「リスーカとか言ってたな。名前からしてリスかな?」
「だと思うのう。先を越されてしもうたな」
「そりゃあここが最後だし、開拓も最後でしょ」
「ここは頑張る所じゃな!」
「まあ、どんどん建てて行けばいいだけでしょ? 農業Lvは絆とノジャが頑張ってるし時間の問題じゃ無い?」
姉さんがぶっちゃけた事を言うけど、確かにそうとも言えるか。
「奇妙な作物を作り始めてるけどねー何が飛び出すかてりす気になってきたわよ」
「逆に言えば絆とノジャが土地持ちなんだし、後で勝てば良いのよ」
「奏の嬢ちゃん割り切ってるな。頑張らねえとな」
「色々と施設を作るのにマシンナリーとかやらないと行けないから大変だね。土地固有の施設に鉱石や宝石も求められるからカルミラ島とはまた別の町になりそうだよ」
クレイさんの説明に化石をクリーニングしているミリーさんが化石を見せてくる。
まあ……なんて言うか砂漠の都市みたいな場所になりつつあるもんな。
具体的には耕作地以外は有名なRPGの素早さが倍になる腕輪のある町みたいな感じになってきてる。
他に建物に宝石が埋め込まれていてキラキラした町になりそうなんだよな。
好きな人は好きそう。
こう……ジュエルの人が似合う町って感じ。
てりすが歩いて居るとしっくりくるんだよなぁ。てりすも目をキラキラさせてたし。
化石だけで作られた家は原始人のそれだったんだけどさ。
「開拓は順調って所ではあるね。城の建築もそろそろ出来る様になってくるよ」
「絆、アンタ開拓経験者でしょ? どうなのよ?」
「俺の時は必要な人材をその都度呼んで丸投げしてたからなー……建築の手伝いは多少してたけどそんな変わらないかな」
まずは俺だけ島に流れ着き、サバイバル状態で助けが来るのを待ったけど来ず。
しょうがないので開拓してたけどカルマーペングーが障害となった際に硝子を呼び、ルアーを取り返したくてしぇりる、事故でロミナを呼んじゃって、ダンジョン攻略を進めたくて紡。
城を建てるのに人員管理用にアルトを呼んでブレイブペックルがラースペングーになって戦力が欲しい&心配だったので闇影となった訳だ。
その都度問題があって呼んだ訳だけどプラド砂漠では農業が難しいので俺が呼ばれた。
で、その農業は軌道に乗りつつある。
技能も人員配置も顔文字さんとクレイさんが得意とする問題なんでこれ以上の障害は……無いに等しいな。
「じゃあ思いのほかあっさり開拓を終えれそうね」
「そうだね。後は……まあ、第四都市が開放されたって事なら近々ディメンションウェーブも来るか。ちょっと早いけど」
この前ディメンションウェーブが来たばかりだけど、都市解放がされたなら法則的にはありえそう。
「どうかしらね。決まった時期があるでしょうしまだ来ないんじゃない?」
「そこは来てから考えれば良い。どっちにしても俺達は免除だろ?」
らるくのセリフはもっともだ。
「ディメンションウェーブイベントに参加出来ないってのもちょっと虚しいんだよなー」
出来れば参加したかった的な感じでさ。
俺も参加させろと海に叫んだもんだ。
「そう思うなら開拓を真面目に手伝いなさい」
「それはそれ、これはこれだよ姉さん」
真面目に働いたもん。
「ワガママ言うわねー……」
「日々、顔文字さんとミリーさんの手伝いしてるもん」
「助かっておるのじゃ」
「ええ、これ以上を望むのは酷ですよ。私もそこまで手伝って居るかと言うと怪しいですし」
ミリーさんも結構謙虚だよね。
お金持ちは喧嘩しないとはこの事って感じ。
化石のクリーニングしてたら何か分からない化石を鑑定して解説をしてくれるし。
「ミリーさんと一緒に化石を合成して組み立てるのも中々面白いよ」
発掘した化石を展示台に二人でこうしたら面白く無い? ってオリジナルドラゴンの化石として組み合わせて遊んだ。
結構お茶目だぞこの人。
「娘と再会できたらあの化石も見て貰いましょう」
「喜ぶの?」
「おそらく喜んでくれるかと思います」
「ふーん……」
なんとなく中二っぽい趣味な娘さんらしいから恐竜も管轄か。
ちなみにミリーさんは始祖鳥とかの化石を組み合わせてブレイブペックルやブレイブウサウニーが騎乗する乗り物の骨格標本みたいなのを作ってたぞ。
組み立てるのは細工に該当するのかな? クリーニング以外に少し実績としてカウントされていたっぽい。
襲撃イベント
「アンタって本当……寄り道やサブイベント好きよねー」
「別に良いでしょ。後はウサウニー達の成長次第なんだし、ペックル達もウサウニーの成長に合せて機敏に動く様になってきてるじゃないか」
「まあ……そうね。ノジャも時々ダンジョンに潜って作物の研究をしてるみたいだし」
「与える作物でウサウニーの行動にボーナスが掛かるのがわかったのじゃ」
「へーそうなのか。ペックルも与える魚で変化したのかね」
「知ってなさいよ」
良いじゃないか。そんな極端な育成してないんだし。
おそらく誤差の範囲だぞ。
「あとはマグマでの釣りをするための道具が出来るのを待つだけさー」
「足がかりは出来てきているから近々渡せると思うよ。待っていて欲しいね」
「その階層近くで手に入れられる素材を使うと良さそうなのじゃ」
「サンプルとして目的の魚をマグマから入手出来れば良いかもしれないよ」
「ほー……じゃあ後で手伝いますかね」
「ともかく順調で何より、経過を楽しんで行こう」
「おー」
って感じ第四都市に硝子が釣りに行って先にヌシを釣っていることを俺は祈りつつ日々は過ぎて行く……はずだった。
その日は日課の夜釣りとばかりに砂海に出て釣りをしていた。
すると――なんか……闇夜の中で何かがこっちに接近してくるのを目撃した。
「なんだ?」
ダインブルグホーンソルジャーと言う名前のアリがぞろぞろと列を作ってオアシスの方へと歩いて行く。
よくよく観察するとアースリザードと言う魔物も混じっているようだけど……いきなりなんだ?
と言うか数が多いな。10匹20匹って次元ではなく無数にいるぞ。
けど隊列を組んで進む姿はなんとも妙な動きか。
アリの行軍と思えば違和感は無いけど。
「こりゃあ掃除が必要かな?」
と、武器を取り出して構えて近づくのだけど魔物達は俺に意識を向ける事無くオアシスの方へと歩いて行っている。
「とりあえず攻撃っと」
ズバァ! っとスキルにモノを言わせて斬りつけるのだけど、思ったよりもダメージが入らずに何度も切らないと倒す事が出来ない。
「ギィ!」
攻撃をしたら多少は反撃をしてくるのだけど距離を取ると優先順位がオアシスなのかそっちへと向かって行ってしまう。
「うーん……」
なんか嫌な予感がするな。
そう思って、片っ端から仕留めて居たらオアシスの方から警報とばかりにカンカン! っと大きな音が響き渡る。
『大変ですピョン! 謎の軍団によってオアシスの建物が攻撃を受けているピョン! みんな急いで迎撃をしてほしいピョン!』
ってサンタ帽子を被ったウサウニーからの救難信号が響き渡る。
「お」
少なくとも俺が見つけたアリとトカゲは行かないように仕留めて居たのだけど別方向からも来ていたようだ。
倒しきれない訳じゃ無いけど俺だけだと徐々にオアシス方面へと行かれてしまう。
一度顔文字さん達と合流するのが良いか?
するとポーン! っと顔文字さんからチャットが飛んで来た。
「島主よ。現在オアシスに謎の軍団が攻めてきておるが気付いておるかの?」
「ああ、絶賛交戦中。砂海に出かけたら見かけたから削ってる」
「それはどっちの方向じゃ?」
「今日は石切場方面で釣りしようとしてた所」
「ふむ……なるほど、そっち方面から来なくて助かったと思っておった所じゃが島主が抑えておったか」
「別方向からも来てそうだな」
「そうじゃな。現在南方面から二箇所来ておる。島主のを入れると三箇所じゃったんじゃろう」
「何かよく分からないけどイベントが発生してるって事で良いんだよな」
「そのようじゃな」
イベントを楽しめば良いのかそれとも困れば良いのか分からないけどやって行くしか無いよなー。
「わらわ達も応戦しておる。島主はオアシスに敵が来ないように継続して居てくれ」
「あいよ」
って所で顔文字さんのチャットが終わった。
『島主は東方面で魔物の進行を止めておる。他の者たちは西方面で応戦してくれなのじゃ』
って顔文字さんの全体チャットが流れてきた。
どうやらイベントフィールド扱いになっているっぽいな。
「じゃあザクザクと切らせて貰うか!」
少なくとも俺が何度も攻撃しなきゃ倒せない強さの魔物のようだけど、俺を無視して進んで行くので倒しやすいな。
けど……そこそこ数が出てくるぞ。
どうしたもんか。
って所でディメンションウェーブイベントみたいに地図が表示される。
A
B ↓
↓
C→→→ ● ←
↑
D↑
↑
E↑
1 2 3 4 5
Cの3がオアシスで矢印は……きっと魔物を現しているのだろう。
オアシス回りには畑や建築物が沢山ある。
なーんか嫌な感じがするな。
俺が居るのはCの5でそこで片っ端から俺を無視して進んで行く魔物を仕留めている最中だ。
ふと振り返るとオアシスの方から夜なのに随分と明るい光が放たれている。
あの光はあんまり良い代物じゃ無いな。何かが燃えている様にしか見えない。
しかもマップに表示される矢印は光を放っている訳で……。
「そろそろ……終われ! クレーバー!」
ザシュッとブラッドフラワーやクレーバーを放って進んで行く魔物達の掃除を終えた所で俺は急いでオアシスの方へと向かった。
「死の舞踏! こりゃあ随分とタフじゃねえか」
「バーストサンダーレイン! シャインレイ!」
「足止めをします! アイシクルプリズン!」
「敵を倒すピョン!」
「やるペン」
「一気に仕留めるデスピョン!」
「くっそ……」
らるくとクレイさんがウサウニー達とオアシスに近づくアリとリザードへと各々の武器で攻撃している。
無数の雷を立て続けに落す魔法と光の雨を降らせる魔法をクレイさんは使っていて、ミリーさんが魔物達を凍り漬けにして足止めを試みている。
ウサウニーとペックル達も各々クワなどの武器を持って攻撃しているな。
俺はそこに駆けつけて素早くアリへと近づき、クレーバーからの斬撃を放つ。
「オラァ!」
バシュン! と、数匹のアリを切り刻んだ。
「絆の嬢ちゃん!」
「絆さん!」
「おお……絆さんが来てくれたか。ノジャさんから話は聞いて居たけれどそっちの処理は済んだのかい?」
「ああ、ちょっと時間が掛かって悪い」
「いや、別方向から来ていたのを処理してくれていただけで十分だよ」
「姉さんや顔文字さんは?」
この場には居ない様だけど何処だろうか?
「ワラの嬢ちゃんと奏の嬢ちゃんはてりすと一緒に畑の方で戦ってる。どうやらアリは畑を攻撃するみてえでよ」
うへ。作物を狙ってくるのかよ。
目的はそれか?
「開拓イベントでこんなイベントは無かったけど」
「新規で追加されたイベントって事かも知れないね。とにかく今は掃除を優先しなくてはいけないね」
「ああ、眠れない夜になりそうかな?」
「どうだろうね。所で絆さん。連携技に覚えはあるかい?」
「ブラッディボムスプラッシュ、ブラッディレインって魔法とブラッドフラワーで撃てたな」
「おや、闇魔法。生憎とまだ習得出来てない奴だね」
闇影はその辺りの魔法を覚えて居たけどクレイさん達は未習得か。
「らるく」
「あいよ」
「バーストサンダーレイン」
「紅天大車輪」
バチン! っとラルクの鎌に雷が落ちる。
「「ライトニングホイール!」」
バチバチッとラルクが雷を纏って大きくなった鎌を振りかぶって三回斬りつける。
「「ギイイイイイイ!」」
すると魔物達が一閃に切られて派手なダメージエフェクトが発生し、仰け反る。
「連携技を使っても仕留めきれねえか」
「後は任せてくれ」
俺も魔物達へと攻撃してトドメを刺す。
そうして戦って少し経った頃……魔物達を倒しきる事が出来たのだった。
『今夜の襲撃は終わったピョン!』
タワーディフェンス
どうやら完全に敵の襲撃は終わりを見せたようだな。
「ふう……」
「お疲れ様」
「いきなりこんなイベントが起こって焦ったぜ」
「とりあえず被害状況の確認をしないと行けないね」
「ええ。絆さんはお姉さん達の方へ向かって下さい。協力ありがとうございます。私たちもすぐに向かいますので」
ミリーさんが姉さん達の居る方向を指さす。
「わかった。じゃあお先に」
と言う訳で俺は姉さんと顔文字さん達の方へと向かう。
するとー……うわ、畑の一部が破壊されて育てていた作物が台無しになってしまっている。
顔文字さんががっかりしてるだろうな。
「あ、絆」
「おお……島主」
「絆ちゃん。やっほー」
顔文字さん達を見つけたので軽く手を上げて合流する。
「いきなり襲撃って事で魔物が出てきたけど……畑の方はどう?」
「一部は壊されてしもうた。幸い一部で済んだがの」
「一体何なんだろうな? これは」
倒した魔物の亡骸を確認する。
アリの魔物、名前をダインブルグホーンソルジャー、それとアースリザード。土のトカゲか。
「ふむ……先ほど、ウサウニーは今夜の襲撃と言っておった」
「流れ的にまだ襲撃があるって事になりそうだな」
「新しいイベントって事なんでしょうとは思うけど厄介ね」
「クエストだからちょっとワクワクもしてきたのは不謹慎かしら?」
不謹慎かと言えば……どうだろうか。
ハプニングイベントって思えば良いのかも知れないけど。
「俺からするとマンネリになりつつあった開拓イベントに新しい要素が入ったとも言えるけど、顔文字さん達からすると困り事でしょ」
「そうじゃな。幸い大きな被害は無かったがの。ウサウニーに確認をせねばならんな」
「ああ」
という事でクレイさんとも合流した俺達は今回のイベントがどんな代物だったのかの情報整理をする事にしたのだった。
そうして顔文字さんを筆頭に色々と情報整理を行いみんなで集まって話をする事にした。
「今回の襲撃がどのような代物かが分かってきたのじゃ。ではクレイ」
「そうだね。ウサウニー達に聞いた所で分かったのは今後も発生するって事だね」
「やっぱりそんな感じなんだ」
「それでどんなイベントなのよ?」
俺と姉さんが顔文字さんとクレイさんに尋ねる。
「言ってしまえば防衛イベントじゃな、ウサウニーの指定指示の中に偵察という項目が新たに出現し偵察班というモノを出せる様になっておる」
「偵察ね」
「一定時間ダンジョンに行かせるのと同じように偵察に行かせられるようじゃ。サンタ帽子ウサウニーの説明だとこれで次に来る襲撃時間と敵の大まかな進路、数を把握する事が出来る様じゃな」
「偵察組の能力で把握出来る精度が変わりそうな項目だな」
「あるじゃろうな」
何処の戦略ゲームだろうか? とは思うけどマンネリにさせない仕掛けと思えば良いのかね。
アップデートの影響でカルミラ島の方でも起こってそう。
「それと敵を倒した際にわらわのアイテム欄に防衛チケットなる報酬が追加されおった」
「防衛チケット?」
「うむ……どうやら集めるといろいろな物資と交換出来る代物なようで、サンタ帽子ウサウニー曰く秘蔵のアイテムを出すピョンと抜かしておったぞ」
「そんな秘蔵アイテム、最初から出せって奴だな」
ゲーム独自の闇だよね。
こう……カジノとかで景品にある武器とかゲームクリア後でも通じるような代物があったりするの。
これを使って魔王でも何でも倒せ的な。
カルミラ島の水族館に魚を寄贈した際に得られるコインと似たようなもんだろう。
……そう言えば交換せずにここに呼ばれてしまったなぁ。
「しっかりと集めて一番良い景品と交換するか手近で使えそうな代物と交換するか悩む奴だね」
「わらわは貯めて一番良い物と交換するのが好みじゃ」
「おー俺もそうだなー」
ナカーマと言った感じで俺と顔文字さんがハイタッチする。
「はは、道中の冒険を快適にする方が便利だと私は割り切ってそこで使えそうな代物と交換してしまうよ」
「紡もそう言ったタイプだな。姉さんは初見プレイだと俺と同じで事前情報が分かってると紡と同じコースを取る」
効率を求める人だと一番では無く今便利に進める代物と交換するんだろうね。
最強装備と交換しても使う瞬間なんてほぼ無いなんて話が大半だから。
「この場合はどっちが良いかのう?」
「ノジャさんは最強を求めているのではなく開拓を終える事が大事だと認識しているよ」
「となるとクレイに一番良いと思う物を任せるのが良さそうじゃな」
確かにそうだな。
倉庫の肥やしとするよりも使って開拓を有利に進めさせるのが望ましいか。
「話は戻って一応偵察組のウサウニーを既に派遣させておる。どんな結果になるかはその時に判断じゃな」
「うん。わかったのはそれだけ?」
「いや、他にもあるのじゃ」
「まだ始まりの雑魚魔物と判断する相手なのに私たちが相当攻撃しなくてはいけない相手だったね」
「確かに倒せなくは無かったけど固かったわね」
「厄介よねーらるく」
「そうだな。絆の嬢ちゃんは単独で仕留めきったみたいだけどよ」
「絆ちゃんは火力お化けだから当然でしょ」
あー……顔文字さん達の基準で言えば俺って倍以上の火力を所持して居るからごり押しが通じるけどみんなはそうはいかないか。
まあ、なんかタフだなとは俺も感じていた。
「これをまだ未発見のイベントで遙か先のアップデートで出てくる魔物だから強いと判断するべきかと言う所だね」
「そこで報告なのじゃが、妾と島主が実験で育てていた畑の区画は他の被害を受けた畑に比べてほぼ無傷じゃった」
「その理由は何なんだい?」
「うむ。どうやらバルカンフラワー等が襲撃してきた魔物共を敵と認識して狙撃して倒しておったようじゃ」
あの実験植物たちが善戦したもんだな。
「アンタたちが悪ふざけで育てたアレがそんなにも強いの?」
「ダンジョン内に生えてる奴はそこまで強くねえよな」
「うむ、ここから考えられるのはそこまで多くないじゃろ? 何より、外界での最近のディメンションウェーブイベントを考えて見るのじゃ」
ここでてりすやミリーさん以外がどういった代物なのかの予測が付いたようだ。
俺もなんとなく分かってきたぞ。
「出てくる魔物にはプレイヤーの攻撃にダメージ耐性があって植物には耐性が無い……設置物のダメージが素通りって所と防衛戦って考えるとアレだよね」
拠点防衛をしながらタレット設置して進行してくる相手を殲滅するって。
イベント中も魔物達の侵攻先がマップに見えて居たし間違い無い。
「タワーディフェンスか」
「うむ。そうじゃろうな」
領地に侵入してくる敵を倒す事が目的で自軍のユニットを設置して対処するリアルタイムストラテジーって類いのゲームだ。
1ステージをウェーブと呼称する所からディメンションウェーブイベントでもそう判断されていた奴。
ユニットや設置物を設置して敵を倒して資源を補充しながら強化などをして敵が居なくなるとステージクリアとなる。
「魔物達は領地内の建物を目指して攻撃してきた。こちらは建物を壊されないように守るのが目的じゃろうな」