」
「なんとも……植物の生命力は果てしないのじゃ」
「さすがに妨害植物とかは生えてこないと思うけどワルナスビが出てきたら速攻で抜かないと行けない。間違ってもクワですき込んで駆逐はしちゃ行けない」
「悪いナスビかの?」
「うん。ナス科だけど毒草でもの凄くしぶといんだ。一見するとプチトマトに似てるけど食べれない。要注意で日本だといろんな所に生えてる。某国では悪魔のトマトなんて言われてるらしい」
「ほう……」
俺の解説にクレイさんがなんか苦笑し始める。
「いや、本当。絆さんは詳しいね。奏さんが農家を勧める理由が分かるよ」
「わかられても困るんだけど……」
知っているからって農家になれる訳でもないし、なりたいとは思ってない。
隠れた才能扱いされたら非常に困る。
「なんならゲーム終了後に口利きして上げても良いよ? 色々と巻き込んでしまっているのでね」
「いや勘弁」
金持ちとゲーム内で知り合ってそこから農家を紹介して貰って野菜作ってますとか何処かの特集で紹介されるような未来はな。
「そこは顔文字さんの方でよろしく」
「い、いや……わらわはちょっと……」
「ハハ、いつでも言ってくれて良いからね」
そんな将来は勘弁してくださいとしか言いようが無い。
「話を纏めるとミントなどはプランターで育てるのじゃな」
「うん。分からないのがあったら言ってくれればどっちが良いかは教えるよ」
「助かるのじゃ。そんな訳でクレイ、後でミントも植えるので楽しみにするのじゃ」
「お願いするよ。ポーション作りで幾らあっても困らないからね」
「ミントでポーションも作れるのか。そっちも出来る事が多いんだなー」
なんて話をしている内に姉さんの状態異常が解けて雑談は終わったのだった。
そうして……更に砂漠での日々が過ぎて化石掘りと砂海での釣りを楽しんでた頃の事。
『第四都市がノースフェラトが解放されたチュチュ! ここでは専用のNPCリスーカが雇用出来るでチュチュ! 第一都市の港から交易船が出ているからみんな挙って来てほしいチュチュ!』
って全体放送が聞こえてきた。
カルミラ島の時と同じ放送だな。
と言う事は新しい都市が開放されたって事でよさそうだ。
第四都市ノースフェラト……ミカカゲは第四じゃないのか。
まあ面倒臭いクエスト前提だし都市扱いじゃないのかもしれない。
しかし……まあプラド砂漠にいるからしょうがないけど新しい都市で釣りしたかった!
硝子! どうかお前がヌシを釣ってくれ! よく知らない誰かより硝子が釣って欲しい!
任せたぞ!
なんて思って居る所でみんなで話をする事になった。
「どうやら開拓地が一つ開拓完了したみたいだね」